ハン・ジュリとは (ハンジュリとは) [単語記事]

ハン・ジュリ(Han Juri/한주리/韓蛛俐)は、カプコンの対戦格闘ゲーム『スーパーストリートファイターIV』の登場人物である。

概要

『ストリートファイターIV』のボスであるセスの懐刀として現れた謎の女。出身は韓国。左目に謎のシステムを組み込んでおり、ウルトラコンボ発動の際にはそのシステムを発動する様が見られる。
外見は、捻れて尖ったお団子ならぬクロワッサン頭、「スパイダー」の異名通りに蜘蛛をモチーフにした、上半身のスリムさが際立つアクティブな服装が特徴。

快楽主義にして嗜虐性を隠そうともしない悪女で、くねくねとした魅惑的でしなやかな動き、いかにもドSな悪役口調、そして時折相手を挑発するかのようなモーションが癖になる、濃い口の面子が揃うストリートファイターのキャラクターの中でも、ちゃんと粒が立った味のあるキャラクターである。

特に、「ほぉんと蹴られるのが好きだなぁ……お前（パーソナルアクション）」といったサディスティックな言い回しと「惚れちゃったぁ？（春麗ライバルデモ）」といった艶のある豊富な声のバリエーションのお陰で実装直後からドMなあんちゃんたちがこぞって下僕になりたがっている。声を当てている喜多村英梨氏にとってはこのキャラクターが初の悪役ということだが……ウソだろ？

韓国プレイヤーの「今まで韓国出身のキャラがいない！」という要望を受けて誕生したキャラクターでもある。開発当初は「テコンドー」「韓国勢」「女性」の3エッセンスのみで進められたため、デザインがまとまらなかった。が、「悪役」という要素が決定してからは、「要望した韓国プレーヤーの皆さまが抗議に来るような、強烈なキャラクターにしよう」と開き直り、現在の尖りに尖ったキャラに仕上がったという。

余談だが、悪役としての指針が決定した後も迷走は続いたようで、「年齢レーティングに抵触するようなモーションが没案にありました（笑）」と公式ブログで語られるぐらい、開発時にはハジけていたキャラクターだった模様。……もしかするとスタイリッシュ痴女になるやも、というところだったらしい。それはそれでニコニコ的には美味しかったかもしれない。

キャラ性能

一言で言うとスピードタイプ。　　

参考(外部)→　ジュリ纏めブログ

キレのある足技による手数で押せ押せの攻めキャラとしてデザインされている。
また、ダッシュの移動スピードは速いものの、通常歩きが若干遅いという特殊な機動力バランスとなっている。

必殺技

特徴的なのは必殺技の風破刃。

「蹴り上げ」＋「飛び道具発射」による二段構成の技。
コマンド後、「タンを押しっぱなしにすることで「飛び道具の部分を待機させ、離すことで発射する」という特性を持つ。押しっぱなしの間は他の技を出せる上に、飛び道具はガードさせて有利＋発生が速いのでコンボに組み込むことも可能。
飛び道具の射程距離こそ短いものの、飛び道具を「撃つ・撃たない」によるプレッシャーを押し付けての強引に固めを継続していく図々しさが彼女らしい。
また押したボタンで射出方向を下段・上段・対空の3種に撃ち分けられ、これらの扱い、及び「いつでも飛び道具が撃てる」というブラフを上手く機能させることで、立ち回りの主導権を握るキャラクター。

エキセントリックな見た目やアクロバティックな通常技に反して、
対空技＋コンボ技の「穿風車」、空中で軌道を変える突進技「疾空閃」といった、
「牽制」「対空」「奇襲」といった技を持ち、意外にも技構成はバランス良く作られている。

反面、

固めを得意とするキャラなのにガードさせて有利になる技が少ない
必殺技はガードされると反撃が確定する
昇竜拳のような、すぐさま無敵になれる技は持っていない
（E X穿風車はあるが、ガードされると反撃を食らってしまう）
体力があまり高くない（女性キャラとしては平均値）

といった、防御面での弱さを背負っている。

ウルトラコンボ

風水エンジン

「弱から強方向に通常技を通常技でキャンセルして繋げることが出来る」という特性を持つ。
（強から中、中から弱といったことは出来ない。また、必殺技から他の技へのキャンセルは不可）
言ってみれば『ヴァンパイア』シリーズのチェーンコンボのようなものである。

ガードされてしまうと、リベンジゲージを無駄遣いしただけで終わることもあるが、
風水エンジン発動時に風破刃を組み込むことで、大きく体力を奪うコンボも発見された。
しかし時間も経ち、多くのプレイヤーによって研究もなされたが、

「大ダメージンボが決められる」と言っても、攻撃の初段が取れなければ通常の攻撃と大して違いがない
固めの途中に、中段技を交えてガードを崩そうとしても、どうしても見切られやすい
崩すために投げを入れると、風水エンジンの持ち味を活かせない

など、戦術に大きな幅を持たせるまでには至らなかった。

さにらスーパーストリートファイターIV AEでは、
ユンの幻影陣、ヤンの星影円舞という「通常技の性能自体を変化させる」という特性を持った技が登場する。
通常技変化系技としては明らかな上位互換が登場してしまったため、
「風水エンジンとはなんだったのか」と疑問を抱かざるを得ない状況になってしまった。

とはいえ、

幻影陣、星影円舞はスパコンゲージを4つ（＝MAX時のみ）使って発動する
風水エンジンはリベンジゲージを使って発動する（＝EX技を使いやすい）

という違いを持つため、完全な上位互換とは呼べない。
（しかしユン、ヤンは空振りでゲージ溜めに優れた技を持ち、ゲージがなくても十分戦えるスペックを持つため、この差異はそこまで大きな物となってはいない）

回旋断界落

逆立ちになって回転しながら垂直蹴りの竜巻を出すという大技。
初段がヒットすれば相手をロックして巻き込んだ後にジャンプ頂点で相手を蹴り落とし、
さらにその蹴り落とした相手よりも早く地上に戻ると相手を蹴り上げ、そのまま捕まえて地面へ叩き付ける。
（相手を叩き付ける際に「気持ちよかっただろ？」と聞いてくれるので、一部の紳士にはご褒美のようだ）