ドードー(dodo)とは、モーリシャス島などにかつて生息していた飛べない鳥である。
かつては独立種扱いだったが、今は鳥類ハト目ハト科に分類されている。そんなわけで実は彼等は鳩の仲間なのだ。
主にモーリシャスに生息していた鳥類。1505年頃に発見され、1599年にヨーロッパに持ち込まれたという。その後オランダの艦隊などが島に押し寄せ、わずか100年程度で絶滅してしまった。1681年に目撃されたのが最後の個体だと言われている。
絶滅の原因は例によって人間であり、さらには人間の持ち込んだ動物に狩られてしまったなどの理由もある。詳細は後述にて。
有名なのはモーリシャスドードーであり、単純にドードーと言う場合はモーリシャスドードーのことを言う。仲間としてロドリゲス島に生息していたロドリゲスドードー(ソリテアードードー)がいたが、こちらもご存知の通り18世紀後半に絶滅。
かつてはレユニオン島に生息していた白いドードーであるレユニオンドードー(シロドードー)も仲間だとされてきたが、実は1980年代後半辺りからの検証・化石の発見でレユニオンドードーは絶滅したトキの仲間をドードーと間違えていたということが判明し、定説となっている。マダガスカルクロトキなどに近い種類だったようだ。その為英語ではRéunion ibis(レユニオントキ)と呼ばれているが、日本語圏で広く使われている訳語は決まっていないようだ(そもそもレユニオンドードーがトキの仲間だったということがあまり知られていない)。この鳥もドードーと同じく飛べなかった可能性が高い。
また、レユニオン島にはロドリゲスドードーに似た別の白いドードーもいるとの古い報告もあったが、結局これも同じトキのことを指していたようだ。
ロドリゲスドードーはモーリシャスより後に絶滅したのにも関わらずデータが極めて少なく、その生態はほとんど解明されていない。レユニオンドードーの件もかなり長い間誤解されていたことを考えると、同じような状況だったと思われる。
次の項からは特に明記しない限りモーリシャスドードーについて解説する。
実は生態は謎に包まれている。それ以前にその姿すら明確ではない。
一般的には空を飛ぶことの出来ない太った鳥として描かれているが、これは人間により捕獲されて肥育されたものの姿であるという説があり、実際によく描かれているような絵のように太っていたのか、空を全く飛べなかったのかは不明である。
ドードーは人間をさほど恐れなかった。モーリシャス島にはドードーの天敵になり得る生物がおらず、逃げることを考える必要というものがなかったためである。飛べない理屈はここで一応証明出来ることは出来る。
そのため、ドードーは次々と人間に捕獲された。食肉としても食べられたことはあったが、肉は脂が多くてあまり美味しくはなかったので、食べ物としてはあまり重宝はされなかった。この脂は後の剥製の製作にも困難を伴わせた。
実際の所は見世物としての需要のほうが高かったようだ。
普段は森の中で群れを形成して暮らしており、3月から9月は特に丸々と太っていた。モーリシャス島での越冬のための脂肪を蓄えるためだと言われている。
繁殖期はその後の9月からで、その頃のドードーは雛を無事に還すため流石に神経質になっていたようだ。温厚といわれるドードーもその時ばかりは近づいてくる人間を突付き、羽の中で骨がむき出しになっている部分を叩き付けるなど攻撃的になることもしばしばだったそうだ。
巣作りは大群で集まって地面に作っていた。卵はグレープフルーツ大の大きさで、雄と雌が交互に暖めていた。7週間ほど経った後でようやく雛が産まれるが、一度の出産で生む卵は主に1個だけだった。
さて、肝心の絶滅に追い込んだ深刻な原因は、前述した「人間が持ち込んだ外来生物の仕業」が大きいようで、地上に巣を作るドードーは、持ち込まれた家畜やネズミなど、より強い陸生生物によって卵や雛を荒らされ、せっかくの繁殖機会を全て無為にされていたという。
過去に唯一存在した剥製も保存状態が悪いという理由で、あろうことか焼却処分されてしまった。脂の多いドードーは剥製にするのが難しく、すぐ腐ってしまうのである。現在残っているのは体の一部や骨格のみである。
ドードーと共生関係にあったと言われる樹木のカリヴァリアもドードーが絶滅したことにより絶滅の危機にある。ドードーが実を食べ、排泄された種から樹木が育つといった関係にあったようだが、これに関しても諸説存在し正否が分かれているようだ。
ドードーは独立種ではなく、鳩の仲間である。独立種だともはや復元は不可能だが、ドードーにはミノバトという研究の結果近縁である鳩が存在することがわかった。
これに加えて、ドードーの残された皮膚など遺伝情報がある程度残っているため、理論上ドードーを復元することは可能であるという試算が出た。
しかし可能であるというだけで、実際ドードーを蘇らせても、今の世界で生きていくことは不可能であると言われている。かつてドードーが生きてこられたのは、天敵がいなかったからである。
よって現在の世界において、元の生息地に戻すのはまず無理な話である。
つまりドードーは、人間の保護下でない限りは生きていくことが出来ない。よって、ドードーの真の意味での再生は不可能であると言える。
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最終更新:2024/04/20(土) 06:00
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