スティールパンとは、打楽器の一種。
カリブ海っぽい音楽でよく使われる、なんだかポワンポワン鳴っているアレ。
元の綴りは「steelpan」で、カタカナ表記では「スティールパン」の他、「スチールパン」とも。単に「pan」(パン)、あるいは「steel drum」(スティールドラム、スチールドラム)と呼ばれることもある。
20世紀中ごろにトリニダード・トバゴで生まれたとされる。当時、それまで慣れ親しんでいた楽器が当局によって禁止されてしまったことで、代替になるものとして身近な金属製品を打ち鳴らしていたことが元になっているという。
伝統的なスティールパンはドラム缶の底の部分から作られ、底面をハンマーで叩いて凹ませて、平鍋(パン)のような形に形成する。この時に凹面の中に小さな区分けされた平面を多数配置し、それぞれの面で叩いたときに異なる音が鳴るように調律する。
叩くのが小さい面であるほど高い音が、大きな面であるほど低い音が出る。とはいえ性質上、同じ面の中でも打つ部分によってわずかに音程が変化する。そのため、「原則的にはここを打て」といった目印が面の中に記されている製品もある。
スティールパン自体にも様々な種類があり、高い音を中心に奏でるもの(「テナー」)、低い音を中心に奏でるもの(「ベース」)、などと種類によって音色が異なる。概ね「ドラム缶の「胴」の部分が短く断ち切られていると高い音が鳴り、胴の部分が長く残っているものは低い音が鳴る。
歴史から考えると当初は廃材のドラム缶から作成されていたと思われるが、現在楽器店などで売られているものはドラム缶の形をした専用の材料から作られている。
最近の製品などでは、上記のようなハンマーで叩きあげて作るハンドメード的な作り方ではなく、機械工業的に生産されていて、線などで明確に音階の各面が区切られているものもある。しかしこういった品はどちらかと言うと入門機の扱いである。
普通は専用のマレット(ばち)を使って各面を叩いて演奏される。一枚で演奏することも、複数を組み合わせて演奏することもできる。
一人で演奏する場合もあるが、100人規模の大人数バンドで演奏される事もある。爽やかで幻想的な音色を奏でることもできれば、迫力のある重厚な楽曲を打ち鳴らすこともできる、演奏方式によって様々な印象を与える楽器である。
鉄琴のように鍵盤があるわけでも、ハンドベルのように複数を使い分けるわけでもなく、一枚の打楽器の中の各部分で異なる音階が鳴るという個性的な楽器である。
類似したものとしては、このスティールパンに影響されて2000年ごろに作成されたスイス製の楽器「Hang」とそのフォロワー製品多種があり、これらは手で叩いて演奏されることから総称して「ハンドパン」などと呼ばれる。
下の動画はおそらく打ち込みと思われる。スティールパン(スティールドラム)の電子音源も複数存在している。
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最終更新:2024/09/12(木) 08:00
最終更新:2024/09/12(木) 09:00
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