ニューヨーク市地下鉄(New York City Subway)は、アメリカ・ニューヨークの都市鉄道網[1]である。ニューヨーク州交通公社(Metropolitan Transportation Authority; MTA)の下部組織であるニューヨーク市交通公社(New York City Transit Authority; NYCTA)により運行されている。
|
世界最大級の公共交通機関として知られている。2012年の年間利用者数は16億5000万人(世界第7位)。マンハッタン島の都市部では全て地下区間(地下鉄)で、郊外の住宅地域は殆どが高架鉄道となっている。全線が複線以上で、一部複単線、複々線の区間で急行列車を設定している。また、こうした区間もあり、運行を継続しながら保守工事を行うことが容易であるためか、年間通して終日(24時間)運行を行っているのも特徴である。
後述するが、ニューヨーク市地下鉄は複数の鉄道会社を統合、整理して発足したものであるため、運行する列車系統(route)は別々に建設された複数の路線(line)を経由して運行されている。以下、(2017年)現在運行されている系統を列挙する。
系統記号 | 系統名 | 経由路線 | |
1号線 | ブロードウェイ-7番街線 | 各駅停車 | IRTブロードウェイ-7番街線 |
2号線 | 急行 | IRTホワイト・プレインズ・ロード線-IRTレノックス・アベニュー線-IRTブロードウェイ-7番街線-IRTイースタン・パークウェイ線-IRTノストランド・アベニュー線 | |
3号線 | IRTレノックス・アベニュー線-IRTブロードウェイ-7番街線-IRTイースタン・パークウェイ線-IRTニュー・ロッツ・アベニュー線 | ||
4号線 | レキシントン・アベニュー線 | 急行 | IRTジェローム・アベニュー線-IRTレキシントン・アベニュー線-IRTイースタン・パークウェイ線 |
5号線 | IRTダイラー・アベニュー線-IRTホワイト・プレインズ・ロード線-IRTジェローム・アベニュー線-IRTレキシントン・アベニュー線-IRTイースタン・パークウェイ線-IRTノストランド・アベニュー線 | ||
6号線 | 各駅停車 | IRTペルハム線-IRTレキシントン・アベニュー線 | |
7号線 | フラッシング線 | 各駅停車・急行 | IRTフラッシング線 |
S号線 | 42丁目シャトル | (IRT42丁目連絡線) |
系統記号 | 系統名 | 経由路線 | |
A号線 | 8番街線 | 急行 | IND8番街線-INDフルトン・ストリート線-INDロッカウェイ線 |
C号線 | 各駅停車 | IND8番街線-INDフルトン・ストリート線 | |
E号線 | INDアーチャー・アベニュー線-INDクイーンズ・ブバード線-IND8番街線 | ||
B号線 | 6番街線 | 急行 | IND8番街線-IND6番街線-BMTブライトン線 |
D号線 | INDコンコース線-IND8番街線-IND6番街線-BMT4番街線-BMTウェスト・エンド線 | ||
F号線 | 各駅停車 | INDクイーンズ・ブルバード線-IND63丁目線-IND6番街線-INDカルバー線 | |
M号線 | INDクイーンズ・ブルバード線-IND6番街線-BMTナッソー・ストリート線-BMTジャマイカ線-BMTマートル・アベニュー線 | ||
N号線 | ブロードウェイ線 | 各駅停車 | BMTアストリア線-BMTブロードウェイ線-BMT4番街線-BMTシー・ビーチ線 |
Q号線 | 急行 | IND2番街線-BMT63丁目線-BMTブロードウェイ線-BMTブライトン線 | |
R号線 | 各駅停車 | INDクイーンズ・ブルバード線-BMTブロードウェイ線-BMT4番街線 | |
W号線 | 各駅停車 | BMTアストリア線-BMTブロードウェイ線 | |
J号線 | ナッソー・ストリート線 | 各駅停車 | BMTアーチャー・アベニュー線-BMTジャマイカ線-BMTナッソー・ストリート線 |
Z号線 | 急行 | ||
G号線 | クロスタウン線 | 各駅停車 | INDクロスタウン線-INDカルバー線 |
L号線 | 14丁目-カナーシー線 | 各駅停車 | BMTカナーシー線 |
S号線 | フランクリン・アベニュー・シャトル | BMTフランクリン・アベニュー線 | |
S号線 | ロッカウェイ・パーク・シャトル | INDロッカウェイ線 |
列車案内の際は、系統名を用いて、"XX (Express/Local) Train"と称されることが多い。(ex. 4号線急行=4 Express Train、A号線=A Train)
上に系統を列挙したが、見てわかるとおり、一部で他の系統と路線が重複していたり、起点と終点が同じでも経由する路線が全く異なったり(2号線と5号線とか)している。また、駅の窓口でもらえたり、ガイドブックに折り込みで入っている地下鉄路線図では、止まる系統記号が各駅に記載されているものの、どの系統も全時間帯において運行しているとは限らないことに注意したい。一部系統では平日のみの運転であったり、日中は運行区間が短縮されたりといったことが日常茶飯事である。
また、24時間運行であるが、夜間時間帯(午前0時~6時)になると、殆どの駅は営業を続けるものの、急行運転の取りやめ、運行区間の更なる短縮が行われ、運転間隔が日中時間帯に比べ長くなる。
マンハッタン内にて列車の方向を示すのに慣例的に使われている表現。北側の住宅地区(アップタウン)方面へ行く列車をアップタウン方面(Uptown bound)、南側の商業・金融地区(ダウンタウン)方面へ行く列車をダウンタウン方面(Downtown bound)と呼称する。
・・・個人的には東西方面に伸びる通り(ストリート、丁目)の数が増える(Up)方向がアップタウン、減る(Down)方向がダウンタウンと覚えたほうが分かり易いと思う。また、地図を見て、地図の上(北)側へ行く列車をアップタウン、下(南)側へ行く列車をダウンタウン、と覚えることもできる。
運賃は1回の乗車につき2ドル50セント。支払いにはプリペイド式磁気カードであるメトロカードを使用する。ICカードなんて高価なものなんざ期待してはいけない。運賃は全線均一で、改札を出るまでいつまでも乗っていられる。また、乗車から2時間以内ならば1回に限り、ニューヨーク市バスまたは地下鉄(指定駅に限る)に無料で乗り換えることが可能。
ニューヨーク市地下鉄では、その成立の経緯から、2つの異なる車両規格(ディビジョン)が共存している。初期より地下鉄を建設・運営していた都市高速交通会社(IRT)により建設された路線をA Division、遅れて参入したブルックリン・マンハッタン交通会社(BMT)および独立地下鉄網(IND)により建設された路線をB Divisionと呼び区別している。A Divisionの路線は、トンネル掘削技術が未熟であったためか車両限界がB Divisionに比べ小さくなっている。
地下駅の壁面には、タイルによるモザイクアートが施されている。色とりどりのタイルで駅名や図形、動物の絵などを表現している。基本的に建設当時から張り替えられることはない。
ニューヨークにおける最初の地下区間は、1904年10月27日、高架鉄道を運行していた都市高速交通会社(Interborough Rapid Transit Company; IRT)によって開業した。以降、ニューヨーク市は、IRTと、別の高架鉄道会社であるブルックリン高速交通会社(Blooklyn Rapid Transit Company; BRT、後のブルックリン-マンハッタン交通会社(Blooklyn-Manhattan Transit Company; BMT))の両社と地下鉄建設協定を締結し、両社を競争させることで地下鉄の建設を促進させた。1932年には、ニューヨーク市自らが建設、運営する地下鉄会社である独立地下鉄網(Independent Subway System; IND)を設立し、地下鉄網のさらなる拡充を図った。
この2社(3社)体制が大きく変化したのは1940年。IRTとBRTが市に買収され、一体的な路線網の構築がスタートしたのである。地下鉄と重複していた高架鉄道の廃止が行われたり、車両規格の似ていたBRTとINDの路線間に連絡線が建設され、直通運転を開始した。路線網の整理が完了した1953年、地下鉄網は新設されたニューヨーク市交通公社(NYCTA)に継承され、NYCTAも1968年にニューヨーク州交通公社(MTA)の傘下に入った。
1970年代に入り、車両や駅施設の老朽化が目立つようになると、車両への落書きや地下鉄施設内での凶悪犯罪が度々報告されるようになる。悪評払拭のため、1980年代中ごろより、駅の改装計画、新製車両導入が順次行われ、犯罪率は激減。現在の治安は諸外国の鉄道と比べ大差ないものとなっている。
長らく路線網の拡張は行われてこなかったが、2015年に7号線の延伸開業(Times Square-42 St~34 St-Hudson Yards間)がなされ、さらに2017年には第一次大戦期に計画されて以来未着工であった2番街線の一部区間(72 St~96 St間)が開業しており、今後も拡張が予定されている。また、いままで近接しながらも別の駅として扱われていた複数の駅のための乗り換え設備であるFulton Center複合駅新設など、駅施設の近代化も図られている。
掲示板
掲示板に書き込みがありません。
提供: アンドロメダ
提供: 金魚網
提供: わんころ助
提供: ゲスト
提供: もちおじ
急上昇ワード改
最終更新:2025/03/19(水) 01:00
最終更新:2025/03/19(水) 01:00
ウォッチリストに追加しました!
すでにウォッチリストに
入っています。
追加に失敗しました。
ほめた!
ほめるを取消しました。
ほめるに失敗しました。
ほめるの取消しに失敗しました。