ダンシリ(Dansili)とは、アメリカ生まれフランス調教の競走馬、イギリスの元種牡馬である。男尻♂ではない。ダンジリと読むこともある。岸和田名物かな?
現役時代は兄弟唯一のイマイチくんとなったが、繁殖としては随一の大活躍を見せた。
父はダンジグをさらに大きく羽ばたかせた大種牡馬デインヒル、母は世界記録達成(後述)の超名牝ハシリ、母父は*イルドブルボンが欧州に残してきた大物カヤージ。
1996年、米国ジュドモントファームで生まれた彼はすくすくと育ち、ジュドモントファームのオーナー・アブドゥラ殿下の所有馬としてフランスの名門アンドレ・ファーブル厩舎に入厩。
2歳の10月にデビュー戦を迎えると主戦騎手となる日本でもよく知られたオリバー・ペスリエ、もといオリビエ・ペリエの手綱でサクッと快勝しクラシックに備えて放牧。
5月に復帰すると1戦してここも勝ち、プール・デッセ・デ・プーランへ向かった。1番人気を背負って出走するが、ここまで4戦して1勝2着3回のセンダワールの前に2着に敗れてしまう。
まあ、センダワールはこのあとGI4連勝を決めて翌年のプリンスオブウェールズステークスでドバイミレニアムから1番人気を奪取するような馬に覚醒するわけではあるが……この後のダンシリのことを考えると、ここを勝っていれば逆だったかもしれねェ……みたいな感はある。
その次走には当時1800m戦時代のジャンプラ賞(現在は1400mで施行)に向かうが、1800が長かったのか4着と敗れる。先頭とは3馬身差なので大負けはしていなかった。その後は一旦まず重賞から取ろうとなったのかGIII召し捕るメシドール賞に出走するとここは快勝。重賞馬となる。
しかしジャック・ル・マロワ賞、ムーランドロンシャン賞のフランスマイラーの最大目標2連戦では前者はドバイミレニアムにけちょんけちょんにされ3着、後者はセンダワールに格の違いを見せられ3着。肝心なところでヘタれる馬として3歳を終えた。
4歳は4月のGIIIエドモンブラン賞から始動。ここと次のGIIミュゲ賞はサクッと2馬身差付けて快勝しイギリスへ。ロイヤルアスコット開催のマイルレース・GIIクイーンアンステークス(現在はGI)に出走する。
しかしこのあとジャイアンツコーズウェイと激闘を繰り広げ、落陽のモンジューを撃破し覚醒するカラニシに敗れて2着。次走に選んだグッドウッド競馬場夏の金看板・GIサセックスステークスでは年下のジャイアンツコーズウェイを一気に飲み込む勢いで上がっていくが、実際には得意の叩き合いに誘い込まれており、スーパーすげぇど根性で差をわからせられ2着。ざぁ~こ♡ざぁ~こ♡よわよわ♡
しゅんとして帰国した後ムーラン・ド・ロンシャン賞に出走するがキャリア最悪の6着に惨敗。距離が長いのかも、と凱旋門賞ウィークの1400m戦・*ノーザンテーストも勝った一部界隈で世界最強馬を決めると言われる一戦GIフォレ賞に出走するが、前走勝ち馬インディアンロッジに敗れて2着。
「なんだこれは! どうすればよいのだ!」となったのかはわからないが、米国秋の大祭典・ブリーダーズカップへ。彼の場合当然マイルを選択。アメリカの名手ジョン・ヴェラスケス騎手に替えて臨むが地元米国のウォーチャントに敗れ3着。インディアンロッジもいたが惨敗だったのでちょっとは溜飲が下がったかもしれない。
このレースを最後に14戦5勝として4歳一杯で引退。結局GIではいいとこなしであったが掲示板を外したのはクソガキジャイアンツコーズウェイに叩き潰された次のムーラン・ド・ロンシャン賞6着のみであった。ナイスネイチャとかナリタトップロードみがある。
引退後は血統が評価されたのと、ひとつ下の全妹バンクスヒルが兄の苦戦を尻目にBCフィリー&メアターフ他GI2勝したのが効いたか、アブドゥラ殿下所有の種牡馬場・バンステッドマナースタッドで種牡馬入りが決まった。
種牡馬入り後は*デインヒルの種付け料が産駒の大活躍により青天井で上昇し代替需要が増したこと、バンクスヒルら兄弟の大活躍のおかげもあって何もしなくても評価が上がる状態になったのも幸いしたかそこそこの人気を得た。
それに応えて初年度から日本馬を成敗する専門家・モンジューの血族に代わってディープインパクトを粉砕した凱旋門賞馬・レイルリンクを輩出。その後は父の死もあって需要はさらに増えたし、それに応えて毎年のようにGI級の馬を出し人気はさらに上昇。欧州デインヒル系ではデインヒルダンサーと並んで最有力の存在となった。まあ*デインヒルはもう南半球、オーストラリアが本場ではあるが。
有名所ではキングジョージで記録的圧勝劇を見せた*ハービンジャー、ドバイではジャスタウェイにはボコられてしまったが世界中を飛び回ったタフな名牝ザフューグ、父に似て勝ちきれなさがあった(こっちはGI複数勝ってるけど)フリントシャー師匠あたりだろうか。
ブルードメアサイアーとしてもそこそこの活躍を見せており、モンジュー産駒では貴重な牝馬のGI馬チキータ、日本だとミッキーチャーム(母*リップルスメイド)、シャドウディーヴァ(母*ダイヤモンドディーバ)、ダノンザキッド(母*エピックラヴ)あたりが挙げられる。名前を見ても最近の馬が多い通り、日本では近年成果を上げ始めている。
2018年に受精率の低下を理由に種牡馬を引退。隠居生活に入っていたが2021年12月22日に亡くなった。もうすぐで26歳を迎える冬であった。
*デインヒル 1986 鹿毛 |
Danzig 1977 鹿毛 |
Northern Dancer | Nearctic |
Natalma | |||
Pas de Nom | Admiral's Voyage | ||
Petitioner | |||
Razyana 1981 鹿毛 |
His Majesty | Ribot | |
Flower Bowl | |||
Spring Adieu | Buckpasser | ||
Natalma | |||
Hasili 1995 鹿毛 FNo.11 |
Kahyasi 1985 鹿毛 |
*イルドブルボン | Nijinsky II |
Roseliere | |||
Kadissya | Blushing Groom | ||
Kalkeen | |||
Kerali 1984 鹿毛 |
High Line | *ハイハット | |
Time Call | |||
Sookera | Roberto | ||
Irule | |||
競走馬の4代血統表 |
クロス:Northern Dancer 3×5(15.63%)、Natalma 4×4(12.50%)
ジャイアンの見事な誘い受けくらいしかなかった悲しさ(1:45付近からサセックスステークス)
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最終更新:2023/03/26(日) 18:00
最終更新:2023/03/26(日) 18:00
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