ダートダッシュ

ダートダッシュとは、ナムコが1995年に発売したアーケード用レースゲームである。

概要

『リッジレーサー』『エースドライバー』に続く、システムスーパー22採用の3Dレースゲーム。ストリート、オープンホイールときて本作はダート・オフロードをメインとしたレースゲームである。同時期にセガから『セガラリーチャンピオンシップ』が発売されているが、あちらが『実車』『複数ステージを転戦』というスタイルなのに対し、こちらは『架空車』『1本のコースを5つの区間（レグ）に分けて走破』というスタイルで差別化がなされている。

挙動としてはリッジレーサーよりエースドライバーに近く、ドリフトで豪快に決めるというよりはクルマの限界を見極めながら最適のラインを抜ける、という感じのプレイフィールになっている。
もう一つの特徴はコース上の障害物やギミックである。各レグに2～3個は障害物やギミックが仕掛けられており、クラッシュするとド派手に縦回転したりボンネットやドアが飛んだりする。当然大幅タイムロスは避けられない。

リアル寄り挙動＋クラッシュの多さということで難易度はナムコ歴代レースゲーの中でも高めの部類であり、また通信対戦機能がなかったこともあり、競合するセガラリーと比して人気は今ひとつであった。残念ながら家庭用ゲーム機への移植も行われておらず、2021年現在遊ぶにはレトロゲーセンなどで実機を探さねばならないが、大人気だったレイブレーサーと違って筐体の残存状況も芳しくない。

車種

性能の違う3種類の車両から選べる。それぞれコ・ドライバー（ゲーム中のペースノート読み上げボイス）が異なる。

DESERT ARROW

『中級者向け』。いきなり中級者向けって初級者向けは無いんかい！というツッコミが入りそうだが、これが実質初心者向け。安定性が高くスピンしにくく、最高速が抑えめという王道の初心者向けセッティングのバギー風車両。まずはこの車両で1周を目指し、コースと挙動に慣れよう。本車のみコ・ドライバーが女性である。

BLUE DRAGON

『上級者向け』。ピックアップトラック風車両。DESERT ARROWと比べると最高速がやや上がるが加速力にやや劣る。また安定性もやや劣り、バンプに乗り上げると明後日の方向を向いてしまうなんてことも。コースを覚えたらDESERT ARROWから乗り換えたい。

RED LIGHTNING

『激ムズ』。スポーツカー風車両。加速・最高速は文句なしに最強ながら、やたら安定性が悪く適当なハンドリングでは即スピン。繊細なアクセル・ブレーキワークが必要になる。

なおこの車両のみ隠しコマンドでクルマのセッティングを変えられる。フロント・リアのバネ・ダンパー・スタビライザー、LSDを5段階で調整可能。設定を適切にいじることで多少走りやすくなる。

コース

上記の通りコース自体は1本の大きな周回コースである。5つの区間に分かれており、スタート地点は各区間から任意に選べる。スタートした区間によってBGMが異なり、ゲーム中はそのBGMが最後まで鳴り続ける。筐体の設定により、3区間走破でクリア、1周終了（デフォルト）、2週終了のいずれかとなる。

1. CITY

香港あたりの中国の都会をモチーフとしたコース。チェックポイントの看板に簡体字の漢字が描かれているのがポイント。シンプルなレイアウトの舗装路ながら、なぜかコース上に二階建てバスが堂々と鎮座していたり、ところどころに車両の限界ギリギリを攻めるコーナーもあったりで、最小限のブレーキで抜けきるにはそれなりに練習が必要。最後は跳ね橋からの大ジャンプで飛距離を競う。

2. HILL

ダートコースに変わり、もやのかかる田園風景を走破する。前半は曲がりくねってはいるものの幅広な道が続く。途中に若干のショートカットがある。わずかにある舗装路では散乱している木箱に当たるとタイムロスだ。狭い石橋へ入るとガタガタの石畳でハンドルが不安定に。落ち着いてまっすぐ抜けよう。途中欄干がなくなるポイントで石畳を踏み外すと転落して大きなタイムロスに。

3. JUNGLE

HILLを抜ける直前から辺りが暗くなり、視界の利かない夜間コースへと突入する。ジャングル内は狭い道が入り組み、右へ左へと振られて壁にぶつかりやすい。途中、谷を下って洗い越しを突っ切るシーンがあるが、ここには谷をジャンプで越える隠しルートがある。特定条件で謎のブーストがつくおまけ付きなので狙いたいが、ただでさえキツいコーナーをさらに鋭角で曲がる必要があり難しい。しくじると単に大減速しただけみたいな悲しい結果に……。

4. MOUNTAIN

岩山をひたすら登るヒルクライムコース。荒れた路面でハンドルをとられやすく、しかも滑らかな形状でないカーブが多いため攻めすぎは危険。岩の出っ張りなど危険箇所は覚えておく必要あり。落石スポットでのクラッシュ、終盤のカーブでの転落など気の抜けない展開が続く。

5. SNOW

雪山を下ってCITYに向かうダウンヒルコース。そもそも雪ということで滑りやすい上低速の複合コーナーがあったりして難易度は相当に高い。途中、スキー場を突っ切る下り坂にはバンプがあるのだが、真っ白な雪のせいでどこが盛り上がっているのかわからない上、乗ったが最後、明後日の方向に飛んでスピン間違いなし。終盤は舗装路を走るが、狭くくねっておりここも気が抜けないポイント。途中ショートカットがあるのだが、坂を斜めに上るという関係でコントロールが困難であり、なおかつ極端に狭い道のためスピン・壁ヒットせずに抜けられる方が珍しいレベル。いっそ無視した方が安全な場合も。これを抜けたらCITYの入口に戻って一周完了となる。

関連動画

関連項目

• ナムコ
• レースゲーム
• ラリー
• セガラリーチャンピオンシップ …… 競合タイトル