トヨタ・カムリ 単語

26件

トヨタカムリ

7.4千文字の記事
  • twitter
  • facebook
  • はてな
  • LINE

トヨタ・カムリとは、トヨタ自動車1980年より製造をしている乗用車である。カローラと並び世界的に知られるトヨタである。

この固有の形式記号は初代のみカリーナと同じ「A」で、以降は4代までは「V」、5代目以降は「XV」である。

概要

名の由来は「冠(かんむり)」から。トヨタ名はカローララテン語で「」、トヨペット店のメインだったコロナは「太陽」、2代目コロナの輸出仕様名前ティアラは「宝冠」、トヨタメインクラウンは「王冠」と言う具合に「冠」にちなんだ名称が多く、カムリもそれに沿ったものである。

日本では同じクラスマークXがある事や海外基準の大きさと上位機種としては高級感が欠けることが裏に出て、内の売上は今一つだが、逆に海外の売り上げは多く、全世界で累計販売台数1000万とセダンの中で最も売れている。特に北では日産アルティマ(ティアナ)、ホンダ・アコードと共にこのクラス人気争いのトップに入るほど。

日本では現在トヨタ店以外販売店で販売されている。特にトヨペット店ではマークXの後継車両されていたが、駆動方式の差やサイズの関係から、マークXも並行販売されている。かつてはカローラ店専売だったことから、一時期はウィンダム(=レクサス・ES)亡き後のカローラ系列の最上位機種にあたり、実際にウィンダムの後継を標榜した感じであった。

初代(1980年~1982年)

カリーナカローラ店向けとして1980年より発売。セリカの4ドアセダンバージョンとして登場した為、その名も「セリカカムリ」と名乗ったのだが、元々急ごしらえ感が否めず、僅か2年のみであった。

元となったカリーナ1981年モデルチェンジを行ったが、カムリはその翌年まで生産された。使用された顔つきはカリーナの輸出仕様である。[1]

2代目(1982年~1986年)

1982年に駆動方式をFF化した二代モデルが登場。このモデルより単に「カムリ」となり、セリカ種から外れた。このことから実質的な初代モデルとも言える。FF化によって余裕のある居住性をアピールし、同時に販売店違いのトヨタ・ビスタとは姉妹となる。そして北では今に続くベストセラーとなった。[2]

3代目(1986年~1990年)

1986年に3代へ移行。「ハイソカーブーム」の潮流の中でを強く受け、貧層だった内外装にマークII並みの質感を与えて高級感をアップワインカラーの内装に体は「FFマークII」と呼ばれた。また、このモデルからはピラーレスハードトップセダンの2本立てとなる。

種も多く登場し、V6エンジンを搭載した高級仕様プロミネント、1989年に北で誕生したレクサス店向けのレクサス・ES(プロミネントのハードトップ仕様レクサス向けに仕立てたモデル。後述)、ステーションゴンが設定された。北米仕様は顔つきがビスタに準じたものになっている。また、北オセアニアではステーションゴンが従来の5ドア代替としてラインナップされていたが、日本ではラインナップされてなかった為に知名度は低い。

この他にもオーストラリアではGM系の現地メーカーであるホールデンにOEM供給され、「ホールデン・アポロ」として販売された(逆にホールデン側からフルサイズセダンの「コモドア(コモドーレ)」をトヨタ・レクセンとして販売した)

カムリ・プロミネント

V6エンジンを搭載した上級種として登場。北米仕様に準じた仕様が選択され、セダンハードトップがあったが、一般的にはハードトップが知られていた。

レクサス・ES

1989年の北におけるレクサスブランド立ち上げの際にLS(日本では当時「トヨタ・セルシオ」として発売)と共にラインナップされた種である。「LSだけでは心もとない」という事で、プロミネントのハードトップモデルベースに意をLSへ合わせたモデルである。ステアリングやホイールはLSのものと同一であり、装備も本木にOPで本革シートと言う具合にレクサスの名に恥じないものであった。

しかし、北衝撃を与えたLSの存在が大きく、ESはその陰に隠れがちであった。また、生産年数もプロミネント同様2年程度であり、販売台数もそれほど多くはない。

その後、2代目以降は日本においてはトヨタ・ウィンダムとして、またレクサスブランドでもミドルクラス車両として大人気を博した。

4代目(1990年~1994年)

1990年に登場。ここから5代目までは日本仕様北米仕様で全く異なるサイズのボディが採用された。ドアネルなどは双方のモデルで共通だったりするが、北米仕様は大きさが3ナンバーサイズに拡幅され、日本トヨタ・セプター名前で輸入(ワゴンクーモデルのみ。セダン内製造のもの)される事になった。バブル期の設計の為、質感の高さに定評がある。また4WSも設定されていた。

プロミネントも引き続き設定されたが、ハードトップのみのラインナップへ縮小。また、ハードトップ自体の設定がこの代までとなり、5代目以降はサッシドアを採用したセダンへ集約されている。

日本仕様は基本的に日本国内のみの流通であるが、中古として流通した際に注される車両と言うわけでもないので、日本人気の高いロシアなどの地域へ輸出されるケースが増えている。日本の頑丈さ+バブル期輛と言う所もポイントであろうか。

5代目(1994年~1998年)

1994年に発売。当初は北同様の3ナンバーボディで開発されていたとされるが、バブル崩壊のあおりを受けてほぼ「サッシドア版のビスタ式は共通)」と化し、引き続き5ナンバーサイズを固持することとなる。曲線基調だった4代べると直線基調に変化している。

6代(北カムリ)とは生産中止となる1998年まで並行生産されていた。

6代目(1996年~2001年)

セプターとして日本で販売された北向けカムリだが、モデルチェンジした際に内向けとして「カムリグラシア」の名前を付け発売する。セプターの後継種となるため、大きさは当然3ナンバーサイズであり、エンジンも大のものが搭載されている。注点は再びV6エンジン搭載ラインナップされた事である。なお、このモデルからダイハツOEM供給する事になり、「ダイハツ・アルティス」を名乗る。

ゴンは既にセプターとしては登場していたものの、「カムリ」の名前では初登場となった。1997年マークIIゴンの後継である「マークIIクオリス」のベースとなる。

1998年には5代目が生産を終了。セダンのみ「グラシア」のサブネームが外れ、ワゴンボディが「カムリグラシアゴン」から「カムリグラシア」へ変更されたことで、単に「カムリグラシア」と表記した場合はワゴンすことになった。これによりセダンが名実ともに6代カムリへ昇格し、式も北カムリセプター)とレクサス・ES(ウィンダム)と共通になったことで、これまで姉妹だったビスタとも袂を分けた。

モデルとして「REMIX」があるが、これは「北米仕様パーツを取り付けたカムリグラシア」で、いわば“公式USDMカスタム”である。北米仕様カムリバンパーの形状が微妙に異なり、具体的には日本ナンバープレートに合わせた凹みや、フォグランプの装着といった日本独自の部分がなく、サイドモールの形状も微妙に異なったものとなっている。

7代目(2001年~2006年)

2001年モデルチェンジ。それまでの直線的なデザインから、ダイナミックさ溢れるデザインへと変更となる。日本向けでは同じカローラ店で販売していた兄弟ウィンダムとの差別化を図るため、V6エンジン止し2400ccの直列4気筒エンジンのみとなる。しかし、大胆なデザインと大きさが祟ったのかウィンダム共々日本国内での売れ行きは芳しいものではなく、あまり路上で見かける事はない。

世界的に(特に北で)ステーションゴン人気が下火になった関係から、この代よりステーションゴンラインナップが存在していない。また、海外向け(とりわけアジア向け)は顔つきが大きく異なる。

海外向けにラインナップされていたV6エンジンは、当初アルファードV6と同じ(3000cc)であったが、後にハリアー同様の3300ccアップされた。

8代目(2006年~2011年)

2006年モデルチェンジ。大化がさらに進み、セルシオに迫らんばかりの大きさとなっていた。論、これもメイン市場である北向けの要であるのだが、日本では当然もて余すサイズとなっていた。しかし、ウィンダムモデル止となった事でウィンダム代替モデルとして、本革シートの採用など内装に高級感を出す施策が取られた。

日本仕様エンジンが2400ccの直列4気筒のみでシンプルラインナップでありながらも、ウィンダムの需要を取り込む為に較的ラグジュアリーな方面に振っているが、北米仕様はさらに高出3500ccV6エンジンハイブリッド仕様を導入している。またスポーティーグレードをラインナップに組み込み、幅広い層へのアピールを行っている。それをし示すかのようにNASCARへの参戦にあたって、ベースに選定されている。

オーストラリアでは顔つきやエンジンこそ日本と同じであるが、それに加えてスポーティーな「スポルティーポ」と言うグレードが登場している。さらに後年にはハイブリッドも追加となっている。さらにこのモデルより上級仕様の「トヨタ・オーリオン」が登場し、こちらはV6エンジンのみである。なおアジア向けのカムリはオーリオンのものを使用している。

9代目(2011年~2017年)

2011年9月に9代としてモデルチェンジ。この代から日本仕様ハイブリッド専用種となる。元々、世界的な知名度が高いながらも日本では印が薄いカムリ存在感を強くするため、敢えてハイブリッドオンリーで登場させたと言われる。なお、日本以外のではHV機構なしのガソリンも存在する。

日本向けの前期デザインや北オセアニア向け以外のハイブリッド仕様は程度の差はあれど、オーストラリアで販売されているオーリオンとほぼ同一となっている。また、ガソリングリルは横線の細かいグリルで、シンプルながらもシックなデザインとなっている。最初に開されたウクライナであった事から、このアジア向けのガソリングリル日本カムリ好事の間では「ウクライナグリル」と称し、標準のオーリオングリルと交換するケースも見受けられる。

>余談ながら同時期、レクサス・HSの姉妹として登場したトヨタ・SAIがあった。同じハイブリッド専用種として全店舗で販売されるSAIべると、いくらばかりかシャーブにはなったが、全体的にカムリはコンサバティブであり、タクシーでの導入が多くなっている。

北米仕様オーストラリア仕様は若々しさを演出したシャープなものとなっており、大きくそのデザインも異なる。北米仕様3500ccV6エンジン搭載/2500cc・直列4気筒/HVと言う具合に幅広いラインナップを展開する一方、オーストラリア向けは2500cc4気筒とハイブリッド仕様が導入されている。

2014年9月マイナーチェンジ。北カムリにも似たシャープデザインを導入、しかし後部のデザインはそのままなので言わば折半のようなデザインとなっている。また非常に細かい所であるがウインカーの音やリバース時の音はクラウンなど上位種の物を採用している。

一方、北米仕様オセアニア仕様は多くの部品を入れ替える程のビッグマイナーチェンジを敢行し、より一層の若々しさとアグレッシブさを演出したモデルとなっている。一方でオーストラリアではオーリオン日本で言う所の前期カムリと同じなので言わば2種類のカムリがある様なものである。また、タイカムリ日本仕様の後期モデルベースとしているが、特別モデルとして北米仕様オセアニア仕様の「新カムリベースとした「ESPORT」をラインナップに据えている。

10代目(2017年~)

2017年7月モデルチェンジ。今回のモデル日本ではハイブリッドのみのラインナップとなったが、販売店がトヨタ店(東京トヨタ除く)以外の全店舗での取り扱いになり、カムリ発売後に生産終了となったSAIの後継の立ち位置も務める。なお、当初はマークXの後継ではないかとされていたが、実際はハイブリッドラインナップに入れていないマークXハイブリッドバージョン的な立ち位置となっている。またトヨタ店はクラウンハイブリッド仕様がある為、バッティングを危惧してラインナップに入らなかったと想像される。

足回りはTNGAが採用となり、またエンジンも新世代のA25-FXSを採用するなど大部分でコンポーネンツを一新した格好となった。

外装は近年のトヨタの潮流であるキーデザインを採用、より若々しいデザインとなった。また、先代では割合に差があった海外仕様との差異がほとんどなくなった。

北米仕様は変わらずガソリン仕様ハイブリッド仕様の2本立てであり、ガソリン仕様にはV6エンジン+8速ATが用意され、を基調とした内装といった具合に若々しさをさらに強調している。また日本仕様には用意されていないJBLオーディオオプション採用がなされている。

特別なカムリ

近年、モータースポーツに絡む仕様カムリが多い。これはメイン市場たる北向けへのアピールである。但し、これらはワンオフでり、販されてはいない。

日本におけるカムリイメージおっさんであり、そのイメージとのギャップに驚かされる事が多い。

カムリNASCARエディション

2010年アメリカ改造見本であるSEMA(Special Equipment Market Association)ショーに出品されたのがこのカムリである。

2007年よりNASCAR参戦を行っており、それをイメージした仕様となっている。ベースは8代となっており、NASCARレギレーションに合わせて2ドア改造してある(これまでカムリに2ドアが設定された事はない。カムリソラーラはあくまで生であり、独立した種である)

それだけに飽き足らず、駆動方法はFFからFRへ変更し、6速MTを採用。エンジンNASCARで採用されているエンジン(3UR-FEのOHV変更版)を採用し、中身はまるで別物になっている。

この車両は後にオークションに出品された。

スリーパーカムリ

2014年アメリカ改造の見本であるSEMAショーで出品されたのがこのスリーパーカムリスリーパーとはアメリカ自動車関係の俗語で見たはどノーマル地味なのに中身はかっとびカリカリチューンされているす。日本で言う所の「の皮をかぶった」と同義である。

見た完成直前に行われたマイチェン後の北カムリの姿そのままであるが、中身はパイプフレームにフルサイズピックアップのタンドラに搭載されている5700ccV8エンジン(3UR-FE)にスーパーチャージャーを組み合わせ、850PSと言う化け物みたいな性を誇るまるっきり別物マシーンになっている。当然、駆動方式もFFに変化している。ドラッグレースを念頭に置いている為の設計であるが、申し訳程度にドア部分の内装などがあったりするので、ドアがきちんと開閉し、またパワーウィンドウの操作が可である。

販は残念ながらされていない。

モータースポーツ

FFの大セダンで一見すればモータースポーツとは縁のようにも見えるが、北ではNASCARに参戦をしている。論、NASCARに使用されるストックカーは名ばかりの代物でカムリではありえないFRV8エンジンが搭載されている。

でおそらく人気ナンバー1のモータースポーツであるNASCARに参戦する事は北における販売で大きなPRとなるからと思われる。過去アメリカ系以外のメーカーの参戦はNASCAR明期にこそ存在していたが、近年においてはほぼ半世紀ぶりの参戦となった。トヨタではこれと同時に同じくNASCARピックアップクラスにもトヨタ・タンドラを導入している。

高度に規格化された体にはグリルなどを模したシールがある程度で、実質はのガワとパイプフレームで構成された純然たるレースカーである。エンジンはタンドラなどに搭載されている5700ccの3UE-FEベースにしているが、ルールに適合させる為に元々DOHCのエンジンをあえてOHVにした物を搭載していると言われる。

そして2008年3月アメリカ人気No.1のレース、スプリンカップにおいて史上初の優勝を勝ち取る。

この他、モータースポーツとは厳密には異なるが、中東で流行しているドリフト走行(サウジドリフト)のベースにも使われる事がある。

ダイハツ・アルティス

従来、ダイハツにはアプローズというセダンラインナップされていたが、旧態依然としていたのでこれに代わるセダンとして6代末期になる2000年に登場。以降、カムリモデルチェンジと合わせてモデルチェンジを行っている。

エンブレム以外はカムリそのものであり、またラインナップもカムリほど豊富ではない。アルティスの名のエンブレム東南アジア地域で販売されるカローラアルティスのものをそのまま使用している。

関連動画

関連商品

関連項目

脚注

  1. *この当時における姉妹は輸出仕様のものを使用するケースが多く存在した。例として、スプリンターがあり、スプリンターの前面は海外仕様カローラが採用しているフロントを使用している。
  2. *なお、このカムリ以前における北のこのクラス輛はコロナがその任を担っていた。
この記事を編集する

掲示板

おすすめトレンド

ニコニ広告で宣伝された記事

記事と一緒に動画もおすすめ!
[単語]

提供: 樹葉 緑

もっと見る

急上昇ワード改

最終更新:2024/04/24(水) 05:00

ほめられた記事

最終更新:2024/04/24(水) 05:00

スマホで作られた新規記事

ウォッチリストに追加しました!

すでにウォッチリストに
入っています。

OK

追加に失敗しました。

OK

追加にはログインが必要です。

           

ほめた!

すでにほめています。

すでにほめています。

ほめるを取消しました。

OK

ほめるに失敗しました。

OK

ほめるの取消しに失敗しました。

OK

ほめるにはログインが必要です。

タグ編集にはログインが必要です。

タグ編集には利用規約の同意が必要です。

TOP