ダーシーズオールデストロイヤルメア(Darcy's Oldest Royal Mare)とは、1680年代生まれのサラブレッドの基礎繁殖牝馬の一頭で、7号族の始祖とされている。よって便宜上、7号族についてもこの記事で解説する。
生年は推定1680年代で、イギリスのハンプトンコート王室牧場にいたとされる馬。所有者はイギリスの貴族・政治家で初代ナヴァンのダーシー公爵として知られるジェームズ・ダーシーで、血統は不詳。
1924年のC.M.プライアによる『サラブレッド馬の初期の記録』によれば、この馬が13号族のグレイロイヤルという馬の子孫であるとされ、7号族は13号族の分系だと考えられた。しかし、遺伝学者のエミリン・ヒルが2002年に発表した研究によると、7号族と13号族のミトコンドリアDNAの型は一致していない。
1895年に発表されたブルース・ロウの「フィギュアシステムによる競走馬の生産」という研究で本馬を祖とする牝系が英オークス、ダービー、セントレジャーで7番目に多い勝ち馬を輩出しているということで、「7号族」と命名された。
7号族の分枝はaからfまで存在し、それぞれヴィシシチュード(Vicissitude、1800年産)、キャロライン(Caroline、1828年産)、メイドオブルーン(Maid of Lune、1831年産)、ジュダエスプリ(Jeu d'Esprit、1852年産)、ジュディモス(Jeu des Mots、1861年産)、ハーマイオニー(Hermione、1875年産)から分岐する。
代表馬としてウェストオーストラリアン、ダイヤモンドジュビリー、フライングフォックス、ロックフェル、ダンジグ、ランドなどがいる。
7号族は日本にも広がり、時代を超えて幅広い活躍馬を輩出している。
アストニシメントは1907年に小岩井農場がイギリスから輸入した20頭の繁殖牝馬のうちの一頭で、戦中期に子孫のクリフジが牝馬ながら変則クラシック3冠を達成したほか、メジロ牧場の基礎繁殖牝馬であるアサマユリのラインからはメジロデュレン・メジロマックイーン兄弟を輩出した。これらの牝系は2000年代に入っても繋がっており、ショウナンカンプ、ニホンピロバロン、キングズソードなどの活躍馬がいる。
オーストラリアから輸入されたシユリリーの孫、クインナルビーはライバルとの激闘もさることながら、牝馬で生涯44戦というハードローテーションで1度も掲示板を外さなかったという抜群の安定感を誇った。ただ、繁殖牝馬としては短命で、わずか5頭(うち牝馬3頭)しか子孫を残せなかった。
ところが、クインナルビーが生んだ3頭の牝馬の子孫から大物が次々と誕生した。3番仔のスターナルビーの子孫からは日本競馬のスーパースター、オグリキャップとその半妹オグリローマンが、4番仔のスズキホープの子孫からは1984・1985年の優駿賞最優秀ダートホースに選ばれたアンドレアモン、5番仔のスズキナルビーの子孫からはマイルの名牝キョウエイマーチ、日本馬で初の海外ダートGⅠを制したマルシュロレーヌやマイルCSで豪脚を見せたナミュールを輩出している。
1957年にイギリスからマイリーが繁殖牝馬として輸入されると、その牝系から活躍馬が数多く誕生し、当時大ヒットした小説のタイトルから「華麗なる一族」と呼ばれる一大牝系を確立させた。
主な活躍馬には、ヤマピット、イットー、ハギノトップレディ、ハギノカムイオー、ダイイチルビーなどがおり、高松宮杯の勝ち馬が多いことでも知られる。
ケイティーズはアイルランドの競走馬で1984年の愛1000ギニーの勝ち馬。引退後はアメリカに送られ、そこで「ヒシ」の冠名で知られる馬主、阿部雅一郎によって繁殖牝馬として購入された。阿部の所有馬となったケイティーズの5番仔ヒシアマゾンは日本でGⅠ2勝を含む重賞9勝という活躍を見せた。
また、ケイティーズの初仔のケイティーズファーストも日本に輸入され、子孫からアドマイヤムーン、エフフォーリアというGⅠ勝ち馬を輩出している。
その他、7号族の活躍馬にはクライムカイザー、カツトップエース、ダンスインザダークなどがいる。
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最終更新:2025/12/07(日) 09:00
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