バオー来訪者とは、荒木飛呂彦の漫画作品である。
これがッ!これがッ!これが『概要』だッ!!
週刊少年ジャンプで、1984年~1985年にかけて全17話が連載された漫画作品。
1989年には劇場アニメ化を果たした(後にOVA版として販売された)。
後に長期に渡り連載される「ジョジョの奇妙な冒険」の前身として描かれていた漫画。ストーリーは全2巻分の打ち切りじみた短めの内容ではあるが、戦闘描写やストーリー展開などはいずれも完成度が高く、話の完結も上手くまとまっており、現在でも「ジョジョ」に劣らないほどの高い評価を得ている。
(作中の擬音やバオーが使用する技の名前など、後に「ジョジョ」でも評判となった荒木飛呂彦作品の要素の数々が、この頃から既に見られる。また、バオーの使用する能力などは「ジョジョ」でもいくつかが再登場を果たしている)
2000年には文庫版が発売、1冊で全ての内容が読めるようになった。
ちなみにタイトルの「バオー(BAOH)」とは、後述するとおり主人公の名前ではなく主人公の体内に宿っている寄生虫の名前を指している。バオーの力で変身した育朗を指して用いられる事が多いのだが、厳密には異なる。
また「来訪者」の部分は育朗の台詞「ぼくはおまえらにとって脅威の来訪者となるだろう!」及びウォーケンがバオー(育郎)を迎えた時の台詞「ようこそ来訪者」から来ているものと思われる。
作者・荒木飛呂彦に曰く、「カッコイイけど悲しいお話」らしい。
続編を望む声も多く、原作2巻の巻末においても、夢枕獏をして「この物語の続編は、やがて必ず描かれねばならないものであろう」と言わしめている。
しかし、荒木自身は「自分の中ではもう終わった話だから」として、続編を執筆する予定は無い事を表明している。
ストーリー!その内容は絶対に外にもれてはならないッ!
秘密研究機関『ドレス』によって開発された生物兵器「バオー」に寄生された天涯孤独の青年・橋沢育朗。
予知能力を持つがゆえにドレスから追われる身の超能力少女・スミレ。
ドレスは貴重な研究の成果であるバオーの情報を外部に漏らさぬよう、2人を始末するべく次々と刺客を送り込むが、育郎はバオーの驚異的な能力でことごとく返り討ちにする。
しかし、サイボーグ・ドルド中佐の手によりスミレはドレスに囚われの身となってしまう。
育郎は、スミレを取り戻すため、ドレスの研究施設へと向かう。
育郎とスミレの、ドレスからの逃避行、そして戦いを通じての成長を描く。
ドッゲェーッ 登場人物!
- 橋沢育朗(はしざわ いくろう)
- 主人公。家族旅行中に交通事故に遭って天涯孤独となった過去を持ち、自身もドレスに「実験体」として拉致されたのちバオーを寄生させられる。その後ドレスの研究施設へ移送される際にスミレによって目覚めると、彼女と共にドレスから追われる身となる。そしてドレスの刺客との戦いを経て自身の中に眠る「謎の力」で武装現象(アームド・フェノメノン)をはじめ様々な能力を発揮し、ドレスに戦いを挑む。当初は寄生していたバオーが宿主たる育郎の危機を察知しては育朗に戦う力を提供していたが、ストーリー終盤では育郎自身の意志でバオーの能力を制御できるようになっている(と思われる描写になっている)。
ラストではドレス秘密研究所の爆発に共に巻き込まれ海底に眠り続ける事でストーリーは閉幕となるが、スミレは最後に「スミレが17歳になった時に育朗と再会できる」希望の未来のビジョンを見ている。
アニメ版の声優は堀秀行。また2013年に発売されたPS3版ソフト『ジョジョの奇妙な冒険 オールスターバトル』で荒木作品繋がりで出演を果たし、こちらでは内山昂輝がCVを担当している。
- スミレ
- 本作のヒロイン。孤児院の出身で、予知能力を持つことからドレスに「実験体」として一目置かれている。元々育郎と同じ移送用列車に乗っていたが、逃亡を図る際に育郎と出会い、そのまま2人での逃避行へ。
ストーリー後半からはドレスに拉致され、育郎をおびき出す囮にされてしまい、尚且つ致命傷を負わされてしまうが、バオーの血を飲んで蘇生を果たす。
最後は逃避行中に世話になった、六郎じいさん夫妻の養子となって育朗との再会を待ち続ける。
アニメ版の声優は日高のり子。
- ノッツォ(サニー・ステフェン・ノッツォ)
- ドレスの研究から生まれた、新しい動物(♀)。見た目はリスやカコミスルのような小動物で、スミレになついている。ヒザにヤマアラシのようなトゲがあり、餌を突き刺して殺す。普段は折りたたんである。
ゴ○ブリが好物で、そのトゲで捕まえてバリバリと食べるシーンがある。
- 女(ソフィーヌ)
- ドレスに所属する女。スミレに飲ませようとした薬が危険な薬物であると気付かれ、スミレに逃亡されてしまう。結果的に育郎にも一緒に逃亡されることになる。
原作ではその責任をとらされ、顔を潰された身元不明の死体として海岸に浮かぶことになる。
アニメ版では物語終盤まで生存しており、霞の目博士と行動をともにしている。また原作では名前がなく、ソフィーヌという名はアニメ版のみである。声優は井上瑤。
- 霞の目博士
- ドレスの研究者。「なぜならッ!」が口癖のマッドサイエンティスト。
寄生虫バオーを生み出したのも彼の功績で、他にも遺伝子操作を行った数々の動物を生物兵器として運用するべく実験を行っている。バオーを寄生させた育朗を逃がした責任をドレス幹部達から問われ、自身の名誉の回復を図るべく刺客を差し向けては育朗達を抹殺しようとする。
彼に曰くバオーは、「自身の最高傑作」らしい。
アニメ版の声優は永井一郎。
- 第22の男
- ドレスが育郎達に差し向けた最初の刺客。顔を横に走った傷が特徴。
育朗をナイフで襲うが逃げられ、二度目の襲撃で一時は追い詰めたが、最後はバオーに顔を溶かされ死亡した。
- 仮面の男たち
- 合衆国政府と関係があるという、ドレスの幹部らしき男達。研究所にて、バオーを寄生させた犬を虎と戦わせるという、霞の目博士によるデモンストレーションを視察する。
- マーチン&包帯の男
- ドレスによって肉体を増強され、戦闘訓練を積んだ戦闘用の大型のマンドリルと、その専属の訓練師の男。マーチンは高い身体能力のみならず、体内には無味の毒ガスや攻撃用ワイヤーなど様々な武器を隠し持っている。包帯の男はマーチンにムチの風を切る音で戦闘指示を出す。顔が包帯で覆われているのは、訓練中にマーチンにじゃれつかれて重傷を負わされた後遺症らしい。ドッゲェーッ!
- 六郎じいさん&婆さん
- 育郎とスミレが逃避行中に立ち寄った、山奥に住むマタギ(猟師)の老夫婦。
最初は育朗達を警戒していたが、育朗の紳士的な態度に「先祖代々のマタギのしきたり」に従い育朗達に一夜の宿を提供。しかし、ドルドの催眠術によって、育郎を殺そうとしてしまう。
最後はスミレを養子として引き取り、共に生活している。
- ドルド(サイボーグ・ドルド中佐)
- 自称「戦場で2500人を殺した男」。かつて戦場で爆弾によって瀕死の重傷を負い、身体の大部分をサイボーグ化するというシュトロハイムを彷彿させる容姿をしている。
見た目のみならず戦闘能力も高く、全身に銃火器や遠隔操作が可能な義手など数々の武装を備えている。また特殊な超音波を発して動物兵器「芳香蝙蝠(アロマ・バット)」を操ったり、六郎じいさんを洗脳機械で催眠状態にしたりと多芸な人物。育郎を殺せないと悟ると、育郎をおびき寄せる餌としてスミレを誘拐する。
- ブァァカ者がァァァ! ドレスの科学力は世界一ィィィィィィィ!
アニメ版の声優は池田秀一。同氏がCVを担当するゆえか、失敗続きで焦りだしていた事もあった漫画版と異なり、アニメ版のドルドは大きく性格が変化している(冷静な性格になっている)。原作では度重なる任務失敗の焦りから単独行動に走ったためウォーケンによって処刑されるが、アニメでは研究所に侵入しようとする育郎をヘリから狙撃しようとしたところを反撃に遭い、ヘリごと爆発して散る。
- ケイン&ブラッディ
- 爆弾を扱う2人組の戦闘員。スミレを追ってドレス研究所の敷地内に現れた育郎の前に立ちはだかるが、新しい能力バオー・ブレイク・ダークサンダー・フェノメノンによってあっけなく撃破される。
- ウォーケン
- 霞の目博士に曰く「地上最強の超能力者」。本作のラスボス。
- 原作の設定ではアメリカ・インディアンのスクークム族の最後の生き残り。(アニメ版では、霞の目博士が「スクーム族」と発言している)
戦いと殺戮に生き甲斐を見出す男。霞の目博士の命によりドルド中佐を処刑する。
分子を自在に振動させる超能力で、あらゆる物体を振動させ破壊したり液体を瞬時に沸騰させるなどの未知数の力を持つ。
- 普段は特殊なヘッドホンでその超能力を抑えているが、最初の戦闘でヘッドホンが外れ、暴走するままに育郎との最後の戦闘へ。ちなみにアニメではヘッドホンではなくバンダナになっている。
アニメの声優は屋良有作。
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『ニコニコ市場』!宣戦布告だ!いくぞ!おまえたちの所にッ!
ぼくは、おまえらにとって、脅威の買い物客となるだろう!!
コミュニティへようこそ、来訪者。
この神秘的な関連項目こそ、ワシの墓場にふさわしかろう。
さらば「バオー」!さらばニコニコ!