ドルチェモア(Dolce More)とは、2020年生まれの日本の競走馬である。鹿毛の牡馬。
主な勝ち鞍
2022年:朝日杯フューチュリティステークス(GⅠ)、サウジアラビアロイヤルカップ(GⅢ)
父ルーラーシップ、母アユサン、母父ディープインパクトという血統。
父はキングカメハメハとエアグルーヴを両親に持つ超良血。自身は香港GⅠクイーンエリザベスⅡ世カップを圧勝している。種牡馬としては菊花賞馬キセキなどを輩出し、SSを持たない強みを生かしてキンカメの後継者争いに身を投じているがロードカナロアに若干押され気味ではある。
母は7番人気を覆して2013年の桜花賞を勝った馬。当時ニックスといわれた父ディープインパクト×母父Storm Catの配合を持つ。
母父は説明不要のレジェンドだが、母父としては本馬デビューの時点で海外含めてGⅠ馬が2頭と案外少なかった。
2020年2月21日、母アユサンや同じ父ルーラーシップのキセキと同じ、日高町の下河辺牧場で誕生。(株)スリーエイチレーシングが所有し、ゴールドシップなどを手がけた栗東の須貝尚介厩舎に所属した(のちに上原佑紀→高橋一哉厩舎へ転厩)。
2022年8月に札幌競馬場でデビュー。鞍上に横山和生を配し、1番人気に支持されるとこれに応えて後続を寄せ付けず3馬身差の逃げ切り勝ち。初戦から高い素質を見せる。
その後は栗東に戻って調整され、10月に関東遠征。GⅢサウジアラビアロイヤルカップに出走する。ここは同じく新馬戦を圧勝してきたノッキングポイントに譲る形で2番人気。しかしレースではグラニットの大逃げにも動じず、2番手から上がり最速の末脚できっちりと差し切り1馬身1/4差をつける快勝。2連勝で重賞タイトルを獲得し、世代の有力馬に躍り出る。
3戦目はGⅠ朝日杯フューチュリティステークス。単勝オッズは世代屈指の末脚を誇るダノンタッチダウンと直前まで入れ替わり続け、最終的に本馬が1番人気に支持される。なおこのレースでは鞍上が坂井瑠星に乗り替わった。
1枠2番から完璧なスタートを決めたドルチェモア。そのまま逃げるかにも思われたが、外から4番人気オールパルフェと前走大逃げのグラニットが主張してきたのでハナを譲り、インコースの3番手に落ち着く。半マイル45秒と淀みないペースを追走し、そのまま最内の3番手で直線に突入。ここで鞍上の坂井は逃げ粘るグラニットを避けて一列外に振ってからゴーサイン。徐々に加速し、逃げ潰れた前2頭をかわして先頭に立つ。背後からは中団外で待機していた3番人気レイベリング、さらに最内から大外まで持ち出された2番人気ダノンタッチダウンも襲いかかってきたがドルチェモアも止まらない。最後は位置取りの分だけダノンタッチダウンに詰め寄られたが、クビ差振り切ってゴール板を通過。3連勝でGⅠホースの仲間入りを決めた。
鞍上の坂井は同年の秋華賞に続くGⅠ2勝目。ルーラーシップ産駒は2019年の豪GⅠコーフィールドCを制したメールドグラース以来3年ぶりのGⅠ3勝目。国内GⅠに限れば2017年の菊花賞馬である前述のキセキ以来5年ぶり2勝目。母父ディープインパクトのGⅠ馬はキセキ、米GⅠファーストレディSを勝ったBlowout、2022年にエリザベス女王杯を制したジェラルディーナに続く4頭目となった。また、桜花賞馬の母アユサンとは親子2代での阪神芝マイルGⅠ勝利となった。なお2着に2番人気のダノンタッチダウン、3着に3番人気のレイベリングが入線した事で馬券は1,2,3番人気が入る順当決着。人気順通りの決着は意外にも2020年のジャパンカップ以来だったりする。
ちなみに勝った瞬間、生産牧場の下河辺牧場はTwitterで「じょーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!」と絶叫(意味は不明)。キセキ以来の中央GⅠ制覇に「ルーラーシップの銅像建てるしかないな…笑
」と喜びはしゃいでいた。
同年のホープフルSが荒れた結果(14番人気のドゥラエレーデが勝利)だったこともあり、288票中279票を集めてJRA賞最優秀2歳牡馬を受賞。今後の活躍が大いに期待された。
…だが、彼の競争生活は翌年以降大きく狂ってしまうことになる。
3歳始動戦はマイル路線を選択、母アユサンが制した1600mの舞台へと赴く。 1月末のJRA賞表彰式時点ではGINHKマイルカップへの直行を予定していたが、後にGIIニュージーランドトロフィーで叩いてから向かうことが発表された。鞍上は坂井瑠星がコンティノアールでケンタッキーダービーに出走するため、再び横山和生となった。
ニュージーランドトロフィー当日には単勝オッズ1.7倍、圧倒的1番人気に推されて出走した。しかし、返し馬の時点でやや落ち着きのない様子を見せたり、ゲート入りを渋ったりと何となく嫌な雰囲気を醸し出していた。レースでは好スタートを切り、内にいたサンライズシークと先行争いになるも先頭を奪取した。800m通過後はエエヤンとバグラダスに競りかけられながらもハナを譲らず直線に入りそのまま突き放しにかかるが、伸びを欠き失速し、7着。レース後横山和生は「ゲートも渋っていたし、休み明けで気持ちの面で何かありそうな感じでした。あれ以上、下げるとけんかになるので、あれ以上は下げられないです。」と語り、精神面に問題がある可能性を示唆した。
不安材料を抱えたまま迎えるNHKマイルカップ本番ではGIIIアーリントンカップを勝ったオオバンブルマイらが合流、激突となる。鞍上は岩田望来に変わる予定だったが後に三浦皇成が乗ることになった。ニュージーランドトロフィーの結果もあってか単勝オッズ7.8倍、4番人気での出走となった。道中では中団の位置取りで直線に入ったが、伸びることなくずるずると後退して12着。
次のレースはGI安田記念を選択。鞍上は朝日杯フューチュリティステークスとなる坂井瑠星となった。3歳になってから結果を残せていないこともあって単勝オッズ166.9倍の17番人気にまで落ちた。レースでは直線で沈んでいく一方で勝利したソングラインから2.9秒差、17着ナランフレグから1秒遅れの最下位18着。
秋初戦はGIIセントウルステークスから始動。鞍上は癖馬請負人として知られる池添謙一に乗り替わり。池添騎手の手腕が期待されてか単勝オッズ27.2倍の9番人気となった。しかし、道中全く折り合いがつかず13着入線。
翌月のGIスプリンターズステークスにも出走。鞍上は西村淳也騎手。これまでの大敗っぷりが原因で単勝オッズ149.8倍。とうとう最低人気、つまり勝つことが全く期待できない馬という評価を下されてしまう。12着で入線したためシンガリ負けは回避できたものの、優勝したママコチャからは1秒も離されてしまった。この敗戦後オーナーは上原佑紀厩舎へ転厩することを決断する。
転厩後初戦はGIII中日新聞杯。距離延長[1]がプラスに働くだろうと判断されたのか、単勝オッズ34.7倍の12番人気。前年同レース5着のハヤヤッコと(13番人気)とほぼ同じオッズとなった。スタートは上手く出て馬群やや前目につける競馬をしたが、最終直線でズルスルと失速し最下位17着。3歳シーズンは全くの不振で終わってしまった。
2024年初戦は久しぶりの京都開催となったGIII京都金杯。鞍上は引き続き団野騎手を迎えた。単勝オッズは125.9倍の16番人気。相変わらず人気薄ではあったが、8枠16番から勢いよくスタートダッシュを決め後続を突き放すハイペース逃げを敢行。直線では十分なリードがあったものの、後続に追いつかれた途端急激に減速しまたもや最下位18着で入線。団野騎手はレース後「ブリンカーを着けて馬の雰囲気は良くなっていましたが、大ざっぱな競馬になってしまいました」と振り返った。
2戦目はGIII東京新聞杯。鞍上は石橋脩騎手へ乗り替わりとなった。スタートに失敗し大きく出遅れてしまったが、上がり5位(33.6)の足を使い13着入線。なんとか最下位は回避できた。次走のGIIIダービー卿チャレンジトロフィーはまあまあのスタートはきれたものの、後方から全く伸びず13着。こちらも最下位自体は回避できたものの、内田騎手のコメント(「今日は結果が出なかったので、これから作戦を考えていかないといけませんね」)のように、復活にはまだまだ課題が残る形となった。この後高橋一哉厩舎へ再転厩することになり、また新たな場所で再起を図ることになった。
再転厩後初戦は北村友一騎手とのコンビでGIII京成杯オータムハンデキャップ。ボロ負け続きの彼に期待するファンは皆無であり、またまた最低人気(単勝231.3倍)となった。逃げるオーキッドロマンスのすぐ後ろにつけ4コーナーまで見せ場はあったが、京都金杯の時と同様後続に追いつかれた途端失速し最下位16着。
同日の中山9R(2勝クラス)でかつて先着したグラニットが久々に勝利したため、ドルチェモアも2勝クラスならまだ戦えそうではあるが、既に降級制度は廃止されているため格下挑戦は不可能。重賞を連勝し無敗の朝日杯馬となった(なってしまった)ことがドルチェモア自身を苦しめているという、なんとも悲しい状態が続いていることが現状である。
そんなわけでダート送りにされるも、グリーンチャンネルカップ(L)も16頭立て15着、武蔵野S(GIII)も15頭立て15着に沈み、中央競馬から登録抹消、大井競馬場へ移籍することとなった。
南関東4競馬場の格付けにおいて、彼はA1クラスとなった。移籍初戦は12月3日のビオラ賞。4番人気に支持されるも5着に終わった。とはいえ、朝日杯以来の掲示板確保となった。
2歳時の勢いはすっかり失われてしまったドルチェモア。いつかはわからないが、きっと復活勝利することができると信じたい。
ルーラーシップ 2007 鹿毛 |
キングカメハメハ 2001 鹿毛 |
Kingmambo | Mr. Prospector |
Miesque | |||
*マンファス | *ラストタイクーン | ||
Pilot Bird | |||
エアグルーヴ 1993 鹿毛 |
*トニービン | *カンパラ | |
Severn Bridge | |||
ダイナカール | *ノーザンテースト | ||
シャダイフェザー | |||
アユサン 2010 鹿毛 FNo.9-f |
ディープインパクト 2002 鹿毛 |
*サンデーサイレンス | Halo |
Wishing Well | |||
*ウインドインハーヘア | Alzao | ||
Burgclere | |||
*バイザキャット 1995 栗毛 |
Storm Cat | Storm Bird | |
Terlingua | |||
Buy the Firm | Affirmed | ||
By the Hand |
クロス:Northern Dancer 5×5(6.25%)
▶もっと見る
掲示板
178 ななしのよっしん
2025/06/08(日) 16:20:54 ID: 2dy9cG6Xhe
同世代でG1勝利後不調仲間だったシャンパンカラーが安田で大復調してきたぞ
ドルチェモアも頑張れ
179 ななしのよっしん
2025/06/10(火) 20:16:36 ID: twflSgg578
なお今日のレースでも相変わらずだった模様
これはもうだめかもわからんね
180 ななしのよっしん
2025/06/11(水) 09:31:27 ID: ZDsZw7JZtZ
南関東だと格が高いレースで走り続けざるを得ないのよね…
南関東の格付けポイントの規則では、中央での獲得本賞金について、500万円までは1万で割った数値、超えた部分については1万で割って0.6を掛けた数値になる
彼の場合、中央での獲得本賞金が1億1000万円なので、格付けポイントはそれだけで6800点。8歳以上でのA1級残留に必要な点数は5900点
要するに、南関東にとどまる限りA1級は確定しちゃうのよ
ちなみに、南関東で稼いだ格付けポイントは、60点が3回で合計180点
そうなると、下級条件からやり直すとなるとどこかで移籍して…になるけどよく使われた高知は最近は強い馬多いから案外厳しかったり
急上昇ワード改
最終更新:2025/06/15(日) 02:00
最終更新:2025/06/15(日) 02:00
ウォッチリストに追加しました!
すでにウォッチリストに
入っています。
追加に失敗しました。
ほめた!
ほめるを取消しました。
ほめるに失敗しました。
ほめるの取消しに失敗しました。