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ノルアドレナリン(Noradrenaline)またはノルエピネフリン(Norepinephrine)[1]とは、神経伝達物質である。
ノルアドレナリンは、カテコールアミンやフェネチルアミンの一種である。生体内ではアミノ酸のチロシンからドーパ、ドーパミンを経て生合成される。生成されたノルアドレナリンは、チロシン水酸化酵素を阻害し、ドーパの生合成を抑制する。また、副腎髄質において、ノルアドレナリンはN-メチル転移酵素によってN-メチル化され、アドレナリンとなる。なお、ノル(nor-)は骨格原子(メチレン基など)が除去された化合物に使われる接頭辞であり、ノルアドレナリンはアドレナリンの骨格原子1つが除去された構造をもつ。
ノルアドレナリンは、セロトニンやドーパミンとともに三大神経伝達物質に数えられる。中枢神経系において、ノルアドレナリンが関係している生体機能に「覚醒」「意欲」「集中」「記憶」などがある。したがって、ノルアドレナリンの分泌が低下(原因としては長期間ストレスにさらされるなど)すると、無気力になったり意欲が低下したりするほか、うつ病の原因ともなる。逆に分泌が亢進すると躁状態を引き起こす。
また、アドレナリンと同じく、交感神経系の神経伝達物質である。ただし、緊急時のためのホルモンであるアドレナリンと異なり、ノルアドレナリンは常時、心血管系の調節に携わっている。心血管への作用として、骨格筋や内臓の血管を収縮させ、血圧を上昇させるα1作用がある。また、心拍数はβ1作用によって上昇するが、静脈内注射の場合は末梢の血圧が上昇することにより反射的に副交感神経が興奮し、心拍数が減少する。
医薬品としては、急性の低血圧状態や、手術時の血圧維持に用いられる。アドレナリンと異なりβ2作用が弱いため、α受容体遮断薬投与後の血圧反転(アドレナリン反転)は起きない。
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最終更新:2024/04/20(土) 08:00
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