チョコワを求めて旅に出たイモトアヤコとココくんは、チョコワの宝庫を発見する。しかしそこではチョコ嫌いなスフィンクスが全てのチョコワにワサビを入れようとしていた。チョコワを守るためイモトが、ワサビを盛っているスフィンクスの手にぶら下がるも止まらない。そこでココくんは投票という民主的な方法で決着を付けようと言った。チョコワの運命をテレビの前の子供たちに託そうとしたのだ。
いつも通りのチョコワか、それともワサビ味のチョコワか・・・。
ココくんとスフィンクスが綴る、熱き激戦 ~チョコVSわさび~
…という感じのストーリーで、2012年5月1日から7月30日にかけてケロッグ公式が行った企画。投票方法は、ハガキによる応募かケロッグの投票サイトで票を入れるかの二通り。ハガキ応募の呼びかけについては以下のような紙面が掲載されており、懸賞の対象でもあった。
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https://twitter.com/gyuntento/status/1047071596702261249
投票期間は2012年7月30日までで、結果発表は8月15日頃。
5月1日より始まった投票は当初、ココくんのチョコワが優勢だった。子供たちがせっせと投票した結果であろう。しかし開始から約2週間が経過した5月18日19時頃、2ちゃんねるのニュー速VIPに突如としてスレが立てられ、VIPPERに投票の存在が知れ渡る。スフィンクスの意思に賛同したVIPPERは結託し、スフィンクスに票を入れ始めた。連続投票が可能という致命的な穴を突いて徐々に得票差が縮まっていき、スレ立てから僅か2時間で逆転。スフィンクスが優勢となった後もVIPPERの猛攻は止まず、投票ツールを作って配布する者が現れ、容赦の無い追撃により逆転から2時間で得票差が2倍になった。投票スピードは衰えるどころか増加の一途を辿り、得票差はどんどん開いていく。VIPPERからは「ワサビ味が出ることで新たな商品開発が出来る」「メルビン(チョコワの元マスコットキャラクターだった象)の仇を取る」と言った声が見受けられた。
5月19日朝にはスフィンクスが26万票に到達。ケロッグ側も異変に気付いたのか、5月21日にツールによる自動投票が出来なくなった…のだが、ツール制作者の改良によって攻勢は続けられた。大攻勢から10日が経過した5月28日、221万票という途方もない数字に膨れ上がった。対するココくんの得票数は1万程度であり、1万vs221万という絶望的な大差を付けられた。VIPPERの介入によって圧倒的不利になったココくんは「チョコワを助(た)けて!」とルビを誤植するほど焦燥していた(その後修正された)。圧勝ムードが漂うスレであったが、ここからココくん側に不審な動きが見え始める。この日より何故かココくんにもスフィンクスにも投票できなくなったが、何故か投票できないはずのココくんの票が不自然に伸び始めた。加えて再びツールが使用不能になり、スフィンクスの票を少しずつ減らすなどケロッグ側の露骨な工作が見え隠れするように。5月23日、とうとう投票自体が完全に出来なくなり、VIPPERは手も足も出なくなった。
6月15日に発売されたコロコロコミックでは「俺にはコロコロの読者が付いている!」と自信満々な様子を見せた。同時に、
と言った文面を記載。挙句の果てにはスフィンクスに大敗を喫してるにも関わらず「ココくん有利!」という大嘘まで記載した。もはや虚勢混じりのプロパガンダである。
だが、ここでケロッグ側は強烈パンチをVIPPERに喰らわせた。第二次世界大戦中、ドイツ軍によるバルバロッサ作戦やソ連軍によるバグラチオン作戦が始まった6月22日夕刻、奇しくもケロッグも大規模攻勢に転じた。スフィンクスの221万票を1991票に減らす暴挙を行い、ココくん優勢にしたのである。これにはVIPPERも面喰らい、混乱した。ケロッグ側は不正票を外したと公表しており、ココくんの票も1万票から6000票に減らされている。ケロッグ側の言葉を信じるなら、ココくんにもツールを使った投票がされていた事になる。またスフィンクスに投票してもココくんに投票されるよう仕組まれていた模様。大打撃を受けたスフィンクスとVIPPERだったが、より一層奮起し、投票再開。数の暴力とアプデで復活したツールを活かして反撃する。再度票が減少する妨害工作を受けながらも前進を続け、6月22日中に逆転。その後もケロッグ側は票を減らす工作を続けたが、VIPPERの執念がそれを上回り、スフィンクスに54万票を投じてココくんを圧倒。今度こそスフィンクス勝利で幕を下ろすかに見えたが…。
7月13日頃、ケロッグ怒りの反撃が始まった。1秒ごとに1票ずつココくんに投票されるようになり、スフィンクスとの差が徐々に縮まり始める。このままでは数日後に逆転されるという恐ろしい予想が立てられ、焦燥するVIPPERはケロッグの工作以上に投票。まさに力と力のぶつかり合いであった。しかしケロッグ側の猛追と、またしてもツールが使用不能になった事でスフィンクス票は伸び悩み、7月17日にはココくんの得票数が100万に到達。約4万票差に詰め寄られる。7月19日、投票サイトがサーバーダウン。激戦を続けるVIPPERにとって箸休めとなったが、翌20日に回復すると投票に文字認証が必要になっていた。今までは製作者のアップデートで何とか使えていた投票ツールであったが、この文字認証の追加により今度こそ息の根を止められ、VIPPERは戦う武器を失った。この時点でココくん192万票、スフィンクス212万票であった。7月24日正午、ケロッグから得票数の正式発表がなされ、ココくん1万2875票vsスフィンクス8752票となった。露骨かつ強引な工作と既に武器を失っていたVIPPERは戦意を喪失、以降は攻勢に出る事無く平和裏に投票期間は終わった。
8月15日、結果発表。ココくんのチョコワ14677票vsスフィンクスのワサビ9367票というこれまでの激戦が嘘だったかのような微妙すぎる数字で、ココくんが勝利を収めたのであった。むちゃくちゃな結末にスレは怒りの声で溢れかえったとか…。この手の投票工作では数少ないVIPPERの敗北となってしまった。
ちなみに投票前に本企画のテレビCМが放送されていた。ココくんとスフィンクスの票が増えていく描写があるが、よく見るとココくんの得票数がスフィンクスより少ない。この騒動を予見していたのかもしれない…。
「みんなありがとう!」
まず、大前提としてこの件でどちらが悪いかと問われれば、面白半分で荒らし始めたVIPPER側に明確な非がある。
後述のように、最終的にはケロッグ側にもさまざまな問題点が指摘された企画であるが、開始された時点においてはごく普通の正常な投票企画である。
そのため時折見られる「企画や対応に問題点があったから荒らされたのではないか」という擁護意見はそもそも順序が逆であり、完全に的外れである。一見関連がありそうな事情なのがこの問題の評価を難しくしている一因でもあるが、後述のような問題点の糾弾や、あるいは問題のある企画の阻止と言った必要悪、もしくは義賊的な行為にすら当たらないことは注意したい。
ただ、それに対してケロッグ側が採用した内部工作と言う手段についても手放しで称賛できるとは言えず、この点に関しては「あくまで荒らしに対抗するための苦肉の策であり、仕方のない事だった」といった問題には当たらないとする意見や、「相手の出方に乗るのではなく、別の正当な手段で対応するべきだった」とする意見など、賛否両論が見られる。
実際問題として、内部工作を仕掛けたためにVIPPER側の荒らし行為もエスカレートし、問題を大きくしてしまった面は否定できない。
また、別の視点として「そもそもスフィンクスが勝った場合のことを想定していなかった節があり、企画としての意図が不明である」という、企画その物の是非を問う指摘も見られる。
企画の意図を考える場合、この企画が多数票を得た味が発売されるという企画ではないことに留意されたい。ここが後述する韓国ケロッグの事件と異なる点で、冒頭のストーリーの顛末が現実に反映され、結果次第でワサビ味が発売される、などと言った公約はキャンペーンに掲げられていない。
また、騒動を受けてねとらぼがケロッグを取材した際、ケロッグから「スフィンクスが勝った場合には何らかの形でワサビ味の製品を出すことを検討している」との回答を得ていたが、ここでも「チョコワのワサビ味」とは言っていないのである。[1]
過去のVIPPERによる不正投票として第一次コイルショック(2008年)やイナズマイレブン人気投票騒動(2010年)があるが、これらはいずれも投票結果に対応した壁紙が配布されるという、投票結果に付随したプレゼントが公約として掲げられていた。
本企画もそれと同種のものと見なされ、結果に基づく新フレーバー発売を期待して参加した者もいたかもしれないが、ケロッグが用意したのはハガキ応募参加者限定の懸賞であった(ギフトカード20名、ココくんシリアル商品50名)。投票先の最終的な勝敗とは関係がなく、ハガキ応募者全員が抽選対象である。
ケロッグとしてはハガキ懸賞の抽選が企画の着地点だったのであろう。投票結果そのものに応じたプレゼントは最初から設定されておらず、この企画趣旨の違いが他の投票企画と比べて本企画の意図を読みにくくさせていると言える。
実はこの話、これが初めてではない。
「PERSON OF THE YEAR」に田代が、ポケモン人気投票にコイルが…という話ではなくて、ほとんど同じ話が8年前(2004年)に韓国ケロッグ(農心ケロッグ)で起きているのである。
これは、韓国ケロッグ版のチョコシリアルである『チェクス』(日本では『チョコチェック』)について、チョコ味代表であるお馴染みのキャラクター「チェッキ」とネギ味代表の悪役キャラ「チャッカ」の2体のキャラクターが投票を呼び掛けるというネット投票企画であった。
が、余りにチョコ味の出来レースにしか見えない構図にネット民が反発、ネギ味の「チャッカ」に大量投票した結果、公式はこれを不正投票と見做してチョコ味の勝利を発表する…という、発端から顛末まで既視感しか覚えないような話なのである。順序的にはむしろ韓国の方が既視感を覚える側なのだろうが。
一応、こちらは「チョコ味が勝ったため、ミルクチョコ味を強化したリニューアルを行う」という、明確な建前上の結果反映は存在したらしく、それに関してはこの日本のケースと異なっている。
なお、韓国でのこの騒動は日本以上に尾を引いており、「ネギ味を出せ」という声も現れた結果、2020年には限定品としてだが「『チョコチェック』のネギ味」という形で実際に商品化を果たしている。だいぶ話題になり、通販では2日で完売したらしい。
もしかしたら、日本でも「ワサビ味のチョコワ」が誕生する…かもしれない。2028年くらいに。
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最終更新:2024/12/11(水) 18:00
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