トワイス・H・ピースマンとは、Fate/stay nightを原作としたPSP専用ソフト『Fate/EXTRA』及びその続編である『Fate/EXTRA CCC』の登場人物である。CVは東地宏樹。
アメリカ人兵士の父と東南アジア現地民の母との間に生まれる。程なく戦争により両親を失い孤児になるが、5歳のころウィザードとしての能力を見込まれ養子に。H(ハーウェイ)・ピースマンの姓を得る。(幼い頃の出来事だったため孤児であったことは覚えていない。)大学卒業後は周りの反対を押し切り戦地のでの人命救助活動に奔走する。
なお、人類史にも名前を残しており、EXTRA本編時まで続くインフラの基盤の整理にも関わった人物。人工義肢を目的としたサイバネティックスに傾倒しつつ、脳外科と電子工学、ネットワークの発端にも功を奏している。アムネジアシンドロームという病気の治療法の発見に代表される脳外科分野、常に戦火の中に身を投じての人命救助への尽力、戦場からの数々の成果の持ち帰りにより「戦争を憎む偉人」「自ら戦場の最前線へ赴き活動を行う奇人」などの評価を受けた。
最後は救助活動のために訪れた極東の町でバイオテロに巻き込まれ、死亡したとされている。
——なお、このバイオテロが起きたのはEXTRA開始時より31年前、1999年のことである。
『Fate/EXTRA』のラスボスであり、月の聖杯戦争を勝ち抜いた者だけが通されるムーンセル中枢が安置された空間、熾天の玉座で聖杯戦争の勝者を待ち続けている白衣を着た謎の男。
聖杯であるムーンセル中枢の目前にいながら止むを得ない事情によりムーンセルに触れることが出来ず、自身の目的のために望む人物が聖杯戦争を勝ち抜いてくるのを規格外の英霊と共に待ち続けている。
また、最後に顔を合わせるまで正体が分からないものの、各章の始まりの語りを担当しているのも彼である。
物語の舞台の性質から登場しないと思われていたが、実態を完全には把握していないものの異常が起きていることは感知していた。
物語終盤で絶望の淵に立った主人公に語り掛け、戦意を失いかけた主人公が再び立ち上がる助けとなる。
また、隠しボスの一人としても登場しており、1組目、2組目と続いたゲストラッシュの最後の一人として以前のパートナーと共に登場。こちらはEXTRA以前の時間軸の彼であり、時空の歪みにより過去と現在が接続されたために主人公と本来ありえない対面を果たす。
通常は自身の目的に主人公が想定外の障害になりかねないとして襲い掛かってくるのだが、主人公のサーヴァントも以前のパートナーであった場合のみマスターそっちのけでサーヴァント同士が発端となり壮絶な修羅場が発生。
両者共にサーヴァントに引きずられる形で戦う羽目になってしまった。
ここから下は、ネタバレ成分を多く含んでいます。 自己責任で前進してください。 |
その正体はかつて実在したトワイス・H・ピースマンをムーンセルが再現したAIであり、何らかの原因でそのAIが自我を持ち、実在のトワイスと同じ思考・記憶を元に行動を始めたもの。
AIの特徴として聖杯戦争で敗北しても消去されず”やり直し”が可能であったため、自身の目的のために「あるサーヴァント」と共に気が遠くなるような回数のリトライの果て、聖杯戦争を勝利した。
しかし、そのリトライの中で「AIの自分はイレギュラーな出自からムーンセル中枢にアクセスしても願いを叶えることが出来ず、それどころか異常なプログラムとして直ちに消去されてしまう」という事実を知る(CCCでの言動から、到達前には既にその情報を掴んでいた模様)。そのため、聖杯戦争勝利後は「ムーンセル中枢のある熾天の玉座に留まって自身の理想を体現する聖杯戦争の勝者を待ち、それ以外の勝者は余計な願いを叶えてしまわないように排除。かつムーンセルからの操作で少しでも世界を自身の理想に近づけられないか工作を行う」ということを延々と行っていた。
また、その活動では自身のサーヴァントは力不足と判断しており、聖杯戦争勝利後に契約を破棄。ムーンセルに記録されていた規格外のサーヴァントを召喚して再契約を果たしている。
主人公に「自身の理想の体現者となり得る」としてEXTRA開幕時から期待をかけており、聖杯戦争開始時にサーヴァントと無事契約して予選を突破した際は言峰神父経由で賛辞を送り、熾天の玉座に見事到達した際は心からの祝福を送った。
だが、彼の望みは主人公とは決して相容れないものであり、その望みを知った主人公は彼の望みを拒絶。
止む無く主人公を洗脳してでも望みを叶えようとする彼と、最後の戦いを繰り広げることとなる。
その願いは「全人類を巻き込んだ戦争を起こす」こと。
表向きは戦争を憎む故に幾多の功績を残した偉人と評されているが、実は彼は戦争を見るたびに憎悪や焦りに襲われ、心臓が活発的に躍動する「病気」に苛まれていた。
正義感でも義務感でもなくその痛みを和らげる為に戦地へ赴き続け、自身の戦争に対する常軌を逸した殺意に疑問を抱き続けていた彼だが、1999年のバイオテロでの死の間際、自身の出生とその「病気」の正体に思い至る。
彼は70年代に起きた民族紛争の戦争孤児であり、戦争の中で必死に生きようともがく命の強靭さを垣間見たことで「戦争」とそれが生む成果を否定しきれなかったのである(頭で戦争の被害や悲惨さを理解していたが、「それだけではない」と無意識からくる反対による拒絶反応が感情の揺れや動悸という形で現れていたと思われる)。
彼の自我と記憶を取り戻したAIは、ムーンセルから見た今までの幾多の戦争と、今の世界との落差に絶望してしまう。
「戦争は欠落をもたらすが、だからこそ欠落以上の成果をもたらすし、もたらさなければならない。だが、今の世界はそれまでの戦争で重ねた欠落に対し、あまりにも成果が少ない。戦争で失われた幾多のもの、先人達の犠牲に成果を以て報いなければ、彼らの犠牲はどうなってしまうのか。積み重ねた犠牲に見合うほどの成果を得られないならば、人類はただの殺戮者ではないか。欠落を埋めるほどの成果を得られないならば、さらなる欠落をもってさらなる成果を生み出さなければならない」
この「失われたものの分だけ、人間はそれに見合う高みに到達しなければならない」という理想のもと、彼は「全人類が当事者となる生存競争」を起こすことで人類を成長させ、停滞した現在の世界を進歩の道へ戻そうと願っているのである。
そして、その願いを理解する聖杯戦争の勝者を生み出すため、ムーンセルにより行われていた、「招かれた魔術師達の能力差を競うためのトライアル」に幾つものルールを追加。
「幾多の戦いにより急激に成長した勝者」の誕生を待ちながら、それにそぐわない勝者を葬ってきたのである(熾天の玉座に無数の石柱が転がっているが、これらは全て彼が葬った聖杯戦争勝者らの墓標代わり)。
また、地上の情報を操作して戦争を誘発出来ないか試みていたのだが、本人によると「遅く、不確実で、規模も小さい紛争」しかできなかったらしい(凛ルートの場合、「無軌道にも見えるテロや争いが増えていた」ことが判明する)。
引き連れているサーヴァントはエクストラクラスであるセイヴァー(Fate/EXTRA)。ムーンセルの中枢にて、貯蔵された記憶から救世の英霊として召喚した。特に彼とサーヴァント間で会話は無い為、普段どのような関係を築いていたかは不明だが、特に彼の行動に意見を言うでもなく指示に従う。
実はセイヴァー自身は彼の思想に共感していたのではなく、彼という人間の心の行く末に慈悲を示したが故に手を差し伸べていた。戦闘終了後、敗北して消えた彼の最後の救いとして涅槃から共に世の末を見届けるとし、咲き散る沙羅のように消えていった。
また、セイヴァーと契約する前のサーヴァントはキャスター(Fate/EXTRA)であった。
しかし、前述のとおり彼女とは聖杯戦争勝利後に契約を切っており、EXTRAやCCCで彼女をサーヴァントにしていた際は会話に追加が発生したり、イベントの内容が変わったりする。
彼のサーヴァントであったころのキャス狐は以下のような相違点がある。
・ 物静かで楚々とした女性として振る舞っており、ハイテンションぶりは全く見せない。
・ 髪型がポニーテール。
・ パンツがピンクの縞パン。
・ 「一夫多妻去勢拳(呪法・玉天崩)」は使えない。代わりに凶悪な威力のスキル「空裂」を使用してくる。
この頃の自分をキャスターは「ただ従っていただけ」「悪いことは悪い。間違いは間違いと正さなかった自分に腹が立つ」と反省しており、彼の願いについても「馬鹿げた願い」と述べている。自分の呼び名に対する彼の愚痴(後述)についてフォローを入れたり「前主人(マエカレと読む)」と呼んだりする一方、「爽やかに見えて根暗で陰険、あっさり強いサーヴァントに乗り換えた」と怒りを再燃させて結婚詐欺処刑砲なる技をぶっぱなそうとするなど、付き合いが長かった故の愛憎入り混じる複雑な感情がある模様。
トワイスも激戦を共にした彼女にはそれなりに愛着があったらしく、EXTRAで再会した際は「最弱のサーヴァントよ、君の健闘もまた、私には誇らしい」と呼びかけ、CCCで未来の彼女が主人公と一緒にいるのを見た際は「君には無理をさせてきた。幸せなら何よりだ」と語っている。なお、彼女が本性を抑えていることについてはトワイスも薄々感づいていたらしく、主人公といて本性丸出しの彼女について「あれはないな。うん、ない。君、ああいうのが本性なのかい?」などとからかいつつも、「私にとって君は楚々とした女性だった。そういうことにしておこうじゃないか」とフォローを入れている。
戦闘において、EXTRAでは彼は全く手出しをしてこない。ただし、セイヴァーが強制即死の宝具を使うターンになると「recover_()」によりHPを全回復させて発動を止められなくするので、規定ターン内に倒すことを心掛ける必要がある。
CCCでも「recover_()」を使用するほか、「seal_skill()」によるスキル封印での妨害も仕掛けてくる。
が、問題はそのタイミングで「全回復はキャスターの宝具発動と同時に使用」→「宝具は『HP半分以下』か『こちらが宝具を発動した1ターン後』に使用」という形になっており、「必死で与えたダメージを一瞬で無駄にしながら最大の攻撃をぶち込んでくる」という悪夢のような流れが繰り広げられる。しかも宝具はプレイヤーと違い何回も使ってくる。基礎HPや空裂の存在もあり「なんでこのキャス狐で数百回も負けたんだ」などと言われることも。
どうしても勝てない場合、金ピカで挑むのも手。HPが半分を切るターン内で多少スキルなどでゴリ押して一気に残り3割を切っておけば、次のターンにエヌマ・エリシュで吹き飛ばしてくれる。
彼を語る上で欠かせない話題。彼の名前がトワイス・H・ピースマンであることと、「戦争を起こそうとしてるのに名前が反対」などのからかいから、ファンの間でちょくちょくこの名前で呼ばれる。それどころか赤王さま と紅茶 も平和男だと思っていたらしい。
実際の彼の名前の綴りは「Twice H Pieceman」。「Piece(欠片)」であり、「Peace(平和)」ではない。なお、名前は「Twice」であり、和訳すると『二度目の欠片男』。
この名前で呼ばれることを本人は相当嫌がってるらしく、「影が薄い、溜めがない、話が長いと言われるのはいいのだが、平和男と呼ばれるのだけは我慢できない。訂正を求める」とブロッサム先生に抗議の投書まで行っていた。
しかし、ラスボスであるにも関わらずEXTRAどころかEXTRA CCC発売1年経過後まで記事が出来なかったり、影の薄さのほうが深刻な問題のような……
若い頃の顔がかなり黒桐幹也に似てる。あくまでイメージ的に描かれたものでEXTRA MATERIALまでお蔵入りしていたイラストだったため、ワダアルコ氏はMATERIAL作成時の対談で奈須氏に言われるまで気づかなかったらしい。
なお、EXTRAには幹也の嫁と上司が来てたりする。
白衣を前を開けずに着ているため分かりづらいが、服は上下とも黒が基調で細い白の線が入った縦縞というかなり独特なセンス。ワダアルコ氏いわく「ちょっぴり病気っぽいシマシマ具合」。なお、前述のブロッサム先生への抗議の投書でのPNは「縦縞パンツ」。下着も縦縞柄なのか?
天敵は「ライダー(Fate/EXTRA)」とのこと。たいていのサーヴァントは引き連れている立川の聖人が倒してくれるが、「星の開拓者 EX」でひっくり返しかねない彼女は勝ち上がられれば致命的な事態になりかねないほか、両者が力を尽くしての戦いにより成長していく者を求めている彼にとって、スキルの性質で強者を食いかねない彼女は目的の上でも厄介な相手だと言える。
コードキャスト使用時の動きがかなり慌ただしい。上半身をせわしなく動かして左右のコンソールを操作し、最後に拳を振り上げコンソールに叩き付けるという「カタカタッ、ターン」どころじゃないダイナミックコマンド入力をやらかす。
しかもCCCではコードキャストの際に「落ち着きなさい、キャスター」と声をかけるボイスパターンがあり、「お前が落ち着け」とツッコミを入れられることも。
できない子供に、できるようになれと叱るのは傲慢だろう。
だから、もう良いと。成長する必要はない。人間は、ここまでだ。
この世界線では「人類の救済は夢物語だった」と自らの理想を諦め、ムーンセルに「人類の死を認めよ。この文明の終わりを看取れ」というコマンドを入力し不正なNPCとして消去された。
しかしその残留思念「デッドフェイス」が残存し、人類を滅ぼすために1000年もの間、ウィザードの適正がある者を月の聖杯戦争へ招き続けていた。
掲示板
急上昇ワード改
最終更新:2024/04/20(土) 11:00
最終更新:2024/04/20(土) 11:00
ウォッチリストに追加しました!
すでにウォッチリストに
入っています。
追加に失敗しました。
ほめた!
ほめるを取消しました。
ほめるに失敗しました。
ほめるの取消しに失敗しました。