トカゲの王とは、入間人間著のライトノベルシリーズである。カバーイラスト・挿絵はブリキが手がける。
2011年より電撃文庫(アスキー・メディアワークス)から刊行。既刊5巻。
概要
『神様』と呼ばれる超能力者が君臨し、裏では殺し屋が跋扈する現代日本を舞台に、異能の中学生五十川石竜子の災難と『神様』との戦いの日々を描く。この手の話には珍しく主人公の能力は全くもって戦闘向きではない。
作者に特有のパロディは本作でも健在であり、超能力者が存在している世界にも関わらず、現実と地続きの世界観が強調される。主人公は超能力者でありながら読者が手に取れる実在の創作物に憧れ、空想と現実のギャップに悩まされることになる。
登場人物
ストーリーは主に石竜子、巣鴨、ナメクジの三人の視点が切り替わる形で描かれる。
- 五十川石竜子 (いかがわ とかげ)
- 本作の主人公。中学3年生。瞳の色を自在に変えるだけの能力「リペイント」を持つ。見た目で人を騙すインチキが全てのため偽りの能力と称される。なまじ異能を持つためか年齢特有の妄想が著しい。能力によって信心深い両親に『悪魔の子』呼ばわりをされ、挙げ句に二人が『神様』シラサギの教団に傾倒して家庭を顧みなくなったためシラサギを憎んでいる。巣鴨の手引きで廃ビルでの殺し屋達の戦いに巻き込まれた末にシラサギが自分と同類だと知り、彼女との戦いを決意する。
- 巣鴨涼 (すがも りょう)
- 石竜子の同級生。不思議な魅力を持つ、露出過多な少女。巨大なお屋敷に住むお嬢様で、偏執的な性格と有り余る行動力を持つ。小学生の頃に石竜子のリペイントを見たことで心を奪われ、以来石竜子の「目玉が」好きでたまらない。思いつきで石竜子のためと言っては彼を危険なトラブルに巻き込む。鬼。見える呪い。吐き気を催す邪悪。石竜子は小学生の頃に裸を見たりキスされたことがあり、彼女を恐れながらも女性として意識せずにはいられない。
- ナメクジ / 米原麻衣 (まいばら まい)
- もう1人の主人公。殺し屋。20歳。本人は通り名を快く思っていないが、捨て去った本名も忌避する。廃ビルの一件で巣鴨の思いつきで右腕を切断され、彼女を殺すことに全てを懸ける復讐者と化す。以来巣鴨の顔を見ただけで暴走するようになり、大暴れの末に自身が殺し屋に狙われる羽目になる。乙女。
- カワセミ
- 殺し屋。17歳。最強と謳われる超能力者の1人で、目で見た物体を1cmだけテレポートさせる能力を持ち、あらゆる物体を切り裂く能力として応用している。発動中は瞳が赤く変化する。白髪のカツラを被り真っ白な装いに身を包んでいる。かつては超能力少年としてテレビに出演し人気を得ていたが、インチキ疑惑をかけられて業界を追われた。殺し屋になったのはテレビに出られなくなったからとのことで、今でも復帰を諦めていない。殺し屋としては珍しく金で動かず、常識的な感性を持っている。
- 白ヤギ
- 巣鴨の護衛。カワセミと並び称される殺し屋で、音を操る能力を持つ。年中着物で巨大なラジカセを持ち歩き赤いヘッドホンをしている。至って常識的で巣鴨の行動に辟易しており、巣鴨評は遠慮無く辛辣。彼女に従うのは偏に報酬の為。恵まれない環境に在りながら歪んでいない石竜子を評価している。
- 鹿川成美 (しかがわ なるみ)
- 石竜子の同級生。石竜子とは気の置けない友人で、石竜子曰く凹凸のない顔と胸を持つ薄っぺらな女(少しは気を遣え)。潔癖。姉を巡る事件を切っ掛けに裏の世界に巻き込まれていく。
- 猪狩友梨乃 (いかり ゆりの) / 鹿川遊里(しかがわ ゆうり)
- 2巻から登場。元AV女優。22歳。心を読む能力を持つ。巣鴨に瓜二つの容姿で巣鴨以上の巨乳。石竜子もお世話になった人気女優にして成美の実姉。能力が知られてしまったために普通に生活出来なくなり家を離れた。ナメクジに何度も助けられ、一方で妹の友人である石竜子と出会い、それぞれの目的に協力する意志を見せる。
- 海亀産太郎 (うみがめ うみたろう)
- 3巻から登場。金髪碧眼のハーフの少女。17歳。名前はハンドルネーム。凄腕のオセロプレイヤー。どんなものも引っ張って伸ばす能力を持つ。
- シラサギ / 宇白要 (うしろ かなめ)
- 教団の教祖。19歳。ラスボス。世界中の人々から『神様』と崇められている。背中から光の翼を生やすだけの能力を持つ。同類である石竜子の挑戦に興味を惹かれ、彼を玩ぶ。
コミカライズ
著者は守月史貴。『月刊電撃マオウ』にて2012年6月号から2013年8月号まで連載された。単行本全3巻。
原作の描写や雰囲気を活かした結果、案の定残虐シーン有の但し書きがついた。
内容は原作1巻まで。まさかプロローグだけやって終わるとは思わなかったとは原作者の弁。
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