ハービンジャー 単語

19件

ハービンジャー

4.4千文字の記事
  • twitter
  • facebook
  • はてな
  • LINE

Harbingerとは、「先駆者、前触れ」といった意味を持つ英単
古フランス語において「宿を提供する人」を示すHerbergeorに由来する。
先駆的な意味を持つことから、英語圏を中心に商品のブランド等でよく用いられる単である。

曖昧さ回避

  1. 競走馬名前。同名の競走馬は分かっているだけで10頭以上存在する。日本にもいた。
  2. オカルト創作サイトSCP Foundation」によるSCPオブジェクトSCP-1281
  3. テレビアニメ聖闘士星矢Ω』の登場人物 → 牡牛座のハービンジャー

本項では上述の言葉を由来に持つ、2006年生まれイギリス生産・調教競走馬ハービンジャーについて記載する。

2010年に行われた欧州競馬最高峰、「キングジョージ」にて大差勝ちを収めた優駿である。

名馬の前触れ

Dansili(ダンシリ)、Penang Pearl(ペナンパール)、Bering(ベーリング)という血統。

ダンシリ世界的成功を収めた大種牡馬*デインヒル産駒で、現役時代はマイル路線でGⅡが最高だったものの種牡馬入り後は凱旋門賞レイルリンク等、10ハロン以上の距離を得意とする産駒を送り出した。
のペナンパールはリステッド競走を勝っており、本の曾祖母や高祖母重賞である。

1歳セリで英国の共同馬主グループに18万ギニー(約4400万円)で購買され、*オペラハウスや*ピルサドスキーなどを管理したサー・マイケル・スタウ調教師によって管理されることとなった。

デビューは3歳4月と遅く、ニューマーケット競馬場にてデビュー戦を2着、続く未勝利戦で勝ち上がり、次走のゴードンS(GⅢ)で重賞初制覇と、トントン拍子に勝っていく。
しかし、次戦に選んだグレートヴォルティジュールS(GⅡ)では1着から30身近く離された7着最下位、その次のセントサイモンS(GⅢ)は3着だったが勝ちからは6身以上離されるなど不甲斐ないレースが続く。
一応、グレートヴォルティジュールSの2着マスタリーが英セントレジャーを、4着ジュークボックスジュリーがオイロパ賞(独GⅠ)を勝つなど面子は結構っていたのだが……3歳シーズンは5戦2勝で終える。

先駆

4月欧州競馬シーズン開幕を迎えると同時に始動。
すると去年の負けっぷりはどこへやら。直線で先頭に立てば後続の追撃を許さない強い末脚を以て、ジョンポーターS(GⅢ)、オーモンドS(GⅢ)、ハードウィックS(GⅡ)と連戦連勝。営はキングジョージへの参戦を決定した。

欧州競馬最高峰・キングジョージⅥ世&クイーンエリザベスステークス(GⅠ)、通称「キングジョージ」は本を含め僅か6頭立て。しかしその他の5頭もかなりの面子であった。

デビューから手綱を握っていたライアン・ムーアが*ワークフォースを選んだ為、日本でもお染みオリビエ・ペリエに乗り替わり。1番人気は前走の英ダービーを圧勝した*ワークフォースの方である。向こうは3歳なので斤量は121ポンド(約55kg)だが、古のハービンジャーは133ポンド(約60.5kg)である。欧州夏競馬斤量差が凄いのだ。

レース本番ではペースメーカーのコンフロントが先頭に立ち、その後ろに*ワークフォースと*ケープブランコという英愛ダービーが併走、本ハービンジャーは4番手につけて追走しピッタリマーク
直線に入りコンフロントと*ケープブランコ、*ワークフォーススパートをかけたが、3頭の上が必死に追うも手応えが怪しい。その3頭の外に余裕の手応えで先頭に躍り出る鹿毛ハービンジャーである。
残り1ハロン棒を通過した時点で後続を全に千切り、ペリエがを一叩きするだけで更に加速。

結果、2着ケープブランコ11という大差を付けて勝。着差はレース史上最大、タイム2分2678はトラックレコード
後にIFHA(国際競馬統括機関連盟)はワールドサラブレッドランキングにて歴代2位となる135ポンドのレーティングを与え、古としては歴代最強格という評価が為された。

当然、凱旋門賞BCターフを望むが高かったものの、前戦に予定していた英インターナショナルSへの調教中に左前脚を骨折。すぐに手術を行い成功したものの、間もなくして引退が決定した。
4歳時は4戦4勝、通算成績は9戦6勝。GⅠ勝利キングジョージのみだが、そのパフォーマンスは尋常なものではなかった。

引退後

引退後は日本社台グループへ売却され、2011年より社台スタリオンステーション種牡馬入りする事が決定された。売却額は数億円規模と考えられており、高額ではあるものの世界的名となれば10億円以上の実弾が飛び交う種牡馬ビジネスとしては若干さやかなものではあった。2歳時に走っていないことと、2400mでしか実績がないのが原因とのこと。
日本に到着後はディープインパクトの隣の房に入り、種付け料は400万円に設定された。血統的にはロベルト5代目に1本入ってる程度で、ミスプロは一切入っていない、ダンジグも3代と遠い為、日本で種付け相手にはほとんど困らない。初年度から200頭以上のを集めたのがそのか。

初年度からベルーフが京成杯を制する幸先の良いスタートを切ったが、クラシック戦線では微妙若干期待外れ感が漂っていたものの、3年産駒が3歳を迎えた2017年一気に爆発
秋華賞ディアドラが、エリザベス女王杯モズカッチャンが、マイルCSペルシアンナイトが奪取。
なんとGⅠを3つ奪い獲るという快挙を成す。最終的にリーディングは6位。

さらに4世代からはノームコアブラストワンピースを輩出し、ブラストワンピース有馬記念を勝った2018年にはリーディング5位につけた。

これらの活躍で2018年2019年の種付け数は再び200頭をえたが、2016年産の5世代以降は立った大物が出ず、種付け数も減少している。しかし2016年産のニシノデイジー障害に転向して2022年中山大障害を制覇。またとしてもメイケイエールを送り出している。

産駒の傾向として、サンデー系相手に勝負をするとキレ負けするが、洋芝や4コーナー手前から動く小回りの競馬場を得意とし、直線大外一気の末脚は惚れ惚れするくらいである。ちなみにダートはハービンマオ関東オークスを勝っているが、基本的には500万下えるは少ない。

2023年11月現在GⅠ7頭、重賞23頭(交流重賞含む)、産駒JRA勝利数は600勝突破。種牡馬としては充分に成功を収めていると言えるが、その一方でペルシアンナイトブラストワンピースがどちらも引退種牡馬になれず、今のところ後継種牡馬は4戦1勝で引退したアグニシインのみ。特にブラストワンピースに関しては、有馬記念の勝ち種牡馬になれないのは現役中に死亡したテンポイントを除くと初のことであった。
流血統の肌馬につけやすいということは、産駒流血統が濃いめになるということであり(実際ブラストワンピースキンカメサンデー両方入り、ペルシアンナイトサンデー)、種牡馬として需要が見込めないということなのだろうが……。シビアな話である。

ハービンジャー自身も17歳とそろそろ種牡馬としてバリバリとはいかなくなってくる年齢。今後、後継種牡馬となれる大物は現れるだろうか。

血統表

Dansili
1996 黒鹿毛
*デインヒル
1986 鹿毛
Danzig Northern Dancer
Pas de Nom
Razyana His Majesty
Spring Adieu
Hasili
1991 鹿毛
Kahyasi *イルブルボン
Kadissya
Kerali High Line
Sookera
Penang Pearl
1996 鹿毛
FNo.1-k
Bering
1983 栗毛
Arctic Tern Sea-Bird
Bubbling Beauty
Beaune Lyphard
Barbra
Guapa
1988 鹿毛
Shareef Dancer Northern Dancer
Sweet Alliance
Sauceboat Connaught
Cranberry Sauce
競走馬の4代血統表

クロスNorthern Dancer 4×4×5(15.63)、Natalma 5×5×5(9.38)

主な活躍馬

2014年産

2015年産

2016年産

2019年産

関連動画

直線入口の手応えが寒気がするほど恐ろしい

関連コミュニティ

関連項目

この記事を編集する

掲示板

おすすめトレンド

ニコニ広告で宣伝された記事

記事と一緒に動画もおすすめ!
もっと見る

急上昇ワード改

最終更新:2024/04/20(土) 06:00

ほめられた記事

最終更新:2024/04/20(土) 06:00

ウォッチリストに追加しました!

すでにウォッチリストに
入っています。

OK

追加に失敗しました。

OK

追加にはログインが必要です。

           

ほめた!

すでにほめています。

すでにほめています。

ほめるを取消しました。

OK

ほめるに失敗しました。

OK

ほめるの取消しに失敗しました。

OK

ほめるにはログインが必要です。

タグ編集にはログインが必要です。

タグ編集には利用規約の同意が必要です。

TOP