タイプラボとは (タイプラボとは) [単語記事]

有限会社タイプラボとは、書体デザイナーの佐藤豊による個人タイプファウンドリーである。

概要

1969年に佐藤豊デザイン室として創業し、1977年にスタジオ・タイプラボに改称。1993年に法人化した。

写植時代から企業へ所属せず佐藤豊個人で書体開発を行っている、個人タイプファウンドリーの古参。写研、モリサワらに文字盤を提供していた。写植時代の書体には「ラボゴ」、「タイプラボゴシック」「わんぱく」などがある。

その後DTP化を迎えると、モリサワやフォントワークスなどに「ニタラゴ」「ハッピー」「わんぱく」と多くの書体がリファイン・バンドルされ大ヒットを遂げた。

仮名書体のバンドルが多く、漢字には各社それぞれのゴシック書体の混植がなされる（モリサワなら新ゴ、フォントワークスならロダンといったように）。

多くのタイプファウンドリーからはサブスクリプションサービスを通じて提供されているが、タイプラボからは1ウェイト買い切り2000円ほどと安価で提供されているため意外と気軽に利用することができる。

主な書体

総合書体

ルイカ
- 装飾の無いシンプルなゴシック体。若干平体である。
  9段階という豊富なウェイト展開が特徴で、タイプラボの多くの仮名書体は同社からリリースされる場合このルイカの漢字と混植してリリースされている。
レラ
- ルイカの丸ゴシック版。
あられ
- 切り絵や木版画のように角ばって素朴な質感を直線を用いて表現した書体。スシローでの用例は有名。
セプテンバーN
- 手書き系の書体。細いペンで小さく書かれた原字を一字一字スキャンしてリファインを行った。

仮名書体

ニタラゴ（タイプラボN、NTLG、ニュータイプラボゴシック）
- 水平・垂直線を強調した現代的なサンセリフ体で、タイプラボで最も人気の書体。書面のみならずテレビ番組のテロップや任天堂など有名なゲームに多分に用いられている。
- 1984年発表の「タイプラボゴシック」をリファインしたため「ニュータイプラボゴシック」としたが、長かったためモリサワでは「タイプラボN」フォントワークスでは「NTLG（ロダンNTLG）」など企業によって名称が変わってしまった。「ニタラゴ」が最終的な正式名称である。
  丸ゴシック版の「ニタラゴレラ」もリリースされている。
わんぱく
- 程よくくだけた雰囲気のサンセリフ体。テレビテロップのほか、ゲームでは「どうぶつの森」シリーズや「ウマ娘プリティーダービー」などでの用例が有名である。丸ゴシック版の「わんぱくレラ」もリリースされている。
ハッピー
- 明るく伸びやかで柔らかい骨格を持つサンセリフ体。いわゆるポップ体の特徴を持つ。「Undertale」のキャラクター・Sansのセリフなどの用例が有名。
えれがんと
- クルンっと丸い装飾がついたセリフ体で、明朝体と混植で用いられることが多い。プリキュアシリーズなどで多用されている。