セルフ・ハンディキャッピング 単語

1件

セルフハンディキャッピング

1.5千文字の記事
  • twitter
  • facebook
  • はてな
  • LINE

セルフ・ハンディキャッピングとは、試験など何かの本番前に予め「全然勉強できてない」「体調が悪い」などと言い訳をしておくアレのことである。

少しな言い方をすると、「自らの失敗理由を外的要因にめ、自らの成功理由を内的要因にめるための工作」を心理学である。

概要

[セルフ・ハンディキャッピング Self-handicapping]

ある行為によって自己のイメージが脅かされる結果が生じることが予期される場合、結果が出る時点で自分に有利な帰属がなされるように、あらかじめハンディキャップを自分に与えるような行動をとったり、ハンディキャップがあることをしておく行為。

――『社会心理学事典〔増補版〕』 有

このセルフ・ハンディキャッピング行動は、大きく2つに分類することができる。

  1. 自らハンディキャップを作り出す(例:試験前にあえてゲームなどで遊ぶ)
    獲得的セルフ・ハンディキャッピング
  2. 自らにハンディキャップがあることをする(例:準備不足であることを、試験当日に友達に対して嘆いてみせる)
    的セルフ・ハンディキャッピング

特に自身の勝利や成功に確信がない場合、こうした行動をあらかじめとっておくことによって

  • 実際に失敗した場合は、それが自身の不足ゆえではなくハンディキャップを背負っていたせいだと自他に言い訳でき、評価や自尊心を保つことができる。
  • 実際に成功した場合は、ハンディキャップがあるにもかかわらず良い結果を得られたと解釈して自尊心を高揚させ、また他人からもより高評価を得ることができる。

という効果を期待するものである。つまりセルフ・ハンディキャッピングは、自らの評価や自尊心を守るために人間がとる「自己防衛」といえる。

理論上、セルフ・ハンディキャッピングは成功率や状況を悪化させることはあっても、良化させることはなく、生産的価値はい。それは結局、失敗や不調の原因が自己のではなく、外部から与えられた要因にあると思い込ませる「逃げ作り」に過ぎないからである。

これを度々繰り返すと、物事に全で取り組むことができなくなってしまい、"何かを達成する(ために頑る)"という本来の的を途中で見失ったり、失敗を過剰に恐れたり恥と思うような悪がつく恐れがある。

ただし、だからといって一概にセルフ・ハンディキャッピングをした人間を責めることは難しい。人間は他の動物較しても特に社会的であり、自身と他者とが入り乱れる集団社会において、自己のみなされ方(世間体)を全に無視して生き続けることは困難だし、自尊心を失った状態で生活することもできない。

多かれ少なかれ評価や優劣を意識する人間にとって、「格好悪くあがいて少しでも成功に近づこうとする」ことよりも「手を尽くしてプライドを守る」ことがより重要だと判断した状況では、セルフ・ハンディキャッピングはの身にも起き得ることと思うべきだろう。

セルフ・ハンディキャッピングとは異なるもの

実際には精一杯努したにもかかわらず、努した事を周囲に言わない、または「努不足だと自する」行動ハンデを獲得ももしていないため、セルフ・ハンディキャッピングとは異なる。(cf.謙遜)

また、例えば引越しや大掃除の際、つい作業を中断して部屋に散らかってる本を読んでしまう等は、一部共通する部分はあるものの、世間体や自尊心を守る行動ではないため、セルフ・ハンディキャッピングではないことに注意。(cf.現実逃避

関連項目

この記事を編集する

掲示板

おすすめトレンド

ニコニ広告で宣伝された記事

記事と一緒に動画もおすすめ!
VOCALOID[単語]

提供: わんころ助

もっと見る

急上昇ワード改

最終更新:2024/04/25(木) 23:00

ほめられた記事

最終更新:2024/04/25(木) 23:00

ウォッチリストに追加しました!

すでにウォッチリストに
入っています。

OK

追加に失敗しました。

OK

追加にはログインが必要です。

           

ほめた!

すでにほめています。

すでにほめています。

ほめるを取消しました。

OK

ほめるに失敗しました。

OK

ほめるの取消しに失敗しました。

OK

ほめるにはログインが必要です。

タグ編集にはログインが必要です。

タグ編集には利用規約の同意が必要です。

TOP