チルト・シフトレンズ(Tilt shift lens; ティルト - とも)は、一眼レフなどのレンズ交換式カメラに用いられる交換レンズの一種。レンズのチルト(傾けること)とシフト(平行移動)を行うことができる。
大判カメラは、レンズ部とフィルム部を繋ぐ蛇腹を操作して、レンズをチルトしたりシフトしたりする。蛇腹のない一眼レフなどのカメラは、カメラと交換レンズを繋ぐ蛇腹、「ベローズユニット」を取り付けることで蛇腹付きのカメラに変身できるほか、チルトレンズやシフトレンズ、そして両方の機能を併せ持ったチルト・シフトレンズを装着することで、同様の操作を行うことができるのである。
レンズを傾けることで、被写界深度(ピントの合う範囲)をコントロールすることができる。例えば、カメラに対して斜めになっている平面を撮影するとき、ふつうはピントを合わせたところの奥と手前がボケてしまう。このとき、被写体の平面に近くなるようにレンズを傾ける(チルトする)と、手前から奥までピントの合った像を得ることができる。また、その逆方向にレンズを傾ける(逆チルトする)と、被写体の平面上におけるピントの合う範囲は極端に狭くなる。近年、ミニチュア風写真の撮影方法として逆チルト撮影が注目されている。
→ ミニチュア風
レンズをフィルム面との平行を保ったままずらして、像の歪みをコントロールすることができる。例えば、高層ビルをその足元に立って見上げると、当然ながらビルはその先端に向かってすぼんで見える。このとき、レンズを上方向にずらす(シフトする)ことで、遠近感(パース)を補正し、歪みねぇ像を得ることができる。この撮影法はあおり撮影と呼ばれる。
チルト撮影と、逆チルトを利用したミニチュア風撮影について図付きで解説している。
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最終更新:2024/04/23(火) 17:00
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