通常「デスメタル+スラッシュメタル」と呼べる音楽(またはそれを主体とするバンド)を指す。但し、日本国内に於いてのみ通じるカテゴライズであり(ニュアンスは英語話者にも通じるが)、海外に於いては専ら「DEATH/THRASH」と表記されるケースが殆ど。
90年代に入り、NIRAVANAやSOUND GARDEN、PEARL JAMらオルタナティヴ・ロック(≒グランジ・ムーブメント)のメジャーシーンへの進出、METALLICAの「METALLICA(通称ブラックアルバム)」発表やPANTERAの台頭、さらにそれらに影響を受けたラウドロック勢の急速な発展により、スラッシュメタルは瀕死の状態であった。が、90年代後半のスウェディッシュ・デスメタルシーンの活発化により、元は「過激化したスラッシュメタル」であったデスメタル、または先述のラウドロックシーンの影響を受けつつ、スラッシュメタルの流儀を再アレンジした音楽がデスラッシュといえる。一般的にはAT THE GATESの4thアルバム「Slaughter Of The Soul」の影響下にあるとされる。
チューンダウンした弦楽器隊、非常に手数の多いドラミング、吐き捨てやデスヴォイスを中心軸とした楽曲構成はデスメタルの影響下にあるが、それに2ビート主体のスラッシュメタル的アレンジメントやベイエリア風クランチリフ、或いはスウェディッシュ・デス的メロディアスな単音リフ(いわゆるイエテボリ・リフ)を加えている点が、それまでのデスメタルやメロディック・デスメタルと区別される点である。
前述のようにスウェディッシュ・デスの影響下とされる為か、日本国内に於いては北欧のバンドがカテゴライズされることが多く、またイエテボリ・リフを多用するバンドが多いためメロディック・デスメタルと非常に近接したジャンルとされる。特にAT THE GATESに於いては「メロディック・デスメタル」「デスラッシュ」双方でカテゴライズされることが多い。
スラッシュメタルを生んだアメリカに於いては、デスラッシュやメロディック・デスメタルに影響を受けたバンドがメタルコアとして区分されることが多いため、「デスラッシュ」としてカテゴライズされるバンドは稀である。
語感からか、「デスヴォイスのスラッシュメタル」として考える向きもあるが、三羽烏(DESTRUCTION・KREATOR・SODOM)を初め、黎明期からのスラッシュメタルバンドにおいても現在でいうところのデスヴォイスに近い唱法は使われており、正確な分類とは言えない。
また、80年代スラッシュメタル的音像を追求している2000年代以降のスラッシュメタルバンドも多いため、一概に「スラッシュ」「デスラッシュ」を区分することは出来ない。筆者個人としては、90年代後半以降の一般的なヘヴィメタル/ラウドロック的な音像でプレイしているスラッシュメタルをこちらにカテゴライズするのが一番分かりやすいかなとは思う。
「DEATHRASH」という言葉については、関西のヘヴィメタルバンドAIONが自らの音楽性を「DEATHRASH BOUND」とした為、それが一般的な認知になったという意見が一般的である。が、それを標榜し始めた当時のAIONはいわゆるデスラッシュ的な音像とはかけ離れており、またヴォーカルのNOV氏はデスヴォイスではない。
(加筆修正お願いいたします)
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最終更新:2024/04/23(火) 18:00
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