1等星になる
深く屈みこめば
うんと高く跳んで
より遠くへと
達することができる
ハープスター(Harp Star)とは、2011年生まれの日本中央競馬会に属していた元競走馬である。松田博資(栗東)所属。牝馬・鹿毛。
主な勝ち鞍
2013年:新潟2歳ステークス(GIII)
2014年:桜花賞(GI)、札幌記念(GII)、チューリップ賞(GIII)
2011年4月24日、牝馬としてこの世に生を受ける。
父は言わずと知れた無敗の三冠馬ディープインパクト。
種牡馬としても確固たる一時代を築き上げようとしているサラブレッドである。
母ヒストリックスターは、かつての名牝ベガがファルブラヴとの間に遺した唯一の牝馬であり、ハープスターはその3番仔にあたる。
ヒストリックスターは幼少時の怪我により未出走に終わったものの、その由緒正しき血統(ベガは繁殖牝馬としても大変優秀で、ヒストリックスター以前にダービー馬アドマイヤベガ、フェブラリーステークスの勝ち馬アドマイヤドンなどを輩出している)を期待され、母の牝系を繋ぐべく繁殖入りした。
2歳になったハープスターは、後にアドマイヤムーンやブエナビスタを手がけた松田博資厩舎に入厩し、鞍上に川田将雅を迎え、早くも夏の中京競馬場でデビューすることになった。
2013年7月14日、中京芝1400メートル戦でデビューを果たした。
このレースには前年に続き短距離界を制圧していたロードカナロアの半弟、ロードストームが同じく出走していたが、本馬は1.8倍の圧倒的1番人気に押されていた。最後の直線でロードストームに寄られた際、怯んで内側に切れ込む素振りを見せてしまったものの、最終的に2着に2馬身近いリードをつけてデビュー戦を勝利で飾った。
次走はそこから約一ヵ月後の新潟2歳ステークス。ハープスターはこの重賞レースで、詰め掛けた観衆の度肝を抜くレースを見せつけた。
道中最後方からレースを進め、最後の直線で大外に持ち出すものの、先頭集団とはまだかなりの差があった。長い新潟の直線とはいえ、見る者は実にハラハラさせられる。だが、ハープスターはそんな心配をあざ笑うかのように、上がり3F32.5秒という豪脚を繰り出してあっさり前を捕らえると、逆に2着に3馬身の差をつけて悠々とゴール版を駆け抜けた。
この圧勝劇でハープスターの名は各所に知れ渡るようになり、早くも来年の牝馬クラシック最有力候補として、人々にその存在を知らしめるのであった。
さらに2着のイスラボニータは後に皐月賞を制し、5着のマーブルカテドラルはアルテミスステークスを優勝したことから、この新潟2歳ステークスはハイレベルな一戦として認知されるように、ハープスターに集まる注目、期待は日に日に大きくなっていく。
前哨戦を挟まず、数ヶ月の時を経て、ハープスターはその年の2歳女王を決めるGI阪神ジュベナイルフィリーズに出走した。
この年のメンバーは、デイリー杯2歳ステークスを優勝したホウライアキコ、小柄な馬体ながら不良馬場をものともせず快勝したレッドリヴェール、函館2歳ステークスを先行押し切りで鮮やかに勝利したクリスマス、 重賞勝ちこそないものの、同レースを無敗で制したレーヴディソールを姉に持つレーヴデトワールなど、男馬たちを蹴散らしてきた強豪が集う、ハイレベルな一戦だった。それにも関わらず、前走の勝ち方が評価され、ハープスターは単勝1倍台の圧倒的1番人気に押された。
ところが、いつも通り後方でレースを進め、馬の間を縫うように直線追い上げたものの、レッドリヴェールにわずか数cmの差で及ばず2着に敗れてしまった。レッドリヴェールが無敗の2歳女王として歓喜に沸く中、ハープスターは初めて土がついてしまい、辛酸をなめさせられる結果となってしまった。
川田はこの敗戦が非常にショックだったようで、後のチューリップ賞の勝利ジョッキーインタビューでは「取り返しがつかないし、申し訳ないことをした」と語っている。
明け3歳、復帰緒戦として選ばれたのは、桜花賞トライアルチューリップ賞であった。
前走では思わぬ敗戦を喫したものの、阪神ジュベナイルフィリーズの上位馬が軒並み不在であり、相手関係が手薄であったことから、当日はレーヴディソール以来となる単勝1.1倍の圧倒的支持を受けた。一方で一週間前追い切りなどの動きが悪く、いかにも仕上げ途中であったことから一部では不安説も囁かれた。
後方2番手から脚を溜めるように道中を進み、前走の反省を生かしてか、馬込みには突っ込まず大外に出すと、見る見るうちに先頭集団を飲み込んでいく。この間、鞍上の川田は一度もムチを振るっておらず、少し手綱をしごくだけで、軽く促すという程度であった。最終的に、2着に2馬身半差をつける圧勝。
変わらぬ強さをアピールし、一ヵ月後の本番に向けて、まずはこれ以上ないスタートを切った。
迎えた本番、リベンジを果たすべく、ハープスターは大外8枠18番からの発走となった。
スタート直後、川田はすぐに位置を後ろに下げ、指定席の最後方からレースを進める。レッドリヴェールも同様に後方から、ハープスターの5馬身ほど前の位置につける。レースはフクノドリームが大逃げを打ち、魔の桜花賞ペースを彷彿とさせるハイペースとなった。
4コーナーを回り、最後の直線に入ろうとするところでも、ハープスターはまだ一番後ろの位置取りであり、逃げ切りを図ろうとするフクノドリームとは十数馬身もの差がついていた。それでも川田は慌てることなく、いつもの通り大外へ持ち出し、ハープスターを勝利に導くべく、前には誰もいない無人の野を突き進んでいく。
なかなか前を捕らえることができない。それでも、一完歩ずつ、着実に差を縮めていく。
鬼気迫る川田のムチの連打に応えるように、ハープスターはさらに加速し、一足先に集団を抜け出したレッドリヴェールを捕らえた。持ち前の勝負根性を発揮される前に一瞬でこれを交わすと、クビほど前に出たところがゴールだった。
ついに初戴冠。ベガの血を再び世に知らしめた。
勝ちタイム1.33.3はタイレコード、ディープインパクト産駒はこれで桜花賞4連覇となった。ちなみに、このとき繰り出した上がり3Fは32.9という驚愕のもの。
無論、桜花賞史上最速のタイムで、厩舎の先輩ブエナビスタの記録を更新するものだった。
直線だけで17頭をごぼう抜きにするというド派手な勝ち方は、今なお競馬ファンの語り草となっている。
続くは2冠目まずオークス、いつもどおり大外をぶん回すが加速段階で外に膨れた馬を捌き損ねて落鉄した事もあったが、ヌーヴォレコルトの完璧なレース運びにクビ差届かず2着と惜敗。
それでも2着に突っ込んだ辺り実力はあったということだろう。
その後は凱旋門賞遠征を発表。同じく遠征予定だったGI5勝のゴールドシップ共々馬場適性を判断するため前哨戦として洋芝コースの札幌記念に出走。ここではゴールドシップを打ち破り、1992年のサンエイサンキュー以来2頭目の3歳牝馬の勝利という実績を引っさげ、凱旋門賞へ向かう。
迎えた凱旋門本番では後方でレースを運ぶいつもどおりの展開で進めたものの、仕掛けが遅れたか、伸びは見せたものの6着に終わり、 Treve(トレヴ) の華麗なる復活を眺める事となってしまった。
帰国後ジャパンカップに出走するが、後ろで構えていたところ rading Leather[1] とぶつかる形となってしまい切れ味を発揮できずに5着に終わる。
2015年はドバイに参戦を予定し京都記念から始動。キズナの参戦により注目を集めたこのレースであったが、キズナに敗れたのみならず持ち味を発揮すること無く5着に敗戦、更に直線で斜行したとして鞍上の川田は4日間の騎乗停止を受けるなど厳しい結果となってしまった。
このレースの勝ち馬はこの後2000前後無敵の中距離ランナーに覚醒するラブリーデイだったのであまり悲観することもないような気がするが、当時はGIIIを勝ったばかりの馬だったため、一部の関係者やファンの間では早熟馬扱いされることすらあった。
京都記念での敗戦で不安視されたが予定通りドバイ遠征を決行、陣営はドバイシーマクラシックを出走レースに選択した。イギリスのブックメーカーから1番人気に支持されるなど有力馬扱いされたものの、直線で力尽きてしまい出走9頭中8着と大敗してしまう。
帰国後、ヴィクトリアマイルに向かおうとするが疲れが抜けず春全休を発表。その直後に靭帯を傷めたことが発覚しそのまま引退。安平町のノーザンファームで繁殖牝馬となった。
種付けシーズンに間に合ったことや、相手の筆頭候補のキングカメハメハが体調不良で来季以降の活動が不透明であったことなどから引退後すぐ体づくりに費やす期間を設けないまま即種付けを行った[2]。
競馬ファンたちを魅了した豪脚が産駒に引き継がれることを祈りたい。
小柄な産駒が多いディープインパクトの仔にしては馬格があり、筋骨隆々の馬体をしている。走り方もピッチ気味の走法であり、これまた跳びの大きい父ディープインパクトとは対照的である。
一方でその末脚の威力は父親譲りであり、後方待機からのごぼう抜きは父に似通うレーススタイルである。
新馬戦から桜花賞までの上がり3Fは、いずれも出走馬の中で最速の数値を記録している。
ただ三歳秋以降は精彩を欠き、遠征疲れや怪我があったとはいえあまり成長が見られなかったため早熟と見なす向きもあった。
ちなみに、主戦の川田は後にこの馬は一度として本気で走ったことがないことを明かした。つまり、あの桜花賞もハープスターは遊んでいたのである。
ディープインパクト 2002 鹿毛 |
*サンデーサイレンス 1986 青鹿毛 |
Halo | Hail to Reason |
Cosmah | |||
Wishing Well | Understanding | ||
Mountain Flower | |||
*ウインドインハーヘア 1991 鹿毛 |
Alzao | Lyphard | |
Lady Rebecca | |||
Burghclere | Busted | ||
Highclere | |||
ヒストリックスター 2005 鹿毛 FNo.9-f |
*ファルブラヴ 1998 鹿毛 |
Fairy King | Northern Dancer |
Fairy Bridge | |||
Gift of the Night | Slewpy | ||
Little Nana | |||
ベガ 1990 鹿毛 |
*トニービン | *カンパラ | |
Severn Bridge | |||
*アンティックヴァリュー | Northern Dancer | ||
Moonscape | |||
競走馬の4代血統表 |
クロス:Northern Dancer 4×4×5(15.63%)
掲示板
79 ななしのよっしん
2023/06/08(木) 20:43:16 ID: yeyQaaRB9f
本当に三冠取ったドンナの時はそんなに掛かり気味じゃなかったのに
なんでハープスターの時はあんなにマスコミは掛かり気味だったんだろうか?
80 ななしのよっしん
2023/08/09(水) 12:48:49 ID: vJ+Tdv7d+v
ドンナの時はオルフェやゴルシなども居たので人気や実力が一強じゃなかったけれど、
その後の世代交代でキズナを筆頭にディープ軍団が増えてきたから、末脚一気のハープスターが新エースに見えたのかも?
81 ななしのよっしん
2023/11/29(水) 19:13:33 ID: CIJN5U94Ri
血統書サービスだと今年は新種牡馬で同じキャロットのエフフォーリアをつけて受胎までは上手く行ったみたい
今のところ産駒の競走成績以前に不受胎3回死産2回と物凄く可哀そうなことになってるから、とりあえずちゃんと生まれてきてくれたらいいなと思ってる
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最終更新:2024/10/12(土) 15:00
最終更新:2024/10/12(土) 15:00
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