トレンディドラマ 単語

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トレンディドラマ

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トレンディドラマとは、1980年代後半から1990年代前半に製作・放映されていた日本ドラマの一形態。

概要

バブル以前のテレビドラマと言えば、庭問題や時代劇の他、男性視点で描かれるドラマがほぼ大半を占めていた。当時はゴールデンタイムスポーツ放送の全盛期でもあり、チャンネル権父親、夫にある事が多く、家族と一緒に見るような番組を除いては、若い女性層が習慣的に視聴するような番組は数少なかったとも言える。

しかし、1980年代後半のバブル景気、いわゆる「女性が強くなった時代」が到来すると、該当する世代の女性達をターゲットにした女性視点やかなドラマ製作されるようになる。少女漫画大人向けにドラマ化したようなお洒落主人公舞台設定は狙い通りに女性達の爆発的な支持を集めることとなり、これらの作品は「トレンディドラマ」と呼ばれるようになった。元祖は1983年に放映された『金曜日の妻たちへ』(TBSテレビ)、もしくは1987年に放映された『男女7人物語』(TBSテレビ)とされる事が多い。

妻』『男女7人』ともにTBSドラマであるのでわかるように、トレンディドラマのルーツとされる作品は「ドラマTBS」とまで呼ばれた同局で取り扱う一ジャンルという存在に過ぎなかった。その一方、そのトレンディドラマを積極的に製作しのし上がったのがフジテレビである。
1988年に『君の瞳をタイホする!』をフジテレビ月曜21時ドラマで放映して以降、暫くの間同を「トレンディドラマ」とし、『東京ラブストーリー』『101回目のプロポーズ』『素顔のままで』『ロングバケーション』『ラブジェネレーション』など数多くのヒット作を連発。放送時間から同は「9」の称で呼ばれるようになる。
勢いに乗ったフジテレビ木曜22時木曜劇場でもトレンディドラマを数多く製作し、『抱きしめたい!』『ニューヨーク恋物語』『という名のもとに』などをヒットさせた。特に『抱きしめたい!』でW役として共演した浅野温子と浅野ゆう子は「W浅野」の異名で呼ばれ、トレンディドラマにより再ブレイクを果たした最大の成功者の一つとされる。
このトレンディドラマ偏重路線で成功したフジテレビは、1980年代1990年代に放送業界トップの座をさらに確固たるものとした。

当時の20代~30代前半の較的若い女性の願望を反映したものが多く、時代の過渡期に大量生産されたこともあってか男性層には敬遠され、揶揄されることも多い。しかしトレンディドラマという言葉が死語になった現在でも、これらのドラマの要素の多くは生き続けている。それまでの模範的なドラマにトレンド(流行)を取り入れたという点で、後の流れを作り上げた記念すべきジャンルと言えるだろう。

トレンディドラマの特徴

時の人気を支えたこれらの特徴は、現代のドラマにも受け継がれている。

登場人物は美男美女

それまでのドラマベテラン俳優女優メインに据えていたのに対し、トレンディドラマでは当時勢いのある新人を起用することが多かった。アイドルミュージシャンの出演も多く、時には演技の不足を摘される事も。また、いわゆる美男美女役となる事が多く、視聴者を楽しませた。

タイアップ、プロダクトプレースメントの台頭

「あのドラマ女優が持っているバッグ」や「あのドラマでのデートシーンに使われたお洒落なお店」というように、タイアッププロダクトプレースメント要素を多く取り入れ、当時の消費層である若い女性に訴えかける事で経済効果を生み出した。

設定から考えても分不相応な部屋に居住している

どう考えても賃を払うのが大変じゃないか? と突っ込みたくなるような高級マンションの一室で若い女性ひとり暮らしをしていたりする。中にはコンクリート打ちっ放しの壁に囲まれた部屋生活する男性もいたりと、まさに「ドラマでなければ体験出来ない」世界である。

登場人物はたいていカタカナ職業(死語)についている

広告代理店デザイナーといった、主人公達が当時の流行最先端の職業についているというパターンが多い。流行のに身を包んだお落な女性がプライベートでも充実した時間を送りつつ働くというライフスタイルには、ドラマであるにも拘らずありえん」と野暮な突っ込みを入れる輩も存在したとかしないとか。

恋愛模様、人間関係の変遷

それまで女性向けテレビドラマといえば「ドラ」であった。平日の午後13時~14時に放映され、中高年層の女性(専業主婦)をターゲットに、庭や職場での問題、恋愛模様や人間関係の絡まりをした「ドロドロした憎劇」が売りとなっていた。しかしトレンディドラマではそういった大げさな誇ではなく、若い世代にも受け入れられるような現代的で女性中心の恋愛が描かれる。

その一方で、男性中心のタテマエ社会にはない女性特有のホンネの争いが描かれたり、やかな女性達に振り回されるヘタレ系の男性キャラクタークローズアップされはじめた時代でもある。

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左:『君の瞳をタイホする!』(1988年主題歌 / 右:『もうさない』(1991年主題歌

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