トッテナム・ホットスパー(Tottenham Hotspur Football Club)とは、イングランド・プレミアリーグに所属するサッカークラブである。
本拠地はロンドンであり、ホームスタジアムはトッテナム・ホットスパースタジアム。愛称はスパーズ(Spurs)。トットナム・ホットスパーと表記されることもある。
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1882年創設。クラブ名の「ホットスパー」は、トッテナム湿地(英語版)を英国貴族パーシー家が所有していたことから、同家の祖先である中世イングランドの騎士ヘンリー・パーシーのあだ名「ホットスパー」から取ったものである。チームカラーの白と紺は、1888-89シーズンにリーグ戦とカップ戦の2冠を達成したプレストン・ノースエンドのキットカラーである。1898年以降は白のシャツと紺のパンツが基本スタイルとなり、現在まで続いている。
本拠地は1899年から2017年までの長い間ホワイト・ハート・レーンを使用していたが、収容キャパが少なかったが長年の懸案事項となっており、2019年から専用スタジアムのトッテナム・ホットスパースタジアムに移転している。ちなみに新スタジアムが建設中だった2017-2018シーズンから2018-2019シーズンの前半戦まではウェンブリー・スタジアムを使用していた。
長年プレミアリーグの中堅クラブとして地位を確立していたが、2009-2010シーズンにリーグ戦で4位へ躍進したことを機に上位に定着。2013年にマウリシオ・ポチェッティーノが監督に就任して以降は、優勝争いに顔を出すようになり、2019年にはクラブ創設以来初めてUEFAチャンピオンズリーグ決勝まで進出したが、タイトルとはなかなか縁が無く、2007-08シーズンのEFLカップ優勝を最後にタイトルを獲得していない。リーグ優勝も1951年と1961年に2回優勝したのみである。
同じロンドン北部に本拠を置くアーセナルと激しいライバル関係にあり、両チームの対戦はノース・ロンドン・ダービーとして大きな盛り上がりを見せ、サポーター同士の衝突もよく発生する。2001年に当時の主将だったソル・キャンベルがアーセナルに移籍した際のサポーターの怒りは激しく、キャンベルに対して裏切者を意味する「ユダ」という罵声を浴びせた。
NBAのスティーブ・ナッシュ、水泳選手のイアン・ソープ、コールドプレイのジョニー・バックランドなどがスパーズのファンとして知られている。
なお過去には日本人選手としては戸田和幸が2003年に所属していたことがある。また、1991年には来日しキリンカップサッカー91で日本代表と対戦しているが、4-0で大敗している。
1882年にロンドンのトッテナム地区にある教会の聖書研究会に所属するグラマースクールの学生によって創設された。結成当初の名前はホットスパーFCであり、彼らはホットスパークリケットクラブのメンバーでもあった。1884年、トッテナム・ホットスパーFCと改称した。1901年にはクラブ創設初タイトルとなるFAカップ優勝を果たしている。ちなみにこの当時はまだフットボールリーグに加盟しておらず、長いFAカップの歴史でもリーグに加盟していないチームが優勝した唯一の事例となっている。
1908年にプロリーグであるフットボールリーグに加入し、2部からスタート。1909年に1部へと昇格している。1914-15シーズンに最下位になり2部への降格が決定するが、第一次世界大戦による中断を挟んだ1919年に1部リーグのチーム数が20チームに増えたことで残留の見込みとなっていた。ところが、FAはトッテナムを2部降格とし、2部リーグで5位だったアーセナルを1部昇格としてしまう。当然、トッテナム側はこれに激怒し、以降アーセナルとは犬猿の仲になったとされている。
1920年代から30年代にかけては2度FAカップ優勝を経験しているものの、1928年に再び2部に降格。5年後の1933年に1部へ復帰するが、2シーズン後の1935年に再び2部へ降格。ここから15年間2部リーグで過ごすという低迷期を迎える。
1949年にアーサー・ローが監督に就任すると、就任1年目で15年ぶりの1部昇格を果たす。すると、1部昇格1年目となる1950-51シーズンにはアーサー・ローが考案した 「プッシュ・アンド・ラン」 (ショート・パス戦術) によって旋風を起こし、クラブ史上初のリーグ優勝を果たす。「プッシュ・アンド・ラン」戦術は当時のイングランドでは目新しいものであり、「スパーズ・ウェイ」もしくは「クィック・パッシング・ゲーム」 と称されていた。
1958年にビル・ニコルソンが監督に就任すると、彼が在任した16年間でスパーズは強豪クラブへと成長していく。アルフ・ラムゼイ、ダニー・ブランチフラワー、ボビー・スミス、ジミー・グリーブスといった名選手が所属していたチームは、1960-61シーズンにフットボールリーグとFAカップのシーズンダブルを達成。1961-62シーズンにはFAカップ連覇を果たすと、1963年にはUEFAカップウィナーズカップを制し、欧州のクラブ大会を制したイギリス初のクラブとなる。1960年代半ばに入ってシーズンダブルを達成したメンバーの多くがチームを去るが、テリー・ヴェナブルズやパット・ジェニングスの補強によってチームは世代交代に成功。1970年代に入るとスティーブ・ペリマンやマーティン・チヴァーズが加わり、1971-72シーズンにはUEFAカップ優勝を成し遂げる。
1973-74シーズンにクラブの黄金期を築いたニコルソンが退任すると衰退期に入り、1977-78シーズンには2部降格の憂き目に遭う。それでも1年で1部復帰に成功すると、1980年代に入りチーム生え抜きのグレン・ホドルやアルゼンチン出身のオズワルド・アルディレスが中心となってチームを立て直し、1981年と1982年にFAカップを連覇。1983-84シーズンには、UEFAカップ決勝でアンデルレヒトを破り、12年ぶり2度目の優勝を果たす。この頃はホドルを筆頭にユース出身の選手が多くチームの主力を担っていた。
チーム一のスター選手だったホドルが退団した後のスター選手として1987年にポール・ガスコインが加入。1989年にはワールドカップ得点王のゲーリー・リネカーも加わり、1990-91シーズンには7シーズンぶりのタイトルとなるFAカップ優勝を果たす。その後もユルゲン・クリンスマンやダビド・ジノラ、テディ・シェリンガムといったスター選手がチームに加わるが、1992年以降は成績は低迷してしまい、面子はいるのに中位が定位置の時代が続くことになる。
2001年、イギリスの投資会社ENICグループがクラブの所有権を握り、ダニエル・レヴィが会長となる。さらにロビー・キーン、ルカ・モドリッチ、ディミタール・ベルバトフ、ガレス・ベイルといった若いスター候補といえる選手を積極的に獲得し、彼らはチームの中で成長していった。2007-2008シーズンにEFLカップを優勝するなど90年代の万年中位からあと一歩でトップ4というところまで力をつける。ハリー・レドナップが監督に就任した2年目の2009-10シーズンには悲願のトップ4入りを果たし、ビッグ4(アーセナル、チェルシー、マンチェスター・ユナイテッド、リヴァプール)によるUEFAチャンピオンズリーグの出場権独占を終わらせた。2010-11シーズンでは初のCLの舞台でチームは躍動し、インテル・ミラノ、ACミランといったイタリアの強豪を次々と撃破しベスト8進出を果たす。しかし、このCLでの活躍でビッグクラブから注目を浴びるようになったモドリッチ、ベイルが次々とレアル・マドリードに引き抜かれてしまう。
2012年にサウサンプトンで好成績を残したマウリシオ・ポチェッティーノが監督に就任。ポチェッティーノはチームの世代交代を図り、ハリー・ケイン、ソン・フンミン、デレ・アリ、クリスティアン・エリクセンがチームの中心として台頭。前線からのタイトなハイプレッシングと縦のスピードを活かした速攻による魅力的なチームを作り上げる。2015-16シーズンはライバルチームが軒並み調子を落としたこともありレスター・シティと優勝争いを演じ、終盤に失速したものの3位でフィニッシュ。翌シーズンも最後まで首位のチェルシーに喰らいつくが、2位に終わりまたもリーグ優勝のチャンスを逃す。それでも、ケインとソン・フンミンの強力2トップが爆発的な攻撃力を発揮し、CLに4年連続で出場。2018-19シーズンのCLでは準々決勝で下馬評を覆してマンチェスター・シティを下すと、準決勝ではアヤックスを相手に劇的な逆転勝利を飾り、クラブ史上初となる決勝進出を果たす。しかし、決勝ではリヴァプールFCとの同国対決に敗れ、またもビッグタイトルをあと一歩のところで逃す。なお、2019年4月に新本拠地トッテナム・ホットスパースタジアムが完成。
2019年11月に成績不振でポチェッティーノが解任となり、後任となったジョゼ・モウリーニョもチームにタイトルをもたらすことができないまま2021年4月のシーズン途中に解任となる。2021年11月にはアントニオ・コンテが監督に就任。得意とする3バックをチームに定着させ不振のチームを3シーズンぶりにCLの舞台へと返り咲かせる。また、2021-22シーズンにソン・フンミンがアジア人としては初の得点を獲得。2シーズン連続でのCL出場権を獲得。しかし、2022-23シーズンはソンと新加入のリシャルリソンが不調に陥ったこともあって3月の時点で無冠が確定。ついには公の場で選手や首脳陣への不満をぶちまけたコンテが解任となる。その後もチームは暫定監督が解任になるという混乱状態が続き、シーズン8位に終わりCLはおろか欧州の舞台への道も閉ざされてしまう。
2023-24シーズンより、セルティックを国内三冠に導いたアンジェ・ポステゴグルーが監督に就任。
背番号 | Pos. | 国籍 | 選手名 | 生年月日 | 加入年 | 前所属 |
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- | 監督 | アンジェ・ポステコグルー | 1965.8.13 | 2023 | セルティック | |
4 | MF | オリヴァー・スキップ | 2000.9.16 | 2018 | ノリッジ | |
5 | MF | ピエール・エミール・ホイビュルク | 1995.8.5 | 2020 | サウサンプトン | |
6 | DF | ラドゥ・ドラグシン | 2002.2.3 | 2024 | ジェノア | |
7 | FW | ソン・フンミン(C) | 1992.7.8 | 2016 | レヴァークーゼン | |
8 | MF | イヴ・ビスマ | 1996.8.30 | 2022 | ブライトン | |
9 | FW | リシャルリソン | 1997.5.10 | 2022 | エヴァートン | |
10 | MF | ジェームズ・マディソン | 1996.11.23 | 2023 | レスター | |
11 | MF | ブライアン・ヒル | 2001.2.13 | 2021 | セビージャ | |
12 | DF | エメルソン・ロイヤル | 1999.1.14 | 2021 | バルセロナ | |
13 | GK | グリエルモ・ヴィカーリオ | 1996.10.7 | 2023 | エンポリ | |
16 | FW | ティモ・ヴェルナー | 1996.3.6 | 2024 | ライプツィヒ | |
17 | DF | クリスティアン・ロメロ | 1998.3.5 | 2018 | アタランタ | |
18 | MF | ジオヴァニ・ロ・チェルソ | 1996.4.9 | 2019 | ビジャレアル | |
19 | MF | ライアン・セセニョン | 2000.5.18 | 2019 | フラム | |
20 | GK | フライザー・フォースター | 1988.3.17 | 2022 | サウサンプトン | |
21 | MF | デヤン・クルゼフスキ | 2000.4.25 | 2022 | ユヴェントス | |
22 | FW | ブレナン・ジョンソン | 2001.5.30 | 2023 | ノッティンガム・F | |
23 | DF | ペドロ・ポロ | 1999.9.13 | 2023 | スポルティング | |
27 | MF | マノル・ソロモン | 1999.7.24 | 2023 | フラム | |
29 | MF | パペ・マタル・サール | 2002.9.14 | 2001 | メス | |
30 | MF | ロドリゴ・ベンタンクール | 2000.9.3 | 2021 | ユヴェントス | |
33 | DF | ベン・デイヴィス | 1993.4.24 | 2014 | スウォンジー | |
35 | DF | アシュリー・フィリップス | 2005.6.26 | 2023 | ブラックバーン | |
37 | DF | ミッキー・ファン・デ・フェン | 2001.4.19 | 2023 | ヴォルフスブルク | |
38 | DF | デスティニー・ウドジェ | 2002.12.28 | 2022 | ウディネーゼ | |
40 | GK | ブランドン・オースティン | 1999.1.8 | 2019 | オーランド | |
41 | GK | アルフィー・ホワイトマン | 1998.10.2 | 2020 | デーゲルフォルシュ |
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掲示板
6 ななしのよっしん
2015/07/23(木) 04:00:19 ID: DCcuYxWu0y
ソルダードとアデバヨールを押しのけてケインが出てくるんだからサッカーって面白いよな
7 ななしのよっしん
2019/11/07(木) 12:43:36 ID: /UKnYQKBhF
トットナム、相手選手の脱臼骨折を招いたソン・フンミンのレッドカードに不服申し立て | ニコニコニュース https://
8 ななしのよっしん
2020/02/27(木) 10:47:54 ID: +p8zs/AZNG
>>3
おっさんファンだとゲーリー・リネカーやオズワルド・アルディレスとかが居たチームだしヒューレットパッカードが胸スポンサーについてた(セリエAがブームだった頃)
チーム的には初めて南米選手を使ったりドカポンしないでパスサッカーをしたりと色々エポックメイキングなチームとしても有名(イングランドで最初に欧州タイトルとったのもココ)
チェルシーがライバル。アーセナルは【敵】。
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最終更新:2024/04/24(水) 19:00
最終更新:2024/04/24(水) 19:00
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