デナン・ゾンとは (デナンゾンとは) [単語記事]

XM-01 デナン・ゾンとは、『機動戦士ガンダムF91』に登場する『クロスボーン・バンガード』が運用する一般兵用格闘型量産モビルスーツである。

概要

ブッホ・エアロダイナミクス社が、同社の作業用モビルスーツ「デッサ・タイプ」をベースに開発した軍用モビルスーツ。

クロスボーン・バンガード（CV）は、連邦に先んじてMSの小型化に成功していただけでなく、MSの運用そのものに関しても、根本的な改革を行っていた。それは、機体の性能を見て戦略に当てはめるのではなく、戦略に対応して機体性能を設定していたということ。これは、CVという組織だからこそできたことだった。

MS クラスのものを製造量産が可能な設備は、多かれ少なかれ、企業や組織としての拘束があり、利益や効率を考えなければならないため、どうしても性能的に妥協する点が出てくる。その点、CVは少数精鋭ということもあり、MSの製造に関して、考えうるすべての条件を想定し、一機あたりの経済性は、必ずしも最優先事項ではなく。部品ひとつとってみても、一切の妥協をしなかった。

量産機にもガンダムクラスの高性能なハイブリッド・デュアル・センサーを採用、新型の高出力小型ジェネレーターの採用、新技術で精製されたF90のガンダリウム系装甲とはまた別系統となる、チタン合金ハイセラミック複合材を採用する。加えて、デッサ・タイプの設計を受け継いだバックパックへのジェネレーターの機外配置や、推進器の分散配置による運動性能の確保、CV機共通のコックピットブロックなど、CV独自の設計思想も見ることができる。

そうして、主にコロニー内での格闘戦に対応した機体として設計されたデナン・ゾンは、CV製MSとしては最初期に完成し、小型量産MSとして破格の能力を獲得した。第二次オールズ・モビル戦役やフロンティアサイド侵攻で見せたその運動性能は、ジェガンに最新のアップデートを施した機体である、ジェガンJ型、M型、R型などの最後期の第一期MSはおろか、連邦軍の生産した小型 MSである、ヘビーガンやGキャノンを終始圧倒するほどであった。

機体の塗装は、通常のカラーリングに加え、『ダークタイガー隊』仕様の赤色と紫。『ブラックバンガード』仕様の黒色と紫の塗装パターンが確認されている。

兵装

ショットランサー/ヘビーマシンガン

この武器は、穂先がレール・キャノンと同じ原理で撃ち出され、ガンダリウム合金の装甲をも貫く威力を持っている。また、先端が4ブロックに分割され、炸薬によってさらに射出することができる。本体基部には銃口を二門持つヘビーマシンガンが一体化されている。

デュアルビームガン

ビームシールドの基部に備えられた、二連装の小型ビームガン。コロニー内戦闘を想定してか、デナン・ゾンにはあまり過剰な火力は持たせてはいないようだ。

ビームサーベル

ジェネレーター出力の向上で、作戦行動中はアイドリング状態で待機させることができ、エネルギーロスも少ない。

ビームシールド

ジェネレータ出力そのものの向上、機体の大幅な軽量化による推進器や本体システム全体への要求エネルギーの低下、技術の進歩によるエネルギー効率の良化によって実現した、ビームシールドの実用化。

それは、遠距離攻撃の脅威を低減させ、MS同士の戦闘で肉弾戦が主流となる時代を予感させるものであった。デナン・ゾンはこの新次元での格闘戦に対応するためにビームシールドを装備、特徴的な円形のシールドが敵から身を守る。

本体サブセンサー

CVのMSは、射撃に正確を期すため、ビームライフルそのものにサブセンサーを装備している場合が多いが､デナン・ゾンは、近接格闘戦を想定しているので、接近戦に対応したショットランサーを持っている。そのため、射撃時の補助として、本体にサブセンサーを装備し、射撃時の精度を確保している。

バリエーション機体

ケトル・ゾン

『機動戦士クロスボーン・ガンダム DUST』に登場したMS。宇宙世紀169年の混乱期に存在する『ミキシングビルドモビルスーツ』の１つであり、デナン・ゾンの改造機。傭兵ジャン・ドーヴァンが使用する。頭部のハイブリッドデュアルセンサーは別のセンサーに替えられ、元機体とはまた別なベクトルで特徴的な見た目となっている。

コスモバビロニア建国戦争時の機体は、パーツの入手が割合困難なのだが、ジャンの父である名工フランク・オズの調整によって比較的高い性能を維持している。しかし、パイロットの個人的なカスタムが進みすぎており、本人以外には扱いづらい機体にもなっている。

パイロットによって『ケトル(やかん)・ゾン』と命名されているが正式名称ではない。

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