スターシップとは、アメリカの民間航空宇宙企業であるスペースX社が現在開発を進めている再使用型宇宙往還ロケットである。
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https://twitter.com/SpaceXStarship/status/1648750292739973121
ファルコン9ロケットで実績を積んでいるスペースX社が2015年以前から開発している大型ロケットで、宇宙船「スターシップ」と下段のブースター「スーパーヘビー」をセットにして打ち上げられる。
全長、最大重量共に世界一であったサターンVロケットを超えた史上最大のロケットであり、また第一段エンジンの数はかつて技術的困難もあり失敗したソ連のN-1ロケットの合計30基を超える合計33基のラプターエンジンを使用する。
最終的には惑星間探査を行えるように月及び火星へ約100トンの輸送能力を目指しており、一回の打ち上げコストも約14億円を目標にしている。
当初よりスペースX社CEOのイーロン・マスク氏は、個人的な宇宙計画として火星の有人探査と定住を生涯における目標としており、そのために元となる計画が世間に公表されたのが2012年である。
この時の火星探査構想に伴うロケット計画名が、「インタープラネタリー・トランスポート・システム(ITS・惑星間輸送システム)」と2016年に名付けられ発表された。
この時点で既にペイロード約100トン、ブースター直径約10mという目標が述べられており、基本的な構想図はこの時点で大まかに決まっていたようである。
初めは2015年に発表され、2016年に計画名が公表されたこの計画はロケットの直径約12m、再使用可能な宇宙船が全長約17mで、全段合わせて約122m、この時に使用を予定されていた「ラプターエンジン」は第一段に42基と、宇宙船に9基を予定していた。
しかし、2017年には過大であろうという事で、新たな計画に見直され、直径約9mと全長106m、エンジンも第一段に31基と宇宙船に6基と定められた。この計画は後に計画(BFR)を経て、今日のスターシップとなった。
ITS計画では、一段目及び二段目の再使用可能な能力、そして軌道上での燃料補給と、火星での燃料生産まで目指しており、使用する燃料は火星での生産を見越してメタンと酸素の使用が検討されており、打ち上げ能力は火星に約450トン、地球低軌道に約380トンを想定し、この能力を実現するために自社で開発するラプターロケットエンジンを予定していた。
宇宙船は2つを予定しており、燃料を補給するタンカーとしての役割を「ITSタンカー」に、有人船を「インタープラネタリー・スペースシップ」と分けて運用する事で、軌道上の燃料補給により火星への燃料を確保する予定だった。
ちなみに、有人船であるインタープラネタリー・スペースシップは最大1900トンの燃料搭載量を想定しており、これを満タンにするには約5回のITSタンカーの打ち上げが必要になる。
一度は「ITS計画」をぶち上げたスペースXだが、翌年になると(流石に無茶か・・・?)と思い直したのか、規模を若干縮小したプランに見直すことになった。
この時にイーロン・マスク氏によってあくまで仮称として「BFR」計画として発表され、この時に地球軌道上での燃料補給によって月との往還能力と、地球上の全地域に対して90分での貨物輸送構想も明らかにされた。
ちなみにこの計画で2018年に前澤友作氏と月周回旅行の契約を結んでいる。
2018年の11月に宇宙船部分を「スターシップ」とし、第一段目を「スーパーヘビー」と名付ける事が発表された。また、この時に機体の素材をカーボンからステンレス鋼へ変更され、機体の色も変わる事になった。
2019年には「スターホッパー」と呼ばれる一段目試験機が製造され、8月に高度150mへの初飛行に成功。直後の9月には新しい試験機「スターシップmk1」が発表されたが、11月に加圧試験で破壊された。その後「スターシップmk2」の製造を中止し、「スターシップmk3」に当たる試験機の改良と製造に集中するとして、これを「スターシップSN1」と命名。ちなみにこの時にイーロン・マスク氏は「スターシップの完成まで少なくともスターシップSN20まで必要になるだろう」と述べている。
「スターシップSN1」以降加圧試験で破壊されていたが、「スターシップSN4」で加圧試験に成功、2020年には「スターシップSN5」がスターホッパー以来久しぶりとなる初飛行に成功する。
その後同年12月に「スターシップSN8」が高度約12.5kmへの飛行試験に成功し、2021年3月には「スターシップSN10」での着陸にも成功した。(もっとも、この時は着陸時の衝撃が予定よりも強かったために着陸後8分で破裂したもよう)
その後はSN11/SN12/SN13/SN14は欠番となり、全面的に改良した「スターシップSN15」が2021年5月に初飛行し、軟着陸に成功した。
「スターシップSN15」の飛行試験が成功裏に終了すると、宇宙船と第一段部分をそれぞれ「Ship」と「Booster」と名付ける事へ変更し、更なる改良を経て2023年4月に初飛行を実施。
この時の全段ロケットのうち、宇宙船部分が「Ship24」で第一段目が「Booster7」と名付けられた。この時は地球一周を予定していたが、離陸に成功したものの分離に失敗。高度39kmに達した後、機体は爆破された。
続く二回目の打ち上げでは「Ship25」と「Booster9」が打ち上げられ、前回失敗した分離には成功し宇宙へ出たが、軌道に乗る前に通信途絶し、両方とも無事な帰還(着水)は叶わなかった。
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https://twitter.com/SpaceX/status/1647940096317100038
厳密には一段目のロケットが「スーパーヘビー」と名付けられ、二段目が「スターシップ」と名付けられており、一段目及び二段目の両方ともが再使用能力を有する設計であるため、全段で再使用可能を目的とした世界初のロケットである。
直径は約9mで、全長は全段合わせて約120mにも及び、最大離陸重量は約4400トン。この高さは牛久大仏(120m)もしくは京都タワー(131m)がそのまま飛んでいくような高さであり、重量も含めればもがみ型護衛艦(全長133m・基準排水量3900トン)がそのまま宇宙へ縦に飛んでいくような規模である。
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https://twitter.com/johnkrausphotos/status/1725877991312376190
ITS計画当初よりスペースX社内で開発を進めていた専用のロケットエンジンであり、当初は液水/液酸エンジンで開発を進めていたが、2012年にメタン/液酸エンジンとして開発すると公式に発表。
この時に「ラプターエンジン」の名を公開された。このラプターエンジンは将来的には火星での燃料生産を見据えており、そのために火星での燃料調達が比較的容易と考えられているメタンと酸素を使用する。燃料リッチの二段燃焼サイクルを採用しており、これはスペースシャトル・オービタのメインエンジンであるSSMEに近い概念のエンジンである。
ラプターエンジンの単基あたり真空中推力は約2300kNで、第一段エンジンでは改良されたラプター2エンジンを33基使用し、宇宙船では同様のラプター2エンジンを3基と、ラプター2バキュームエンジンを3基使用する。
現時点では低軌道打ち上げ能力に約250トンを予定しており、火星周回軌道へ約100トン、月周回軌道へ約100トンを予定しているが、火星と月へのミッションでは地球軌道上での燃料補給を含んでいる。再使用と量産化により、あくまでもイーロン・マスク氏による構想では最終的に一回あたり1000万ドル以下を想定されている。
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https://twitter.com/SpaceX/status/1649033533846097927
2023年4月20日現地時間08:33に「スペースXスターシップ統合飛行試験1 (SpaceX Starship IFT1)」として実施された初飛行となる第一回打ち上げは、晴天の中離陸には成功したが、離陸直後には既に第一段目の3基のエンジンが停止していた。>
その後しばらくは上昇を続けていたが、打ち上げ後40秒後に4基目のエンジンが停止し、打ち上げ後55秒にマックスQを達成するが、打ち上げ後1分から酸素が一気に漏れはじめ、すぐに5基目も停止。
それでもなお加速を続けるが、1分40秒に6基目のエンジンが停止、1分54秒に停止していたうちの1基が復旧するも、打ち上げ後2分49秒にさしかる所で大きく姿勢を崩しはじめ、メインエンジンカットオフに失敗し、そのまま不安定な回転を繰り返しながら落下を開始。
打ち上げ後3分59秒に機体は爆破された。実は打ち上げ後1分35秒の時点からロケットの制御が不可能な状態に陥っていたようであり、その後約3分20秒時点で自動的に停止、破壊するシステムが作動したが、最終的に破壊される打ち上げ後約4分時点までは実際に破壊されていなかった。
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https://twitter.com/SpaceX/status/1725852544587727145
2023年11月18日現地時間08:02に「スペースXスターシップ統合飛行試験2 (SpaceX Starship IFT2)」として実施された前回から約4ヶ月後となる第二回目の打ち上げは、前回と同じく晴天の中で行われたが、前回と異なり無事全エンジンが作動し、完全な状態での離陸に成功した。
打ち上げ後52秒でのマックスQも無事達成し、打ち上げ後2分41秒での第一段分離までのシークエンスを全て無事成功したが、第一段目の帰還用再点火となる「ブースト・バック・バーン」は10基中1基を除いて再点火に成功。
直後に反転し、帰途につくものの反転直後から更に幾つかのエンジンが停止した。最終的には3分20秒に全てのエンジンが故障停止し、直後に第一段目は破壊されたため予定されていた帰還は叶わなかった。
宇宙船のほうは第一段分離成功後は順調に飛行を続けていたが、打ち上げ後7分05秒時点から予定されていた酸化剤の排出により予期しない火災が発生していたようで、フライトコンピューターの通信が途絶したため打ち上げ後8分05秒に飛行を中止、機体は爆破処理された。
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https://twitter.com/SpaceX/status/1765037578343121372
2024年3月14日現地時間07:30に「スペースXスターシップ統合飛行試験3 (SpaceX Starship IFT3)」として打ち上げ予定。三回目の飛行計画では約235kmの飛行距離を予定している
掲示板
1 ななしのよっしん
2024/03/15(金) 00:56:19 ID: kbzQr+NZtW
IFT-3打ち上げ成功おめでとうございます
2 ななしのよっしん
2024/03/15(金) 18:23:45 ID: 0v3mQNQCgr
一段目の着水と二段目の大気圏再突入は失敗しちゃったが、これで人類史上最強のロケットが打ち上げに使える事は証明できたな
3 ななしのよっしん
2024/10/16(水) 01:29:05 ID: 9a9927sBpq
1段目箸にひっかけて回収成功
とうとうやりやがったなSpaceX
だが、これで終わりじゃない
一見するとraptorエンジンを搭載する全段再使用のスターシップは文句なしの最強にみえる
だが、再使用コストまで含めると果たしてどうなのか? 単純に比推力や再使用能力ならスペースシャトルだって最強だったろ?
落下してくる1段目は燃焼してるもの以外も全てのエンジンが空力加熱?で赤熱していたし、フル・フロー・二段燃焼サイクル、極端なまでの高燃焼圧力、高推力重量比を考えれば、大した再利用は見込めない エンジン基数が多い分メンテコストもかさむ
以下Neutron作ってるRocket Labの自社ロケットに関する見解
ZplusC1Bst on X: "・CFRPを用いたElectronの量産実績を強調←開発途中で素材をCFRPからステンレスに変更したStarshipとの違いを強調? ・機体をCFRPで軽量化できれば無理してエンジンに高性能を求める必要はなくなる ・Archimedesは1MN級エンジン、ISPは320秒超、推進剤はメタンとLOX"
https://
ZplusC1Bst "・エンジンサイクルはあえてガスジェネレータサイクルにして再利用性を重視←フル・フロー・二段燃焼サイクルを採用して今量産に苦しんでいるラプターに言いたいことがありそう ・必要なのは高出力高性能エンジンではなく、ストレスをかけず十分な余裕をもって何回も再利用できるエンジン"
(省略しています。全て読むにはこのリンクをクリック!)
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最終更新:2026/10/14(水) 10:00
最終更新:2026/10/14(水) 10:00
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