スラッシュメタル(Thrash Metal)とはヘヴィメタルのサブジャンルのひとつ。Thrashとは英語で「鞭打つ」という意味である。
イギリスを発祥とするNWOBHMなどの激しいハードロック・ヘヴィメタルに影響された若者たちが、1980年初頭からアメリカでもヘヴィメタルを演奏しようとしたのが始まりである。誕生には諸説あるが、メタリカが1983年に発表した「Kill`em All」をルーツとする意見が多い。当初はアンダーグラウンドの存在に過ぎなかったが各バンドが精力的にライブツアーを重ねた結果、ファンの口コミにより人気を得ていく。
1980年代半ばになると過激な音楽性から避けてきた大手レーベルもメタリカ、スレイヤー、メガデス、アンスラックスなどといったバンドと契約していくようになり、表舞台でスポットライトを浴びることとなる。1980年代後半~90年代前半はまさにスラッシュメタルの最盛期であり、後に名盤とされるアルバムを数多く輩出した。
当時は米ビルボードチャート上位に顔を出すこともしばしばであり、特にメタリカが1991年に発表した『Metallica』(通称、ブラック・アルバム)はビルボード全米1位、次作までの5年間だけでも1500万枚以上を売り上げる大成功を収めた。スラッシュメタル的なスピードを廃したこのアルバムの成功や、Panteraなどの重厚な音楽性を持つオルタナティブ・メタルのブームに追従するように多くのバンドがスピードや攻撃性よりも重さやグルーブを重視するようになっていった。
しかしそれは過激な音楽性を求める従来のファンを失望させることになり、スラッシュメタルブームは終焉を迎えることとなる。そのため90年代半ばに大きく音楽性が変わったり、解散・活動休止を余義なくされたバンドが散見される。ただその間にもメタリカ、スレイヤー、メガデスなどは人気を保っていった。
様々なバンドが紆余曲折を経て2000年代に入ると、徐々にかつてのスピードと攻撃性を取り戻した楽曲・アルバムが増え、再びシーンは盛り上がりつつある。40歳を過ぎながら世界中でライブをこなす大御所バンドも珍しくなく、人気を博している。
また2000年代後半より若手のスラッシュメタルバンドが多く誕生し、80年代のスラッシュメタルバンドに多大な影響を受けつつも独自に昇華させた楽曲は、新旧のファン問わず高い支持を得ている。
スラッシュメタルの特徴として
などがあげられる。もちろんこれだけが特徴ではなく、また、これらの特徴に全てのバンドが必ずしも従っているわけではない。また、速さに固執するあまりに、演奏技術の高くないバンドは演奏が追い付かず、スタジオ音源にもかかわらずモタリ、走りが見受けられるものも少なからず存在する。
アメリカには特に有名なバンドとしてMetallica、Slayer、Megadeth、Anthraxら「スラッシュメタル四天王(Big4)」が存在するほか、西海岸出身の独特のギターサウンドを持つ「ベイエリアスラッシュ」、東海岸出身のパンク、ハードコア色を持つ「クロスオーバースラッシュ」、ドイツにはより速度と残虐性を強調した「ジャーマンスラッシュ三羽烏」がおり、それぞれ世界中に愛好者が存在する。
ベイエリアスラッシュ
クロスオーバースラッシュ
アメリカ出身
若手スラッシュ
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最終更新:2023/10/04(水) 03:00
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