スピリットサークル-魂環-とは、水上悟志の漫画作品である。
概要
ヤングキングアワーズ2012年7月号より連載。2016年5月号で、完結。全6巻
ヤングキングアワーズでのデビューから10周年を迎えた水上悟志がおくる「輪廻転生」を主題としたファンタジー作品。
公式あらすじ
桶屋風太は14歳の中学二年生。ダイキ、テツ、ノノ、ウミという4人の気のイイ友達に囲まれ、ちょっぴり霊視も出来たりして、父の言う所の無敵の中学生活を送っていた。ある日、石神鉱子という額の大きな傷を堂々とさらした美少女が転入してくる。風太は鉱子に一目惚れするが、彼女の背後霊イーストを視て、会話してしまったため以降の生活が一変してしまう……。『惑星のさみだれ』水上悟志がヤングキングアワーズにて満を持して放つ、現在・過去・未来が交錯する輪廻転生ファンタジー!
単行本1巻裏表紙より
登場人物
現代
第二章「フォン」
舞台は南米のどこかの国、らしい(雑誌柱の風太の登場人物紹介より)。
- フォン
- ストナ
- 鉱子の過去生の一人。「神官サルブの子」で、神官。
- 護国の儀式を取り仕切った=レイを殺した。儀式の最中に乱入してきたフォンも殺し、2人を生贄に捧げた。フォンと同じように精霊が見えており、儀式が意味を成さない事も理解していた。最終的に、フォンの一件を切っ掛けとして、不満を溜めていた村人達によって残酷な方法で処刑された。
- レイ
- 他にも、テツによく似た戦士のような人物がいたりする。
第三章「ヴァン」
舞台は中世欧州のどこか、らしい(雑誌柱の風太の登場人物紹介より)。
第四章「フロウ」
異なる国に住んでいる2組が出会い紡がれる物語。
この章から「一章~三章までの過去生」が明確に話に絡んでくる。
第五章「方太朗」
所は日本、時代は江戸初期。過去生を見た時期は10月末。
実は、主な舞台となっている場所は現代でフータたちが住んでいる街のすぐそばであった。
- 梶間方太朗(カジマ ホウタロウ)
- フータの過去生の一人。富蘭家の殿と妾の間に生まれる。火次朗と璃浜は異母弟妹。
- 妾の子であったので、正妻の子である火次朗が生まれた際に、家督争いを防止する目的で家の外に出され、母方の祖父の家業である梶間の名と研師という生業を継いだ。祖父と母は病気で既に他界しており、一人で生活している。富蘭と徳川の戦では璃浜を逃がすため行動し、逃避行の最中で岩菜と壮絶な殺し合いを演じ右目・左腕・右足を失う。そして戦いの中で土砂崩れに巻き込まれ、瀕死のところを住職に介抱される。その後、傷が癒えきらぬ頃に刃九狼たちの消息を探るために満身創痍の体で隣村の待ち合わせ場所へと向かい、そこで刃九狼が残したと思われる目印を見つける。二人の無事を確信した安堵の中で眠るように死亡。寺で岩菜と共に暮らす間で、過去生からの因縁が消えたようであったが・・・。
- 岩菜(イワナ)
- 鉱子の過去生の一人。幕府から富蘭家へ赴いた使者。
- 戦で滅びた小国の姫で、国を喪った後忍びとして育てられた過去を持つ。火次朗との会談ではわざと相手から宣戦布告を引き出すために火次朗を挑発するような発言を繰り返す(刃九狼曰く「どうせ徳川は富蘭を潰す気だった」)。戦では璃浜をさらうために行動し、その過程で方太朗と壮絶な殺し合いを演じ左目・右腕・左足を失う。そして方太朗と共に土砂崩れに巻き込まれ、住職に介抱される。その後、方太朗が隣村へと向かうのに同行し、その先で方太朗に自らの過去を語りながら、方太朗の後を追うように寄り添うように死亡。方太朗同様、寺で暮らす間に過去生からの因縁が消えたようであったが・・・。
- 璃浜(リハマ)
- 富蘭家の姫。方太朗の異母妹。実父である富蘭家の殿や実兄である火次朗より、異母兄である方太朗によく懐いている。
- ウミの過去生の一人。火次朗が方太朗の命を狙っている事に気付いており、方太朗の護衛を刃九狼に依頼する。富蘭と徳川との戦が起こると、松や刃九狼により富蘭を脱出。その後無事逃げ延び、刃九狼と結ばれる。
- 刃九狼(ジンクロウ)
- 方太朗を護る為、璃浜に雇われた忍。戦闘能力は高いが、あっけらかんとした性格をしており、あまり忍らしくはない。
- テツの過去生の一人。以前の勤め先は徳川に難クセをつけられて取り潰されたとの事。璃浜とは恋仲。富蘭と徳川との戦の最中、璃浜を逃がすために逃避行を演じる。その後無事逃げ延び、璃浜と結ばれる。また、テツとウミは刃九狼と璃浜の子孫ではないかと思われる。
- 火次朗(カジロウ)
- 富蘭家の跡継ぎ。方太朗の異母弟。璃浜は実妹。領主としては人格にかなり問題があると思われる。
- 方太朗が富蘭家の家督を狙っているのではないかと危惧しており、方太朗に刺客を差し向ける。第三章におけるヴァンの弟の転生者の一人。徳川との戦の最中、城に火を放ち自害する。奇しくも、前世であるヴァンの弟と同じ末路を辿った。
- 大林雷太(オオバヤシ ライタ)
- 住職
- 瀕死の重傷を負った方太朗と岩菜を介抱した住職。僧侶ではあるが酒飲み。
- ダイキの過去生の一人。方太朗と岩菜に夫婦になるよう勧める。
- 朱里(アカリ)
- 住職の寺で引き取られた戦災孤児。
- ノノの過去生の一人。方太朗と岩菜になつく。
- 松(マツ)
第六章「ラファル」
舞台は人類が老い、静かな滅びへと向かう34世紀の未来の、「寝台」と呼ばれる巨大施設。
この時代では、事故や病気などで肉体が損傷した人間は、「亜生者」と呼ばれる脳だけで保管される存在となる。「寝台」はその亜生者を補完する亜生者幽眠管理センターである。なお、この時、亜生者は100億人存在しているのに対し世界人口は5億人まで減少している。
フルトゥナ曰く「面白い」「俺のお気に入りだ」。
- ラファル
- フータの過去生の一人。清掃員として新たに「寝台」に配属された。
- 幼少の頃、両親が働く軌道エレベーターを見学しているときにテロ事件に巻き込まれた過去を持つ。その際に両親を亡くし、自身も方太朗が失ったのと同じ左手と右足を失い、義手・義足を身につけている。タリオの死後、ラピスとともに歴代でも異例の「2人で1人前のダブル所長」となるが・・・。
- ラピス
- クラーロ
- アイゼン
- リフル
- タリオ
- ラファルが就職して約3年後に「寝台」に就職した新人。
- ダイキの過去生の一人。クラーロの死後、生前の前所長の推挙により新所長となる。後に「交通事故」により亜生者となる。ちなみに、これまでのダイキの過去生はいずれも酒飲みであったが、彼は酒が飲めない(住職としての過去生の記憶が関係していると思われる)。
- カロル
- アッシュ
- ラファルと同じ孤児保護施設で育った青年。
- 第三章のヴァンの弟、および第五章の火次朗の転生者の一人。ラファルの両親を殺した反技術テロ組織「アリオン」の一員だが、組織の方針に疑問を感じている。また「落ち着け・・・・・・すぐにカッとなるのはオレの悪いクセだ・・・」「癇癪や自棄で何もかも失ってしまわないように」と、過去生の記憶がわずかに残っているかのような台詞がある。
- オバケ
- 「寝台」の職員の前に時々現れるといわれる謎のオバケ。
- その正体はスパスシフィカ。歴代の「寝台」所長は全員彼(?)を目撃しており、逆に他の職員は彼(?)を視ていない。後に所長になる人間に対し「人の世の死の経験を歪めるな」と警告を与える。
- ネコロボ
第七章「風子」
舞台は昭輪91年、霊峰不二の上空に約300年前から「不二屋根」と呼ばれる巨大空中静止体が存在する世界。過去生を見たのは11月末~12月上旬。
フルトゥナの説明では「座標の時空値がほぼ一致」し「可能性値のズレだけ」が発生した世界。わかりやすく言うとフータの世界・時代の平行宇宙(パラレルワールド)にあたる世界。フルトゥナ曰く「平凡で何もなさず誰とも争わない、つまらん」過去生。
この章だけキャラクターが他の過去生と性別が入れ替わって転生している、他の章と比べ特に短い(連載時はわずか1話のみ)、など他の章と比較し異質な要素が多い章。
第一章「フルトゥナ」
用語とか
- スピリットサークル
- フラフープみたいな大きさと形の道具。「過去生を視る」と念じながら霊体を触るように意識を集中させ、頭か心臓付近をなぞる事により過去生を視る事が出来る。また過去生を視るたびに、数字がついた炎のようなものが円周上に灯っていく。数字は色々な表記で現れるが、どれも意味は同じ(ex:ニ=Ⅱ=J…)。鉱子曰く「魂を殺し、輪廻を断つための武器」らしい。普段はどこぞに仕舞われているが、フータと鉱子は任意で取り出す事が出来る。
- 製作者は、フータの過去生の一人であるフルトゥナ。鉱子の言動をみるに、7つの過去生を視る事で、何らかの条件を満たすようだ。
- 過去生
- 同じ魂が、過去におくった人生。フータと鉱子はスピリットサークルにより、それぞれ自分の七つの過去生を視ることが出来るようだ。
- ダイキやテツを見るに、基本的には過去生の記憶や想いは受け継がないようだが、フータと鉱子は、フルトゥナの起こした「事件」やスピリットサークルの影響なのか、過去生を視る事により、その想いなどを受け継いでいっている。短期間に連続して過去生を視ると、自我が混濁してしまう危険性がある。
- 時期
- クロスオーバー
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