ディジェとは、「機動戦士Ζガンダム」(TV版、小説版)に登場するモビルスーツである。
「僕が一番ガンダムを上手く扱えるんだ!」という台詞でお馴染みなアムロ・レイの正式な乗機において、唯一ガンダムじゃないMS。小説版ではクワトロ・バジーナやアポリー・ベイも搭乗している。
モノアイ、おちょぼ口、ビームナギナタなど、ジオン系統のMSを思わせるデザインだが、元となった機体としてリック・ディアスのフレームが使われている。こうなった理由は、ジオンの元技術者達が開発に深く関与したためだが、設定上は後々ガンダムとして改装する予定だったと言われている(劇場版Zガンダムの外伝作品においてはモノアイレールの裏側にツインアイ用のソケットが設けられており、後述するリファインされたプラモでは再現されている)
しかし元はあくまで元であり、中身は大分異なる。特筆すべきは、陸戦用として新たに与えられた背中の大きな放熱フィンであろう。ジオン顔に目を奪われがちだが、リック・ディアスと明確に違う特徴と言えばここである。なお、あくまで陸戦用であるため、宇宙での使用は想定されていない…っぽい。
地上専用機として扱われることが多かったが、少なくともアニメでそういう言及はなく、実は宇宙運用不可能という設定もないようである。近年宇宙用バリエーションも登場している。
武装はリック・ディアスのものが主となっているが、前述のビームナギナタや、百式とほぼ同型のビームライフルなど、武装面でも強化が図られている。右肩にクレイ・バズーカ懸架用のレールを装備したシールドを固定装備するなど左右非対称なフォルムを持つのも特徴である。
アムロの乗機ではあるのだが、あくまで彼は主役ではないため、活躍したシーンは限られている。
元々はアクシズ側のMSとしてデザインされたようだ。しかしデザイナーの思惑とは裏腹にアムロの乗機にされてしまい、当時は「なんでガンダムに乗せないんだ」と視聴者から大ブーイングだったらしい。
というか見た目がどう見てもゲルググ系であることは当時発売の1/144プラモの箱にまで書いてある。
プラモデルは出たが、アムロ搭乗機にしては立体化の機会は少ないほうである。それでも、2015年にRE/100が、2018年にはHGUCでのリファインがされそれなりの扱いを受けるようになった。
キリマンジャロ攻防戦がカットされたため、「劇場版機動戦士Ζガンダム」には登場しなかった。その無念を晴らすように劇場版の外伝的な漫画である「カイ・シデンのレポート」では大きな扱いで登場。前述の「ガンダム顔にするためデュアルアイのソケットがあった」という本作独自設定はその後の立体商品(RE・HGUC)にも反映された。
スーパーロボット大戦シリーズには長らく機動戦士Ζガンダムが出演していながら、「スーパーロボット大戦Z」で隠し参戦において初参戦するまで、一度も出演することがなかった(何故か「第3次スーパーロボット大戦」でディジェSE-Rは先駆けて登場している。ただしやっぱり隠し機体)。
ちなみに『スパロボZ』は「劇場版Z」名義での参戦の為、無理矢理ねじ込まれた感は否めない。
2019年現在では、エゥーゴ及び同機を運用したカラバのスポンサーであるルオ商会の私的所有機として独自にチューンナップしたという追加設定もあり、映像最新作である『機動戦士ガンダムNT』、更には「逆襲のシャア」の前史にあたる『機動戦士ムーンガンダム』にも出演している。
MSV-R系漫画作品『ジョニー・ライデンの帰還』に登場。
新生ネオ・ジオンの総帥シャア・アズナブルが搭乗する試作機で、陸戦専用だった原型機から汎用機として各部サブスラスターとグライバインダーを新たに追加している。また、カラーリングも赤にリペイントされている。
特筆すべきはサイコフレームを新装されたアームレイカー式コックピット付近に採用している事。サイコフレームの初期試験機として、何の因果かアムロも搭乗したことのある機種が選ばれた。
この機体が用意された背景は、アムロとの対決に執着したシャア大佐の要求ではなく、金銭面が不安な新生ネオ・ジオンに寄付されたディジェを有り合わせのパーツで改修したのがこの機体である。本来はシャア専用機ではなかったようだが赤く塗っていたのでシャアが勝手に乗り込んだ。
コンペイトウ宙域での空間戦の果てに、この機体は半壊することになる。しかし、失われた両腕両足を物語時点で最新の試作機用パーツを用いてリビルド。整備したアルレット・アルマージュの手によって形式番号と固有名が与えられることとなり、「MSK-008S ディジェ・トラバーシア」と名付けられた。頭部もアナハイム・エレクトロニクスより提供された新型のものとなっており、外観の印象はかなり変わっている。こうして引き続きシャアが乗り込み、専用機として運用されることになった。
漫画作品『機動戦士ムーンガンダム』に登場。
ロンド・ベルMS隊隊長アムロ・レイ大尉の専用機で、当初ガンダムタイプMSの配備を希望していたが、連邦上層部の「ガンダムタイプとNT」の組み合わせによる恐怖により却下され、同時代の連邦陣営における高性能(ガンダムタイプを除く)機体としてかつての愛機であった同機が選択された。機体カラーはカラバ時代搭乗したZプラスA型のカラーである朱色と灰色のツートンカラー。
リック・ディジェの名の通り経緯は異なるものの、上述のシャア専用ディジェと同じく宇宙戦闘に対応する汎用機として改修され(スラスター増強・グライバインダー装備は上記と共通している)、ハイパーメガランチャーの使用も可能になっている。コクピットが原型機の頭部から胸部に移行、その際に頭部の排気ダクト(所謂「口」)がマスク状のパーツで変更され連邦系MSに近いデザインになっている。
劇中プロローグにてサイコガンダムMk-Ⅳ3号機「G-ドアーズ」と交戦。撃墜したが「まさか、この俺がガンダムと対峙する事になるとはな」とアムロに呟かせている。
後に最期の愛機になったνガンダムに似たカラーリングにしたうえで更に改修された「リック・ディジェ改」になった。
『Z-MSV』に登場するMS。
『B-CLUB』で連載されていた『Ζ-MSV』の連載終了後に、『B-CLUB』の増刊ムック『ガンダムMS大全集』(1988年)にて追加された。同時に追加された機体として「量産型百式改」がある。
MSK-008 ディジェをベースに開発した超高性能機体。さまざまな革新的機能がされており、ディジェとはまったく別のものと言っていい。分かっているのが頭頂高、本体重量、全備重量だけで、ジェネレータ出力、スラスター総推力、センサー有効半径、武装などは不明で、唯一判明している項目の装甲材質でさえガンダリウム合金(推定)という正にミステリアスな機体である。
『SE』という名称から、『月刊ホビージャパン』で連載されていた模型企画「TYRANT SWORD Of NEOFALIA」に登場した新技術の『SEジェネレーター』と関連性があるのではないかとサンライズ監修の『総解説 ガンダム時点Ver1.5』(2009年)では触れられている。初出の『ガンダムMS大全集』にも本機の説明ページとは別に「TYRANT SWORD Of NEOFALIA」の説明ページがあることも想像力をかき立てられる部分ではあるが、ムック媒体では関連性があると明言されたことはない。
それとは一転して 、ゲーム「機動戦士ガンダム ギレンの野望 アクシズの脅威V」(2009年)、食玩『FW GUNDAM CONVERGE 18』(2015年)の機体説明文ではSEシステムを搭載していると断言されている。
他にはゲーム、「スーパーロボット大戦」シリーズや「SDガンダム ジージェネレーション 」シリーズなどにも参戦している。武装やスペックは各社のゲーム製作チームの裁量に委ねられていて、作品毎に扱いがまちまちであり扱いが安定しない。ゲーム「スーパーロボット大戦MX」では隠しユニットとして出演している為か、Zガンダム時代のMSでありながら単独で飛行可能なユニットとして登場、MSの中でも能力値が高めに設定されていた。だがギレンやGジェネレーションシリーズなどの、ガンダム単体のゲーム作品ではディジェを一回り強くした程度の性能で特筆する点はない。
掲示板
81 ななしのよっしん
2024/01/01(月) 16:25:35 ID: S+3/jX5mcv
ジョニーの帰還にSE-Rがあったとしても、タイラントソードの世界みたいな性能は無いだろうな
ギレンの野望に出演した時みたいにディジェに毛の生えた性能しかあるまい
82 ななしのよっしん
2024/02/25(日) 12:36:15 ID: t8D8N5Ugk0
ムーンガンダムで再び脚光を浴びるも、同作からアムロ専用ジェダが登場して「アムロ専用機の中で唯一の非ガンダムタイプ」って看板は二度と使えなくなったのホントぐぬぬって気分や……。
83 ななしのよっしん
2024/04/14(日) 21:15:02 ID: RiaYQTmhqS
ムーンガンダムが無かった事になりそうなので安心してくれ()
新しく出たアムロ専用ディジェはカラバのプロパガンダとか想像が捗るな
急上昇ワード改
最終更新:2024/04/25(木) 05:00
最終更新:2024/04/25(木) 05:00
ウォッチリストに追加しました!
すでにウォッチリストに
入っています。
追加に失敗しました。
ほめた!
ほめるを取消しました。
ほめるに失敗しました。
ほめるの取消しに失敗しました。