ツール・ド・フランス2024 単語

ツールドフランスニセンニジュウヨン

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ツール・ド・フランス2024とは、2024年629日から721日までの日程で開催された、世界最大の自転車ロードレースであるツール・ド・フランスの第111回大会である。全21ステージ

概要

111となる今年は、例年とべて特殊なツールとなった。
史上初めてイタリアスタート地点(グランパール)となる。
 →フラン国外がスタート地点になること自体は近年の潮流通り。ただアルプス山脈に近いイタリア北部フィレンツェからのスタートということで、厳しい山岳ステージが序盤から選手を襲うこととなった。
・史上初めて最終ゴール地点がパリでなく南のニースとなる。
 →2024年パリオリンピッ響。最終日からパリ五輪開会式までに5日しかなく、最終日をパリにしてしまうとオリンピックの設営に重大なが及ぶため。
・35年ぶりに最終日が個人タイムトライアルとなる。
 →1989年大会でグレッ・レモがローラン・フィニョンとの50差をひっくり返し大逆転での総合優勝を決めて以降、最終日の個人タイムトライアルは封印されていた。

参加チーム(選手No.順) 

スポンサーの事情によるチーム名の変更こそあれ、参加チーム自体は2023年からの変更はない。
これ以降の記事において選手名のあとに括弧がある場合は全て所属チーム

蘭 Team Visma | Lease a Bike / ヴィスマ・リースアバイク
唖 UAE - Team Emirates / UAEチームエミレーツ
豪 Team Jayco AlUla / ジェイコ・アルウラー
英 INEOS Grenadiers / イネオス・グレナディアーズ
米 Lidl - Trek / リドルトレック
仏 Decathlon AG2R La Mondiale Team / デカトロン・AG2Rラモディア
バレ Bahrain - Victorious / バーレーンヴィクトリアス
白 Soudal-Quick Step / スーダルクイックステップ
独 RED BULL - BORA - HANSGROHE / レッドブルボーラハンスグローエ
仏 Groupama-FDJ / グルパマ・FDJ
白 Alpecin-Deceuninck / アルシン・ドゥクーニンク
米 EF Education - EasyPost / EFエデュケーション・イージーポスト
白 Lotto Dstny / ロットデスティニー
以 Israel - Premier Tech / イスラエルプレミアテック
仏 Cofidis/ コフィディス
西 Movistar Team / モビスタ
仏 Arkéa-B&B Hotels /アルケア・B&Bホテルズ
白 Intermarché - Wanty / アンテルマルシェ・ワンティ
蘭 Team dsm-firmenich PostNL / dsmフィルメニッヒ・ポストNL
カザ Astana Qazaqstan Team / アスタナザクスタン
諾 Uno-X Mobility / ウノエックスモビリティ
仏 TotalEnergies /トタルエネルジー

大会前の動向・下馬評など

総合優勝マイヨ・ジョー争いの中心になるのは、3連覇を狙うナス・ヴィンゲゴー(ヴィスマ)と彼からの総合奪還を誓うタデイ・ポガチャ(UAE)。なんたって2020年以降の総合優勝争いは、

総合優勝 総合2位 備考
2020年 タデイ・ポガチャ プリモシュ・ログリッチ ヴィンゲゴーは不参加
2021年 タデイ・ポガチャ ナス・ヴィンゲゴー
2022年 ナス・ヴィンゲゴー タデイ・ポガチャ
2023年 ナス・ヴィンゲゴー タデイ・ポガチャ

といった具合であり、宿命のライバル対決第4章行方に注が集まるのも理からぬことだった。しかしながら今年はそれぞれに不安要素があり、その隙をグランツール全制覇を狙う表にも出てきたプリモシュ・ログリッチ(ボーラ)と新進気鋭の若手実力者レムコ・エヴェネプール(クイックステップ)が虎視々と狙う。マイヨ・ジョーヌ争いはほとんどこの4人に絞られ、海外メディアでも「ビッグ4」と見なされ動向が注されていた。日本メディアでは「四皇」なんて表現するところも。この4人の他にも、総合優勝の可性がある選手としてカルロスロドリゲス(イネオス)、リチャル・カラパス(EFエデュケーション)などの名前が挙がっていた。

ビッグ4の動向

ディフェンディンチャンピオンのヨナス・ヴィンゲゴーは、4月レースで落に巻き込まれ、鎖骨骨折挫傷、気胸とかなりの重傷で長期離脱。一時は出場すら危ぶまれたが、驚異的な回復によりツール出場にこぎつけた。圧倒的な実力者とはいえ、贔屓に見ても万全とはいえない。昨年の総合優勝を支えたセップ・クスが新型コロナからの回復が間に合わず出場断念したこともマイナスとされた。

タデイ・ポガチャルは2023年末、2024年シーズンジロ・デ・イタリアツール・ド・フランスの2冠、いわゆる「ダブルツール」をすことを宣言。5月に行われたそのジロ・デ・イタリアではここ数十年で一番の圧倒的大差で総合優勝。達成されれば26年ぶりとなる困難記録への挑戦資格を得たが、その疲れはまだ残っている。疲れが招くバッドデイは昨年の大会でも彼を襲っており、不安視されていた。

プリモシュ・ログリッチはツールを制すると史上8人グランツール全制覇となる。実は去年までヴィスマに所属していたが、ヴィンゲゴーらとの複数エース体制ではツールは勝てないとし、違約金を支払ってまでヴィスマを出奔。どうしてもツールを勝ちたい男は、直前の前戦を総合優勝し勢いに乗る。

ツール初参戦となるレムコ・エヴェネプールタイムトライアルを最も得意とする。2022年ブエルタ・ア・エスパーニャ総合優勝などが示すように山岳ステージもこなすものの、圧倒的な山岳力を持つポガチャルらの前にどう耐えぶかが2023年タイムトライアル世界選手権優勝である色のジャージアルカンシェルを着る。

総合優勝以外の有力選手たち

山岳賞を意味するジャージ争いは、ポガチャルやヴィンゲゴーといった総合優勝補が山岳を得意とすることや、総合上位争いから脱落した有力補が次点の標とする可性が高いことなどから予想は困難とされたが、昨年熾な山岳賞争いを繰り広げたジュリオ・チッコーネ(トレック)やニールソン・パウレス(EFエデュケーション)は今年も狙ってくるだろうと予想されていた。

ポイントジャージであるマイヨ・ヴェールは、ステージハイスピードバトルを繰り広げるスプリンターたちが狙う。昨年の獲得者ヤスペル・フィリプセン(アルシン)やさらに前年の獲得者ワウト・ファンアールト(ヴィスマ)のほか、前戦で好成績を残したビニヤム・ギルマイ(アンテルマルシェ)や、ツールステージ優勝数で史上最多タイ34勝の記録を持つマーク・カヴェンディッシュなどが注された。

25歳以下で最も総合順位の高い者が着用するヤングライダーマイヨ・ブランジャージは、4年連続でこの賞を獲得したポガチャルがようやく資格を失ったので新たな着用者に注が集まる。総合上位を争う中でこの資格を持つのはレムコ・エヴェネプール(クイックステップ)とカルロスロドリゲス(イネオス)、サンティアゴ・ブイトラゴ(バーレーン)などだ。

大会経過

三角を押下すると結果の詳細が出てきます。四賞該当者の変化があった場合はその旨記載。

第1ステージ フィレンツェ〜リミニ 206km(丘陵) 2級山岳3ヶ所、3級山岳4ヶ所
ステージ優勝 ロマンバルデ(dsmフィルメニッヒ・ポストNL)
マイヨ・ジョー ロマンバル
マイヨ・アポ ナスアブラハムセン
マイヨ・ヴェール フランクファンデンブルー
マイヨ・ブラン フランクファンデンブルー
グランパールイタリアのフィレンツェ。アップダウンしいステージとなり、「近年のツールで最も過酷な第1ステージ」と言われた昨年大会のビルバオでのグランパールくも更新することになった。勝ったのは、残り50kmでメイン集団から抜け出し、同僚ファンデンブルークとの連携で猛追するメイン集団を交わしたロマンバルデ。最後のツールを明言して臨んだツールで自身7年ぶりのステージ優勝を飾った。 地元でありながら1985年以降総合優勝から遠ざかるフランス自転車ロードレース界の期待をその肩に背負ってきたバルデ。2016年総合2位2017年総合3位、2019年山岳賞と非な実力を見せ続けたが、それでもフルームなどの強に阻まれ、期待された総合優勝にも総合トップを意味する黄色ジャージにも届かなかった。「1日でもいいからマイヨジョーヌを着たかった」と語った彼の苦悩は想像するに余りある。しかしそんな重圧と戦った末の最後のツールで、とうとうマイヨジョーヌの黄色ジャージに袖を通すことを許されたのだった。
第2ステージ チェゼナーティコ〜ボローニャ 199.2km(丘陵) 3級山岳5ヶ所、4級山岳1ヶ所
ステージ優勝 ケヴィンヴォークラン(アルケア・B&Bホテル)
マイヨ・ジョー バルデ→タデイ・ポガチャ
マイヨ・アポ ナスアブラハムセン
マイヨ・ヴェール ファンデンブルーク→ナスアブラハムセン
マイヨ・ブラン ファンデンブルーク→レムコ・エヴェネプール
前日とべると距離は短くやや坦だが坂の勾配がきつく、180km走った先に待ち受ける最高勾配20坂サンルーカを2周する、メリハリあるステージとなった。またF1エミリア=ロマーニャGPの開催地イモラ・サーキットを走ることでも注を受けた。レースは30度をえる暑さの中で形成された逃げ集団十数人のうち最後まで残った3人のうち、2度のサンルーカで仕掛け他2人を引き離したケヴィンヴォークラン逃げ切った。フランス人が連勝する結果に本では大盛り上がりとなった。総合争いは前日ステージ4位につけていたポガチャルがその恩恵もありマイヨ・ジョーヌを獲得。バルデは1日でマイヨ・ジョーヌとはお別れになった。
第3ステージ ピアチェンツァ〜トリノ 230.8km(坦) 4級山岳3ヶ所
ステージ優勝 ビニヤム・ギルマイ(アンテルマルシェワンティ)
マイヨ・ジョー ガチャル→チャル・カラパス
マイヨ・アポ ナスアブラハムセン
マイヨ・ヴェール ナスアブラハムセン
マイヨ・ブラン レムコ・エヴェネプール
230.8kmと今大会最長なものの4級山岳が3つあるだけの坦なステージで、ここまでの2日間息を潜めていたスプリンター達のスピーディーな争いが予想されていた。勝負は残り700mといったところから始まった集団スプリントにゆだねられ、ビニヤム・ギルマイが強スプリンターを押しのけて黒人アフリカ人として初のツール区間優勝を決めた。エリトリアムッソリーニエチオピア侵攻のい時期から自転車競技が盛んで、ギルマイも含めヨーロッパで活躍する選手もいたが、ツールの区間優勝にはなかなか及んでいなかった。これを受けお祭り騒ぎとなり、駐日エリトリア大使館も祝福明を出した。総合タイムではポガチャルとカラパスが同タイムで並び、ここまでのステージ順位の合計が小さいカラパスにマイヨ・ジョーヌが渡ることに。こちらもエクアドル人初のマイヨ・ジョーヌ着用となった。
第4ステージ ピネローロ〜ヴァロワール 139.6km(山岳) 級山岳1ヶ所、2級山岳2ヶ所
ステージ優勝 タデイ・ポガチャ(UAEチームエミレーツ)
マイヨ・ジョー カラパス→タデイ・ポガチャ
マイヨ・アポ ナスアブラハムセン
マイヨ・ヴェール ナスアブラハムセン
マイヨ・ブラン レムコ・エヴェネプール
中でをまたぎいよいよ舞台フランスに移す第4ステージは、標高2642mの級山岳ガビリエを駆け上がる今大会最初の山岳ステージ。今大会何度も見ることとなるUAEチームの強力なプロトン牽引により、ヴィンゲゴー、ログリッチやロドリゲス、エヴェネプールといったライバルたちはアシストを振り落とされていく。ポガチャルが頂上3km前で遂に仕掛けると反応できたのはヴィンゲゴーだけで、そのヴィンゲゴーも頂上に着くころには離され始め、ダウンヒルはポガチャルの独壇場。前日奪われたマイヨ・ジョーヌを取り返し、総合2位のエヴェネプールに35差、3位ヴィンゲゴーに50差をつけた。
第5ステージ サンジャン・ド・モーリエンヌ〜サン・ヴルバ 177.4km(坦) 4級山岳2ヶ所
ステージ優勝 マーク・カヴェンディッシュ(アスタナザクスタン)
マイヨ・ジョー タデイ・ポガチャ
マイヨ・アポ ナスアブラハムセン
マイヨ・ヴェール アブラハムセン→ビニヤム・ギルマイ
マイヨ・ブラン レムコ・エヴェネプール
再びスプリンターの出番となる第5ステージラスト1kmのストレートまではもあり穏やかに進む。どのチーム導権を確立できないまま最後の集団スプリントに入り、押し切ったのはツール15回の大ベテラン、「マン島特急」カヴェンディッシュ(アスタナ)だった。この勝利ツールの区間優勝数は35となり、史上最強ロードレース選手エディメルクスの49年間破られなかった記録を追い抜き単独トップに立った。2021年に34勝のタイ記録を打ち出してから3年、昨年大会を最後の大会として臨んでいた。第7ステージで区間2位に入り更新の期待が膨らんだその翌日、なんと落により念のリタイヤ。このままでは終われないと引退を撤回して臨みつかんだ栄の表台で、彼は妻と3人の子供とともに満面の笑顔を見せた。またポイントジャージギルマイに移り、総合順位に変動はなかった。
第6ステージ マコン〜ディジョン 163.5km(坦) 4級山岳1ヶ所
ステージ優勝 ディラン・フルーネヴェーヘン(ジェイコ・アルウラー)
マイヨ・ジョー タデイ・ポガチャ
マイヨ・アポ ナスアブラハムセン
マイヨ・ヴェール ビニヤム・ギルマイ
マイヨ・ブラン レムコ・エヴェネプール
この日もステージで、スプリントを得意とする選手の活躍が予想された。前日ツールステージ35勝を挙げたカヴェンディッシュにとっては記録をさらに伸ばすチャンスでもあり、連勝の可性も十分あるとされた。コース、そして狭いと落しやすい環境だったこともあり、集団を分断して前半分だけで勝負を決めるエシュロン(横分断)の試みが取られたが失敗。ゴール前の集団スプリントを制したのはディラン・フルーネヴェーヘン。写真判定でフィリプセン(アルシン)を下し、ツール2年ぶり6度ステージ優勝を挙げた。なお、2着だったフィリプセンはゴール前の斜行によるファンアールトへの進路妨が認められ。107位へ降格処分が下された。この107という数字は、先頭集団の最後尾である。つまりゴール時に100人以上の集団でゴールしていたというわけだ。
第7ステージ ニュイ・サン・ジョルジュ〜ジュヴレ・シャンベルタン 25.3km(個人タイムトライアル 山岳
ステージ優勝 レムコ・エヴェネプール(スーダルクイックステップ)
マイヨ・ジョー タデイ・ポガチャ
マイヨ・アポ ナスアブラハムセン
マイヨ・ヴェール ビニヤム・ギルマイ
マイヨ・ブラン レムコ・エヴェネプール
ブルゴーニュのブドウを駆け抜ける、今大会最初の個人タイムトライアルBIG4はいずれもTTに不安がなく、彼らにとっても重要な日となった。カンナールツやヴォークランといったオールラウンダーたちが上位を占める中、いよいよBIG4の出番になる。まずはログリッチが出発すると、東京五輪TTメダリストの実力を遺憾なく発揮。3つある中間計測地点の全てでタイムを大幅更新トップタイムでフィニッシュした。続くヴィンゲゴーは第1、第2計測地点ではログリッチを上回るも後半に失速、フィニッシュではログリッチから3遅れとなり、大怪からの調整不足を露呈した。TT世界チャンピオンのエヴェネプールはその称号に恥じない走りで全ての中間計測地点でタイム更新し、ログリッチを34上回り、均時速52.6km/hというる驚異的なタイムで走った。これほどまでの記録の前にはさすがのポガチャルも離されないのが精いっぱいで、エヴェネプールから12遅れでフィニッシュ。レムコ・エヴェネプールが初のツールステージ優勝を決めた。また今大会立ち上がりの悪かったログリッチも好タイムを出したことで総合4位に浮上。ステージ順位も総合順位もBIG4が上位4位を占めることとなった。
第8ステージ スミュール・アン・オーソワ〜コロンベ・レ・デュー・エグリーズ 183.4km(坦) 3級山岳2ヶ所、4級山岳3ヶ所
ステージ優勝 ビニヤム・ギルマイ(アンテルマルシェワンティ)
マイヨ・ジョー タデイ・ポガチャ
マイヨ・アポ ナスアブラハムセン
マイヨ・ヴェール ビニヤム・ギルマイ
マイヨ・ブラン レムコ・エヴェネプール
ステージながらも短く急勾配な5つのカテゴリー山岳が設定された第8ステージは、シャルル・ド・ゴールの最期の地コロンベをゴールとする。気温は16度と肌寒い中でスタートしたレースは山岳賞ジャージを着るアブラハムセン(ウノエックス)が逃げすべてのカテゴリー山岳をトップ通過するが、140kmもの単騎逃げの末にプロトンに吸収されると、集団スプリントによる決着ムードに移る。残り10kmほどのところからしい位置取り争いが繰り広げられ、残り100mから同時にスプリントを始めたギルマイ(アンテルマルシェ)とフィリプセン(アルシン)が一騎打ちの格好となり、勝ったのはビニヤム・ギルマイ。第3ステージと合わせて今大会2つステージ優勝を手に入れた。
第9ステージ トロワ〜トロワ 199km(丘陵) 4級山岳4ヶ所
ステージ優勝 アントニー・テュルジス(タルエネルジー)
マイヨ・ジョー タデイ・ポガチャ
マイヨ・アポ ナスアブラハムセン
マイヨ・ヴェール ビニヤム・ギルマイ
マイヨ・ブラン レムコ・エヴェネプール
最長4200mのシュマンブラン()と呼ばれる未舗装区間を14つも含む舞うステージ逃げ集団は残り10km手前まで逃げるも集団に吸収され、残り1kmからのゴール前スプリントが勝負を決めることになった。ピドコック(イネオス)ら6名の熾なスプリントを制したのはアントニー・テュルジス。ツール7度の出場で初勝利を掴んだ30歳はインタビューを浮かべた。プロトンは固まってゴールし、総合順位に変動はなかったが、ログリッチの強力なサポーターであるウラソフが骨折で離脱、ログリッチにとって大きな痛手となった。
第10ステージ オルレアン〜サン・タマン・モンロン 187.3km(坦) 山岳
ステージ優勝 ヤスペル・フィリプセン(アルシン・ドゥクーニンク)
マイヨ・ジョー タデイ・ポガチャ
マイヨ・アポ ナスアブラハムセン
マイヨ・ヴェール ビニヤム・ギルマイ
マイヨ・ブラン レムコ・エヴェネプール
フランスのどん中オルレアンでの1日の休憩日を挟んで2週に入る第10ステージは、カテゴリー山岳が一つもない坦路。逃げも決まらず、また残り70kmからは第6ステージ同様エシュロン(横分断)の可性もあったががあまり強くなく失敗。勝負はやはり最後の集団スプリントによって決まることになった。アルシンやヴィスマといったチームが自チームスプリンターを有利な位置に置くため暗闘するが、アルシンエース・フィリプセンを引っるのは世界選手権ロードチャンピオンファンデルプール。稀に見る贅沢アシストに牽引され、ヤスペル・フィリプセンが先頭でゴール通過ゴール後降格になった第6ステージを含めると2位が3回と悔しい結果に甘んじた1週めの憤をらした。
第11ステージ エヴォー・レ・バン〜ル・リオラン 211km(山岳) 1級山岳1ヶ所、2級山岳2ヶ所、3級山岳2ヶ所、4級山岳1ヶ所
ステージ優勝 ナス・ヴィンゲゴー(ヴィスマ・リースアバイク)
マイヨ・ジョー タデイ・ポガチャ
マイヨ・アポ アブラハムセン→タデイ・ポガチャ
マイヨ・ヴェール ビニヤム・ギルマイ
マイヨ・ブラン レムコ・エヴェネプール
今大会2番に長い211kmのステージは獲得標高差は4350m、その大半が終盤4分の1に詰め込まれた過酷な旅路。全中盤は大きな動きこそいもののプロトンではUAE強力な牽引によってボロボロと脱落者が出る。2,1,2,3級の4つのカテゴリー山岳が詰め込まれた残り46kmでは、2つの1級山岳頂上付近でポガチャルがアタックすると、ヴィンゲゴー、ログリッチ、エヴェネプールBIG4い踏みで先頭を伺う。しかし最後の3級山岳の登りに入るとエヴェネプールログリッチは遅れ、ヴィンゲゴーはポガチャルを追い、頂上手前で遂に追いつく。残り3.3kmは宿命のライバル同士の一騎打ちの場となり、並んだままゴール。わずかに先頭でゴールしたのはヨナス・ヴィンゲゴー。骨折気胸という大怪から3か、ぶっつけ本番のツールで最大のライバル一騎打ちの末退けるという最高の復活劇を見せつけた。
第12ステージ オーリヤック〜ヴィルヌーヴ・シュル・ロット 203.6km(坦) 4級山岳3ヶ所
ステージ優勝 ビニヤム・ギルマイ(アンテルマルシェワンティ)
マイヨ・ジョー タデイ・ポガチャ
マイヨ・アポ タデイ・ポガチャ
マイヨ・ヴェール ビニヤム・ギルマイ
マイヨ・ブラン レムコ・エヴェネプール
総合勢にとっては昨日戦から一息つけるステージ。しかし極めてスピーディーにレースが進み、メイン集団は均時速47kmで3時間走り続けた。アシストなどない自転車の話である。ゴールに向行けて緊感高まる中、残り12kmというところで集団落が発生。しかし最に巻き込まれた選手たちを長に待つ距離ではなく、ゴール争いは巻き込まれなかった前方の選手たちに絞られる。幅が狭く、コーナーの多いラスト数kmを駆け抜け、最初にゴールラインに飛び込んだのはビニヤム・ギルマイ。今大会ステージ3勝を挙げた。 なお、BIG4の一され前日まで総合4位につけていたログリッチは、残り12kmでの落に巻き込まれ自身も負傷。第13ステージを諦める決断を下し、念のうちにツールを去ることになってしまった。
第13ステージ アジャン〜ポー 165.3km(坦) 4級山岳2ヶ所
ステージ優勝 ヤスペル・フィリプセン(アルシン・ドゥクーニンク)
マイヨ・ジョー タデイ・ポガチャ
マイヨ・アポ タデイ・ポガチャ
マイヨ・ヴェール ビニヤム・ギルマイ
マイヨ・ブラン レムコ・エヴェネプール
前日に続くステージだが明日以降は山岳ステージが多く、逃げ切りを狙うものには重なチャンスとなるため、序盤からしいアタック合戦が繰り広げられた。それでも逃げ切りを警したプロトンは厳しく、やはり勝負は集団スプリントに持ち込まれることになった。後方で小規模な落も起こる中、トップスピードで他選手の追撃をいなしステージ優勝を攫ったのはヤスペル・フィリプセン。今大会2つとなる勝利ガッツポーズを見せた。2位と3位は実は前日と全く同じでワウト・ファンアールトとパスカル・アッカーマン。2日連続で勝ちきれなかったファンアールトは残念と悔しがった。
第14ステージ ポー〜サン・ラリースーランプラ・ダデ 151.9km(山岳) 級山岳2ヶ所、2級山岳1ヶ所。級山岳の山頂フィニッシュ
ステージ優勝 タデイ・ポガチャ(UAEチームエミレーツ)
マイヨ・ジョー タデイ・ポガチャ
マイヨ・アポ タデイ・ポガチャ
マイヨ・ヴェール ビニヤム・ギルマイ
マイヨ・ブラン レムコ・エヴェネプール
レネーが舞台の2日間の初日は2つの級山岳を含む山岳ステージ。山頂フィニッシュに向けた登りが始まると、プロトンからは残り7km地点でとある男がプロトンを出て逃げていたヒーリーに追いつく。しかし彼はステージ優勝の為にプロトンを出たにしては様子がおかしい…。 残り4.6km地点。プロトンからマイヨジョーヌを着るポガチャルがアタック。「ポガ」とも呼ばれる強力アタックに離されないようにヴィンゲゴーとエヴェネプールは協力して追いかける。食らいつき続けば活路はある…はずだった。 ポガチャルが先頭に追い付くと、そこにいたのはヒーリーと、ポガチャルの同僚のS.イェーツだった。イェーツはポガチャルに「アタックしてくれ」と頼まれ、前待ちしてフィニッシュまでポガチャルを牽引する準備をしたのだった。去年の総合3位、今年も現在まで総合9位というあまりに強力で贅沢なアシストの前に、ヴィンゲゴーらは差を拡げられていく…。ステージ優勝完璧作戦勝ちを決めたポガチャル。ヴィンゲゴーはエヴェネプールとの差を逆転し総合2位に浮上したが、それでもポガチャルには逆に39引き離されてしまった。
第15ステージ ルーダンヴィエル〜プラトー・ド・ベイユ 197.7km(山岳) 級山岳1ヶ所、1級山岳4ヶ所。級山岳の山頂フィニッシュ
ステージ優勝 タデイ・ポガチャ(UAEチームエミレーツ)
マイヨ・ジョー タデイ・ポガチャ
マイヨ・アポ タデイ・ポガチャ
マイヨ・ヴェール ビニヤム・ギルマイ
マイヨ・ブラン レムコ・エヴェネプール
レネー2日昨日よりも45km長く、1級山岳4つをえた先の級山岳フィニッシュという今大会随一の山岳ステージ。残り十数キロになったところで追走集団はポガチャル・ヴィンゲゴー・エヴェネプールと、アシスト役が1名ずつの6人に絞られるが、残り10km手前でアシストが力尽きたのを合図にヴィンゲゴーがアタック。ポガチャルがぴったり後をつけ、エヴェネプールマイペースに追って機を伺う熾な10kmが幕を開けた。3人はみるみるうちに先頭で逃げていたカラパスを抜き去るが、エヴェネプールは前2人の異次元ペースに少しずつ離されていく。これでポガチャルをも振り落とす算段だったヴィンゲゴーだが、それでも彼はぴったり後をつけ続ける。残り5.5km、一の隙をついてポガチャルがアタックをかけた時、ヴィンゲゴーに追いすがるだけの体力は残されていなかった…。ピレネー2連戦を2連勝で制し、総合優勝へ大きく近づいたポガチャルに対し、ヴィンゲゴーはこの2日で115も総合タイムを離されてしまったが、エヴェネプールには139の差をつけている。ヴィンゲゴーも十分おかしいのだ。
第16ステージ グリュイッサン〜ニーム 188.6km(坦) 4級山岳1ヶ所
ステージ優勝 ヤスペル・フィリプセン(アルシン・ドゥクーニンク)
マイヨ・ジョー タデイ・ポガチャ
マイヨ・アポ タデイ・ポガチャ
マイヨ・ヴェール ビニヤム・ギルマイ
マイヨ・ブラン レムコ・エヴェネプール
1日の休憩はさみ、勝負はいよいよ終盤の3週に入る。舞台が南に移るその初日、選手たちは地中海を望むを横スタートを切った。今大会最後となるステージであり、スプリンターたちにとってはほぼ最後のチャンスである。中間スプリンポイントをめぐってしい争いがあった以外は基本的に穏やかに進んだまま、ゴール前スプリントへの意識が高まっていく…かと思えば、残り1.5kmというところでビニヤム・ギルマイが落。右の膝や肘を怪して2針縫ったものの、メンタルは傷んでいないと言って出場を続けると明言したが、このステージでは脱落。勝ったのはギルマイに並び今大会3勝を挙げたヤスペル・フィリプセンだった。
第17ステージ サン・ポールトロワ・シャトー〜シュペルデヴォリュイ 177.8km(山岳) 1級山岳1ヶ所、2級山岳1ヶ所、3級山岳1ヶ所。3級山岳の山頂フィニッシュ
ステージ優勝 チャル・カラパス(EFエデュケーション・イージーポスト)
マイヨ・ジョー タデイ・ポガチャ
マイヨ・アポ タデイ・ポガチャ
マイヨ・ヴェール ビニヤム・ギルマイ
マイヨ・ブラン レムコ・エヴェネプール
坦ではないもののクライマーにしかチャンスがないわけではない丘陵ステージで、逃げ屋にとっては絶好のチャンスとなった。177.8kmのうち134.4kmまでは緩やかな上り坂で、残りはアップダウンしい山となる。残り53kmのところからプロトンから分離形成された追走集団からリチャル・カラパスがアタックを仕掛け、逃げ集団を振るい落として単独先頭にいたサイモン・イェーツに追いつくと、残り13.3kmからは彼を引き離しそのまま逃げ切り勝利。4度の出場で念願のツール勝利を掴み、全グランツールステージ優勝を果たした。総合上位勢もそれぞれの思惑があり熾に争ったが、大勢には出なかった。
第18ステージ ギャップバルスネット 179.5km(丘陵) 3級山岳5ヶ所
ステージ優勝 ヴィクトルカンナールツ(スーダルクイックステップ)
マイヨ・ジョー タデイ・ポガチャ
マイヨ・アポ タデイ・ポガチャ
マイヨ・ヴェール ビニヤム・ギルマイ
マイヨ・ブラン レムコ・エヴェネプール
第19、20ステージは本格山岳、最終日は個人TTのため、これが最後の逃げ切りチャンスとなる丘陵ステージ。とはいえ5つの3級山岳が散りばめられ、獲得標高差は3,100mと決して逃げ切りが容易とは言い難い。序盤に前日勝者のリチャル・カラパスを含めた36名の大所帯逃げグループが形成。総合上位を脅かす選手はいないため、明日以降の山岳連戦に向けた足休めを狙うプロトンは静観の構えを見せる。逃げ集団はやがてぽろぽろと人数が絞られていき、元世界王者のクフィアトコフスキが残り35kmでアタックをかけるとついてこれたのはヴェルシェとカンナールツの2人のみ。このまま最後までリードし、3人による熾なスプリント勝負に全てが委ねられた。勝ったのはヴィクトルカンナールツ。ゴール後すぐパートナーと生まれたばかりの子供電話で報告し、「長きに渡りこの間を見てきた」とながらに初勝利を喜んだ。
第19ステージ アンブランイゾ2000 144.6km(山岳) 級山岳2ヶ所、1級山岳1ヶ所。1級山岳の山頂フィニッシュ
ステージ優勝 タデイ・ポガチャ(UAEチームエミレーツ)
マイヨ・ジョー タデイ・ポガチャ
マイヨ・アポ ガチャル→チャル・カラパス
マイヨ・ヴェール ビニヤム・ギルマイ
マイヨ・ブラン レムコ・エヴェネプール
23kmも坂を登り続けて通過するシーム・ド・ラ・ボネット(2802m)を含む級山岳2つ、1級山岳1つ、獲得標高差4,400mという今大会最難関ステージ。カラパスが2つの級山岳両方でトップ通過しポガチャルから山岳賞を奪取、ゴールが待つ最後の1級山岳イゾ2000に差し掛かる。麓の残り16kmで逃げ集団3人と追走するプロトンとの差は4分。残り9kmまで来ても3分弱で、このまま3人が逃げ切る…かと思われた。残り8.7kmでプロトンのポガチャルが仕掛けると、食らいつくヴィンゲゴーとエヴェネプールを難なく引きはがし、逃げ選手を次々に飲み込み、残り2km地点で先頭ヨルゲンソンを抜き去った。たった7kmで3分の差をひっくり返してしまったのだ。勾配6の上り坂で。今大会4勝涼しい顔でやってのけた化け物の前に、ヴィンゲゴーらは1分以上差をつけられてしまう。ポガチャルとの総合タイム差は2位ヴィンゲゴーが5分3、3位エヴェネプールは7分1にまで拡大。流石のヴィンゲゴーも「総合優勝す戦いは終わった」と旗を挙げるほかかった。
第20ステージ ニース〜コル・ド・ラ・クイヨール 132.8km(山岳) 1級山岳3ヶ所、2級山岳1ヶ所。1級山岳の山頂フィニッシュ
ステージ優勝 タデイ・ポガチャ(UAEチームエミレーツ)
マイヨ・ジョー タデイ・ポガチャ
マイヨ・アポ チャル・カラパス
マイヨ・ヴェール ビニヤム・ギルマイ
マイヨ・ブラン レムコ・エヴェネプール
第111回ツール・ド・フランスも残すところあと2日。アルプスを舞台にした最終山岳決戦132.8kmの短距離コースに1級山岳3つ、2級山岳1つ、獲得標高差4,600mと前日に負けず劣らず過酷なステージ逃げ集団ではカラパスが山岳賞を確定させる中で最終1級山岳に差し掛かった。プロトンではヴィンゲゴーとの2位争いのためにエヴェネプール率いるスーダル営が牽引を見せながら追走。残り10kmを切ると、逃げはカラパスとエンリクマスの2人に絞られる。EFエデュケーションとモビスター、2チームエースが潰し合いを見せる中で、メイン集団ではエヴェネプールアタック。これでヴィンゲゴーを引きはがし総合順位逆転を狙ったが、ヴィンゲゴーを引きはがせないどころかカウンターアタックを決められてしまう。しかしこのヴィンゲゴーのアタックにはポガチャルが反応し、逃げを抜き去った2人による第11ステージ以来の直接対決に。しかし第11ステージとは逆にポガチャルが残り150mから一の加速で突き放し、今大会5勝を手に入れた。ヴィンゲゴーはエヴェネプールとの差を2分50にまで拡大し、大怪からの復帰戦でもある大舞台での総合2位をほぼ確定させた。
第21ステージ モナコ〜ニース 33.7km(個人タイムトライアル 2級山岳1ヶ所
ステージ優勝 タデイ・ポガチャ(UAEチームエミレーツ)
マイヨ・ジョー タデイ・ポガチャ
マイヨ・アポ チャル・カラパス
マイヨ・ヴェール ビニヤム・ギルマイ
マイヨ・ブラン レムコ・エヴェネプール
1989年、最終日の個人タイムトライアルグレッグレモンローラン・フィニョンとの50差をひっくり返し大逆転での総合優勝を決めた。それ以来、「最終日は総合優勝者の凱旋ステージであって、総合争いを起こしてはいけない」という不文ツールを支配していた。その不文パリゴールの慣例ごと切り捨てるニースでの個人タイムトライアル。176人の出場選手のうち、ここまで走り切った141人による最後のステージが幕を開けた。シモン・ゲシュケ、マーク・カヴェンディッシュロマンバルデといった名選手たちが最後と決めたそれぞれのツール・ド・フランスを終える中、いよいよ総合上位勢の出番が回ってくる。総合8位のマッテオ・ヨルゲンソンが出したタイムタイムトライアル世界王者のレムコ・エヴェネプールが54縮めてトップに立つが、ヨナス・ヴィンゲゴーがそれを更に11更新。よほどの事故がない限り総合優勝を決めたポガチャルは押さえてくる……かと思いきや。
実況「そして残すはこのマイヨジョーヌのみ。」
(残り250m。暫定1位ヴィンゲゴーとのタイム差が画面に表示される)
実況「あぁーまだ1分30マージンがあります」
解説うわぁ……これは……」
実況「最終日も、この人がすべてを持って行ってしまう。文字通り、今大会を制圧した男、タデイ・ポガチャル!」
解説「もう流してますね」
実況マルコパンターニ以来の、26年ぶりの、ダブルツールを添える、今大会6勝! 総合優勝です!!
(流しながら両手を挙げてゴールインタイム45分25はヴィンゲゴーより1分3かった。)

結果

マイヨ・ジョーヌ(総合優勝
1位   タデイ・ポガチャル(スロベニアUAEチームエミレーツ) 83時間38分56
2位    ヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク、ヴィスマ・リースアバイク) +6分17秒
3位    レムコ・エヴェネプー(ベルギ、スーダ・クイックステップ) +9分18秒
4位    ジョア・アルメイ(ポルトガ、UAEチームエミレーツ) +19分03
5位    ミケル・ランダ(スペイ、スーダ・クイックステップ) +20分06秒

マイヨ・ヴェール(ポイント賞)
1位    ビニヤム・ギルマイ(エリトリ、アンテルマルシェ・ワンティ) 387pts
2位    ヤスペル・フィリプセン(ベルギ、アペシン・ドゥクーニンク) 354pts
3位    ブライアン・コカー(フランス、コフィディス) 208pts


1位    リチャル・カラパス(エクアドル、EFエデュケーション・イージーポスト) 127pts
2位    タデイ・ポガチャル(スロベニ、UAEチームエミレーツ) 102pts
3位    ヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク、ヴィスマ・リースアバイク) 70pts

マイヨ・ブランヤングライダー賞)
1位    レムコ・エヴェネプー(ベルギ、スーダ・クイックステップ) 83時間48分14
2位    カルロ・ロドリゲ(スペイ、イネオス・グレナディアーズ) +15分46秒
3位    マッテオ・ヨルゲンソン(アメリカ、ヴィスマ・リースアバイク) +17分16秒

選手たちのその後の動向

26年ぶりのダブルツールを達成したタデイ・ポガチャルは、一時期はパリオリンピックや史上初となるトリプルツールを狙いブエルタに出場するという噂も囁かれたがいずれも回避。9月末の世界選手権ロードレースに狙いを絞り、ジロ、ツール世界選手権の同一年制覇「トリプルクラウン」達成をした。ここでは残り100kmという常識外れのタイミングで仕掛けプロトンを脱するとすぐ逃げ集団に追いつき、50kmからは一人旅のまま々とゴールイン37年ぶり3人偉業衝撃パフォーマンスとともに見せつけた。

の不安を跳ね除けて総合2位いたヨナス・ヴィンゲゴーも五輪やブエルタには向かわず、8月ポーランドで行われる7日間のステージレースツール・ド・ポローニュに出場。ここで総合優勝を飾り、「もう2度とバイクに乗れないとすら思っていた」と語るほどの怪からの復活を示した。今シーズンの残りのワンイレース世界選手権には向かわず、ポローニュをもってシーズンを終えた。なんでも奥さんの第二子の出産が近いのだとか。仲間家族サポートのもと見事に這い上がってきた復活エースは、こんどはサポートに回り新しい命の誕生に備える。

総合3位のレムコ・エヴェネプールは「総合争いのレベルがいかに高いかを思い知らされた」と語ったが、ガチャルとヴィンゲゴーが自転車人なだけなのでネットではツッコミが集まった。パリオリンピックタイムトライアルロードレースに出場し、なんと両方で金メダルを獲得オリンピックでの個人TTロードレースの2冠は、男子では同一年はおろか通算でも例がなく、ファビアン・カンチェラーラ2008年北京オリンピックロードTT金があるくらいである。世界選手権にも出場し個人TTを快勝、連覇を達成。前代未聞の五輪世界選手権両方での2冠に王手をかけたが、ロードレースでは自転車人ポガチャルの前に敗れた。

上位を期待されながら惜しくも骨折で途中離脱となったプリモシュ・ログリッチは、オリンピックも回避し治療に専念。8月17日に開幕したブエルタ・ア・エスパーニャに出場した。連覇のかかるクスや、ジロ総合4位のベンオコーナーなどと勝負を繰り広げ、区間3勝を含む総合優勝を達成。ブエルタ総合優勝4回は史上最多タイとなる。

上述のエヴェネプールのほか、パリ五輪ロードレース銀メダルを総合25位のヴァランタン・マドゥアスが、銅メダルを同84位のクリストフ・ラポルトが獲得した。この二人はいずれもフランス人で、この種68年ぶりのメダルフランスにもたらした。

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