スタセリタ(Stacelita)は、2006年フランス生まれの競走馬で、現在は日本で繋養されている繁殖牝馬。フランスのオークスに当たるディアヌ賞を無敗で制し、古馬になっても活躍した。
父Monsun、母Soignee、母父Dashing Bladeという血統。フランス産馬ではあるが、父はドイツの大種牡馬で、牝系はドイツの土着牝系というゴリゴリのドイツ系血統である。
フランスのジャン=クロード・ルジェ厩舎に預けられたスタセリタは、日本でも色んな意味で有名になったフランク・ブロンデル騎手騎乗で2歳10月にデビューし、難なく快勝。イオリッツ・メンディザバル騎手が騎乗した年明けの条件戦では単勝1.1倍に支持され、スタートから先頭を譲らず2馬身差で逃げ切った。これ以降、しばらく本馬の脚質は逃げ・先行で固定されることとなった。
主戦となるクリストフ・ルメール騎手が初めて騎乗したロゼドメ賞(リステッド)を4馬身差で逃げ切り、5月のGI・サンタラリ賞(2000m)でも逃げて6馬身差で圧勝。4戦無敗のままディアヌ賞に駒を進めると、ここでも2番手から抜け出して4馬身差で快勝。デビュー5連勝でフランスの3歳女王となった。
夏の休養を挟み、秋はヴェルメイユ賞(GI・2400m)から始動。相手筆頭はプリティーポリーS・ヨークシャーオークスと連勝してきた4歳馬ダーレミだった。レースでは先行抜け出しを図ったゴール前でダーレミの末脚に捕まり、短首差の2位で入線したものの、ダーレミが5位入線した*ソベラニアへの進路妨害を取られて5着降着となったため、繰り上がりで優勝馬となった。しかし、ダーレミの斜行は元々スタセリタ陣営のペースメーカーだったボルベールという馬がスタセリタに道を譲った煽りを受けたものであり、表彰式では大ブーイングが飛ぶ後味の悪いレースとなってしまった。
続けて凱旋門賞に出走。このレースから鞍上はしばらくクリストフ・スミヨン騎手が務めることとなった。1番人気はここまでデビュー戦を落としただけの8戦7勝、2000ギニー・ダービーなどGI5勝のシーザスターズ。牡馬の一線級との対戦はこれが初めてだったスタセリタは、これまでのレベルを疑問視されたところもあったのか7番人気とそこそこの人気にとどまっていた。レースではペースメーカー2頭から離れた3番手を追走し、抜け出しから押し切りを図ったものの、残り200m地点で馬群を縫ってきたシーザスターズに一瞬で交わされるとそのまま次々に差され、結局7着に敗戦。デビューからの連勝は6で止まった。
3歳シーズンは6戦5勝だったが、凱旋門賞の結果がだらしないと見られたのか、カルティエ賞最優秀3歳牝馬のタイトルは英愛オークスを勝って牡馬混合戦の英チャンピオンSでも3着に入っていたサリスカ(6戦3勝)に取られてしまった。
4歳初戦はイスパーン賞(GI・1850m)だったが、中団からの競馬になったのが災いしたのかゴルディコヴァとの差を全く詰められず16馬身半差の4着に敗退した。しかしラ・クープ(GIII)では、スムーズに先行して馬なりで1馬身半差で楽勝した。
続けて初の国外遠征を行い、7月の英GI・ナッソーS(9f197y≒1991m)に出走。前年の勝ち馬である1番人気ミッデイをマークする形の競馬になり、直線ではミッデイがヨレる様子を見せたこともあって先頭に立つ場面もあったが、最後は差し返されて1馬身1/4差の2着に惜敗した。
フランスに戻ったスタセリタは8月のジャン・ロマネ賞(GI・2000m)に出走し、ナッソーSで3着だったアンタラにアタマ差で競り勝ってGI4勝目を挙げた。その後は凱旋門賞と同日のオペラ賞(GI・2000m)に出走したが、重賞2勝を含む5連勝と破竹の勢いであった同厩馬*リリーオブザヴァレーと激しい叩き合いを演じた末、3/4馬身差で2着に惜敗した。
年末には久々にルメール騎手を鞍上に迎えて香港カップに出走。好位追走から抜け出しを図ったが、残り200mを切った辺りで一杯になり、エリザベス女王杯をすんごい脚でぶっこ抜いたことで日本でも有名な英愛オークス馬*スノーフェアリーの8着と大敗した。
5歳時は6月のラ・クープから始動したが、スタセリタが休養している間に、これまでGIではさっぱりだった同期の騸馬*シリュスデゼーグルがガネー賞3着・イスパーン賞2着と成長を見せてきていた。*シリュスデゼーグルが1番人気、スタセリタは2番人気に支持され、6頭立てと少頭数だったのもあってかルメール騎手は後方からの末脚勝負を選択したが、*シリュスデゼーグルから3馬身1/4離された3着と完敗を喫した。
*シリュスデゼーグルはここから覚醒してこの年の最優秀古馬になるのだが、それはそれとしてスタセリタの方は新天地を求めたのかアメリカに遠征し、ユナイテッドネイションズS(GI・11ハロン)に挑戦。中団追走から直線入り口で先頭に立ち、最後は差されて3着だったものの、内容としてはまずまずだった。そのため、このレース後に正式にアメリカに移籍。チャド・ブラウン師の管理馬となり、主戦騎手もラモン・ドミンゲス騎手に替わった。
移籍初戦となった8月のビヴァリーDステークス(GI・9.5ハロン)では単勝2.8倍で1番人気に推された。ここでは逃げる*ドバウィハイツをマークするように先行し、直線で競り落として1馬身1/4差で快勝した。続くフラワーボウル招待S(GI・10ハロン)では単勝1.5倍の支持に応えて、最後方から3角でマクって先頭に立つと、そのまま2馬身差で勝利した。
こうして1番人気で迎えたブリーダーズカップ・フィリー&メアターフ(GI・11ハロン)だったが、ここではレース中に目に物が当たって負傷してしまい、ブービー10着に大敗。これが現役最後のレースとなった。エクリプス賞では最優秀芝牝馬を受賞した。
ラストランとなったブリーダーズカップの後に社台グループによって購入されたスタセリタは、療養のためしばらくアメリカに滞在し、2013年にスマートストライク産駒の牝馬を出産した。その後フランケルの仔を受胎して来日し、翌年に産まれたのがかのソウルスターリングである。
ソウルスターリングは母とタッグを組んだルメール騎手とのコンビで2016年にデビューすると3戦無敗で阪神ジュベナイルフィリーズを制し、フランケル産駒として世界初のGI馬となった。更に3歳となった2017年にはチューリップ賞を完勝し、桜花賞こそ3着に敗れたもののオークスでは巻き返して勝利を飾り、ルメール騎手に日本のオークス初制覇をプレゼントした。
また、2016年に産まれたディープインパクト産駒のシェーングランツも2歳時にアルテミスSを勝利。以降は重賞では振るっていないが、既に初仔*サザンスターズやソウルスターリング、シェーングランツは繁殖入りしており、今後の牝系の発展が期待される。
そして2022年、*サザンスターズがドゥラメンテとの間に産んだスターズオンアースが桜花賞を制し、オークスも制して二冠を達成した。母となったソウルスターリングやシェーングランツ共々、今後もこの血統に「黄色・黒縦縞・袖青一本輪」の勝負服の組み合わせが日本の競馬を賑わせることに期待するや切である。
Monsun 1990 黒鹿毛 |
Königsstuhl 1976 黒鹿毛 |
Dschingis Khan | Tamerlane |
Donna Diana | |||
Königskrönung | Tiepoletto | ||
Krönung | |||
Mosella 1985 鹿毛 |
Surumu | Literat | |
Surama | |||
Monasia | Authi | ||
Monacensia | |||
Soignee 2002 鹿毛 FNo.16-c |
Dashing Blade 1987 鹿毛 |
Elegant Air | Shirley Heights |
Elegant Tern | |||
Sharp Castan | Sharpen Up | ||
Sultry One | |||
Suivez 1990 鹿毛 |
Fioravanti | Northern Dancer | |
Pitasia | |||
Sea Symphony | Faraway Son | ||
Southern Seas |
掲示板
1 ななしのよっしん
2020/09/02(水) 01:34:44 ID: Ia3+Am9ZoB
流石に今時の馬だけあって対戦相手にも肌馬として馴染みのある名前が割といるな
リリーオブザヴァレーはヴァンキッシュラン、ドバウィハイツはリバティハイツを出してるしソベラニアからはシュヴァルツリーゼが出てる
2 ななしのよっしん
2022/05/15(日) 19:05:03 ID: QiuCZrPXSa
3 ななしのよっしん
2022/09/11(日) 01:46:33 ID: 6E6w118s0o
最近なんかお馴染みのSラインの牝系だけどそれにあやかってか日本産でも子供も全員Sからスタートしてるのね、孫もほとんどSだし
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最終更新:2024/04/24(水) 18:00
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