スワンプマンとは、
本記事では上記のうち1.について記載する。
あなたは死んだ!
あなたは沼を訪れていたが、突然雷があなたに直撃! あなたは死んでしまったのだ。
だが、そのとき不思議なことが起こった!
雷による衝撃・高熱・電流が、あなたの足元の沼の泥に作用し……雷に撃たれる寸前のあなたと分子レベルで寸分違わぬ、「新しいあなた」がそこに生み出されていた。
つまり、あなたは死から復活した! ブラボー!おお・・・ブラボー!!
復活したあなたは、先程までのあなたと全く同じ脳の状態を持つので、ちゃんとあなたの人格・記憶も復活している。そして、今後もそれまでと同じようにあなたの人生を続けていくだろう。
一方、元のあなたの遺体は、復活したあなたに気づかれないままに沼に沈んでいった。
さて、この「復活したあなた」――沼(スワンプ)から生まれたので「スワンプマン」と呼ぼう――は、「雷に撃たれた元のあなたと同じ人物」だと言えるだろうか?
哲学者ドナルド・デイヴィッドソンが、1987年の論文『Knowing One's Own Mind』内で言及したのが初出。類似のアイディアの先駆者は他にも複数居たが、喩えとして面白かったこともあってこの「スワンプマン」のアイディア・名称が最も広まっている。
ちなみに、本記事冒頭の文章ではわかりやすくするために雷は人に直撃し、足元の泥がスワンプマンに変化したという筋書きにしている。しかしドナルド・デイヴィッドソンのオリジナルの文面では、雷は沼の中の枯れ木に落ちた。当人はその枯れ木の近くに立っていたので落雷の巻き添えで死に、そして枯れ木が人のレプリカたるスワンプマンに変身した……という筋書きになっている。
スワンプ(swamp)は「沼」「湿地」、マン(man)は「人」「男」を意味するので、「スワンプマン」は日本語で「沼人」「沼男」などと訳されることもある。ドナルド・デイヴィッドソンは男性であり、自分を登場人物としてこの喩え話を展開したのでオリジナルのスワンプマンは「沼男」でよいだろう。しかし女性にもこの話を適用したい場合は「沼人」の方がよいかもしれない。
細かく条件を変えて考えてみるのも思考実験の醍醐味の一つ。様々な条件で考えてみよう。
あなたの大切な相手(家族、恋人、親友……)とともに天候が荒れ気味の日に沼に行き……そして雷があなたの大切な相手に当たり、スワンプマンが生まれた。
このスワンプマンはあなたの大切な相手と頭の先から足の裏まで、脳内の分子構造一つに至るまで寸分たがわない。あなたとの大切な記憶もちゃんと備えている。さあ、あなたはどのような態度をとるだろうか?
あなたの普段の行いがよかったのか、雷はあなたに当たらなかった!
そして雷による衝撃・高熱・電流が、沼の泥に作用し……あなたと分子レベルで寸分違わぬ、「新しいあなた」がそこに生み出されていた。
あなたが二人になってしまったが、この二人は同一人物と言えるだろうか。
さらに雷がどんどん落ち始めた!沼はあなただらけだ!大量のあなたは全員「あなた」だろうか?
雷があなたに直撃して、あなたの脳の右半分も含めた、右半身は吹き飛んだ!
しかし雷が作用した泥があなたの右半身を忠実に再生し……元の右半身があった部位に瞬時にぴったりくっついた。あなたは家に帰った。
それからしばらくして、あなたはまた沼に来た。
そして案の定、また雷が落ちて、今度は左半身に同じことが起きた。あなたは家に帰った。
構造が保たれているために意識や記憶などが変わらないだけでなく、半分ずつの交換なのでこの場合はあなたの意識は連続しており、途切れていない。「同じあなたと呼べるか」という点についてのあなたの判断は、雷が一回落ちた通常の場合と変わらないだろうか?
これが雷が「十回」の場合はどうだろう?「百回」だったら?「千回」であったら?
少しずつあなたの脳の構成要素が別の物質由来に置き換わって、ついに元の物質がひとつも残らなかったとき。あなたは「元のあなた」と同じあなただと言えるだろうか?
「テセウスの船」の記事も参照されたい。
動画再生時間1:20ごろから「スワンプマン」の概念についての説明があり、登場人物らが感想を話し合っている。
掲示板
85ななしのよっしん
2023/03/03(金) 03:27:05 ID: mfOkjNw0dj
>>80
生物が最初にどうやって発生したかはさっぱりわかってないので理論もなにもないかと
この男性がある殺人事件の唯一の目撃者だったとする
スワンプマンに入れ替わったとする
神の視点で見て偶然元の男と記憶の詳細まで一緒だったとする
でも理論上それは単なる偶然だから、人間には前日までの証言内容と今の記憶内容が取り敢えずたまたま矛盾していない事しかわからず、新たな証言は何の証拠にもならない
元の男が目撃していない事を矛盾なく記憶したスワンプマンが生まれる可能性も全く同じだけ存在するからだ
元の記憶が実際どうであったかの証拠は全て消えてしまっていてスワンプマンにすらわからないだろう
86ななしのよっしん
2023/03/03(金) 05:24:47 ID: mfOkjNw0dj
思考実験
ある身寄りのない大富豪がマップ自動生成ゲーム「スワンプワールド」で遊んでいた
彼は常に同じシード値「mfOkjNw0dj」で生成される世界だけを愛し、いつも独りで入り浸っていたが、やがて不治の病に倒れてしまった
『私が愛したワールドの初期開始地点から東の山の頂上に、私が最も信頼する人の名前が刻まれた石碑を見つけた。その人に全財産を譲る。その代わり、このワールドの石一つ木一つ、一ブロックの違いもなく私が感じたままの世界を記憶して皆に伝えて欲しい』遺言にはそう残されていた
さて遺言公開の日、相続候補者の面々は弁護士のあなたの立ち会いの元、スワンプワールドを起動した
ああしかしやんぬるかな!あなたはあろう事かデータに記録されていたシード値をうっかり確認もせず前日に消してしまっており、咄嗟にランダム生成した値を使って誤魔化そうとしているのである
87ななしのよっしん
2023/03/03(金) 05:26:23 ID: mfOkjNw0dj
ところがその値は「mfOkjNw0dj」何と偶然にもあなたが知らない本物のシード値と全く同じだった
ゲームの世界は富豪がいつも語っていた景色と石一つ木一つまで意外と雰囲気が近いように思えた(同じだから当然だ)
富豪の言っていた通りの位置に石碑があり、候補者の一人の名前「ドナルド」の文字が刻まれていた
彼は早速、相続手続きをしたいとあなたに申し出た
なお有志の解析により、このゲームは配置が全く同じで石碑の文字のみ異なるシード値が必ず存在する事が知られており、他の候補者の名前が出るパターンも全て存在する
また、遺言の世界と文字や大体の景色が同じで微妙な配置だけが異なる世界も無数に存在している
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最終更新:2023/03/22(水) 13:00
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