セガツーリングカーチャンピオンシップ(SEGA Touring Car Championship)とは、セガが1996年に発売したアーケード用レースゲームである。略称「STCC」。
『セガラリーチャンピオンシップ』を手がけた水口哲也・佐々木健仁のコンビによる作品。ドイツツーリングカー選手権(DTM)をモチーフとして、AMG・メルセデス・ベンツ・Cクラス/アルファロメオ・155 V6TI/オペル・カリブラV6/トヨタ・スープラGT、の4車種が実名で登場。
アーケードゲームとしては極めて珍しいガッチガチのリアル志向挙動であり、ちゃんとブレーキを踏んで荷重移動させて、最低限のステアリングで曲げる、という堅実なグリップ走法が求められる。
他方、音楽面ではavex traxの楽曲3トラックを丸ごと(一部カットされているが)サンプリングする形で収録しており、派手なカメラワークのアトラクトに併せて鳴り響くavexのサウンドは多くのプレイヤーに強い印象を残した。
……それに惹かれてコインを突っ込んだら、いきなりノーアシストのツーリングカーレースに放り込まれるのだからたまったものではない。
基本的に、アーケードゲームっぽい走りをしようとすればアウトの壁に直行間違いなし。必要以上にハンドルをこじれば超減速のうえフラついて、今度はインに直行なんてことも。それでいてCPUも速く、制限時間は同時期のセガゲー以上に厳しく、予選最下位→最初のコース「Country circuit」をギリギリ(最下位で)通過→2コース目「Grunwald circuit」でタイム切れ、がよくある流れであろう。順位システムも独特で、レース中のポジションとは別に3コースの合計タイムで最終順位が決まるため、一回崩れたら立て直しはほぼ不可能。予選から最終戦まで隙の無いドライビングが求められる。その割に壁ターンが決まってしまう場所があるなど微妙な点も。
さらに、本作にはコースを選んでのタイムアタックモードが一切ない。コースを選んで練習ということすらできないため慣れるにも一苦労であった。(オペレーター側でグランプリモードにするとコース選択できるが、20周という超ロング設定になるので通常営業ではまず使えない)
というわけで、本作は同年リリースの『スカッドレース』すら越えるマゾゲーとして認知されているが、当時としては先進的ともいえるavex traxによるBGMや、ピーキーな車両を御し切れた先にある暴力的ともいえる加速感に惚れ込んだユーザーも一定数存在し、一部レトロゲーセンではいまだに稼働を続けている個体もある。
また、1996年という一般向けインターネット黎明期にあって、すでに(自己申請式ながら)インターネットランキングを実施しており、アトラクト画面にWebサイトのURLを掲載していたという面も見逃せない。(たとえば、コナミのbeatmaniaがインターネットランキングをはじめたのは1999年のComplete MIXからである)
以下の3種類+OFFから選択できた。
セガサターンとPCに移植されたが、いずれも難易度については殆ど下がっていない。それどころかゲームパッドでは細かいハンドル・アクセルの操作ができない分、難易度はさらに上がっているともいえる。
セガサターン版はこれに加えて処理落ちもあって評判はいまひとつだが、内蔵時計を用いて特定日に発動するグローバルイベント、それと連携したインターネットランキングなど先進的な取り組みもあった。インターネットランキングについてはセガサターンにモデムを繋いでおくとサターンから直接ダイヤルアップ接続してスコア申請が出来るという機能もあり、家庭用ゲーム機とインターネットを連携させる最初期の事例として評価されている。あと、BGMがCD-DAで、しかもavex traxの3曲をACより長尺で聴けたのでサントラ代わりになった。
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最終更新:2023/03/25(土) 14:00
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