スポットライト、ふたたび
暗闇が続く日々にも
あきらめることなく
ひたすら耐えてきた。
そんなわたしに
神様が与えてくれたチャンス。
ダンスインザムードとは、永遠の愛を禁じられた恋に捧げた女。2001年産の日本の元競走馬・現繁殖牝馬である。
メジロラモーヌ以来18年、関東所属馬桜花賞未勝利という呪縛を打ち破った天才少女であり
長じて挫折、円熟味を増して復活となかなかに味わい深い馬生を歩んだ、青鹿毛の名牝。
主な勝ち鞍
2004年:桜花賞(GI)、フラワーカップ(GIII)
2006年:ヴィクトリアマイル(GI)、キャッシュコールマイル招待ステークス(GIII)
父はサンデーサイレンス、母はダンシングキイ、母の父ニジンスキー、半兄にエアダブリン、全兄・全姉にダンスパートナー、ダンスインザダーク
近親にスズカマンボらもおり、近年屈指の名牝系の出身である。
じっくりと育てられ、デビューしたのは2003年12月。ここを6馬身ぶっちぎり楽勝。次走の500万下条件では長期休養から復帰した岡部幸雄に復帰後初勝利をプレゼント。そして次走武豊にスイッチするとフラワーカップを楽勝し、一躍桜花賞の最有力馬に推される存在となった。
ちなみに、岡部はこのスイッチで結局キャリアの中で桜花賞勝利を達成することはなかった。藤澤のアホー!
そして迎えた桜花賞、2歳時から路線の中心にいたスイープトウショウやヤマニンシュクル、無敗のムーヴオブサンデーらを抑え一番人気。そしてその支持に応えるかのように、先行しながら上がり最速で圧倒し快勝。無敗での桜花賞制覇を成し遂げた。
こりゃ凄い牝馬だなぁ…と皆が感服させられる凄まじい勝ちっぷりであった。そして、牝馬三冠も行ける、というかダービー行け(実際に出走話も持ち上がった)とまで言われた。
しかし、桜花賞の直線で明らかに集中力を欠いて尻尾をブンブン回す姿に、距離延長を不安視する向きもあった。それでもちぎり捨てたので、重大視する者はそう多くなかったのだが…
日本ダービー出走も検討されたが結局はオークス出走となった。全姉ダンスパートナーが勝った舞台ともあって断然の一番人気に推されたが馬体重+14kgと調整失敗が明らかだった上、レース中かかった素振りがなかったにもかかわらず直線ほとんど伸びず、絶望的位置から飛んできたヤマニンアラバスタにすら差され4着に敗れてしまう。パドックで大汗かいてイレ込んでいたなど、全姉ダンスパートナーにもあった狂気が、彼女を蝕みつつあったのかも知れない。
その次走では当時は高額賞金の招待レースであったアメリカのGI・芝の三歳牝馬限定戦アメリカンオークスへ出走。三歳夏での海外遠征という、姉と同じようなタイミングでの遠征という結構破天荒なことをやったが、惜しくも2着となった。
しかし、アメリカンオークスは狙い目という認識を根付かせ、翌年大きな花が咲くことになる。
そんなことは露知らず、彼女は走り続ける。ぶっつけで向かった秋華賞ではスイープトウショウの怒涛の末脚に完敗し4着、中一週で強行気味に出走した天皇賞(秋)では13番人気に大いに反発し三歳牝馬としては驚異的な2着に食い込んでみせ、マイルチャンピオンシップではデュランダルに交わされたが2着確保と実力を大いに見せつけるが、香港マイルでは馬体重が460kgを割ったのが響いたかブービー負けを喫するなど浮き沈みの激しい秋を送った。
しかし最優秀三歳牝馬を獲得し、同世代では最強という認識をされていた。
…のだが、4歳初戦の京王杯スプリングカップは9着、安田記念では大差の最下位に大惨敗、夏の北海道シリーズでクイーンステークスと札幌記念を連闘するがどちらも惨敗と、一介の早熟馬じゃねぇか!と思われてしまう。
スイープトウショウが宝塚記念を勝利し、世代最強牝馬の称号も奪われた。早く引退したらいいんじゃないかという声も上がり始める始末である。 そんななか迎えた秋初戦の府中牝馬ステークスでも完敗するが最後方から突っ込み上がり最速を記録。またも中一週で秋の天皇賞へ向かうと、超スローのなか3着に粘りこみ、マイルチャンピオンシップでも4着と健闘。少なくとも、春の惨敗とはなんだったのかと思わせるくらいには活躍した。
翌年はこの年創設された5月のヴィクトリアマイルを目指し4月のマイラーズカップから。ここで運命の人・ダイワメジャーに敗れるが2着と上々なスタートを切る。そして迎えた第一回ヴィクトリアマイルではエアメサイアの猛追を先に抜け出し抑え込む堂々たる競馬で第一回女王の座を掴んだ。
ついでにこのレースで鞍上だった前年秋の相棒北村宏司にGI初勝利をプレゼントした。良かったなイケメン。
その後は安田記念で掲示板を確保したり、アメリカでGIIIを勝ったり、秋はダイワメジャーとキャッキャウフフしたり香港でダイワメジャーを探す内に惨敗したりして引退した。通算成績25戦6勝。
気性が残念ではあったが、能力は抜群に高かった馬だと思う。母の父ニジンスキーという重たい血統なのに、アレだけ軽快なスピードを見せられたのは、彼女の卓越した能力の証左であろう。それだけに、気性がしっかりしていたらなあ…と、嘆息せざるを得ない。母としても気性がアレなのが弱点になってる気はあるし、本当に残念である。
ダイワメジャーとの同父の禁じられた恋ネタは…初対面ではダメジャーが最下位だったりすれ違いも多くなんとも言えないところはあるが、少なくとも5歳シーズンは前をゆく彼を目標に走ったレースは多く、そのどれもで競り落とされている。男を立てる女とか古風だねぇ。
引退レースの香港で惨敗したときは鞍上の武豊が「ダイワメジャー探してたんじゃないかな」と冗談めかしていうくらいには、彼女も意識があったと推定は出来る…が、ネタだしガチで考えたら負け。
繁殖牝馬としては初仔のダンスファンタジアがフェアリーステークス(GIII)を制するなど、デビューした9頭中7頭が勝ち上がっている(2019年11月12日現在)。
*サンデーサイレンス 1986 青鹿毛 |
Halo 1969 黒鹿毛 |
Hail to Reason | Turn-to |
Nothirdchance | |||
Cosmah | Cosmic Bomb | ||
Almahmoud | |||
Wishing Well 1975 鹿毛 |
Understanding | Promised Land | |
Pretty Ways | |||
Mountain Flower | Montparnasse | ||
Edelweiss | |||
*ダンシングキイ 1983 鹿毛 FNo.7 |
Nijinsky II 1967 鹿毛 |
Northern Dancer | Nearctic |
Natalma | |||
Flaming Page | Bull Page | ||
Flaring Top | |||
Key Partner 1976 黒鹿毛 |
Key to the Mint | Graustark | |
Key Bridge | |||
Native Partner | Raise a Native | ||
Dinner Partner | |||
競走馬の4代血統表 |
クロス:Almahmoud 4×5(9.38%)、Blue Swords=Bluehaze 5×5(6.25%)、Native Dancer 5×5(6.25%)
掲示板
1 ななしのよっしん
2021/08/18(水) 06:51:13 ID: xGQ6QO3nIV
ダンスファンタジアも引退しちゃった
ムー子の孫はどうしてるんだろう
2 ななしのよっしん
2022/05/23(月) 19:36:50 ID: xGQ6QO3nIV
バジオウがムー子の孫だと知ってびっくりした
あとダノンファストもそうだった
3 ななしのよっしん
2023/12/08(金) 14:39:44 ID: qy2XD0FiwH
BS11で放送された「京都浪漫」見たけど、マンインザムーンが上賀茂神社で神馬になってたんだな。
毛色が芦毛だから気付かなかった。
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最終更新:2025/01/24(金) 20:00
最終更新:2025/01/24(金) 20:00
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