スパイスカレーとは、2000年頃から大阪市で広まりを見せ、今や大阪市の新たな名物料理となっているカレー料理である。
共通点として欧風カレーのように「ルウ」を作らないことが前提であり、スリランカのカレーを源流としている。
スパイスカレーは「ルウ」を作らず、スパイスを調合した南アジアや東南アジアのエッセンスが入ったカレーであり、大きくわけて3種類のタイプがある。
インドカレーとは似ているが、インドカレーは、どちらかというとご飯よりナンに合うように調理しているのに対し、スパイスカレーはご飯に合うことを前提としており、ナンとの取り合わせはまず見られない。また、あいがけという2種類以上のカレーを皿に盛るのも定番であり、複数のカレーにサラダなどを乗せたワンプレートのランチも定番化している。ただ、ライスはジャポニカ米のほかにもインディカ米を使う店もあり、サフランライスやジャスミンライスを用いる店もある。
また、ルウを作らないほかの共通点はふんだんにスパイスを使うことぐらいであり、特に具材に関しては大きな決まりはない。大根、サバ缶や麻婆豆腐など今までの常識を打ち破る具材を使った店もあり、その自由自在な調理方法が、追究好きな大阪らしい料理として仕上がった。
スパイスカレーの嚆矢は、ちょうどエスニック料理が全国的にブームになっていた1980年代後半~1990年代前半、元々EGO-WRAPPINのメンバーであった一人が開いた「カシミール」というカレー店に遡る。氏は世界中のスパイスを取り寄せ、自分好みのカレーを作ってみたところ、大変な評判を呼び、バンド、音楽仲間を中心に口コミが広がり、またそれを教わって始めた店や、インスパイアされて模倣する店も増えることになり、いい相乗効果を生んだ。
それによって生まれた店が今日、スパイスカレーのパイオニアにも数えられる「コロンビア8」「バビルの塔」などであり、その発祥地である谷町四丁目界隈は裏谷四といわれ、スパイスカレーの最大激戦区、またはスパイスカレーの聖地と呼ばれることもある。なお、この辺りは卸売業者が多く、ビジネスマンや顧客の昼食や勤務後に寄っていく酒場のメニューとして需要を満たしていたことが、カレー屋が発展するきっかけとなっている。
その後、大阪市内のスパイスカレー専門店は100店を超えるほど増加しており、ビジネスマンや病院勤務者の多い阿波座界隈や、近年は、南船場周辺や梅田界隈も新たなスパイスカレー激戦区となっている。また、その大阪で修行した人らが故郷に戻って店を開くことが多くなり、京都、神戸、和歌山、奈良など関西の他エリアでも店が増えつつある。
…だが、あまり観光客向けに店を出していないため、平日の昼間しか営業していないという観光客泣かせの名店も少なくない。
そのブームはとどまることを知らず、東京でも「旧ヤム邸」が下北沢に進出したり、また「スパイシーカレー魯珈」など新たに、都内でブームの火付け役と呼ばれる店がオープンするなど動きが活発化しており、他にも名古屋、福岡、仙台、広島からスープカレーの本場、札幌、更には全国主要都市にまで広まりを見せている。
なお、大阪市は昔からカレー屋が多い地であり、市内には1600店以上ともいわれるカレー提供店がある。そして、その中で比較的知られていたのが「インデアンカレー」「白銀亭」「上等カレー」などに代表される、最初は「甘口?」と思わせておいて、あとでじんわりと辛味が浸透していくタイプの洋食風カレーであり、こちらの方が大阪の名物カレーとして全国的に知られていたりしている。
また、従来のルウやフォン・ド・ボーを使った欧風カレーの店も普通にある。有名なチェーン店の「ピッコロ」「英國屋」「サンマルコ」のほか、梅田の名店として知られる「ブルーノ」などが有名である。
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最終更新:2024/10/07(月) 10:00
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