ドラとは、以下の事柄を指す言葉である。
- 麻雀における懸賞牌。
- 『ドラえもん』の略称。
しずかちゃんやのび太のママがドラえもんのことを『ドラちゃん』と呼ぶ他、ドラえもん関連の用語の接頭語としても用いられる。
- 『ドラゴン』の略称、および『ドラゴン~』の略称(例:ドラクエ・とらドラ!)。
- 3.の意味が由来とされるMHFに登場するモンスターの一種である『ドラギュロス』の略称。
- 『ドラマ』に関する複合語の略称。例:昼ドラ・連ドラ
- 銅鑼。中国の楽器のひとつ。軍令などにも使われ、ニコニコ動画では三国志関連の動画でよく見られる。
- 『ドラフト会議』の略称で、単体では使われず後ろに数字を入れて指名された順位を指す。1巡目指名された選手なら『ドラ1』、2巡目なら『ドラ2』・・・となる。
- ニコニコ動画・生放送における実況プレイヤーや生放送主などの個人名。
ここでは上記1.について記す。
概要
ドラとは、麻雀において1局ごとに設定される特別な牌。和了した際にこの牌が手牌に一枚あるごとに1翻が上乗せされる。ただし、ドラは和了した際のボーナス扱いであり、ドラだけで役なしの場合は和了することはできない。
また、二翻縛りがある場合はドラを加えないと2翻以上にならない手(例:平和・ドラ2)で和了することもできない。
また、「ドラ」の語源は「ドラゴン」の略称。アメリカ麻雀では三元牌の事を「ドラゴンタイル」と呼ぶことに由来。
ドラの種類
- ドラ
- 通常のドラは王牌の上段左から3番目の牌をめくって表示された牌によって決定される。このときめくられる牌のことを「ドラ表示牌」と呼ぶ。
ドラ表示牌が数牌であればドラは次の数字になり(ただし9の次は1)、字牌の場合は東→南→西→北(→東)、あるいは白→發→中(→白)というルールに従って決定される。ただし、三人麻雀では萬子は1と9しかないため、表示牌が一萬ならドラは九萬となる。
- 裏ドラ
- リーチをかけた上で和了した場合、新しいドラが発生することになる。これを裏ドラという。
リーチをかけた上で和了したものが出た場合、ドラ表示牌の下段にある牌をめくる。
基本的には表ドラと同じ方法で裏ドラを決定するが、裏ドラのみ現物をドラとするローカルルールもある。
- カンドラ
- 誰かがカン(同じ牌を4枚集めてそれを他のプレイヤーに晒す)をした場合、新しいドラが発生する。これをカンドラという。
王牌のうち、ドラ表示牌の右隣(王牌の席のプレイヤーから見て)の牌をめくり、通常のドラと同じ流れでカンドラを決定する。複数回のカンが発生した場合はそのたびに新しいカンドラが発生する(ただし麻雀のルール上、カンは4回までであり、表のドラ表示牌は最大で5枚になる)。
また、新しく発生したカンドラ全てに対して、通常のドラと同様に裏ドラが発生し、これを「カン裏」と呼ぶ。
- 赤ドラ
- 数牌のうち、五萬・五筒・五索が4枚中1枚だけ赤く塗られていることがあり(「赤牌」という)、ドラ表示牌に関わらずドラ扱いすることがある。
このように、赤ドラが3枚あるルールを赤さん…もとい「赤3ルール」または単に「赤3」と呼ばれ、天鳳,雀龍門,東方幻想麻雀,雀魂-じゃんたま-などのオンライン麻雀で採用されている。まれに、赤五筒または赤五索が2枚入っていることもあり(赤4)、麻雀格闘倶楽部では赤五筒が2枚ある赤4ルールである。
また、5以外の別の牌を赤ドラとすることもある。
余談だが、赤ドラの起源は諸説あり、任天堂が昭和39年(1964年)の東京オリンピック開催をきっかけに、五輪に通じる五筒の牌を赤一色にして特別の役牌にしようとして赤五筒を製造した説、任天堂ではなくミズノ丸一が製造した説、昭和45年(1970年)の大阪万博開催をきっかけにシンボルマークの五つの桜の花びらをモチーフにした説、嶺上開花の花から考えられた赤五筒がありそれが日本に入ってきたという中国起源説などがある。
- 花牌
- 花牌を山からツモり、それを晒すことによりドラとして扱う場合がある。
- 抜きドラ
- 三人麻雀限定のルール。
三人麻雀では北家が居ないため、北は常に客風(オタ風)牌であり、役牌になることが無い。そのため、北をツモった場合、手牌から抜いて副露する(抜く)事により、ドラを1つ加算したものとして扱うというルール。
抜いた場合、カンした場合の嶺上ツモと同様に王牌から1枚ツモってきて手牌を補充する。
このルールについては非常に多岐に渡っており、
- ・ 一萬・九萬も抜きドラとして扱う
- ・ 上記に五萬も加えてゲームを行い、北・一萬・五萬・九萬を抜きドラとして扱う
- ・ 抜きドラ扱いの牌は抜かずに手牌にある状態でもドラとして扱う
- ・ 抜きドラ扱いの牌は手役を構成する一部としては使えない
- ・ 抜きドラ扱いの牌を抜かなかった場合、手役の一部としては使えるが、河に捨てる事は出来ない
等の様々なルールの違いが存在する。
なお、三人麻雀において抜きドラを扱っているオンライン麻雀としては「天鳳」「雀龍門」「雀魂-じゃんたま-」があるが、ともに北のみが抜きドラであり、抜かずに手役の一部として使う事も河に捨てる事も自由と言うルール。
- ガリ倍
- 主に三人麻雀で、ドラ表示牌が赤五牌のときのドラ(六)を、1枚でドラ2とするルール。
通常の表ドラだけはほぼ全てのルールで正式に採用されているルールであるが、それ以外は採用されていないルールが存在し得る。
競技用麻雀ルールでは、裏ドラとカン裏は採用されておらず、さらにごく一部ではこれに加えて「カンドラも無し(カンしても新ドラをめくらない)」としている場合もある。
と言っても裏ドラ・カンドラ・カン裏は競技用麻雀ルールでもない限りほぼ全てのオンライン麻雀・雀荘で採用されており、無いほうが珍しいルールだが、それ以外(上記で言うと赤ドラから下)はまだまだローカルルールの範疇。
赤ドラは最近は割と普及してきた感があるが、オンライン麻雀で採用しているところでも赤ドラの有り無しを選択出来るようになっているところもあるため、標準ルールになるまでにはなっていない。
ドラに関するあれこれ
麻雀というゲームにおいて、最も簡単に翻数を増やすことができる手段であるため、様々な駆け引きの対象となる。
基本的には誰もがドラを集めるし、そう簡単に捨てることはない。逆転するのに翻数が足りない場合でも裏ドラが乗ることを期待してリーチをかける場合もあるし、ドラを鳴いて晒すことによって自分が大物手を用意しているということを警戒させる効果もある。
赤ドラが普及する前の、赤ドラが無い事が当たり前の時代のルールでは、速さだけを重視して「ノミ手」でアガっても1000点や2000点にしかならない事が多く、よほど連荘しない限り有効なリードになる事は無かった。
そのためある程度じっくりと手を作り、タンヤオ・平和・三色同順など2~3つ以上の役を複合させて5000~満貫くらいの手を狙うのがセオリーとされていた。「平和や三色同順を上手く使いこなせるかが初心者脱却の分かれ目」などと言われたのもそれによる。
しかし赤ドラ入りのルールが普及してくると、適当に作ったノミ手でも赤ドラが絡んで1~2飜伸びる事があり、じっくりと手作りして満貫を1回アガるよりも、ノミ手でさっさと2回上がる方が得点が大きい事が多くなってきた。
平和は理解してさえいれば容易に作れる役であり、かつダマテンで待てるため、赤ドラ入りルールでも有効な役なのは変わっていないが、一気通貫や三色同順などはどちらかと言うと「出来ればラッキーで、わざわざ狙うほどではない」と考える人が多くなっている。
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