バイナリーオプション

バイナリーオプション（Binary Option）とは、金融商品の一種である。

外国為替証拠金取引がFXと略されるのに対し、バイナリーオプションはBOと表記されることがある。

概要

バイナリーオプションは、指定の満期時刻における為替レートを予想することによって利益を得る。

例えば「11時満期においてドル円113.00以上／未満」のオプションが販売されている場合において、11時の満期時刻においてドル円が113.00よりも上の場合には、「113.00以上」のオプション購入者はペイアウトを受けることができ、反対に「113.00未満」のオプションを購入していた人は購入額全額を失う。

オプションには次の4つのパラメーターが設定されている。

①オプションの判定時刻と権利行使価格

②オプションの買値

③オプションの（途中売却による）売値

④オプションの（満期時刻における）ペイアウト

①と④は業者によって固定である（1,000円のことが多い）が、②と③は次の要素によって常に変動している。

（イ）現在の為替レートと権利行使価格との価格差

（ロ）現在時刻と判定時刻との時間差

（ハ）現在の当該通貨ペアのボラティリティ（変動可能性）の大きさ

バイナリーオプションの基本的な考え方

例えばペイアウトが1,000円のオプションの場合には「ほぼ現在レート＝権利行使価格」の場合には、500円前後であるが、

・レートが有利なほうに離れており、判定時刻までの残り時間があまりなく、ボラティリティも低い場合には、②と③は1,000円に近くなる。

・反対にレートが不利なほうにはなれており、判定時刻までの残り時間が少なく、ボラティリティも低い場合には、②と③は0円に近くなる。

・レートが有利なほうに離れていても、残り時間が多くあり、ボラティリティが高い場合にはあまり価格は上昇しない。

・レートが不利なほうに離れていても、残り時間が多くあり、ボラティリティが高い場合にはあまり価格は下落しない。

という特徴がある。

FXの場合には、価格変動がそのままポジションの損益につながるわけであるが、BOの場合には「価格」「時間」「ボラティリティ」の3つが複雑に絡み合って損益に影響するわけである。

したがって、バイナリーオプションは（業者が宣伝しているように）初心者向けでは決してなく、それを裏付けるようにBO口座開設にあたっては「知識確認テスト」の合格が条件となっている。

バイナリーオプションと資金管理

BOはFX以上に資金管理の有無がトレードスタイルに大きな影響を与える。

それは「当たればペイアウト、外れれば全額没収」というように、勝ち負けの基準がはっきりとしているからである。

ただ、それは前向きにとらえれば「ポジションをとった時点で最大損失と最大利益が決まっている」ということであり、仮に相場が暴落したとしても購入金額が全額吹き飛ぶ（オプションの価格が0円になる）以上の損失は発生しないといえる。

しかし他方で「全額プッシュ」のようなことをしていると、1回レートが0.1銭ずれただけで全資産が吹き飛ぶという恐ろしさもある。

したがって、ギャンブル的なトレードとなりやすい側面がある。

バイナリーオプションの手法例

下記は単体で用いるというよりも、複数を組み合わせることが好ましい。

価格を重視した手法①「節目価格」を意識した逆張り・順張り

113円ちょうどや、50銭、25銭などその通貨にとって重要になるキリ番を意識する。

その価格の前後では、価格が止められたり、ブレイクで一気に伸びることもあるが、BO業者の設定は節目価格であるかどうかにかかわらず一定なのでその設定のずれを狙う。

価格を重視した手法②目標値を意識し逆張り・順張り

一目均衡表の波動論やエリオット波動論などによって「このレートまではいきそう」ということを算出することができる。

例のごとくBO業者の設定は、目標値がいくらかどうかにかかわらず一様なのでその設定のずれを狙う。

時間を重視した手法①「東京仲値」や「ロンドンFIX」などの重要時間帯

9時55分の東京仲値決めや24時（または25時）のロンドンFIXは、価格が大きく伸びる／反転する可能性の高い重要な時間帯である。

例によってBO業者は、そのような時間帯があるかどうかにかかわらず設定が一定なので、ゴトー日などの性質と設定がずれているところを狙う。

時間を重視した手法②垂直線を活用した押し目・戻り間隔を意識

垂直線はBOでは極めて重要である。

押し目や戻り高値に垂直線を引き、そのレートを付けた時刻や時間間隔をチェックする。

いつも通り、BO業者は押し目や戻り高値の間隔を考慮しないので、そのずれを狙う。

ボラティリティを意識した手法①ボラティリティが変化する時刻を意識

ロンドン時間の入りなど、ボラティリティが大きく変化する時刻を狙う。

BO業者の設定は、（同じタイムフレームであれば）残り時間が短くなればなるほどボラティリティが減少すると考えるので、それとのずれを狙う。

ボラティリティを意識した手法②残り時間に対するボラティリティ予想値を意識

指標発表後などはボラティリティが増加する場合がある。

残り時間が短くなってもボラティリティは却って上昇する場合もあるので、残り時間の減少とともにボラティリティは減少すると考えるBO業者設定とのずれを狙う。

バイナリーオプションのバリエーション

最も一般的なのは「満期時刻にここから上なのか下なのか」を予想するラダーオプションであるが、それ以外にも次のようなタイプが存在する。

・レンジインオプション：指定された価格内に収まる場合にペイアウトが発生する。

・レンジアウトオプション：指定された価格外になる場合にペイアウトが発生する。

・タッチオプション：指定された価格を一瞬でもつけるとその瞬間にペイアウトが発生する。

・ノータッチオプション：指定された価格を一度もつけなければペイアウトが発生する。

バイナリーオプションの取扱業者と満期時刻一覧

・GMOクリック証券：11時、13時、15時、17時、19時、21時、23時、25時、27時、29時

・FXプライムbyGMO：10時、12時、14時、16時、18時、20時、22時、24時、26時、28時

・ヒロセ通商：10時25分、12時25分、14時25分、16時25分、18時25分、20時25分、22時25分、24時25分、26時25分

・FXトレードフィナンシャル：9時20分、11時20分、13時20分、15時20分、17時20分、19時20分、21時20分、23時20分、25時20分、27時20分、29時20分

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関連項目

• FX
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