ハイドンの主題による変奏曲とは、ブラームス作曲による楽曲である。 「ハイドンバリエーション」「ハイドン変奏曲」「ハイバリ」などの略称や 「聖アントニウスのコラールによる変奏曲」という別称で呼ばれることもある。
ブラームスが1873年に作曲した変奏曲で、 主題、第1変奏~第8変奏、終曲の10曲から構成される。管弦楽版(Op.56a)と2台ピアノ版(Op.56b)が存在するが、管弦楽版の方がよく知られ演奏される機会も多い。
当時ハイドンの作とされていたディベルティメント第6曲第2楽章に基づいた賛美歌風の曲。 曲の冒頭部分が5小節+5小節の形になっているところに構造的な特徴がある。
主題冒頭10小節 |
全体の小節構造は (5+5)×2+((4+4)+(4+4+3))×2 となっていて、各変奏もほぼこれと同じ構造を取っている。
比較的テンポの速い第1第2変奏、 ゆるいテンポで緩徐楽章的な第3第4変奏、 スケルツォ風の第5第6変奏と交響曲を思わせる進行をとり、 牧歌的な趣きを持った第7変奏、陰鬱な雰囲気の第8変奏と対照的な二つの変奏を経て終曲にいたる。
低音の主題を反復しその上に旋律を重ねるパッサカリアの形式を取っていて、これ単体でも変奏曲になっている。5小節からなるパッサカリア主題は、主題の冒頭部分の旋律とバスから取られている。
パッサカリア主題 |
パッサカリア主題の上で変奏が繰り返されていき、やがて初めの主題が回帰しクライマックスとなり曲が終結する。
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最終更新:2024/04/19(金) 22:00
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