ネジコンとは (ネジコンとは) [単語記事]

概要

コントローラーの中心部に回転軸が設けられており、その名のとおりコントローラーをねじることによるアナログ入力が可能となっている。ボタンは赤いIボタンとII ボタン（×ボタンと□ボタンの位置）のストロークが長く、押した深さによるアナログ入力が可能。また、アナログトリガーを先取りする形でLボタンもアナログに対応している。
これによってハンドル・アクセル・ブレーキ・クラッチをすべてアナログ操作することが可能なレースゲームに適したコントローラーで、ラジコンカーのホイラーにも近いやや独特ながら直感的な操作性が特徴。クラッチまで活用したゲームがどれだけあったかはともかく。

ちなみにネジコンをねじれる角度は最大で±170°ぐらいあるため、そのままフル活用しようとすると手首がやられること請け合い。ゲーム中のアナログ入力設定でねじり最大角を狭くする、肘ごと動かすことで手首への負荷を減らす、（特に左手の）コントローラーの持ち方自体を変えるなどして対処しよう。

ネジコンは1995年 1月に発売された。プレイステーションのロンチタイトル「リッジレーサー」の後を追う形で登場し、「SLPH-00001」の型番表記がその登場時期を窺わせる。

プレイステーション用の殆どのレースゲームに対応した他、当時貴重なアナログ入力を備えたコントローラーであったことから、エースコンバット(1,2)、サイバースレッド、ギャラクシアン3、ワールドスタジアムEXなどの他ジャンルゲームにも対応していた。
方向キーによるデジタル入力に加えてネジコンのアナログ入力にも対応させること自体が珍しかった為か、レースゲームの中にはネジコンを使った方が明らかにハンドリング性能が高くなるようなものも。

1998年 4月には、モデルチェンジ(小型化、本体カラーが白色→黒色に変更)された「ブラックネジコン」が発売。メーカー希望小売価格も4980円→2980円に値下げされた。
それとは別に白色のネジコンにも初期型と後期型があり、LRボタンの形状が異なる（白初期型は中央寄りの端を軸に回転し、白後期型と黒ネジコンは垂直にスライドする）。

レースゲーム以外では次第にアナログコントローラ（後のデュアルショック）に取って代わっていったが、当のレースゲームにおいてはツインスティックでのアナログ操作はいささか無理があった事もあり、ネジコンの地位は感圧式ボタンが使われたデュアルショック2や、GT FORCEなどの正真正銘のハンドル型コントローラーが主流となるまで揺らがないものとなっていた。

PS最初期のコントローラーという事もあり生産は既に終了しており、今となっては「アナログ入力が16ビット（65536段階）ではなく8ビット（256段階）しかない」「振動機能やフォースフィードバックがない」といった難点も目立つ。
それでも、ハンドルコントローラーにはないゲームパッドとしての手軽さ、アナログ入力を主軸としたレースゲームへの高い適性、一部ゲームタイトルにおけるチートスペックを兼ね備えたネジコンを今も魅力的に感じるプレイヤーは少なくない。
実際、プレイステーションクラシックに「R4 -RIDGE RACER TYPE 4-」が収録されたものの、ジョグコン共々対応も復刻もされていない点を惜しむ声もあった。

そもそもネジコンの後継・代替と呼べるような「手全体を使った繊細なステアリング操作と親指でのアナログ入力を可能としたゲームパッド」自体がなかなか無い事情もあって、現在でもネジコンをコンバーター経由でPCゲームに使用したり、中にはアダプタを自作して既存コントローラー互換として使い続けたりする熱心な愛好家もいる。