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ダノンザキッド

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ダノンザキッド とは、2018年生まれの日本競走馬である。

な勝ち
2020年ホープフルステークス(GⅠ)東京スポーツ杯2歳S(GⅢ)

概要

ジャスタウェイエピックラヴDansiliという血統。レーティング世界1位にもいたGⅠ3勝種牡馬としても中堅どころの地位を築き始めていた。アイルランドで、フランスGⅢ1勝のほかGⅠ2着の実績を持つ。セレクトセールでは1億800万円の高額で購買された。フランスリーディングサイアーになったこともある名種牡馬である。

命名由来は「冠名+人名称」。
恐らくはアメリカ西部開拓時代のアウトローウィリアムヘンリー・マッカーティジュニア」の称である「ビリー・ザ・キッド」からと思われる。

早駆け悪漢王

2歳

2歳6月阪神1800mで北村友一を背にデビュー。2番人気に支持され、好位の外から4コーナーで進出、内にヨレるなど緩さは見せたものの直線々で先頭に立ち突き放すという圧倒的な競馬で初勝利を収める。

中間はいったん放牧に出され、11月東京スポーツ杯2歳Sに出走。ここから上はダノン軍団と縁深い川田将雅に乗り替わった。前年のコントレイルをはじめ勝ちには後の名も多い出世レースである。この5か体重はプラス24kgと成長を見せ、営からは成長途上と慎重なコメントも見られたが、人気は単勝1.7倍の一本被り。レースも前走同様先団に取り付き、直線でほとんども入れずに仕掛けられただけで一気に抜け出して勝。初重賞制覇を飾った。

次走にはホープフルSを選択。2戦2勝で重賞勝ちの実績はここでも抜けた存在であり、2.1倍の1番人気に支持される。レースはいつも通り先団を見る好位を選択。中は動きが多くダノンザキッドも上手くリズムに乗れたわけではなかったが、それでも3から外を回って進出、直線の入り口で先頭に取り付く。さすがにGⅠとあってこれまでのようにあっさりとは抜け出せず内の3頭との叩き合いになり、残り1ハロンで良血オーソクレースリードを取られたが、ゴール手前でさらにギアを上げ強い末脚を繰り出して差しきり、最後は1身1/4差をつけて勝利デビュー3連勝でGⅠ制覇を果たした。上の川田将雅師匠である安田調教師の管理ではGⅠ勝利。普段は冷静な川田を詰まらせた。また、ジャスタウェイにとっても初のGⅠ産駒となった。
これらの勝利により、2020年JRA賞最優秀2歳に選出。

この成績により、2020年の最優秀2歳に選出。新馬戦東スポ杯→ホープフルロードはこの年の三冠馬コントレイルと全く同じであり、一躍クラシック戦線の最有補として2021年を迎えることになった。

3歳

皐月賞弥生賞ディープインパクト記念から始動。単勝1.3倍の断トツの1番人気に推される。

いつも通り先団好位につけてレースを運ぶも、今回は東スポ杯とホープフルSでいずれも御していた4番人気タイトルホルダーの快調な逃げを許し、最終直線での鋭い追い込みも届かず3着敗戦。デビューからの敗はここで途切れた。上がり最速の末脚は見せて大きく評価は落とさなかったものの、2歳戦線を怪で出遅れながらも2月のG共同通信杯を圧勝した快速エフフォーリアの台頭もあり、世代の筆頭扱いから一転、然抜けた存在のいない群雄割拠世代の様相を呈し始める。

迎えた本番皐月賞。明確な本命不在という下評の中、2強としてエフフォーリア人気を分け合い、弥生賞からだいぶオッズを上げたものの、最終的に3.3倍の1番人気に推される。

ところが、パドックを見た者たちは一様に不安に襲われる。ダノンザキッドの様子が明らかにおかしい。元々かきなではあるのだが、ポタポタとが滴り落ち、ゼッケンが泡だったなるほどの大量の発ゲートインまでの行動にも落ち着きがない。これは気合の表れなのか、それとも……。

果たして、レースにおいてその不安は的中。序盤こそ先団でレースを組み立てるものの、最終コーナーに入ると一気に抜け出したエフフォーリア逃げ切りを図るタイトルホルダーについていくどころか、ダノンザキッドは故障すら疑ってしまうほどの大失速でズルズルと後退。何とブービー15着という大惨敗を喫した。レース後の営も一様に「返し馬では体調不良どころか抜群だった」「敗因はよくわからない」と困惑。快勝のエフフォーリアとは裏に、大きな不安を残すレースとなってしまった。今年のG11人気がなかなか勝てない呪いを被ったからとか言ってはいけない

その後は骨折が発覚しダービーを回避。を治療と休養に充てた後、菊花賞も回避しマイル/中距離戦線へ転向。菊花賞前日の富士ステークスから復帰。3年ぶりの勝利を狙うダービーワグネリアンNHKマイルカップ2着のソングラインら実績に対し2番人気に支持されたが、中団から伸びきれず4着に敗れる。

そのままマイル戦線を進みGⅠマイルCSに出走。マイルでの実績不足に加えてグランアレグリアシュネルマイスターインディチャンプなど一流マイラーが一堂に会するメンバーとなり本は6番人気にとどまる。レースでは13番から中団群で待機。スローペースの中じっと機をい、3コーナーで外のグランアレグリアと並ぶように仕掛ける。直線では群の間にいたスペースを突き抜け、外をすっ飛んでいったグランアレグリアには負けしたものの2年前の王者インディチャンプハナ差退けての3着に好走。復活の兆しを見せた。

4歳

勝利に終わった3歳シーズンからの捲土重来を期す2022年。だがこの年から、皐月賞あたりからちらほらと伺わせていた、優等生だったとは似ても似つかない気性の荒さがいよいよ顕在化し始める。

初戦は2月中山記念マイルCSの好走から2.6倍の1番人気に推された……のだが、ゲートに入ってから落ち着きがなくなり、スタートであおって立ち上がり大きく出遅れてしまう。任せで中団まで進出していったものの、直線では全く見せ場なく、パンサラッサ大逃げを後ろから眺めるだけで7着敗戦。上の川田は「返し馬が抜群で具合の良さを感じたが、中山で嫌な記憶があるのか、全く走る気になってくれなかった」とコメントホープフルSを勝った舞台である中山競馬場だが、その後の皐月賞での大敗がトラウマとなっている可性を示唆した。

ドバイターフへの招待を受けていたがこの結果を受けて辞退。マイラーズカップを経て6月安田記念ローテを組んだが、状態が整わずにマイラーズカップも回避し、結局安田記念へのぶっつけ出走となった。前走の不甲斐なさから7番人気まで人気を落としたが、レースではかかり気味ながら中2番手の好位先行に成功。残り200mで先頭に抜け出したが、そこで脚が止まって追込み勢との団子状態となり、1着ソングラインと0.2差の混戦ながら結局6着に終わる。

短期放牧を経て、マイル重賞関屋記念に出走。実績的には出走の中でも抜きんでていたもの、の不甲斐なさかからか人気は遅咲き本格化気配の5歳ウインカーネリアンと分け合い同オッズの2番人気に留まる。今回はちゃんと折り合い、中6番手から上がり最速の脚で追いにかかったが、前走とは打って変わってスローな展開で先行の脚が止まらず、捉えきれずに3着が精いっぱい。

どうにもちぐはぐな競馬が続く中、毎日王冠から始動。2戦からずっとタッグを組んできた川田が同じくお手レイパパレを優先したため、戸崎圭太と初コンビを組む。10頭立てと少数ながら自身を含むGI4頭がったスーパーGIIで、4番人気に推されたが……。
中山記念から見せていたゲートでの落ち着きのなさがここで大爆発ゲート入り後にしく奮し、ゲートタックルをかまし破壊して飛び出してしまうという大失態をやらかす。その後はすぐに落ち着きを取り戻して止まり、体検も問題なかったので出走停止とはならなかったが、ゲートをぶっ壊したためあえなく外発送となる。こりゃだめだともが思ったが、どっこいレースでは至って元気。好スタートを決めて3番手につけ、直線で先頭を行くレイパパレに並びかけ脚も十分。久々勝利かと思われたが、後方からそれを上回る勢いでサリオスジャスティンカフェが急襲。両者に抜かれ3着に終わったものの、久々に強さを感じる内容のレースだった。
……のだが、スタートでのヤンチャが見過ごされるはずもなく、レース後に待っていたのは10月いっぱいの出走停止と発走調教再審のお達し。(出る気があったかはともかく)天皇賞(秋)はこれで出走不可になった。

再審事通り、気を取り直して前年3着だったマイルCSへ2度の出走。古勢から芝マイル敗のソダシ、前年2着のシュネルマイスター毎日王冠を制したサリオスが駒を進め、3歳世代からもNHKマイルカップダノンスコーピオントライアル富士Sの勝ちセリフォスなどが出走。実が多数い、約2年勝利のないダノンザキッドは単勝26.0倍の8番人気にとどまる。

川田が同馬主ダノンスコーピオンに回ったため、大怪から1年7ヶぶりのGⅠ復帰戦となる北村友一新馬戦以来のタッグを組んで出走。23番から五分にスタートし、ソダシを見るように好位に控える。すぐ外にダノンスコーピオン、背後にシュネルマイスターサリオス、一列後ろにセリフォス人気が密集。外からファルコニアめに仕掛けた以外は展開にも動きはなく、ひとかたまりのまま直線に突入する。そのん中にいたダノンザキッドはなかなか進路が開かず抜け出せなかったが、めげずにソダシの内で食い下がりながらタイミングを待ち、残り200mを切ってようやくできた隙を突いて最後の一脚。外で必死ソダシを競り落として群の先頭に出た・・・が、すでに大外からセリフォスが上がり最速ですっ飛んでいった後。1身1/4ちぎられての2着に終わり、2年ぶりの勝利はならなかった。しかしソダシ以下の有完封してホープフルS以来の連対を果たし、北村友一ともども久々GⅠで好成績は残した。

次いで香港カップへ出走。前走と同じく北村友一とのコンビで出走となった。例によってパンサラッサ逃げる中、中団やや後ろに控えるかたちとなった。流石香港ダービーロマンティックウォリアーにはかなわなかったが、最後の直線で一伸びを見せて2着、日本勢最先着という好走を見せた。

5歳

明けて5歳となった2023年は今度こそとの大標としてドバイターフに登録、その始動戦として昨年川田騎手から精的な要素によるコース相性の悪さを示されていたのに、再び中山記念を選択。近走の2着続きを上向く気配と判断されて、レース当日にシュネルマイスタースタニングローズといった他のGIを差し置いて2番人気の支持を受ける。
しかしまたしても問題発生、今度は出走前にゲートを潜ろうとする素振り内駐立不良)を見せてしまった。レース内容としても特に見るべきところはなく、結果は11着に惨敗してしまう。上の北村騎手レース後に「ピリピリしていた。ポジションを取りに行ったぶん気負って、4から脚が使えなかった」と気性の問題点を惨敗した理由に挙げていた。
さらに当然というべきか出走前の行動が見過ごされるはずもなく、レース後には3月いっぱいの出走「再」停止と発走調教「再々」審のお達し。最悪のタイミングドバイターフへの出走は不可能となってしまった。何もこんなところまで繰り返さなくても…。

というわけで再審に合格して大阪杯へ。前走惨敗したこともあり10番人気。前につけ、上がり600mを350でまとめたが、前にいるジャックドールが353でまとめたこともあり届かず、後ろからくるスターズオンアースが344というのような末脚にめちゃくちゃにされ3着に終わった。とはいえ4着には2身差つけており、2強に迫るだけは見せつけた(1着2着間ハナ差、2着3着間クビ差)。

その後は香港クイーンエリザベス2世カップへ遠征するも7頭立て5着。日本に戻って宝塚記念距離が長すぎたか13着。マイルチャンピオンシップは前崩れの展開が利したこともあり、上がり3位タイの末脚で5着を確保。その後再び香港へ遠征し香港マイルへ向かうも、12着惨敗。この香港マイルをもって引退種牡馬入りの運びとなった。

世代の筆頭をったエフフォーリアを筆頭に、そろそろターフを去って第二の生を歩もうとする同期の姿も見られだす5歳のこの時期、にも拘らず2歳王者は未だにゲート相手に悪童まっしぐらの様子であったが、内最終戦マイルチャンピオンシップやらかしたのはシュネルマイスターの方でダノンザキッドではなかった。管理する安田調教師の定年も差し迫る中、ファンから望まれる覚醒はいつになるのだろうかと期待されたが、大阪杯3着、マイルCS5着とまあそこそこやれていたのではないだろうか。

血統表

ジャスタウェイ
2009 鹿毛
ハーツクライ
2001 鹿毛
*サンデーサイレンス Halo
Wishing Well
アイリッシュダンス *トニービン
*ビューパーダンス
ビル
1999 鹿毛
Wild Again Icecapade
Bushel-n-Peck
*シャロン Mo Exception
Double Wiggle
*エピックラヴ
2008 鹿毛
FNo.15-a
Dansili
1996 黒鹿毛
*デインヒル Danzig
Razyana
Hasili Kahyasi
Kerali
Leopard Hunt
2001 栗毛
Diesis Sharpen Up
Double Sure
Alcando Alzao
Kaniz

クロスLyphard 5×5

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