デラーズフリートとは、機動戦士ガンダム0083に登場する軍事組織である。
一年戦争の最後の戦場となったア・バオア・クー攻防戦。激戦の中、ギレン総帥の戦死をグワデン艦橋で確認したエギーユ・デラーズ大佐は最早これまでと判断し、近辺の友軍艦を率いてSフィールドからEフィールドを通ってア・バオア・クー宙域より撤退し姿をくらました。
この時、デラーズの艦隊以外にも、連邦への降伏を良しとしない艦隊や部隊が戦力を伴って何処かに姿を消した。
終戦後の0080年1月、秘匿領域「カラマ・ポイント」でジオン残党軍が集結し、今後の方針を協議。愛国党のマハラジャ・カーンを中心としてアクシズを目指すグループと地球圏に留まって連邦に徹底抗戦するグループに分かれ、後者がデラーズフリートの素体となった。
アクシズ行きを拒んだ、もしくは拒まれた者たちも徹底抗戦派に加わり、地球圏最大のジオン残党軍が形成されることとなる。これを束ねるのはア・バオア・クー統一軍総帥直属艦隊司令であったエギーユ・デラーズ大佐で、彼の意志に陶酔したアナベル・ガトーを始めとする兵士たちが追随した。
3月、ルウム戦役を始めとする戦闘により大量のデブリが密集し、連邦軍の目につきにくいサイド5跡に本拠地「茨の園」の建設を開始。
宇宙世紀0081、地球で活動しているジオン残党軍インビジブルナイツに支援をし、同年8月15日のジオン国慶節にデラーズフリートを結成。地球連邦政府に対しゲリラ活動を開始した。
11月にはアクシズに渡った残党軍との共闘確認が行われ、足並みを揃える。
翌0082年12月、茨の園内の工場が稼動。モビルスーツの自力生産が可能となった。
宇宙世紀0083年1月、デラーズフリートは地球連邦軍が南極条約違反である核武装を施したモビルスーツを開発しているとの情報を得た。7月30日、星の屑作戦を立案。星の屑作戦とは北米の穀倉地帯にコロニーを落とし、食糧生産率を低下させて宇宙への依存度を上げるとともに連邦政府の目を宇宙に向けさせる事であった。作戦に備え、10月9日にガトー少佐が地球に降下。アフリカに潜伏中の残党軍と接触する。
0083年10月13日、宇宙から降りたアナベル・ガトーは核武装されたガンダム試作2号機GP02サイサリスが運用試験のため搬入されたオーストラリアのトリントン基地に潜入し、これを奪取。連邦軍の執拗な追撃が続いたが10月31日、アフリカのジオン残党軍のキンバライト基地より、HLVにより無事に茨の園まで持ち帰ることに成功した。
ガトーがGP02を奪取しに行ってる間の10月25日、デラーズフリートはシーマ艦隊と合流。戦力を更に拡大させていた。また、この時期、月面都市フォン・ブラウンに潜伏していたMAパイロットのケリィ・レズナーとその乗機、MA-06ヴァル・ヴァロをデラーズフリートに引き入れようとしたていたが、交渉は決裂し失敗している。ただしケリィ自身は連邦軍に対し独自に戦闘を仕掛けている。
11月10日、コンペイトウで行われていた連邦軍の観艦式を襲撃。デラーズフリートの主力部隊が迎撃に上がる連邦軍MS部隊と交戦する中、ガトーは少数の僚機を伴い、密かにデブリの密集した手薄な側からコンペイトウへ肉薄。これによりガトーはGP02のアトミックバズーカの有効範囲内に連邦軍艦隊を捉え、その一撃により集結していた艦隊の3分の2(当時の連邦軍が保有する艦艇の過半数)を撃沈させることに成功した。
しかしこの核攻撃を含む観艦式への襲撃もまたデラーズにとっては陽動に過ぎず、その本命は地球へのコロニー落としにあった。このコロニー落としは直接地球を狙ったものではなく、一年戦争当時のブリティッシュ作戦とは異なる方式での軌道投入が図られている。
まず、シーマ艦隊がコロニー公社が所有していた移動中の2基のコロニー、“アイランド・イーズ”及び“アイランド・ブレイド”を強奪。それぞれの採光ミラーを1枚ずつ破壊することにより回転軸をずらし、衝突による軌道変更でアイランド・イーズを月面への落着コースへと乗せる。なお、アイランド・ブレイドはこの時の衝撃で地球圏を離れる軌道を取った。
コンペイトウよりコロニー追撃のため出港した連邦軍艦隊だが、コロニーを射程に捉える前に、フォン・ブラウンより照射されたレーザーにより内部の推進剤に点火したコロニーはその進路を地球へと変える。連邦軍将官からは「日和りおった」とも評されるこのフォン・ブラウンの対応により、追撃に当たっていた艦隊は推進剤を使い果たし、コロニーの追撃を断念している。
一度袂を分かったアクシズの残党軍も彼らを支援するために先遣隊を送っており、11月11日にデラーズ・フリートと合流。アクシズで開発したノイエ・ジールを譲渡し、GP02を失ったガトーの新たな愛機となった。翌12日、コロニーを追いかけていたサラミス級4隻をノイエ・ジールが瞬く間に壊滅させた。
11月13日、連邦軍が用意したソーラシステムⅡの照射にも耐えたコロニーは地球へ落着。これで星の屑作戦は成功した。しかし途中でシーマ・ガラハウの裏切りでエギーユが死亡し、旗艦グワデンも沈没。そして作戦遂行に全力を注いでいたデラーズフリートに余力は残っておらず、連邦軍の圧倒的な物量の前に壊滅した。後方にはアクシズ艦隊が控えており、命からがら連邦軍から逃れたデラーズフリート兵を回収しアクシズへ連れ帰った。
デラーズ・フリートは賛否両方の評価が見られる組織である。参加した兵士個人の目的意識、士気は総じて非常に高く、その自らの信条に対し命をかける様、また困難な作戦を成功させた能力面は評価されることが多い。
一方で、組織としてみた場合の行動とその結果には批判も存在する。ただし、その中には誤解に基づくものも見られるため、ここでは公式設定および作中描写の情報と合わせて記述する。
まず第一に批判されることが多いのは、一年戦争時のア・バオア・クー要塞での戦闘における行動である。
ア・バオア・クー戦においてギレン戦死の報が流れた際、デラーズはこれがキシリアによるものと看破。付近の艦艇を率いア・バオア・クーを脱出している。
「このとき前線では未だ多くの学徒兵を含むジオン軍が交戦中であり、そうした味方を見捨てての行動である」「逃亡ではないのか」と批判されることが多い。
「機動戦士ガンダム公式百科事典」によればギレン戦死の報告をキシリアによる暗殺と看破、直後に離脱する算段を始め指揮下の艦艇に準備させることを指示(9:25)、ドロワ撃沈、母艦を失い当時大尉だったアナベル・ガトーが死して忠義を示そうとしていたためデラーズがこれを引き留め(10:20)。デラーズ艦隊、ア・バオア・クーを離脱(11:00)という推移である。またミライの感じた公国軍の防御の乱れがデラーズの撤退によるデラーズの撤退によるものという推察があるが、あくまで推察であり確定と言えるものではなく、従来通りのギレン殺害による混乱が原因とするのが主流である。
またMS IGLOOにおいて、停船命令前にEフィールドを通過するグワジン型含む多数の艦艇が書かれているが、この艦隊はデラーズ艦隊ではないことが現在ではほぼ明確になっている。デラーズの艦隊と異なりEフィールドを通過した艦隊はNフィールドからの撤退と明言されている点、ザンジバル級が含まれているなど艦隊構成も異なる点、グワジン級の大きさがグワデンとは明確に異なるといった相違点のためだ。
更に『光芒のア・バオア・クー』においては当時の学徒兵コルバド・ストルツ視点で、撤退中のデラーズ艦隊の一隻(その絵からグワデンと思われる)が停船し救助にあたる様子が描かれている。この後ストルツはデラーズ紛争に参加、アクシズへの脱出に成功し、その後地球圏調査チームとして地球圏に帰還しA.E.U.G、短期間の連邦軍所属を経て88年にはジオン共和国に帰還、戦史作家となった。
デラーズフリートの作戦行動は与えた被害だけ見れば全て成功しているが、スペースノイドの発言権拡大という目標に関しては達成できず、その代償にジオン残党にとってかけがえの無い優秀な戦力を多く損失していること、スペースノイドの独立を謳いながら禁忌であるコロニー落としを実行したこと(この点は他のジオン系組織にも言えることだが)、ティターンズ結成のきっかけとなり結果としてスペースノイドが強く弾圧される原因となるなど、戦果につりあう代償であったかは不明瞭である。この点、長期的な視点が無くあくまでもデラーズ個人のギレンへの信仰と自身のロマンによる行動でしかないと批判されることもある。
ゲーム「ギレンの野望」シリーズでは、選択可能な勢力として登場。
寡兵(敵勢力の人材は豊富)、技術レベルが敵対勢力より低い、勢力圏狭い、自軍にニュータイプ無し、初期ユニットが旧式機ばかりという容赦の無い超絶難易度を誇る。うまく指揮しないと、あっという間に本拠地茨の園へと攻められる。救済措置なのか0083年にも関わらずティターンズが存在しており、地球連邦・デラーズフリートを含めて三つ巴の戦いになる。連邦とティターンズが潰し合うので、いきなり総力で叩き潰される事は無い。
アクシズの脅威では、諜報レベルSで50ターン目を迎えると星の屑作戦が始動。ガトーたちが任務中となり、サイサリスを強奪して持ち帰ってくる。
掲示板
802 ななしのよっしん
2024/04/17(水) 20:40:27 ID: 6mT7j9BgqJ
ここいらはやはり「ミネバという公国の継承者」のあるアクシズが枢軸になってそこからの
「残党閥間のネットワーク」が構築されていて(シャアとかの早期帰還組がパイプになった)、
その中でデラーズフリートが「核兵器使用可能の連邦MS開発」の情報を掴んだことで
アクシズネットワークが間を繋いでキンバライト基地の一派とつないだ、と言った感じかなと思う所。
で、不運にも地域の外にあった残党はさらに水面から深く沈んで何とかやり過ごし、
ネオジオンとしての降下に合わせて合流するも結果的に勢力回復に失敗し多くは掃討され
一部は軍籍を捨て、それでも中途半端にしかいられなかったのが後に8年後(UCで)の蜂起であらかたの
「地球上の自称元ジオン兵」は戦力を失った形になったんじゃないかなと。
803 ななしのよっしん
2024/04/18(木) 22:12:59 ID: CSW1k0z0bh
アクシズとデラーズ・フリートの間は星屑作戦以前からやり取りがあったのは確実だし、ビッター閣下のとこはじめ地上の残党と連携取ってたこと考えると、だいたいそんな感じになりそうよな
804 アッシュ
2024/04/24(水) 23:10:25 ID: +X7ILlNUkZ
>>802
シャア組の帰還は0084年だからパイプはシャアではないだろうけど、やっぱりザビ家の権威でアクシズ中心にネットワークが構成されてたんだろうね
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最終更新:2024/04/25(木) 22:00
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