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タボール(Tavor)とは、イスラエルのIWI(イスラエル・ウェポン・インダストリーズ)社が生産する、土地柄故に多忙なアサルトライフルである。
名称(シリーズ名)はイエス・キリストが昇天したと伝えられるガリラヤ地方に存在するタボール山から取られた。単語自体の意味は「変貌」。パレスチナ人を○○るのに忙しいから…って付けた訳ではない。
旧式化したガリルやM16/M4カービンの代替品として開発されたブルパップ方式の次世代型アサルトライフルである。
見た目はステアーAUGにイスラエルのエッセンスを足して、ゴツく・メカメカしく・更に戦闘向けにしたようなスタイルだが、そんな外見に似合わず銃(基本仕様TAR-21)自体の重量は2.8kgと、初期M16並の軽量さを誇る子。近年流行のポリマーやアルミ合金を多用したお陰である。ダンボール製だからではない。
だが、基本のオプションを取り付けたら3.6kgとM4やHK社のG36辺りと同程度になっちまうのが悔しい(いや、十分だとは思うけどさ。つーかG36自体も結構軽いんじゃない?)。
なお、TAR-21(Tavor Assault Rifle - 21st Century)とも呼ばれるが、こちらはIWI社の現行カタログでは機種名(基礎モデル)の名称として扱われている模様。TAR-21という呼称の場合、シンガポールSTK社のSAR-21と案外間違えやすい。見た目から内部構造までマジクリソツだから困る(内部機器に関しては一応SAR-88ベースだけど)。
混同を避けたいと思う人は“タボール”の呼称を推奨します。
と言うか、そっちの方が格好良いと感じるのは自分だけ?
スペック | |
---|---|
製造 | イスラエル / IWI |
全長 | 725mm |
銃身長 | 460mm |
重量 | 2800g (2.8kg) |
機構 | ガスピストン方式 (ロングストローク) |
口径・弾薬 | 30発 5.56mm NATO弾 |
有効射程 | 300 ~ 500m |
口径・使用弾薬は5.56mm×45 NATO弾、ライフリングは6溝一回転7インチの仕様で、SS109とM193の双方に対応する。フルオート発射速度は700-1000発/分。
マガジンはM16の物をそのまま流用、基本装弾数は30発となる。しかしガリル専用マガジン(35発)もアダプターを併用する事で使用可能としているところはイスラエルらしい。なお、後述のX95では9mm×19(9mmパラベラム)への口径コンバージョンも可能にしている。こちらはウージー用マガジンを流用する。
ブルパップ方式ではアイアンサイトによる照準は難しいため、タボールではドットサイトが標準装備となっている。乗せられる機種はイスラエルITL製のMARS(マーズ)や同国メプロライト製のM21などがある。
このうち、MARSはレッドドットとレーザーサイトを併用したハイブリッド・システムだが、高機能の結果として相当な値段になるらしいのでイスラエル軍ではリフレックス式のM21の方が多く採用されている模様。
万一のドットサイト故障に対応するため一応アイアンサイトも非常用として完備されている。ドットサイトの後ろに暗視スコープ(ITレーザー製トライサイトX3)やグレネードランチャー用サイトも簡単なネジ込み式で取り付け可能とし、一々面倒な作業無しであらゆる状況に対応出来る。
トリガーとセミ・フルオート切り替えセレクターの位置は、M16と大体の位置を合わせている。
これはイスラエル軍ではM16系ライフルが多く使われているため、違和感なく扱えるよう対応した為である。
AUGと同じく左右対称(アンビデクストラウス)の設計であり、ボルトなどのパーツを簡単に交換する事で両利き対応としているが、その場で即座に交換する事は出来ない。一応イスラエル軍はこの設計にOKサインしてるはずだから、彼らにとってはまだまだ許容範囲内と理解しても良いのかしら。
内部機器はAK-47そのままであったガリルの長ガス・ピストン方式から一新し、AUGと同じくAR-18系からの改良型である短ガス・ピストン方式を採用した。ボルトはAK-47とM16のボルトを混ぜたような奇異なデザインの4本のボルトロッキングラグとなっており、より悪条件に耐えやすい設計となっている。X95の口径9mm×19の場合は単純なブローバックに変更される。
軽量化のため、主要機器のあるストック後方部分に重量が集中してしまっているが、これはバーティカルグリップやバイポッド、M203ランチャーの併用で改善出来るらしい。なお、銃口(先端)部分は軽量であった方が撃ちやすいという意見もあるため、重量配分に関しては一概に欠点とは言えないようだ。
少なくともヒズボラとの戦闘やガザ地区へ投入されているため、それなりの実戦経験はある(まぁ当たり前か)。
余談だが、某高性能ハゲ氏はイスラエル軍に広く採用されるコマンダー仕様を用い、300m先の標的の頭と肩に命中させている。この場合、タボールの方が凄いのかハゲ氏が凄いのかぶっちゃけ訳わかんねぇや。要はどっちも凄いってこったね。
初期のタボールは故障しまくったためM4A1に制式突撃銃の座を奪われてしまったと伝えられているが、これは初期の頃の試作品は工作精度が安定せず、しかも悪条件下でのテストであったことが原因だったらしい。
そうしたテストの甲斐あって改良され完成、その後ようやくイスラエル軍に制式採用されている。なお、同じIWI社のガリルやネゲヴ軽機関銃も、やはり最初は故障しまくり→改良→完成・採用のプロセスを経ている。
こうした完成までの経緯はイスラエル伝統の通過儀礼とも言えるので、あまり重要視すべきではない事柄であろう(と思う)。
イスラエル軍では、主にギバティ/ゴラーニ旅団(Givati/Golani Brigade)、および特殊部隊(エリート)枠であるサイエレット・マトカル/ゴラーニ(Sayelet Matkal/Golani)などを中心に試験採用後、現在では様々な部隊の新兵や士官候補生を中心にCTAR-21やGTAR-21を配給、配備している。
ちなみに部隊内では旧式のM16・M4を宛がわれるベテラン兵士達がコイツを欲しがり、盗もうとする程の人気があるらしいとか。
イスラエル軍のほかに13ヶ国で採用されている。この内インド、ブラジル、ウクライナではライセンス生産での供給となっている。
同世代のSAR-21やF2000と比べて、イスラエル製なこともあってか売り上げはかなり好調なため、ブルパップ銃の中ではAUGやFA-MAS、P90に続いて商業面でも成功したと言える銃である。
掲示板
39 ななしのよっしん
2018/01/25(木) 17:52:32 ID: CxrSSrXvaU
なんとまぁ308のみならず12ゲージのショットガンタイプまで作ってたのか…
その名も「タボールTS12」だそうな
ttps://www.shootingillustrated.com/media/1586849/tavor-ts12-bullpup-12-gauge-shotgun-f.jpg
ttp://www.thefirearmblog.com/blog/wp-content/uploads/2018/01/IMG_20180121_123215926_HDR.jpg
初めて見た時は何だか雑なコラ画像にしか思えなかったぞ…
まぁどう見ても試作品って感じだから正式な製品版ではもう少し変わるんだろうな
40 ななしのよっしん
2020/05/04(月) 07:35:33 ID: Q82enlpifc
映画やゲームに出てくるのはマイクロが多いけど、460mmのフルサイズバレルにKeymodみたいな延長シュラウド被せたゴツいカスタムが個人的に好き
41 ななしのよっしん
2023/10/09(月) 17:37:21 ID: 1w/ZwoX2vJ
ハマースのイスラエル本土強襲でタボールに光学照準器を捩じ込むのに夢中になってたIDFの兵士が素のAKを持つテロリストに近距離戦で無惨にも射殺される動画を見かけてしまった
やっぱりバックアップサイトは大事ってのもあるし、たとえ優秀な銃だとしても使う兵士が不慣れではなんの意味がないという苦い教訓だな
そして戦死した彼が一人で守っていた建物の中には民間人たちが……
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最終更新:2025/05/13(火) 10:00
最終更新:2025/05/13(火) 10:00
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