ドウデュース
ドウデュース (英: Do Deuce)とは、2019年生まれの日本の競走馬である。
競馬界の七不思議とも言われた、”武豊は朝日杯を勝てない”というジンクスを打ち破った馬。
ドウデュース Do Deuce | ||||
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生年月日 | 2019年5月7日 | 性・毛色 | 牡・鹿毛 | |
父 | ハーツクライ![]() |
馬種 | サラブレッド | |
母 | *ダストアンドダイヤモンズ![]() |
生産者 | ノーザンファーム![]() |
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母父 | Vindication![]() |
馬主 | (株)キーファーズ![]() |
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馬名意味 | する+テニス用語(=勝利目前の意) | 調教師 | 友道康夫 (栗東) | |
主な勝鞍 | 朝日杯フューチュリティステークス (GI)(2021年) 東京優駿(日本ダービー) (GI)(2022年) |
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他受賞歴 | 2021年JRA賞 最優秀2歳牡馬 |
父ハーツクライは国内外でGIを2勝したサンデーサイレンス産駒。かのディープインパクトを破った唯一の日本馬でもある。種牡馬としてもジャスタウェイ、リスグラシューなど数多くの大物を輩出した。
母*ダストアンドダイヤモンズは重賞2勝のほか、BCフィリー&メアスプリント(GI)で2着に入着した実績を持つ米国産のダートスプリンター。
母父Vindicationは米三冠馬Seattle Slew産駒で、4戦4勝でBCジュヴェナイル(GI)を制し2002年のエクリプス賞最優秀2歳牡馬に選ばれたが、故障で三冠競走を前に引退した馬。種牡馬としては目立った実績を挙げることなく、2008年に8歳で早世している。
馬主のキーファーズは自動車ディーラーのマツシマホールディングス・松島正昭代表の国内馬主業[1]用の会社。松島オーナーは武豊と20年以上の親交を持つ人物で、「"武豊で"凱旋門賞を勝つ」ことを最大目標に掲げて馬主を営んでいるうえ、その目的のために欧州でも凱旋門賞に向く血統の馬を買ってアイルランドの名調教師エイダン・オブライエンの厩舎に入厩させた上で武豊に騎乗させるほどの、筋金入りの武豊ファンでもある。また松島オーナーの娘である松島悠衣氏はキーファーズが関わる一口馬主クラブ・インゼルレーシングの代表取締役を務めており、こちらにも武豊の騎乗機会が多い。
栗東の名門・友道康夫厩舎に入厩し、もちろん武豊を鞍上に2歳9月の小倉競馬場でデビュー。1.7倍の1番人気に支持され、中団からスローを見越して早々と押し上げる積極的な競馬を見せ、直線の叩き合いをクビ差制して勝利を収める。
2戦目は関東遠征してリステッド競走アイビーS。近年ソウルスターリングやクロノジェネシスが勝ってきた出世レースである。2番人気に支持されたドウデュースは馬体重+12kgで出走し、3、4番手から直線半ばで先頭に立ち、後続の追撃を退け再びクビ差で勝利。一気にOP馬に昇格する。
3戦目は朝日杯FS(GI)。メンバー中唯一の重賞2勝馬セリフォスが2.4倍、札幌2歳Sを圧勝したジオグリフが3.2倍と2頭の無敗馬が2強の支持を集め、本馬はやや離れた7.8倍の3番人気に支持された。
5枠9番からスタートしたドウデュース。鞍上の武豊は新馬戦に近い中団やや後方の外目を選択。ペースがやや流れる中でも落ち着いて追走し、9番手で直線へ向く。ここで大外に出されたドウデュースは進出を開始。叩き合いを繰り広げる先行馬との差をグイグイと詰め、抜け出していた1番人気セリフォスを残り100mでかわして先頭に立つ。なおも食い下がるセリフォスを上がり最速タイの脚で完全に競り落とし、最後は半馬身差をつけてゴール。3連勝で無傷のGⅠ勝利を成し遂げた。なお、令和元年5月7日生まれの本馬は初の令和生まれJRAGⅠ馬ともなった(前週阪神JFを勝ったサークルオブライフは改元前の平成31年3月27日生まれ)。
所有するキーファーズは念願の国内GⅠ初制覇、それも長らく「共に凱旋門賞を勝つ」と宣言してきた武豊鞍上での勝利。そしてこれまで国内GⅠ77勝を挙げてきた武豊は現役35年目、国内GⅠ78勝目、22回目の挑戦にして初の朝日杯勝利。「競馬界の七不思議」とすら言われたジンクスを破った。武豊もウイニングランで繰り返しガッツポーズを見せ、「ようやくこのレースを勝てて嬉しいです」と笑顔をこぼした。
こうして彼は国内の平地GⅠ完全制覇に王手をかけ、残る未勝利は暮れの中央GⅠ最終戦となるホープフルステークスのみとなった。
また、ドウデュースは朝日杯の勝利によって2021年JRA最優秀2歳牡馬賞を受賞。歴史的快挙を馬名通り目前へ進めた馬として、翌年3歳のクラシック戦線へ高らかに名乗りを上げたのであった。
朝日杯から程なくして発表された「弥生賞ディープインパクト記念を経て皐月賞へ向かう」予定の通り、年明け3歳初戦は弥生賞(GII)に。1番人気に支持され、中団からの競馬となる。最終直線で加速するが、道中先頭とほぼ差がない2番手につけていたアスクビクターモアを捕まえることはできず、2着に終わった(皐月賞の優先出走権は問題なく確保)。
そして皐月賞を迎える直前、陣営からドウデュースのフランスG1凱旋門賞への登録が発表される。彼らにとって春のクラシックは遠征の決断を左右する重要な意味合いも持つことになった。
皐月賞(GI)では人気が割れる中、3.9倍の1番人気に支持される。6枠12番からスタートした武豊は、「展開を読んで」後方からの競馬を選択。しかし、実際には逃げ馬のデシエルトが出遅れてしまい、1000m60秒2と平均ペースに落ち着いた上、小回りの中山で後方から大外を回される致命的な不利を被ってしまう。それでも直線は上がり最速となる33秒8の末脚を使って懸命に追い込んだが、前々で上手く立ち回ったジオグリフとイクイノックスを捕まえるには至らず3着に敗れる。
ポテンシャルを見せていただけに悔しい敗北となってしまった中、大舞台日本ダービー(GI)へ。皐月賞4着で東京向きと見られたダノンベルーガが単勝3.5倍の1番人気。皐月賞2着のイクイノックスが3.8倍の2番人気となり、ドウデュースは4.2倍の3番人気に支持される。4番人気となった皐月賞馬ジオグリフ(5.9倍)までが一桁オッズ内に密接する四強の様相となった。
7枠13番から発走したドウデュース。武豊は前走同様控える競馬を選択し、後ろ目に構える。外枠に固まった他の人気馬たちも軒並み控え、ドウデュースはジオグリフとダノンベルーガの背後という絶好位につけた。さらに今回はしっかりスタートを切ったデシエルトがスタート1000m58秒9と早いペースで流したため、後方待機がハマり始める。
そのまま中団後方で直線を向いたドウデュース。残り400mあまりでトップスピードに到達すると、ハイペースにより潰れていく先行馬を別次元の勢いで斬って捨て、内で一歩速く抜け出したダノンベルーガと先行策から一頭粘っていたアスクビクターモアも一瞬で置き去りにする。そこへさらに後方に控えていたイクイノックスが外から猛追してきたが、ドウデュースも最後まで譲らずクビ差振り切ってゴール板を通過。6万人の大観衆[2]が見守る中、第89代日本ダービー馬の栄光に輝いた。勝ち時計は2分21秒9。4着のダノンベルーガ(2分22秒3)までが前年シャフリヤールの記録したレコード(2分22秒5)を上回るハイレベルな結果の中、それをコンマ6秒破る破格のダービーレコードを樹立した。
友道調教師は2022年時点の調教師現役最多・歴代2位となる3度目のダービー制覇。勝利後インタビューでは「昔から武豊騎手に憧れてこの世界に入っていますから、武豊騎手と人気をしてダービーを勝てるのは感無量です」と喜びを語った。
騎手武豊は史上最年長ダービージョッキー記録を更新[3]し、2013年のキズナ以来9年ぶり、自身が持つ史上最多記録も更新する6度目のダービー制覇を成し遂げ、中央GI80勝の大台へ王手をかけた。ウイニングランでは満面の笑顔を見せ、スタンドの観衆も万雷の拍手と本当はご時世的によろしくないのだがユタカコールで祝福を贈った。
なお、朝日杯勝ち馬のクラシック勝利は2013年の皐月賞馬ロゴタイプ以来9年ぶり。ダービー勝利に限れば、1994年のナリタブライアン以来実に28年ぶりの出来事となった。
こうして世代の頂点に立ったドウデュース。陣営曰くダービーが好結果ならばフランス遠征は決定事項だったようで、何事も無ければ秋はオーナー最大の悲願である凱旋門賞へ武豊と共に向かうことになると思われる(皐月賞とダービーを勝った上で凱旋門賞へ行ったら三冠を望む非難の声が少なからずあったであろうことを鑑みると、皐月賞を勝てなかったのはある意味幸いだったのかもしれない)。なお、アイリッシュチャンピオンステークス(愛G1)への登録も発表されていたが、こちらは出走せず前年のクロノジェネシス同様に直行で挑む模様[4]。果たして武豊へ初の朝日杯勝利に続いて、日本馬初、日本人騎手初の凱旋門賞勝利を届けられるだろうか。数多の願いを乗せて、ダービー馬が秋のロンシャンへ挑む。
ハーツクライ 2001 鹿毛 |
*サンデーサイレンス Sunday Silence 1986 青鹿毛 |
Halo | Hail to Reason |
Cosmah | |||
Wishing Well | Understanding | ||
Mountain Flower | |||
アイリッシュダンス 1990 鹿毛 |
*トニービン | *カンパラ | |
Severn Bridge | |||
ビューパーダンス | Lyphard | ||
My Bupers | |||
*ダストアンドダイヤモンズ Dust and Diamonds 2008 鹿毛 FNo.3-d |
Vindication 2000 黒鹿毛 |
Seattle Slew | Bold Reasoning |
My Charmer | |||
Strawberry Reason | *ストロベリーロード | ||
Pretty Reason | |||
Majestically 2002 黒鹿毛 |
Gone West | Mr. Prospector | |
Secrettame | |||
Darling Dame | Lyphard | ||
Darling Lady |
クロス:Lyphard 4×4(12.50%)、Hail to Reason 4×5(9.38%)
掲示板
310ななしのよっしん
2022/07/04(月) 23:20:42 ID: QYubk75VxW
いくらタイトルホルダーでもあのロンシャンの重馬場と坂をハイペースでいったらすぐにばてちゃいそう。
そもそも大抵の日本馬はシャフリヤールみたいに終盤で力尽きて差せない場合が殆んどです。
311ななしのよっしん
2022/07/04(月) 23:48:55 ID: ZMR3xdPLIr
>>310
実際そうだろうね
だからドウデュースの場合はスパートの限界距離を、タイトルホルダーの場合は逃げられる速度と距離の限界を探るためにも一度は叩いてほしいんだけど今回直行だからなあ
各陣営が調教でどこまで馬の限界を探れるか、またレース本番で両馬ともに騎手の想定を超えるパフォーマンスを見せられるか、本当に楽しみや
312ななしのよっしん
2022/07/06(水) 01:38:54 ID: ZMag5c3RwT
ドウデュースとタイトルホルダー こいつらで勝負にならんならもう凱旋門なんて妄執断ち切って日本競馬を盛り上げてほしい 本来欧州観てなかったけど周りの狂乱にノセられて出馬するタイホ陣営はともかくこっちは筋金入りの凱旋門ガチ勢馬主が馬主だから来年も凱旋門は続けるだろうが
いつもの直行ローテなのだけが不安なんだよな2頭とも
ドウデュースは遠征得意かもしれんがタイホは最低でも帯同馬つけないとかなり危ない
急上昇ワード改
最終更新:2022/07/06(水) 20:00
最終更新:2022/07/06(水) 20:00
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