チャンドラナラー
チャンドラ・ナラー/Chandra Nalaarは、TCG『マジック:ザ・ギャザリング』に登場するプレインズウォーカーの一人である。人間女性。炎や混沌、激情を司る赤の魔法に長けている。特に火炎を用いた相手への直接的な攻撃を得意としており、紅蓮術士と呼ばれることもある。
チャンドラ・ナラーは赤の魔法を操るプレインズウォーカーです。 彼女は炎と、炎と、さらなる炎を操る、紅蓮術の達人です。
精巧なものには美徳など存在しません――すくなくとも、炎の魔道士、チャンドラ・ナラーの関心の及ぶ範囲では。 衝動的で、情熱にあふれ、気の短い彼女は、さらに増えつつある彼女の紅蓮呪文の数々と同じぐらい爆発寸前です。 チャンドラの灯は、彼女がまだ非常に幼かったときに火が入り、その後成長していく中で、彼女の炎の魔法の能力はプレインズウォーカー並みに強力なものとなったのです。
巨大で予測不能の力の源であるこの強力な術師を制圧し支配しようと様々な権威ある人々がその術を探りましたが、そのことごとくが独り立ちと自由を求めるチャンドラと直に対立することとなりました。 チャンドラの内なる荒々しき炎が法則と縛りの様々な世界に触れたとき、そこに残るものは間違いなく破滅だけです。
とあるように、チャンドラは短気で衝動的、また情熱的な“赤らしい”性格をしている。彼女の髪は普段は濃いオレンジ色だが、呪文を唱える際にはそれが炎となって燃え盛る。その気性の激しさを端的に示している特徴と言える。
障害があれば焼き尽くして解決する、それが彼女の処世術である。
MTGの長大なバックストーリーの中において、チャンドラは割と最近に登場した人物である。ある出来事の余波で生じた巨大な「次元の裂け目」、そしてそれを修復する過程において注ぎ込まれた莫大なマナ(魔力)の影響によって、プレインズウォーカーの灯の性質は変化し、それまでの絶対的な力は失われてしまった。漫画(後述)の作中でも、ケファライにおける青の魔道士との戦闘中にチャンドラのマナが“尽きかける”描写がある(かつてのプレインズウォーカーはほぼ無尽蔵にマナを扱えたが、変化後は一般の魔道士と同じように土地からマナを引き出す必要がある)。とはいえ、次元渡りが可能な存在は依然としてプレインズウォーカーのみであり、それを抜きにしても灯を持つ者と持たぬ者の実力差は大きい。マナを激しく消費した後なのに軽々と《インフェルノ》を撃っている所からもそれは明らかだろう。
彼女が修行していたケラル・キープの僧院は、彼女が生まれる遥か昔に活躍していた紅蓮術士のプレインズウォーカー、ヤヤ・バラードが設立したものである。チャンドラは自らと同じような存在のヤヤ・バラードに時折思いを馳せているようだ。ただ、ヤヤ・バラードは赤にあって知性派であり、魔法は勿論だが自らの知恵や機転によって数々の物事を解決していった。「とりあえず燃やす」チャンドラとの性格や貫禄の違いは歴然である。
生まれは機械技術に優れたカラデシュ次元で、工匠であるピア・ナラーとキラン・ナラーの元に生まれた。
しかし、チャンドラはその性格が災いし、工匠としての才能が芽生えることはなかった。
11歳になったある日、チャンドラは自身に炎を扱う魔術の才能があると確信する。しかし、カラデシュでは機械を用いずに魔術を扱う者は迫害を受けており、力の制御ができず意図せずに鋳造所を破壊してしまったことから両親とともに追われる身となってしまう。
チャンドラと両親は追っ手から逃げるため各所を転々とするが、遂には潜んでいた村を追っ手に発見されてしまう。そのまま屈さず抵抗したものの、捕らえられてしまい、父親はその場で処刑され、母親は潜んでいた村ごと焼かれてしまう。
チャンドラはそのまま街まで連れて行かれ、公開処刑とされてしまうが、執行寸前に自身に秘めた怒りとともに最大の紅蓮術を放ち、辺り一帯を焼き払う。その瞬間、チャンドラにプレインズウォーカーの灯が灯り、気を失ったチャンドラは気がつくとレガーサ次元にプレインズウォークしていた。
レガーサでは自身の紅蓮術の才能をケラル僧院の修道士に見出され、以後はそこを中心に紅蓮術の才能を磨いていった。しかし、自身の過去は罪悪感から誰にも話すことは無かった。
精神魔導士のプレインズウォーカーであるジェイス・ベレレンとは犬猿の仲。マナの相性(青と赤は対抗色の関係にある)もそうだが、ジェイスの陰気な性格が性に合わないのかもしれない。小説中でも星の聖域の巻物を巡って大立ち回りを演じたり、ゼンディカーのストーリーでも再会していたり、「ジェイスvsチャンドラ」というテーマデッキにもなっており、更には後に彼が実質的なリーダーを勤めるプレインズウォーカーの同盟「ゲートウォッチ」に加盟するなど、嫌いは嫌いだがなんだかんだで相性はいい様だ。
電撃コミックスにおいて、チャンドラが主役の小説『燃え尽きぬ炎』の翻訳・漫画版が刊行されている。イラストは日森よしの。カードや各種イラストのチャンドラはハリウッド映画に出てきそうな精悍な顔つき・引き締まった肉体をしているが、日本版チャンドラはいかにも少女という感じの“萌え”ナイズされたデザインになっている。 そして同イラストレーターが描いた「ジェイスvsチャンドラ」も発売されてしまった。WotCは日本のサブカルチャーに興味があるらしい。いずれも市場で紹介しているので、興味を持たれた方はどうぞ。
チャンドラとしてデザインされたカードは、2013年の頃は4枚存在した(2017年5月では約7枚)。パーマネント・タイプはいずれもプレインズウォーカー。神話レア。(ローウィン版の《チャンドラ・ナラー》のみレア)
Chandra Nalaar/チャンドラ・ナラー(3)(赤)(赤)
プレインズウォーカー — チャンドラ(Chandra)[+1]:プレイヤー1人を対象とする。チャンドラ・ナラーは、そのプレイヤーに1点のダメージを与える。
[-X]:クリーチャー1体を対象とする。チャンドラ・ナラーは、それにX点のダメージを与える。
[-8]:プレイヤー1人を対象とする。チャンドラ・ナラーは、そのプレイヤーとそのプレイヤーがコントロールする各クリーチャーにそれぞれ10点のダメージを与える。
6
ローウィンで登場。
プラス能力はプレイヤーに1ダメージを与える。これは対戦相手のプレインズウォーカーに直接ダメージを与える能力でもある。クリーチャーは対象にできない。小マイナスは忠誠度を引き換えにしたX点火力。初期値は6なので最初は6点までクリーチャーに飛ばせる。大マイナスは対象のプレイヤーをクリーチャーごと丸焼けにする。これを当てればほぼ確実に勝利できる。最初のプレインズウォーカーだったせいか、プラス能力が悲惨である。あまりの弱さに実質大マイナスは無く、小マイナスも5マナの赤呪文でやってる場合ではなく、結局ろくな出番は無かった。
しかし、Magic2010が発売され、これが再録されると同時に《悪斬の天使》が登場すると状況が変わった。ヴァラクートと呼ばれる赤緑デッキでは青白コントロールデッキに攻撃手段をつぶされてしまう上、メインデッキでは《悪斬の天使》を抑える手段が無いため、サイドボードとして使用されるようになったのだ。《悪斬の天使》のタフネスは5であるため、小マイナスを使っても戦場に残っており、地味にダメージを与え続けることができる。青白コントロールにはほとんどクリーチャーが入っていないため、次が登場する頃には5以上まで回復しており、これ1枚で勝利できるという寸法である。
このカードはジェイスvsチャンドラにKev Walkerによる新規イラストで収録され、レアリティは神話レアとなった。また、日本語版では日森よしのによる新規イラスト
となっている。この日本語版、日本ではオリカくさいとあまり評判はよくなかったが、海外では大人気だったそうである。
Chandra Ablaze / 燃え立つチャンドラ (4)(赤)(赤)
プレインズウォーカー — チャンドラ(Chandra)[+1]:クリーチャー1体かプレイヤー1人を対象とする。カードを1枚捨てる。これにより赤のカードが捨てられた場合、燃え立つチャンドラはそのクリーチャーかプレイヤーに4点のダメージを与える。
[-2]:各プレイヤーは自分の手札を捨て、その後カードを3枚引く。
[-7]:あなたの墓地にある赤のインスタント・カードかソーサリー・カードの望む枚数の組み合わせを、それらのマナ・コストを支払うことなく唱える。
5
ゼンディカーで登場。
2回目のチャンドラは能力間のシナジーを重視している。プラス能力と小マイナス能力で墓地にカードを貯め、大マイナス能力で一気に決着! ……と言いたいところだが、そんな都合よく回るわけがない。赤カードを捨てないと忠誠度が1上がるだけという赤単専用感溢れるプラス能力のくせに6マナという圧倒的重さ(赤単的に)に加え、ミラディンの傷跡で《槌のコス》という赤向きのプレインズウォーカーが出てしまい、最初から出番が無かった。
しかし、Magic2012が発売され、《チャンドラのフェニックス》が登場すると状況は変わった。このカードは赤のインスタント呪文か赤のソーサリーか赤のプレインズウォーカーがダメージを与えると、墓地から手札に戻ってくる赤のクリーチャーである。これをプラス能力の対価にすると、毎ターン4ダメージを与えられ、忠誠度は上がりウハウハである。しかも、単体としての性能も優秀なのでチャンドラが出るまで普通に出して普通に死んで普通に蘇っていただけるという至れり尽くせり振りである。それでも見るのはフェニックスばかりだった気もするが。
Chandra, the Firebrand / 炬火のチャンドラ (3)(赤)
プレインズウォーカー — チャンドラ(Chandra)[+1]:クリーチャー1体かプレイヤー1人を対象とする。炬火のチャンドラはそれに1点のダメージを与える。
[-2]:このターン、あなたが次にインスタント呪文かソーサリー呪文を唱えたとき、その呪文をコピーする。あなたはそのコピーの新しい対象を選んでもよい。
[-6]:最大6つまでのクリーチャーやプレイヤーを対象とする。炬火のチャンドラはそれらにそれぞれ6点のダメージを与える。
3
3回目のチャンドラはプラス能力が1ダメージ(クリーチャーにも飛ぶ)、小マイナスが《余韻》、大マイナスが強力な複数火力となっている。マナコストが下がり、多色デッキに投入しやすくなり、扱いやすいプラス能力、テクニカルな小マイナス、初代を思わせるゲーム終了級大マイナスと今までとは一線を画した性能となっている。公式サイトでもコラムを書いて宣伝していた。
…一線を画した性能にはなっているのだが、時代の風はまったく吹いておらず、いまだにこれといった成果は出していない。《ソリンの復讐》という10点ものライフを削るソーサリーと一緒に使われていたことがあったが、黒緑、黒青、黒単などで《ソリン・マルコフ》を入れるタイプのデッキに押されてしまった。シングルカード価格も登場直後こそ2000円越えの高額で取引されていたが、次第に下がっていき2012年11月現在では500円でお釣りがもらえるほどまでになってしまっている。
ただ、過去の経歴を考えるとMagic2014あたりでなにか相性ばっちりのカードが出ることが期待できる。Magic2014で相性ばっちりな《チャンドラのフェニックス》が再録された。……お前はMagic2012で一緒にいたけどぜんぜんコンビ組んでなかったじゃないか!そこで座ってろ!
Magic2014には《紅蓮術師の篭手》という赤のインスタントとソーサリーとプレインズウォーカーが与えるダメージを2点増加させるアーティファクトが登場した。1ダメージではダメダメでも3ダメージなら強い。きっと、たぶん、なんとなく。ま、ままままだまだあわてるような時間じゃない。4枚目のほうが強そうだけど「いらない子キャラ」じゃないんだってば!
Chandra, Pyromaster / 紅蓮の達人チャンドラ (2)(赤)(赤)
プレインズウォーカー — チャンドラ(Chandra)[+1]:プレイヤー1人を対象とし、そのプレイヤーがコントロールするクリーチャーを最大1体まで対象とする。紅蓮の達人チャンドラはそのプレイヤーに1点のダメージを与え、そのクリーチャーに1点のダメージを与える。このターン、そのクリーチャーではブロックできない。
[0]:あなたのライブラリーの一番上のカードを追放する。このターン、あなたはそれをプレイしてもよい。
[-7]:あなたのライブラリーの一番上から10枚のカードを追放する。これにより追放されたインスタント・カード1枚かソーサリー・カード1枚を選び、それを3回コピーする。あなたはそれらのコピーを、そのマナ・コストを支払うことなく唱えてもよい。
4
Magic2014で登場。アナタノゥコトヲォカンガエルト…アツクナッテクルノ
プラス能力は定番の1点火力技。プレイヤーとクリーチャーに1ダメージを与え、クリーチャーはブロック不能にする。最大1体のクリーチャー、なので全クリーチャーが対象に取れない状態でもプレイヤーにダメージを与えることができる。ブロック不能の効果のおかげで大きいクリーチャーしかいないときもそれなりの成果を出せるようになった。
プラマイ0能力は特殊な手札追加。ターン終了時まで1枚引いている、というイメージである。追放したカードはそのターン中しか使用できないが何を追放するかは不明、と少々ギャンブル性が高い効果でもある。それでもマナを使わず毎ターン手札を増量できるのは、赤としては破格の性能である。マナ・コストはしっかり要求されるので即起動してもほとんど恩恵を受けられないことには注意が必要である。
余談だが、この能力は赤が持つ新しい特徴「他の色がすることを効率よく真似できるが、時間制限がある。」を基にしたデザインである。今後、時間制限つき手札破壊とか時間制限つきカウンターとか妙なものが増えていくのかもしれない。
大マイナス能力は呪文の乱れ撃ち。一番威力のある火力を3倍にして大ダメージを狙うもよし、土地破壊を3倍にするもよし、青と組んで大量ドローするもよし。ただ、漫然とこれを使ってもいまいちぱっとしない結果に終わると思われる上に0能力との相性もあまりよくない。構築段階での調整が必要だろう。
《炬火のチャンドラ》と比べると火力能力の性能強化が大きい。擬似ドローも《余韻》能力ほどにはタイミングを選ばないため、平均的に見て強化されていると言っていいだろう。Magic2014発売当初では1枚1600円くらいとかなり高額な相場となっている。またワンコインストレージ行きなのかこんどこそトップレア街道を歩むのか注目である。
2013年10月後半では3500円程度まで値上がりしている。大きめのクリーチャーで殴りあう環境となったため、ブロック禁止能力が前評判よりも強かったこと、テーロスブロックで再登場した「占術」[1]が0能力と相性がよいことが決め手となり、赤が絡むデッキで広く使われている。
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最終更新:2021/02/28(日) 20:00
最終更新:2021/02/28(日) 20:00
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