スベスベマンジュウガニとは、ふっくらとした触感がありそうで、お茶が一杯欲しくなりそうな、そんな名前のカニである。
しかし美味しそうな名前は命名者の罠。スベスベマンジュウな全身の殻と脚部の身にはテトロドトキシン(いわゆるフグ毒)を含む数種の猛毒があるため、食べると死に到ることもある。ただし、口に入れない限りは無害で、触ったりハサミで挟まれたりしても大丈夫。それと胴体部の身は無毒とされているが、このカニは餌から毒素を採り入れている可能性が高く、やはり食べないのが無難だろう。死にたくなければ。
日本では千葉県以南の海に生息しており、海水浴などで見かけることもある。ただし甲長5cmの小さなカニということもあってか、実際に本種を食べたことによる中毒事件は報告されていない。しかし、他の同科の猛毒ガニによる中毒事件(死亡含む)はいくつか報告されているため、海水浴場でこのカニを捕まえたからと言って絶対に持って帰って食べないように。(中毒例に関しては、これらの種は前述のように小さいカニであるため、そのまま単体を食べるというよりは複数匹を味噌汁などにして食べて中毒を起こしてしまったという事例がほとんどである為、無人島での生活の際にはむやみにそこら辺のカニを捕まえて調理しないほうがいい。)また殻にも猛毒があるため、ペットや小さい子供に戯れに与えるのも大変危険である。何よりこのキュートなわがままバディ一つに大人3人分もの致死量のダイナマイツな毒が詰まってるのだ。
もともと英語圏に存在しない種なので英語での呼称は一定せず、 xanthid crab (ザンシッド=明褐色のカニ)、○○ (tiny) crab (有毒の(小)ガニ(○○には poisonous, toxic などが入る))、reef crab (浅瀬礁のカニ)など味気無いものの他、shawl crab (ショールを被ったカニ)、 floral egg crab (花の模様のある卵のようなカニ)などの可愛らしいものもある。学名の Artegatis floridus はラテン語で「磨いたようなピカピカの殻を持つ(=マンジュウガニ属の)花の模様のある(カニ)」という意味。もちろん、これらも命名者の罠である。命が惜しいのならば、ゆめゆめ騙されてはいけない。
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最終更新:2025/02/13(木) 04:00
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