バイオハザード 〜マルハワデザイア〜とは『バイオハザード』シリーズの正統なる外伝であり『6』の前日譚、週刊少年チャンピオンで連載された漫画である。
注意 この記事にはネタバレ要素が含まれています。
バイオハザードシリーズ初の公式漫画化作品。カプコンのバイオハザード制作チーム自らがストーリーを制作し、『猿ロック』や『ルシフェルの右手』で知られる芹沢が作画を担当。漫画版オリジナルストーリーではあるが、原作ゲームシリーズでお馴染みのキャラクターも一部登場する。また、同シリーズの作品世界における初の学園ストーリーでもある。時系列は『5』と『6』の間の2012年にあたるが、『6』における物語の開始が厳密には2012年12月24日~25日からであるため、時系列的には『6』とほぼ同系列であり、スペシャルエピローグにて中国で起きた事件にも触れられており、『6』へと繋がる重要なストーリーである。単行本1巻分のストーリーに達する際に連載を一時中断しているのも特徴。単行本は全五巻発刊されており最終巻には「事件から数カ月後の中国」を描いた “special epilogue” も収録されている。
シリーズ初のコミカライズ作品で「バイオハザード6」の前日談に位置付けられ、同作に登場するクリス・レッドフィールドやピアーズ・ニヴァンスもレギュラーとして登場しており、6に繋がる伏線も用意されている。 基本的に舞台である学園で起きたバイオテロやBSAAの活躍がメインであるが、校内における閉鎖的環境やスクールカースト等、学園モノならではのドロドロした人間関係も描かれている。
アジア最大の名門校・マルハワ学園で、一人の女子生徒が謎のゾンビ化を遂げる…。調査に訪れたダグ教授と、その助手である甥のリッキーは、次第に拡大するその惨劇に巻き込まれ…。
惨劇の裏で不気味に微笑む謎の人物。そしてダグの足取りを追うクリス・レッドフィールドらBSAAメンバー。偶然に絡み合った糸は必然の悪夢を紡ぎ…。バイオハザード ~マルハワデザイア~ 第1巻より
2012年、シンガポールにあるベネット大学の理工学部教授ダグ・ライトの元へ、ある日、アジア最大の名門校・マルハワ学園の理事長であるマザー・グラシアからの手紙が届く。その内容は、「学園内でバイオハザードが発生した」というものだった。甥のリッキー・トザワを助手として、ダグは直ちに現地へと向かう。そこの地下室で彼らは、グラシアから、ゾンビ化して監禁状態にされた女子生徒を見せられるのだった。2人が学園に到着した後も、何人もの学園関係者がゾンビと化し、人を襲う事件が続発。外部と連絡を取り、救援を呼ぶべきとダグは主張するが、マザーはダグの提案を拒否し、事件を隠蔽しようと図る。事態は悪化の一途を辿り、やがて外界から隔絶された学園の敷地内は地獄へと変わっていく。 惨劇の裏で不気味に微笑む黒いローブの女…。 そしてダグ教授の足取りを追うクリスらBSAAメンバー…。 偶然に絡み合った糸は必然の悪夢を紡ぎ、『バイオハザード』に新たなる血塗られた歴史を刻む。
アジア某所に存在する『クダンカン』と呼ばれる国の北部 エルナウル地方に位置するアジア最大の名門校。1902年創設。全寮制で、世界中から名家の子息、令嬢などが在籍しているが、その多くは格式の高い家の生まれである事を自負している。四方を山地に囲まれた山間部にあり、外部との交通や連絡の手段も最低限のものしか用意されていない為、学園関係者の殆どは外部の人間と接触する機会がない一方、学内にはショッピングモールなども存在しており、ある程度生活に不自由する事はない模様。また、学園全体の動力源を司っている広大な地下施設や、何故かマシンガンを搭載したヘリコプターなど、常識はずれな備品や設備なども整っている流石に自爆装置は無いが。その様な特殊な環境の影響から学園内は理事長であるマザー・グラシアを頂点とした絶対君主制に近い体制が敷かれており、生徒・教職員の全員がグラシアを心酔し、緊急事態が起きても彼女の指示ひとつで冷静さを取り戻すなど傍から見れば奇妙な光景に映る。
作中最序盤に登場するシンガポールにある大学。リッキーはこの大学の理工学部に学生として、ダグは教授としてそれぞれ在籍している。学内の食堂ではチャンポンをはじめとした日本料理などもあり、ダグによると月に一度、教職員限定の試食会なども行われている模様。
「しびれるねぇ」「これが将来世界へ羽ばたく人材の園か別世界だな!!」
本作の主人公。20歳。 ベネット大学理工学部2年生の青年で従来のバイオハザードシリーズの主人公と違い、特別な知識や技術を持たない一般人だが逆境には強い。陽気かつ熱くなりやすい性格で、曲がった事や筋の通らない事を嫌う正義漢。大学教授のダグ・ライトは叔父で、10年前に母親を亡くして以来世話になっており、校内でも「叔父さん」と慕っている。彼女ができたことはないが女好きで、授業もまともに聞いておらず、単位不足で留年寸前になりかけている。単位獲得を条件に、ダグの助手としてマルハワ学園へ向かうことになったのだが、そこでバイオテロに巻き込まれる羽目になる。過剰なまでにバイオテロや不祥事を隠蔽し続けるグラシアを当初は快く思っていなかったが…。
「そうだな…人手がいるかもしれん」「単位が欲しければお前も助手として付いてくるか?」
本作の準主人公。リッキーの叔父で、ベネット大学理工学部教授。44歳。細菌学を専攻しており、ウイルスや生物兵器に関して豊富な知識を持つ。マルハワ学園の理事長グラシアとは、かつての恋人同士。国連管轄の対バイオテロ組織“BSAA”のアドバイザーでもあり、民間人の立場でありながら、かつてアメリカ中西部に存在していたラクーンシティ壊滅の真相がt-ウィルスの蔓延とその滅菌作戦としてアメリカ政府により発射された核ミサイルによることも知っている。グラシアの過剰なまでに事実の隠蔽を働く姿勢にはリッキー同様に懐疑心を抱くも、一方でグラシアやタヒル達が文化祭の一件を全てビンディが元凶であると擦り付ける形で沈静化させた際には、激昂するリッキーと違い、彼らの行動をやむを得なかった事と理解を示すなど、バイオテロの専門家特有の多少冷徹な判断力を持ち合わせている。作中中盤に現れた謎のクリーチャーに腹部を貫かれ意識不明の重体となる、そして…。
「そう…ここはマルハワ学園」「あってはならないのですバイオハザードなど」
マルハワ学園の理事長。本名はグラシア・デレニカス、32歳。 修道服が特徴の女性でかつてはダグの恋人であった。 学園の運営に関しては異常なまでに力を入れており、学園を守るためなら隠蔽や犯罪まがいの行為も辞さない。 ある意味被害者と言えなくもないが…。学園内で発生したバイオハザードを学園の体面を守るために公にすること無く、極秘裏に解決するようダグに依頼をする。その行動は、犠牲者と化した生徒たちを旧校舎ごと焼却処分させるなど徹底している。
元々は資産家にして篤志家でもあった父を慕う娘であり、彼の意向で他の兄弟と同じように外国へ留学に出される。しかしその後父は自分の前に顔を出すことはなく、この不遇な扱いから「父は自分を愛していないのではないか」と疑念を抱き、成人してからもその思いは変わらなかった。父の死後に現れた父の代理人から生前の要望としてマルハワ学園の理事長就任を要請されるが、その役目が自分に務まるかどうか不安を抱きながらも結局は父の意向に従い就任。就任当日の式典で学園の生徒や教職員全員が自らに傅く様子を見て以来、このマルハワ学園こそが「父が自分に残してくれた聖域」と思うようになった。マルハワ学園を守ることに意欲を燃やすようになり、この点についてダグは「昔と今は精神的に反対」との旨の発言をしている。
「私のピンチの時は・・・リッキーさんが守ってくれるんですよね!?」
本作のヒロイン。 学園の生徒会長で黒髪と褐色肌が特徴の女子生徒。 エリート意識が強い生徒が多い学園の中で数少ない常識人である。リッキーの行動から学園の裏で何かが起こっていることを察知し、リッキーに協力を申し出る。後に深夜のマルハワ学園の地下へ立ち入り調査する際、ボウガンを手にリッキーたちに同行する。閉鎖的な社会でもあるマルハワ学園の中では、よそ者のリッキーに俗世界の人間は品がないと見下す発言をした女子生徒二人にその無礼を窘めるなど(1巻参照)、良識や分別のある人物。またそれ故にグラシアを盲信はせず、逆に彼女が学園の体面を守るために、都合の悪いことを徹底的に隠匿する彼女のやり方を批判している。 序盤で突然姿を消した親友のアリサを心配していた。
学園の副生徒会長である女子生徒。 社交的で真面目な性格であり、よそ者であるリッキーに対しても差別することなく歓迎していた。明るく軽快で社交的な印象の強いお嬢様でリッキーにカツアゲしようとしていた不良生徒たちを叱咤して追い払い、リッキーに対して友好的に接すると同時にアプローチをかけるなどし、彼からもビンディ共々好印象を持たれていたが、後にゾンビと化してリッキーの前に現れ、彼に襲いかかる。即座にグラシア達に捕えられ、最終的にはグラシアの手配により旧校舎もろとも焼却処分された。
主幹教諭。 眼鏡をかけたオールバックの男性であり、サーベルの達人である。 沈着冷静な性格であるが、学園内にゾンビが現れた際にはサーベルでゾンビに立ち向かうほどの勇敢さを見せていた。 その一方では、グラシアを崇拝レベルで心酔しており、少しでも彼女を侮辱する者に対しては怒りを露わにしてサーベルを向ける一面がある。 本質的にはグラシアと同じく人格に問題がある人物と言える。 地下制御施設で立ち入り捜査をしていたところ、突然停電が起こり、その隙に襲いかかってきたゾンビに噛まれて死亡。
その後、ゾンビと化したが、最期は親友のタヒルの手で倒された。
「…見たくなかったぜ…お前のそんな姿はよ…」
特別高等警備員。 レイとは親友同士であり、自分とレイが内戦国で生まれその日生きるのにもままならぬ中グラシアの父に拾われ、彼が院長を務める孤児院で育った過去を明かす。彼と同じくグラシアを心酔している。 学園でバイオテロが起きた際には、強硬的な手段で学園を守ろうとするグラシアに懐疑心を抱いて憂いたり、自分達に協力してきたリッキー達に武器を渡して銃の使い方を指導する等、学園の中では一応の穏健派かと思われたが、実際はレイや生徒と同様に強い独善に染まっており、完全にグラシアの忠実な手下になり果てている。 その一面は行動にも現れており、目的の障害となる者は容赦なく切り捨て、中盤では事態を収める為にビンディを全ての元凶に仕立て上げる事をグラシアに提案する等、冷酷な面も窺える。 だがその行動が最悪の事態へとつながる事となり、自身も命を落とす事となる。
文字通りマルハワ学園の先代理事長で、グラシアの父親。故人。財力に恵まれた資産家ながら篤志家の面も持ち、内戦国に直接出向いてはレイやタヒルといった戦災孤児を自らが営む孤児院に入れるなど、精力的に動いていた。しかしその反面、幼い頃から自分を慕い、孤児院にも手伝いに通っていた娘のグラシアを、外国へ留学に出したきり放任したり、事前に何の相談もなくマルハワ学園の次期理事長に任命したりするという、人間的に不可解な面を有する。
ビンディのクラスメイトで、日系人。物語開始時の3ヵ月前に行方不明になっている。何ヶ月も手紙が帰って来ない事を不審に思った父親が、クリス達がマルハワ学園に行くと知り彼らに探して欲しいと依頼した。
マルハワ学園に在籍している学生達。 その多くが世界中から入学してきた名家の子息、令嬢である。いわゆるセレブ。アジア圏の学校という事で日系の生徒が多く在籍している。よそ者であるリッキーを歓迎してアプローチする女子生徒もいれば、逆にリッキーを差別してカツアゲしてくる不良もいるが、基本的には友好的で礼儀正しい感じである。
Bioterrorism Security Assessment Alliance。国家間を超えて活動する、国連管轄のバイオテロ対策組織。ただしアメリカ合衆国内では合衆国当局がBSAAの代わりを担っているため当局による検査終了後にBSAAがマルハワ学園へ介入する形になっている。
最早説明不要!毎度おなじみ我らがゴリラBSAA北米支部アルファチーム隊長。原作ゲームシリーズで多くの作品に登場している。かつて存在していたラクーンシティのラクーン市警察(R.P.D.)の特殊部隊“S.T.A.R.S.”の元メンバーで、1998年に起こった洋館事件を発端として、バイオハザードが絡む様々な事件に立ち向かってきた。本作におけるBSAAでの立場は、2013年の事件を扱った『バイオハザード6』に準じている。未だに戻らないダグ教授に妙な胸騒ぎを覚えピーアズやメラ等と共にマルハワ学園へと向かう。
「案外楽に片付きましたね…」
BSAA北米支部アルファチーム隊員。『バイオハザード6』にも登場する狙撃手で、本作で先行的に登場。標的は絶対に外さないと言われる程の腕前で、将来的にはBSAAを背負って立つであろうと目されている逸材。メラ・ビジとは
今作にて初登場したBSAA極東支部実力ナンバーワンとも言われる女性エージェント。美味と見なした料理への興味や食欲を隠さない、食欲旺盛な人物。しかしバイオハザードの現場では真剣な姿勢で臨む。かつてのラクーン事件で同地に出張していた両親を失った過去があり、そのためバイオテロへ並々ならぬ憎悪を抱き、科学者として長じてからBSAAへ当初は科学部の人間として入る。そして数年の歳月を経てB.O.W.の効率の良い殺傷法を確立してからそれを自らの手で実践したいという考えから科学部を去り実戦職へ転向を図る。訓練が始まったばかりの頃は実戦訓練では常に負け続け、1ヵ月で脱落すると思われていたが諦めずに訓練を続けた末ピアーズとも互角に渡り合えるほどの腕前へと成長した。
露骨に怪しい事件の陰で暗躍する黒いスーツを纏った謎の女。通信キューブを所持している。作中ではフードに隠されていて顔ははっきり描写されていない。過去に登場したある人物を思わせるアイテムを幾つか所持しているが…。
もうすぐですよ・・・リッキーさん。
さぁ・・・始めましょうかナナン・・・
実は彼女は三カ月前に既に亡くなっていた。実家はかつて世界的に有名なレストランだったが、内部対立が原因で、ナナンが高等部に上がる直前に倒産し、このことが原因で貧乏な人間に対する偏見による陰口と蔑視に2年以上も晒されていた。ナナンも最初は果敢に応戦していたが、度重なる嫌がらせはエスカレートして、イジメを働いたアリサ達とナナンの双方が怪我をするという暴力沙汰にまで発展していく。それがきっかけで学園の閉鎖的な社会に嫌悪感を抱き、どんなに訴えても少しも動かないマザー・グラシアに失望し、ついにはビンディと2人で追って来れないように移動手段を断ち学園から脱走して真実を外の世界に伝えようとするが隠してあった別の移動手段で追いかけてきた警備員達との争いの果てに、近くにあった岩に頭を強打して死亡した。
その後、死人に鞭を打つかのごとく彼女の死は隠蔽されて表向きは転校した事にされたのだがそして、この1件はグラシアの手によって隠蔽され父親にも真相は最後まで伝えられなかった。フードの女と結託したビンディの手で密かにC16のサンプルを投与された事によりクリーチャーとして蘇生した。
ナナンのなれの果てであるクリーチャー。 C-ウィルスのサンプルを投与されてサナギ化したのち、全身が肉腫で覆われた醜悪な外見へと変貌した。面影はわずかに残った右半分の頭部のみ。 その姿はのちの『6』に登場した レポティッツァ に似ているが、姿形が不定形で数本の触手が生えている。 レポティッツァと同様に肉腫から人間をゾンビ化させるガスを噴射して、多くの生徒や職員、そしてダグをゾンビに変えた。そしてキスにより直接対象にガスを注入したりする嬉しくない。全身に大きな肉腫が生じている事や人間をゾンビ化するガスを使用している事から『6』に登場するB.O.Wレポティッツアのプロトタイプと呼べるC16のサンプルを元に改良を加えて生み出されたためである。また、肉腫の付いた触手による攻撃は非常に強力であり、人間の身体も易々と貫かせる程である リッキー達の活躍で肉体を真っ二つにされる程のダメージを負うが、しぶとく生き延びてヘリで脱出しようとするリッキー達に襲いかかり、メラを死に追いやった。
最期はピアーズが放った機関銃で肉体を細切れにされて死亡。
その後、現場に現れたフードの女の手によって残った肉片をサンプルとして回収された。
バイオテロを引き起こした張本人であり、本作における黒幕。実は作中登場した謎のフードの女は複数存在しその内の一人が彼女であった。本性も、グラシアやアリサなどの本命の敵対者は勿論、グラシアを心酔し、二年以上もイジメを受けているナナンを助けようとしなかったという理由で他の一般生徒達や、イジメを知っていながらグラシア同様に何もしなかったレイ、タヒルなどの教職員、更にはリッキーやダグなど自分に協力的だった人間ですら、グラシアが呼んだ人間=事情を話してもどうせグラシアに味方して信用できない。特にダグはグラシアの元恋人だから。という理由で容赦無く抹殺しようとする冷酷非道な性格である。
それでも本来は当初のリッキー達に見せていた表の顔と同じ、虐めを受けるナナンの苦労を労い、学園の閉鎖的かつ差別的な信条を改善しようとする平等的で心優しい性格「だった」が、三ヶ月前の事件でのナナンの死によって生じた狂気とそこに付け込んだフードの女の甘言によって大きく歪んでしまった。
フードの女からC16のサンプルを受け取り、ナナンの死体に投与、以降はナナンを操り、ナナンをいじめた生徒達や、レイなどをゾンビにして小規模のバイオハザード事件を引き起こしていく。それもグラシアが今まで学園内で起きた不祥事を隠蔽し続けてきた罪を白日の元に晒して学園を正常化するためであったが、その先にあったのは、過ちを悔いるどころか大勢の生徒の前で全ての罪をビンディに擦り付けるグラシアの理不尽な仕打ちだけであった。 完全に絶望した彼女はもはや何をやっても無駄だと悟り、ナナンの死もあって 「ナナンを死に追いやった学園全てを壊す」 という異常なまでの憎しみを持つまでに至ってしまう。 全ての人間を逃がさないようにするため、あらかじめ全ての脱出手段を潰して生徒や職員を完全に学園に閉じ込め 、ナナンをけしかけて大勢の生徒をゾンビ化させて学園中をパニックに追い込んだ。
そして、自身にもサンプルを投与してクリーチャーへと変貌する事に…。
フードの女から受け取ったC-ウィルスのサンプルを自らに投与してクリーチャー化したビンディ。 C16がゾンビ化ガスを撒き散らし周囲の生徒たちが大勢ゾンビ化する中自身は平然としてた。驚異的な再生力を持ち、当初は自我を失うことなく人間の姿を完全に保っていたが、戦闘のダメージで肉体が変異、顔の一部に複眼が現れ、右腕が巨大な爪に変化する等、その特徴はのちの6に登場したジュアヴォに酷似している。 学園でパンデミックを起こした後、グラシアの元へと向かい、彼女と対峙した。 ちなみにこの時点でグラシアはようやく過ちを認めて全ての真実を公表する決意を固めていたが、時既に遅くグラシアを容赦なく殺害した。 全ての復讐対象を始末した後も多くの生存者に襲いかかり、駆けつけたメラと戦闘状態になり、彼女を追い詰めたが、次第に形勢が逆転して再生力が追いつかずにサナギ化してしまう。 そして、サナギから孵化した際には巨大な蜘蛛のような醜悪な姿に変貌し、完全に自我を失ってしまった。 最期はリッキーやクリス達の猛攻で倒され、哀れな生涯に幕を下ろした。
「報いならば…私1人…が…全てを受け…たものを…こんな…」
被害者にして元凶。今まで学園内で起きた都合の悪いことやそれによる数十件の不祥事を徹底的に隠匿し、ナナンのイジメに関してはビンディの訴えも全て握りつぶし、完全に見て見ぬ振りの放置状態であった。またビンディを理事長権限をもって学園祭の最中に発生した事件を引き起こした元凶として多くの生徒の前で生徒会長の地位を剥奪・自室にて3ヵ月の停学と謹慎処分にするなどの行き過ぎた処置がビンディを追い詰めてしまう。このように一見すれば冷徹非情な人物に見えるが、その行動原理は決して悪意や名誉欲などではなく、タヒル曰く「子供のように純粋」な性格で、上記のような冷徹な手段をとり続けていた理由も全てはただ一心にマザーの父にして先代理事長が遺してくれた学園を守りたいという切なる思いからであり、かつての恋人であったダグの所有する車を破壊してリッキー共々学園から出られないようにするなど、事態を極秘に解決することに異常なまでに固執していた本当の理由も、3ヵ月前に起きたナナンの事件を隠蔽してしまった事により、後へ引けなくなったためであった。そして、彼女自身は一連の自分の行いに対し、内心では罪悪感や後ろめたさも感じており、リッキーやダグに真実を告白する際「ナナンは自分が殺した」と発言をしている。遅い懺悔であった。
根は決して悪人ではないものの、学園を守るためとはいえ、数々の不祥事を隠蔽するのみで何の対策もとらずにいたその姿勢は学園の教員達の頂点に立つ理事長としては問題があり、そこをフードの女に利用された結果、学園を愛し守りたいという過剰なまでに行き過ぎた彼女の思いは、学園を破滅へと導く遠因になるという皮肉な結果を招いた。学園祭の一件が鎮静した後、ダグとリッキーに自ら3ヵ月前に起きた事件の真相を明かし、真実を知っても尚も自分を受け入れてくれたダグの励ましによって、ようやくこれまでのバイオハザードに関するすべての真実を公表する決意を固めるも、その矢先に出現したナナンこと実験体C16によってタヒルが死亡し、ダグも重症を負う事態となり、これを受けて事態が最早自分達だけで解決し得ない事を悟り、BSAAへ救援を呼ぼうとするも、その翌朝に本性を露わにしたビンディがC16を使って爆発感染(パンデミック)を引き起こし、多くの生徒達をゾンビにしてしまう。学園が大混乱に陥る中、これまでのすべての事件がビンディの手によって引き起こされていた事に気づき、学園関係者を無差別に虐殺していく彼女を止める為に対峙。銃撃するも、この時、ビンディは既に自身にもC16のサンプルを投与しており、怪物化した彼女の返り討ちに遭って致命傷を負い、上記の父に対し学園と生徒達を守れなかった無念と謝罪の言葉を呟きつつ、駆けつけたリッキーにダグの姿を重ね、彼のことを想いながら死亡した。後にダグの病室に残されていたダグ宛の手紙から、ダグやリッキーを脱出させる為に地下に緊急用ヘリを手配していたことが判明し、そのヘリは最終的にリッキーやクリス達の脱出手段として使用されるが、その手紙がダグに読まれることはなかった。決してアレクシアのような女王様という訳ではない。
彼女の遺体は、後に学園に突入したBSAAに回収され、事件終結後、同じく遺体を回収されたダグの隣の墓に埋葬された。ゾンビにならなかっただけ彼女はまだ幸せ者かもしれない。
「こ…これ見たらわかるでしょ!?私たちがナナンに一方的にやられたのよ!!」
初登場時こそ良心的な人物のように振舞っていたが、その本性は お嬢様育ちの悪いところだけを凝縮したような最低の悪女 で本性は全てが自分の思い通りにならないと気が済まないワガママで陰湿な性格の持ち主。生前のナナンが受けていたイジメの主犯格でもあった。ナナンが死亡した後はグラシアの手で行方不明として隠蔽されたため、ナナンの死を知ることなくのうのうと生活していたが、序盤でリッキーと出会った後にC16となったナナンを連れたビンディに襲撃され、ウィルスを感染させられた末にゾンビにされ人間としての生涯に幕を閉じた。 結果として2人の少女の人生を狂わせるだけでなく、自分達がイジメてきた相手に復讐される形となって自らの人生も狂ってしまったという皮肉ではあるが因果応報な末路であった。
中国人の男子生徒。肥満体型で臆病な性格。本人曰く憧れていた先輩だったゾンビに襲われそうになった際、幼なじみのクワンに助け出され、共にゾンビ達から逃れようとするも、ダクトを逃亡中に外れた天蓋から落下しそうになったところを別のゾンビに捕まり食い殺された。
「ちくしょおっ…!!アタシらが何したってんだよ…!!」
中国人の女子生徒。タイミンの幼なじみで、性格は男勝り。学園内でバイオハザードが発生した際は金属バットを手にゾンビ達から逃れていた。タイミンがゾンビに食い殺された後、自身もゾンビに襲われかけたところをリッキーに助けられ、共にグラシアのいる部屋へ向かう。そこでグラシアの死を目の当たりにし、逆上して怪物化したビンディをバットで殴りつけるがビンディに外へ放り出される。急いでリッキーが駆けつけるも既にゾンビに襲われて死亡した後だった。如何にもメインキャラっぽく登場しておいてあっさりと死亡退場という流れに驚いた読者も多いのではないだろうか。
表面上は高貴と思われたが、その実態はアリサと同様のとんでもないロクデナシの集まりであった。多くの者が横暴かつ排他的で裕福な家柄に鼻をかけており、よそ者や貧乏人を徹底的というよりも常識レベルで見下している。 実際、仮にも客人であるリッキーに対して一部の生徒が 「俗世界の人間は品がない」 と吐き捨てていた。 過去にアリサが主犯格としてナナンに対するイジメを働いた際には、貧乏人に対する偏見からアリサに便乗してイジメに加担していた。 その中には男子もいたが、ナナン1人を相手に数人がかりでフルボッコして重傷を負わせる体たらくであった。恥を知れ。
その一方マザー・グラシアに対しては彼女を厚く信奉し、彼女に付き従っている。 グラシアこそが絶対であり、グラシアの指示を何の疑問も抱かずに実行に移す、簡単に言うならば「盲目的な狂信者」である。
グラシアも自分を慕う生徒達の罪や神経を咎めず、ビンディの訴えに耳も貸さずに放置していた。 しかし、その為に生徒の横暴はますます増長し、問題行動もエスカレートしていった。
ハッキリ言って、クリーチャーとは別のベクトルでタチの悪い存在と言える。
そんな彼らも本編後半ビンディによる本格的なバイオテロによりパンデミック状態となった学園内で次々とゾンビ化、或いはクリーチャー化したビンディによって虐殺されていくこととなる。一緒に逃げていた友人を身代わりにして自分だけ助かろうとするなどその薄汚い本性を露わにしながらゾンビの餌になる者や、絶望した果てに自ら命を絶ってしまう者が相次ぐ中、最後まで生き残っていた生徒達は、 聖堂に引きこもって泣きながら神に祈って救いを求める という、 虫がよすぎる 現実逃避な行動に走っていた。
当然、ここまで慢心やエゴに塗れた人間達に、神が救い手など差し伸べる筈もなく、代わりに彼らに差し向けられたのは クリーチャー化したビンディによる断罪の凶爪 であった…
こうして、最期は1人も生き残ることなくゾンビまたは醜く傷ついた死体へと成り果てた末、BSAAの部隊によって処分されるという因果応報な末路を辿った。 アリサもそうであるが、ぶっちゃけこいつらがイジメなんてしなければバイオテロは起こらずに済んだ。 だが、ゾンビになったもの。そのゾンビに襲われたもの。ビンディに虐殺されたもの。クリスの言葉を借りるなら彼らもまた被害者、もとい犠牲者である。
パンデミック状態の学園内において孤立無援状態だったリッキーの前にようやく表れクリスはリッキーと共に行動、ピアーズは救援要請に、メラは生存者を探しつつ講堂内の鎮圧に向かう。
「ああ・・・任せておけ!!」
親しくなった人たちを悉く失い絶望していたリッキーの前に現れ共に行動する事に、その後重体となっていたダグ教授のもとに向かうも人足遅くゾンビとなった教授と対面する。教授の預かりである極東支部のメラから処理を任されるが志願したリッキーにその役目を譲る事に。その後グラシアが教授に残していた手紙により脱出用のヘリが格納されている地下を目指すことに。
地下を進む途中C16となったナナンに襲われた為応戦する。ゾンビ化ガスに苦戦するもリッキー機転により空調を動かしたことでガスの排除に成功、ナイフ一本でC16を真っ二つにし勝利。無事ヘリへの道を開いた。
クリスの指示に従い学園外へ向かいつつ救援要請を行っていたが時間がかかるとの事で学園へ引き返す。変貌したビンディ相手に追い詰められていたメラを救出、その時車が駄目になってしまったためクリス達と共にヘリで脱出を目指す。しつこく追いすがるC16とビンディ相手に協力して奮闘するもビンディにとどめを刺した直後メラがC16によって致命傷を負ってしまう。最後はガトリングガンでC16にトドメを刺しメラの最後を看取った。最後に彼女からクリスの事を託されていた…。
生存者を探して構内を探索する内に礼拝堂にて異形化したビンディと対峙、最初は投降を呼びかけるも仕方なく応戦する事に。一時は圧倒するも蛹となり更に変貌したビンディに今度は追い詰められるもピアーズのおかげで事なきを得る。その後クリス達と合流するも更に変異し、C16を倒された事で激昂するビンディと三度戦う事に。なんとかビンディを打倒したが実はまだ息のあったC16からの一瞬の隙を突かれピアーズを庇う形で致命傷を負う。その後脱出ヘリの中で息を引き取った。
「…1人だけいたよ…俺の手で救える人が…」
マルハワ学園の調査を通じて事件の真相を暴き、グラシアに先んじてその黒幕であったビンディの本性に気づくも、後一歩のところでバイオテロは阻止成し得なかった。ビンディによって気絶させられ、意識を取り戻した時には既に学園は壊滅状態へと成り果てており、絶望的な状況下の中で親しい者、親しくなった者達を次々と失いながらも“BSAA”と合流し、救出に向かうも一足遅くゾンビ化してしまったダグ教授の介錯を涙ながらに引き受ける。そしてクリスの援護を行いながら彼らと共に元凶であるビンディと実験体C16を撃破し、今回の事件における(BSAA関係者を除いた)唯一の生還者となった。生還後は大学を中退し、行方不明となる。その後はジャーナリストとなって事件終結から数ヶ月後、バイオテロに見舞われた中国の蘭祥(ランシャン)を訪れている。そこにいると危ないよ。
ビンディをそそのかし、C-ウィルスのサンプルを渡して学園内におけるバイオハザードを引き起こさせた真の黒幕。地下通路内でリッキーに見つかり対峙する事となる。軽くあしらい彼にウイルスを注入しようとするもC16の乱入で失敗するもそのどさくさに紛れてまんまと逃げおおせる事に成功する。第3話他では、6のエイダ・ウォンと同じ靴を履いており、第30話・32話でやはりエイダと同じフックショットを使っている姿が描かれている。最終話では連絡を取り合っていた謎の人物に「エイダ」と呼ばれていた。なお、作中ではフードに隠されていて顔ははっきり描写されていないが…。事件後、C16の肉片を研究所に持ち帰り、新たなバイオテロの準備を始めたこと。これらの事から、その正体は後の『バイオハザード6』に登場するカーラ・ラダメスである事が伺える。
マルハワ学園を壊滅に追い込んだバイオテロは「不可解な事故」として全世界に衝撃をもって伝えられた。 リッキー達が目の当たりにした真実は、関わった人間が全員死亡した事で証明する方法が無く、裏で糸を引いていたフードの女の正体も結局わからずじまいという事でBSAA内のみの極秘事項になってしまった。 だが、事件の真相を調べていた一部のマスコミの手によってマルハワ学園が隠蔽し続けていた事件の数々が明らかになり、その異常性が全世界に暴かれる事になった。 皮肉にもビンディの思惑通りの結果となり、やがて事件は謎に覆われたままこう呼ばれるようになった…
『マルハワデザイア』
一方、クリスとピアーズも多数の死者を出したマルハワ学園のバイオテロに心を痛め、その戦いで命を落としたメラの死が大きな悲しみとして2人の心に刻み込まれた。
そしてこの因縁と悲劇は本編である『バイオハザード6』へと続く事になる。
掲示板
7 ななしのよっしん
2021/06/17(木) 09:40:15 ID: rUoGGR14kS
舞台版の「BIOHAZARD THE STAGE」も学園が舞台で時系列が5と6の間でクリスとピアーズが登場してたけど、マルハワ学園と比べると学生(一部を除く)はマトモな感じ
8 ななしのよっしん
2021/07/29(木) 20:46:54 ID: 45ePPMltQH
これ面白かったから映像化してほしいわ。
主人公やストーリー的にゲーム化は無理だろうし。
9 ななしのよっしん
2023/03/16(木) 23:00:58 ID: rUoGGR14kS
終盤で致命傷を負ったメラがピアーズにクリスのサポートを託して死に際に「バイオテロのない世界を作って(意訳)」と言い残したけど、のちにピアーズが死んだ上にBSAAがおかしくなった挙げ句にクリスがBSAAを見限る展開になってメラが浮かばれないよね
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最終更新:2025/12/09(火) 23:00
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