ナニワ金融道とは (ナニワキンユウドウとは) [単語記事]

ナニワ金融道とは、青木雄二による日本の漫画である。1990年から1997年にかけて講談社の漫画雑誌「モーニング」にて連載された。

2007年から青木雄二プロダクションにより続編の「新ナニワ金融道」がスタートしている。

ニコニコ動画では1996年からフジテレビ系で放送されたテレビドラマの主題歌、「借金大王」（ウルフルズ）を素材に使った動画が上げられている。→「借金大王」でタグ検索

概要なんて、いかがわしいもんや

大阪を舞台にして、街金（消費者金融）の営業マン灰原達之を中心に金を巡る丁々発止のやり取り。そしてそれにまつわる人間模様を描いた作品。リアルな描写が読者にインパクトを与える。

しかし、なんと言ってもこの作品で目に付くことといえば、ネーミングの独特さである。

例を挙げると、

地上げ屋「肉欲企画」と、その社長「肉欲棒太郎」
住所の番地がほとんど893 番地か8丁目9番3号（ヤクザ）。
その住所も大阪市暴力区極道町、腰弁区回春町など。
拘束銀行、豹変銀行、赤貝信託銀行、飼犬銀行など。
喫茶「満子」
ファストフード「マタグラヨーナルドハンバーガー」

などと独特であり、少し口に出すのも憚られるものもある。

これは表向き綺麗な看板でも現実にしていることは薄汚いことを主張するため、あえて猥雑な言葉を使用しているという。それにしても…、ねえ…。

なんせこのワシが登場人物を紹介できるなんて5年振りのことです

灰原達之: ―オレはどうやってこの大阪で灰原金融道を切り開いていくのだろう…; 主人公。金融会社「帝国金融」の社員。元々は印刷屋の社員だったものの、倒産し、金融業を志す。紆余曲折あり、帝国金融に入社。様々な葛藤や裏切りを経験し、悩みながらも己の「灰原金融道」を求める青年。作中にて唯一関西弁を使わない主要人物（ただし、初期は使っていた）。
桑田澄男: ―ワシはそのときが来るまで何も考えんといつも言うてるやろ。; 入社した灰原の教育係を任されたベテラン金融マン。出っ歯でパンチパーマ、粗野な大阪弁、態度と見た目はまるっきりヤクザ。時折ひょうきんな所も見せる。債務者に対してはかなり冷酷非情で、老獪。
高山: ―ええか。二度と嫌とか出来んとか言うんやないで！; 帝国金融の部長。こちらも三白眼、パンチパーマとかなりヤクザっぽい。面倒見はいいのだが、よく怒鳴る。
吉村定雄: ―すぐにでもこのまま検察に出せますんやで。; 灰原の後輩。灰原の後輩だが、年齢は灰原より二歳年上で妻子持ち。勤めていた司法書士事務所が夜逃げし、帝国金融に入社。性格は大人しく、気弱。司法書士を目指していることもあり、法的書類の作成で活躍する。
金畑金三: ―灰原。ワシもまだ太陽になろうとしている男や。ワシを追い抜いてからでも遅うないで。; 帝国金融の社長。広い人脈を持つ、海千山千の金融マン。性格は温厚であるが、決して情に流されない。出番こそ少ないものの、登場したときは強いカリスマ、迫力を放つ。
市村朱美: ―私の人生はアンタに賭けたんや。; 灰原の恋人。帝国金融の隣の「誇大広告社」で働いている。元はヤクザの恋人で、そのために全身に刺青を彫っている。気が強く、しっかり者の強い女性。黒髪ロング。
古井藤四郎: ―これからは自分で歩くくせつけとかんとなー…; 大蛇市の市議会議員で呉服屋を営む。市議会選挙で強力な落下傘候補が出馬したことに頭を悩ませていた。選挙資金を帝国金融から借り入れるも、落選。帝国金融以外の債務も合わせ、多額の借金を抱え込む。
泥沼亀之助: ―ヤバイんと違うやろか。中止したほうがええんやないやろか…; 証券会社「爆笑証券」の社員。先輩の結婚式で祝儀泥棒の被害に遭い、その損失補填のために帝国金融から借り入れる。クレジットカードを使い帝国金融の借金は完済するもののカード会社への借金は増え、泥沼にはまる。
肉欲棒太郎: ―ワシはもう一度はい上がって20億動かしたる！; 名前が酷い。弱冠26歳で地上げ屋「肉欲企画」の社長を務めるやり手の人物。自社ビルの建設資金を帝国金融から借り入れるも、地上げ計画が灰原の計略によって頓挫。夜逃げする羽目になってしまう。
三宮損得: ―ワシってホンマにどうしようもないサイテーの教師になりさがってしもたなー…; 「市立鈍才小学校」の教頭。入り婿で妻の芽子には頭が上がらない、恐妻家である。ひょんなことから先物取引に手を出し、帝国金融から資金を借り入れる。
銭田掏二朗: ―知恵とチンポはこの世で使えと言いまっしゃろ！; 名前が酷い。トイチの闇金融業者。「ミナミの銭掏銀行（せんずりぎんこう）」と自称している。下品で狡猾で典型的な悪役。ミナミの帝王とは多分何の関係もないはずだ。そうに違いない。
枷木: ―ワシの伝説の”魔のエンドレスはめ殺し”を見せたるで！; 話術にたけた優秀な人間。マルチ商法で大儲けしているヒビワレックスタイヤ社の総代理店。持ち前の話術で強欲な客を勧誘し、マルチ商法でがっぽり稼ぐ。本人はそれを「魔のエンドレスハメ殺し」と称している。本人曰く月収が300万を超える月もあるというが…。
都沢: ―灰原はん。江戸の敵を長崎で討つって意味分かります？; 警察のキャリア官僚で警部補。京大法学部卒。とある理由で帝国金融に出向することになる。即座に坪数を平方メートルに換算できるなど、頭はいいがかなり自己中心的。傍観者のような態度で灰原に従う。
落振県一: ―男、落振県一をコケにするのもええ加減にせえや！; 海の法律の専門家、海事代理士。マイナーすぎる職種であることと、本人の安請け合いの癖でホームレス生活を送るなどかなり落ちぶれていた。とにかく意地汚い。