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ドレッジ

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それでも、一つだけ言いたい――これは、何にもまして、ゴルガリだった。

---Mark rosewater

『ドレッジ』とは、マジック:ザ・ギャザリング(以下、MTG)のデッキである。

概要

“発掘/Dredgeを使い、自分のライブラリーを大量に墓地に送り、墓地を使って戦うデッキの総称。普通デッキとはまったく違う動きをするため、“ドレッジ:ザ・ギャザリングとも揶揄される。「メイン最強クラスサイドボード後は対戦相手の墓地対策との戦い」となることが多い。

デッキに発掘をもつカードが入っていなくても、似たような動きをするデッキをドレッジと呼んだりすることもある。

発掘/Dredge

発掘は、発掘を持つカードプレイヤー墓地にある間にのみ機する常在である。「発掘 N/Dredge N」は「あなたのライブラリーに少なくともN枚のカードがあるかぎり、あなたがカードを引くなら、代わりに あなたは自分のライブラリーの一番上からN枚のカードを自分の墓地に置いてもよい。そうしたならこのカードをあなたの墓地からあなたの手札に戻す。」を意味する。

引用元exit

ラヴニカ:ギルド』の都で“ゴルガリ団/The Golgari”()に割り当てられたキーワード。自分のライブラリーを墓地に置くことで、カードを引く代わりにカードを回収できる。一度発掘すると他の発掘カードがめくれることも多く、ライブラリーをどんどん墓地に置くことができる。

呪文を唱える→ドローで回収」の流れだと、発掘カード自体のコストや効果によって差別化され、ゲームデザイン上は問題はない(カードパワーの問題が発生しないとは言っていない)。しかし、MTGには「手札からカードを捨てる」カードがあり、これと組み合わせると「呪文を唱える」の部分をスルーして発掘できてしまう。特に「カードを引いて、カードを捨てる」カードとの相性は抜群である。

Nが一番大きいのは《ゴルガリの墓トロール》の6であり、『ドレッジ』では非常に重要なカードであるが、これが1とかなら(少なくとも『ドレッジ』では)にも使われなかっただろうし、逆に発掘10のカードがあったら他のがどれだけ弱くても使われる。結局、カードの性が「“発掘”の後ろに書いてある数字の大きさ」でほとんど決まってしまい、カードが独自に持つコストや効果は全部おまけになってしまう。ガリの量だけで寿司の優劣を決めてるようなもんである。

カードを作る上での問題が多く、開発部の偉い人から「最も壊れたメカニズムの1つであり、二度と出てくることはないだろう」と釘を差されている[1]

フォーマットごとの特徴

レガシー

カードを引きつつカードを捨てる」《入念な考慮》や《打開》と発掘カードの組み合わせで墓地を増やし、《イチョリッド》や《ナルコメーバ》、《黄泉からの》などでクリーチャーを増やし、《戦慄の復活》でフィニッシュする。フィニッシャーには、他のクリーチャーに速攻を与える《炎の血族の盲信者》や、パーマネントを追放できる《燼の乗り手》などが使われる。

カードを引くのが得意なと、墓地を利用するのが得意なの2色が中心だが、サイドボードカードの都合で《真鍮の都》などの5色土地が多用される。

極端なデッキになると、カードを捨てるのにマナが必要のない《変魔》、追加のドローにこちらもマナが必要ない《ギタクシアの調》や《通りの悪霊》を使い、デッキマナが必要なカードがまったくい『マナレスドレッジ』や、ライブラリーに土地を1枚も入れず、「ライブラリーから土地が出るまでカードめくり、めくれたカード墓地に置く」をもつ《欄干のスパイ》でライブラリーを一発で全部墓地に送る『The Spy』などがある。

Golgari Grave-Troll / ゴルガリの墓トロール (4)()

クリーチャートロール(Troll) スケルトン(Skeleton)

ゴルガリの墓トロールは、あなたの墓地にあるクリーチャーカード1枚につき、その上に+1/+1カウンターが1個置かれた状態で戦場に出る。

(1),ゴルガリの墓トロールから+1/+1カウンターを1個取り除く:ゴルガリの墓トロール再生する。

発掘6(あなたがカードを引く場合、代わりにあなたはあなたのライブラリーのカードを上からちょうど6枚、あなたの墓地に置いてもよい。そうした場合、あなたの墓地にあるこのカードをあなたの手札に戻す。そうしなかった場合、カードを1枚引く。)

0/0

引用元exit

最大の発掘数値を持つクリーチャー戦場に出た時の墓地クリーチャー枚数によってパワータフネスが変動する。詳しくは → ゴルガリの墓トロール

Ichorid / イチョリッド (3)()

クリーチャーホラー(Horror)

速攻

終了ステップの開始時に、イチョリッドを生け贄にげる。

あなたのアップキープの開始時に、イチョリッドがあなたの墓地にある場合、あなたは自分の墓地にあるイチョリッド以外のクリーチャーカードを1枚、追放してもよい。そうした場合、イチョリッドを戦場に戻す。

3/1

引用元exit

墓地カードコストに毎ターン墓地から戦場に戻り、ターンの終わりに墓地へ戻っていくクリーチャー

Narcomoeba / ナルコメーバ (1)()

クリーチャーイリュージョン(Illusion)

飛行

ルコメーバがあなたのライブラリーからあなたの墓地に置かれたとき、あなたはそれを戦場に出してもよい。

1/1

引用元exit

デッキから墓地に落ちたときに、戦場に戻ってくるクリーチャー

Bridge from Below / 黄泉からの ()()()

エンチャント

トークンでないクリーチャーが1体戦場からあなたの墓地に置かれるたび、黄泉からのがあなたの墓地にある場合、の2/2のゾンビ(Zombie)・クリーチャートークンを1体生成する。

クリーチャー戦場から対戦相手1人の墓地に置かれたとき、黄泉からのがあなたの墓地にある場合、黄泉からのを追放する。

引用元exit

墓地にあると効果が発揮されるしいカードで、戦場にあっても何も効果がない。自分のクリーチャー墓地に置かれる度にゾンビ戦場に出る。

Dread Return / 戦慄の復活 (2)()()

ソーサリー

あなたの墓地にあるクリーチャーカード1枚を対とし、それを戦場に戻す。

フラッシュバッククリーチャーを3体生け贄にげる。(あなたはあなたの墓地にあるこのカードを、そのフラッシュバックコストで唱えてもよい。その後それを追放する。)

引用元exit

墓地からクリーチャーを直接戦場に出せる呪文。“フラッシュバック”で使うと「墓地から」「マナを使わず」「自分のクリーチャー墓地に置きながら」唱えられる。

モダン

イチョリッド》は使えず、《戦慄の復活》はフォーマット制定当初からの禁止カードである。そのため、墓地から復活する不死身クリーチャー軍団戦場を制圧するデッキとなっている。

ゴルガリの墓トロール》も禁止カードだったが、「《戦慄の復活》がなければ大丈夫でしょ」ということで禁止が解除された。しばらくはファンデッキ止まりだったが、《秘蔵の縫合体》、《安堵の再会》と強化され続けた結果、再び禁止カード定された。

Bloodghast / 恐血 ()()

クリーチャー吸血鬼(Vampire) スピリット(Spirit)

恐血ではブロックできない。

恐血は、対戦相手1人のライフが10点以下であるかぎり速攻を持つ。

上陸 ― 土地が1つあなたのコントロール下で戦場に出るたび、あなたはあなたの墓地にある恐血戦場に戻してもよい。

2/1

引用元exit

土地が戦場に出るたびに墓地から戻ってくるクリーチャー復活条件もゆるく、相手のライフが少ないと速攻を持つ。

Prized Amalgam / 秘蔵の縫合体 (1)()()

クリーチャーゾンビ(Zombie)

クリーチャーが1体戦場に出るたび、それがあなたの墓地から戦場に出たかあなたがそれをあなたの墓地から唱えていた場合、次の終了ステップの開始時に、あなたの墓地から秘蔵の縫合体タップ状態で戦場に戻す。

3/3

引用元exit

他のクリーチャー墓地から戦場に戻ると、ターン終了時に墓地から戻ってくるクリーチャー。条件が厳しい代わりに、3/3と他の復活クリーチャーよりも大きい。

Cathartic Reunion / 安堵の再会 (1)()

ソーサリー

安堵の再会を唱えるための追加コストとして、カード2枚を捨てる。

カードを3枚引く。

引用元exit

カードを2枚捨てて3枚引く呪文普通デッキだと「引く→捨てる」のほうが捨てるカード選択肢が多くなって便利なのだが、ドレッジだと「捨てる→引く」のほうが手札の発掘カードを捨ててそれを即発掘できるため便利。

ヴィンテージ

レガシーで禁止されている《Bazaar of Baghdad》が使用可なため、レガシー以上の速度墓地を増やせる。土地が10枚程度しか入っておらずマナをあまり使わないデッキのため、パワー9などの高額カードを使用しない、ヴィンテージの中では安いデッキである。ただし《Bazaar of Baghdad》がそれなりの額なのでやはり貴族の遊びである。

Bazaar of Baghdad

土地

(T):カードを2枚引き、その後カードを3枚捨てる。

引用元exit

カードを2枚引いて3枚捨てる土地。土地なので《対抗呪文》などで打ち消されない。使えば使うほど手札が減っていくが、『ドレッジ』においては手札よりも墓地が重要なため細な問題であり、1回起動すると10枚以上墓地が増えることも。

Serum Powder / 血清の粉末 (3)

アーティファクト

(T):あなたのマナプール(◇)を加える。

あなたがマリガンでき、かつ血清の粉末があなたの手札にあるときならいつでも、あなたは「あなたの手札のカードをすべて追放し、その後、同じ枚数のカードを引く」ことを選んでもよい。(あなたはマリガンに加えてこれを行うことができる。)

引用元exit

手札を減らさずマリガンできるカード。初手が《Bazaar of Baghdad》1枚のみでもデッキが回るが、逆に《Bazaar of Baghdad》がないとデッキが回らないため、少しでも引き直しを多く使うため使われる。

スタンダード

発掘(と炎の血族の盲信者)がラヴニカ・ブロック、《黄泉からの》《ナルコメーバ》《戦慄の復活》が隣り合う時のらせんブロックに存在したため、同じような動きをするデッキは当時のスタンダードにも存在した。

カードを落とす手段としては、生きる《Bazaar of Baghdad》こと《バザールの大魔術師》がよく使われた。

Magus of the Bazaar / バザールの大魔術師 (1)()
クリーチャー人間(Human) ウィザード(Wizard)

(T):カードを2枚引き、その後カードを3枚捨てる。

0/1

引用元exit

一旦回り出せば圧倒的なを誇るが、

・≪バザールの大魔術師≫が回り出すのが3ターンからであること
・当時はクリーチャー除去が非常に豊富であったこと
・他にもリアメイトデッキ環境に存在したため墓地対策がよく積まれていたこと
(今でも天敵である《虚線》もスタンダードに存在していた)

などの要因からそこまで大きい結果を残していない。

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関連項目

外部リンク

脚注

  1. *ストーム値:『ラヴニカ』と『ラヴニカへの回帰』exit
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最終更新:2024/03/29(金) 09:00

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