ダンジョンマスターとは、リアルタイム3Dダンジョンゲームのことである。
テーブルトークのダンジョンマスター(ゲームマスター)はこちらが参考になるかも。→D&D、TRPG
■概要
1987年に発売されたアメリカ発のゲーム。
あちらの名称は『Dungeon Master』で日本語版が『ダンジョン・マスター』、制作はFTL Games。
対応機種は多く、X68000・FM-TOWNS・PC-9801・スーパーファミコン等。
略称としては『ダンマス』がよく使われる。
■ストーリー
※本編をプレイする上ではそこまで重要でもないので参考程度に。
アナイアス山の麓のダンジョンで、偉大な魔術師グレイロードは自身の持つ炎の杖と人類などの生命を創造した力の玉を融合させる研究を行っていたが、ある日呪文を誤って唱えてしまい、大爆発を引き起こしてしまう。
これによりグレイロードは肉体を失ってしまい、リブラスルス(秩序)とカオス(混沌)のふたつの存在に分離し、混沌を求めるカオスは世界征服を企み行動を始める。
さらに、力の玉の暴走の余波で世界各地では混乱や異変が起こっておりこの二人だけの問題では無くなっていたのである。
このままにはしておけないと多くの勇者が事態の解決のためカオスが潜む迷宮に足を踏み入れたが、帰ってきたものは一人もいなかった。
迷宮で倒れた勇者たちは見せしめに鏡に閉じ込められていたのである。
このままではカオスが力の玉と炎の杖の合成に成功しその力を得、取り返しがつかないことになる…、そう考えたリブラスルスは同じく大爆発に巻き込まれ実体を失った弟子のセロンに『鏡に閉じ込められた勇者たちの復活』『迷宮の攻略』、そして『炎の杖の奪還』を指示する。
実体が無いため直接の干渉が出来ないセロン、そして彼の手によって復活した勇者たちの戦いが始まるのだった…。
■ゲームシステム
ゲームシステムは当時ではとても画期的であった。
まず、プレイヤー側・怪物・罠がリアルタイムで進行している、道具を投げればどんどん奥へ飛んでいき、休憩で眠っている間にも怪物がこちらの首を狙って来るし、どこからともなくファイアーボールで攻撃され、スイッチを押したら大量の怪物に囲まれたりする。
また、リアルタイムで進行する迷宮内では腹も減り喉も渇くので食料や水の確保も必須となる。
これらの要素によって常に緊迫した探検が楽しめ、当時の多くの冒険者を不眠症にしてきた。
バックグラウンドとなる話はあるものの会話シーン自体ほとんど無いためストーリー性は薄いが、ゲーム自体の評価の高さと人気から漫画化、ノベライズなどのメディアミックスも果たしている。
■技能レベル
ダンジョン内で行った行動によってそれに対応した技能が育っていく、
各技能は『戦士』『忍者』『僧侶』『魔術師』だ。レベルが上がるとそれに対応したステータスが上昇し、武器や呪文を使用できるようになる。
このゲームのレベルは敵を倒しただけで上がるタイプではなく、様々な行動が経験値として反映される。
主に経験値に関わるのは、『戦士』は武器攻撃と敵から受けるダメージ、『忍者』はアイテム投擲と素手攻撃、『僧侶』は秘薬作成と防御呪文と杖使用、『魔術師』は攻撃呪文合成。
レベルが上がる条件を知っていればレベル上げも容易なので、不安ならまめに鍛えておくといいだろう。
ストーリークリアにはレベル9以上(○○マスターという呼称がつく)あれば十分である。
■呪文
このゲームの呪文は一般のRPGにおける呪文名を選択して呪文を発動するものではない、呪文のシンボルを組み合わせて呪文を発動するタイプだ。シンボルは、パワー/エレメント/フォーム/クラスの4階層に分かれており、各階層のシンボルは6種類ある。合計で24個だ。
シンボルはパワー->エレメント->フォース->クラスの順に一つずつ選択していく。最低でも2つ組み合わせないと呪文は発動しない。シンボルの組み合わせは沢山あるが、実際に唱えられる呪文は数十種類である。
呪文の組み合わせについてはゲーム中の巻物から情報を得ることが出来るが、攻略本やサイトなどで事前に組み合わせを調べておけばスタート直後でも使用可能である。
組み合わせを前もって登録しておいてすぐに発動することは不可能なので、戦闘時は即座にシンボルを合成する技術が生死を分けることも。(シンボル完成手前で止めておく小技はあるが連発は出来ないので一度限り)
呪文には『僧侶』と『魔術師』の呪文に分かれており、それぞれの対応した技能レベルが高くないと呪文の発動に失敗する。『僧侶』呪文は回復、防御、ステータス補助が多く、『魔術師』呪文は攻撃、探索補助が多い。
このゲームでは体力・毒回復やステータス補助呪文を行う場合はフラスコに僧侶が呪文で詰めた秘薬を服用する必要がある。
また、僧侶の秘薬を合成する呪文は空のフラスコを手に持っていないと発動できない。
手にしたフラスコに液体が詰め込まれたら、それを飲んだり、投げたり(毒薬を詰めた場合のみ)して使うことができる。
僧侶として運用する勇者は常にフラスコを手に持っておくといいだろう。
フラスコは迷宮内にかなりの数が落ちており再利用も可能だが、毒薬を詰めて使用した場合は割れてしまうのでその点に注意する必要がある。
■戦闘
戦闘は常にリアルタイムで動いているので、自由に動き回って攻撃できる。しかし、怪物側もリアルタイムに行動しているので、いつの間にか囲まれたり、退路を塞がれたりするので足音には注意しよう。
敵の種類そのものはそこまで多くはないが非常に個性のある敵が多く、後述の自由度の高さと相まって楽しい戦いが楽しめるだろう。
武器で攻撃するには武器を右手に持ち、右側の水色のパネルに武器シルエットが表示されるのでそれを選択し、各攻撃行動を選択すれば怪物に損害を与えることができるぞ。武器の種類や技能レベルによって、できる攻撃行動が変わってくる。接近攻撃は後列からでは当たらないので後列の勇者は飛び道具や杖を持つことになる。
遠隔攻撃や呪文でも攻撃可能だが、これらは射線が右左に別れているので立ち位置によっては怪物に当たらず後ろの方に飛んでいってしまう場合もある。(人数の影響も受ける)右上に立ち位置のアイコンがあるので、場面に合わせて切り替えていこう。
これ以外にも怪物を扉のマスに誘い、開閉スイッチを押して扉に挟んで損害を与えたり、レバーを引くタイミングで落とし穴に落とすことができる。このように色々な方法で障害を乗り越えられるのがこのゲームの魅力だ。
■探索
探索を進めていく上で必要なものは、食料、水、光源だ。動かなくても時間は進んでいるので、どんどんお腹は減っていく、食料は見つけたら余裕がある限り鞄に詰めておこう。
水は最初から詰まっている袋やフラスコもあるが、基本的には泉で皮袋やフラスコに詰めることになる。
どちらも勇者の人数によって消費量が大きく変わるので、人数が多い場合は泉の位置や食料となるモンスターが出てくる場所を抑えるようにしておきたい。
腐ることはないので、荷物に余裕が無い場合は食料や水をまとめた箱などを寄りやすい場所に配置しておくのも有効だ。
ダンジョンは暗いのが当たり前だ。最初は松明の光で進むことになるだろう、中盤以降は光源の呪文で代用していこう。
ダンジョンには鍵、スイッチ、幻壁等の仕掛けがあり、ちゃんと注意して探索しないと謎を解くことができないだろう。なかにはタイミングを要求される仕掛けもある。隠し部屋には冒険を有利に進めることができる道具が眠っている。
■怪物
ダンジョンには様々な怪物がうろついている。
近づいて攻撃してくる、毒持ち、呪文を唱える者、宙に浮いている、接近攻撃が効かない霊体、やけに硬い、アイテムを盗む者、倒すと食料になる等。
強さは様々だが、どんな敵と戦う時も回復手段と退路を確保しておくことが迷宮で生き残る上では重要。
不幸にも戦死してしまった場合はヴィーの祭壇という場所へ勇者の骨を置くことで蘇生出来るが、死亡すると死者のアイテムをその場に置き去りにする羽目になるデメリットがある上祭壇の数も少なく後退を強いられるので命を大切にするよう心がけること。
■勇者
勇者は総勢24人。男に女、エルフやホビットなどの亜人、そしてリザードマンや狼男などの人外と様々なキャラが揃っておりステータスも千差万別。
どのキャラを選んでもクリアは可能だが、パーティプレイか単独・少数の捜索かで実用性が大きく変化する極端なステータスの勇者もいるためどのキャラを選ぶかはよく考えること。
マナ(MPに相当する呪文合成に必要なステータス)が0のキャラの単独プレイは多くの行動に制限がかかり難易度が跳ね上がるためお勧めしない。
勇者が封印された鏡の前に立つと『復活』『転生』という二つのコマンドが表示されるが、前者は生前の能力そのままで呼び出すコマンド、後者は能力値を活かしたまま別人として二度目の生を与えるコマンドである。
『転生』は技能レベルが全て0になってしまい武器や呪文合成が以前のように出来なくなるため序盤は辛いが、初期値が若干アップ、成長させた後は『復活』よりもステータスが伸びる、名前が変更できるなどのメリットがあるので大器晩成型を求めるならこちらを。
■パーティ編成
勇者は最大4人までパーティに加えることが出来るが、それ以下の人数でも特にペナルティは無い。
逆に、人数分の食料の調達が楽、レベル上げに時間を割きやすいなどの少人数ならではのメリットもある。
とはいえ、荷物の持てる数や1人あたりにかかる負担の重さなどのデメリットもあるので初回プレイでは3~4人で進め、2回目以降で人数を絞る、という形でプレイした方が楽だろう。
■家庭用移植
PC版発売後に登場したスーパーファミコン版の移植はビクター音楽産業が担当。
効果音・グラフィックが一新されている上音楽が時折流れるようになっており、ビジュアル面の出来はシリーズ中トップクラス。
処理が遅く探索画面の動きが鈍い(インフォメーション画面は早い)、後期ロムにデータが破損するバグがある(あるクリアに必須なキーアイテムを持ってダンジョンの入口まで戻るのが条件なので発生はしにくい)が、今でも入手しやすい部類である。
■続編
もちろん続編も作られている。
また、このゲームに影響されたゲームも幾つか見受けられる。
・ダンジョン・マスターの続編
続・ダンジョン・マスター カオスの逆襲(PC、本作の続編)
ダンジョン・マスターII スカルキープ(PC、システム・ストーリーを一新した3部作だったが会社が倒産したため未完)
ダンジョン・マスター セロンズクエスト(PCエンジン、セロンがグレイロードに弟子入りする前の試練を描いた本作の前日談)
ダンジョン・マスター ネクサス(SS、様々なシステム改変が行われた、3Dを採用したサターンオリジナルのダンマス)
・影響を受けていると思われる作品
アイオブザビホルダー
ダンジョンアンドマジック
ダンジョンハック
ウルティマアンダーワールド
キングスフィールド
・クローンゲーム
Dungeon Master for Java
RTC
■関連動画
ダンジョン・マスター / Dungeon Master
スーパーファミコン版 FM TOWNS版
実況動画
スーパーファミコン版
続・ダンジョン・マスター カオスの逆襲 / Dungeon Master chaos strikes back
PC-98版 同じくPC-98版
ダンジョン・マスターII スカルキープ / Dungeon Master II Skullkeep
FM TOWNS版 PC-98版
ダンジョン・マスター セロンズクエスト / Theron's Quest 同じくPCエンジン版
■関連商品
漫画版と小説版が存在する。漫画版はギャグ寄り、小説版はシリアス。原作で肩書き程度の設定しか描写されていないためキャラ設定はオリジナル要素が強め。
■関連項目
かきかけ...
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