宇宙恐竜ゼットンとは、『ウルトラマン』に登場した怪獣である。
ウルトラシリーズで初めてウルトラマンを倒した怪獣として知られている。これまでにウルトラマンを苦戦させた怪獣や宇宙人は多数いるものの、ウルトラマンを完膚なきまでに敗北させた(“死”に追いやった)のはゼットンが初。
後年のウルトラシリーズにも登場し、その強さ、存在感を遺憾なく魅せ付けている。
名前の由来は「最後の怪獣」にふさわしく、アルファベットとひらがなの最後の文字である「Z」と「ん」から。
宇宙恐竜 ゼットン | |
登場エピソード | 最終話『さらばウルトラマン』 |
身長 | 60メートル |
体重 | 30000トン |
出身地 | 宇宙 |
「ゼットン星人」に操られる宇宙恐竜(「ゼットン星人」の名称は後付で、劇中には登場しない)。
ゼットン星人は科学特捜隊とウルトラマン抹殺の為に日本に襲来してくるが、科特隊の奮戦により迎撃される。基地内に侵入したゼットン星人が白兵戦で倒された後、大型母艦から現れた怪獣が「ゼットン」である。
「ゼットーン、ゼットーン」という低い声と「ピポポポポポ」という電子音声を組み合わせたような鳴き声が特徴。
ウルトラマンとの戦いではテレポート能力、八つ裂き光輪を防ぐバリア等の能力で一方的に圧倒し、スペシウム光線も物ともせず、光線でウルトラマンのカラータイマーを破壊して倒してしまった。
最後は科学特捜隊が開発した「ペンシル爆弾」の攻撃により、空中に浮かせられて爆散した。
倒されたウルトラマンはゾフィーによって命を与えられ蘇生。その後ハヤタ隊員と分離し、M78星雲へと帰っていった…。
その他詳細に関してはWikipedia等のウェブサイトや関連書籍等を参照。ただし、ゾフィー兄さんの証言は除く。
ゼットンの代名詞となっている有名な物が「1兆度の炎」だろう。
「1兆度」は現代の最新工業技術でも作り出す事が困難であり、「宇宙」の生まれたての温度であると言われている(2010年に理研などが作り上げた「4兆度」は、「ビッグバン」から100万分の1秒後の状態を再現したと考えられている)。専門的な詳細はWikipediaの該当記事等の関連項目が詳しい。空想科学読本曰く「半径402光年以内の恒星系が全滅する」とのこと。
なお、「1兆度」は公式設定ではなく、1967年当時の雑誌記事にて独自で設定された温度である。この「1兆度」という数値がファンに大きな衝撃を与えたこともあってか、現在ではほぼ公式化されている。
RPG「ワイルドアームズ」シリーズの隠しボス「ラギュ・オ・ラギュラ」の元ネタとしても知られており、必殺攻撃の名はズバリ「1000000000000度」(円谷プロ公認とのこと)。
この項目は、下記に映画『シン・ウルトラマン』のネタバレを含んでいます。 未鑑賞の方はご注意ください。(要スクロール) |
2022年公開の映画『シン・ウルトラマン』に最後の敵として登場。
本作ではウルトラマンが地球人「神永新二」と融合し、彼に巨大化とウルトラマンとしての能力を付与したがため、全マルチバース(並行宇宙)の知的生命体に「この地球の人類は巨大化させて兵器に転用できる」ことが知られてしまった。遠からず本作世界の地球はあらゆるマルチバースの外星人たちから侵略を受け、人類が兵器として「輸出」され、全宇宙の安寧と秩序を乱す災厄をもたらしてしまうだろう。
これを危惧したウルトラマンの本星たる「光の星」は、裁定者として本作世界の地球の即時廃棄処分を決定。使者ゾーフィに太陽系ごと地球を滅却する天体制圧用最終兵器ゼットンを持たせて派遣した。
ゼットンは最初は人間が片手で持てるサイズのオブジェクトでしかなかったが、ゾーフィが起動させると自律行動を開始。衛星軌道上まで上昇して各パーツを展開させ、その超巨大な異形を天空に現した。
全体的なシルエットは初代ゼットンを踏襲しつつ、無数の金属的なフレームとディスクで構成された機械的なデザインは、生物の面影など微塵も感じさせず、むしろシュルレアリスムの建築物を彷彿させる。
特筆すべきはその巨大さ。身長60mのウルトラマンでさえゼットンの前では釈迦の手を飛び回る孫悟空のように小人に見え、また、宇宙空間に浮遊しているにもかかわらず地上からでもはっきり全身像が視認できるほど。
完全に準備が整えば、1テラケルビン=1兆度の火球を地球に向け発射し、対象の天体はおろか恒星系もろとも消滅させ、数光年先まで影響を及ぼす超火力で確実に目標を殲滅してしまう。
その火球だけでなく、展開中に攻撃を受けた場合を想定してか、スペシウム光線や八つ裂き光輪すらも完全に防ぐ鉄壁の電磁光波防壁と、全身に無数の光学兵器を搭載。ウルトラマンが力尽きて墜落するまでただひたすら無機質に光弾を連射し続ける非情さは怪獣というよりまさに兵器である。
これまでの作品に登場したゼットンにとって、1兆度の火球は敵を倒すための武器のひとつという意味合いでしかなかったが、本作のゼットンはむしろ1兆度の火球を生成し発射するためだけのプラットフォームであり、火球が本体という立ち位置になっている。
主砲の火球を発射するさいは、胸部のコアが花開くように展開し、両手両足にあたる部位を発射方向へ向け、ゼットンそのものが砲台のような形状に変形する。
地球上の核兵器を集中させたとしても破壊は困難と想定され、ウルトラマンでさえ手も足も出ず勝てない上に、避難も意味をなさない、絶望の二文字を体現したようなこの最終兵器に、人類は総力を挙げて攻略法を導き出す。
それは、ウルトラマンが禍特対の仲間に託した「ベーターシステム」の基礎理論――神永と融合した彼が別次元から本体を召喚して巨大化する機構――を応用し、「ウルトラマンが変身してもういちどベータ―カプセルを点火させれば、1ミリ秒だけ別次元への穴があくので、そこからゼットンごと1兆度の熱量をこの宇宙から追放する」、つまり「変身してからもう一回変身してすぐに拳で殴る」プランであった。
このプランの最大の問題は、ウルトラマン自身もゼットンとともに別次元への穴に吸い込まれてしまうため、帰還が望めない片道切符になる点である。禍特対の田村室長は反対するが、ウルトラマンはすでに覚悟を決めていた。仲間たちに別れを告げ、最後の変身をするとゼットンに特攻。みごとゼットンを火球発射直前に別の宇宙へと追いやることに成功する。
人類が自らの生存を懸けて叡智を結集し、さらにはウルトラマンと人類の双方が固い友情で結ばれていたからこそ摑んだ勝利。ゼットンを倒してみせたウルトラマン、そして人類に興味を示したゾーフィは地球の廃棄処分撤回を決定し、さらにはウルトラマンの願いどおり彼の命を神永に与えたうえで二人を分離=神永を蘇らせるのだった。
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掲示板
635 ななしのよっしん
2023/12/07(木) 20:29:58 ID: KNy7zM8cUQ
>>634
逆に言えば、シリーズがどれだけ続くかもわからなかったし、同じような番組の前例もそんなに多くなかった初代ウルトラマンという最初期の番組だからこそできた演出なのか
今考えてみると、科学特捜隊がゼットンに苦戦して何とか倒すのでは「ウルトラマンがいなくなっても本当に大丈夫…?」って思う人も出てくるだろうし、あっさり倒したことで逆に「もうウルトラマンがいなくても大丈夫!!」って説得力が出たのかもしれない
636 ななしのよっしん
2024/02/29(木) 07:31:57 ID: d19FKT4cFJ
ゼットンが跳ね返したスペシウム光線をまともに受けて爆散しない初代マン頑丈すぎん?
637 ななしのよっしん
2024/08/30(金) 17:32:39 ID: +ql52p964g
>>636
自身の攻撃を防ぎきる防御力を持つのは戦車の基本理念ですので(お目々ぐるぐる)
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最終更新:2024/12/10(火) 12:00
最終更新:2024/12/10(火) 12:00
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