「デジタル切腹」とは、自主的に自分のアカウントやゲームキャラクターを削除する行為である。海外でも「Digital Seppuku」と呼ばれている。ちなみにアグネスデジタル(ウマ娘)との関係はない。
オンラインゲーム上やSNS上で自らが引き起こした不祥事の件で、自主的に自分のアカウントやゲームキャラクターを削除することでその責任を示す時に使われる。その行為を武士が自ら腹を切って死ぬ「切腹」になぞらえて「デジタル切腹(Digital Seppuku)」と表現した。
その語源は古く、2009年からTwitter上で「Digital Seppuku」を使った下記の英語のツイートが確認されている。
日本語に翻訳すると「私のいまいましい外付けHDDがデジタル切腹を確定する前に、私のデータをもう少し保存する時が来たようだ」のような意味になる。この頃からデータを消すことを「デジタル切腹(Digital Seppuku)」として使われていた。
ただし、「Digital Seppuku」「デジタル切腹」は2022年までのTwitterでは月に数回程度の投稿頻度だった(→参考)。「デジタル切腹」の用例が急増するのは下記項目で述べる出来事以降となる。
ツイートを読み込み中です
https://twitter.com/adtothebone/status/1411753327
「デジタル切腹」という言葉が自主的に自分のアカウントやゲームキャラクターを削除する行為としてネット上で認知されたのは、スクウェア・エニックスのMMORPG「ファイナルファンタジーXIV(以下FFXIV)」で起きた不正騒動がきっかけとなっている。
2023年1月24日に実装されたFFXIVの高難易度コンテンツ「絶オメガ検証戦」において、世界最速でクリアした日本のチームのプレイ動画が流出し、「ズームハック」という外部ツールを使用していた疑惑が浮かび上がったことからコミュニティで大きな騒動になった。FFXIVにおいて、外部ツールの使用は一切認められていない。
ファイナルファンタジーXIV禁止事項
問題発覚後、チームメンバーを名乗る人物がTwitterにて謝罪文を投稿。謝罪した人物や過去に参加していたグループメンバーの一部は、キャラクターの削除やプレイを停止することを発表した。このキャラクターの削除によって責任を取る行為を海外プレイヤーから「Digital Seppuku」と表現され、これが日本人プレイヤーにも広まって「デジタル切腹」となった。2月1日正午のTwitterでは「デジタル切腹」がトレンド5位に入り話題となっている。
こうして「デジタル切腹」はインターネット上で責任を取る言葉として認知されることになった。
アカウントやキャラクターを削除することは、今までネット上に培ってきた名声やステータス、場合によっては課金による恩恵を全部捨てることになるのである程度は罰となっている。しかし、いくらでもアカウントを作り直す(いわゆる「転生」)ことができるため、罰としては甘く本当に責任を取っているとは言い難い。ひねくれた見方をすればネット上で炎上したからアカウントを消して逃げたようにも見える。ペナルティを粛々と受け入れ、二度と不祥事を起こさないように反省することが本当の責任の取り方ではないのだろうか。
前項で触れたFFXIVの不正疑惑騒動においてFFXIVのプロデューサー兼ディレクターの吉田直樹は運営側で外部ツール使用の調査を行っており、確認され次第該当プレイヤーにペナルティを課すことを表明した。「今回、外部ツール不正使用が調査によって明らかになった場合、少なくとも僕は、当該チームをワールドファーストチームとは認めません」と強い姿勢で不正行為を認めないことを示している。
絶オメガ検証戦における不正行為について | FINAL FANTASY XIV, The Lodestone
似たような文化は、かなり昔の時代から、インターネット上のコミュニティの至るところで見られる。
垢消し・投稿作品の全削除(または非公開設定化)・ツイートの全消し・退会・アンインストール(古いものだと掲示板の閉鎖やホームページの削除)などがそれに該当する。
そもそもデジタル切腹は『責任を取る手段』や『禊』のようなご立派なものではなく、(自分自身を含めた)特定のコミュニティに所属する人間に、これ以上嫌な思いをさせないように行う『自衛手段』という側面が強い。
一度やらかしてしまった人間は、その後どう取り繕おうとも『困ったちゃん』や『厄介ファン』というレッテルを剥がすことはできないだろうし、再び同じような過ちを犯してしまった日には「またか、いい加減にしろ!」という激しい批難を受けることは免れないだろう。
他にも価値観の変化から、過去の自分の活動が黒歴史化する、うんざりする、恥だと感じるようになるということもある。ニコニコ動画の場合、最もありふれた事例は『シリーズをエタらせてしまい自己嫌悪に陥る』といったところか。
その際に行われるのがデジタル切腹である。
インターネット上のコミュニティの流動性と匿名性を象徴する文化であることは間違いないだろう。
・・・ところで、見るからに初心者ではない作品を投稿している真新しいアカウントのあなた。
『何回目』ですか?
掲示板
35ななしのよっしん
2023/02/07(火) 22:10:48 ID: lKZ1hNaDu+
36ななしのよっしん
2023/02/07(火) 22:31:08 ID: UZwXl39IwE
>>33
デジタル切腹は「責任を取る行為」ではなく「自衛手段」という点は削除したら駄目だと思いますが、その他の部分は記事を作成された方の裁量にお任せします
37編集者
2023/02/08(水) 18:42:27 ID: rCtp2Nq7mb
>>36
ご意見ありがとうございます。助かります。
色々と考えたのですが、問題が起きてない以上、編集せずに今の形で行こうと思います。
他の編集者さんが編集したところをむやみにいじるのも申し訳ないですし…
すいません、お騒がせいたしました。
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最終更新:2023/03/22(水) 11:00
最終更新:2023/03/22(水) 11:00
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