バクゥとは、機動戦士ガンダムSEED及び機動戦士ガンダムSEED DESTINYに登場するザフト軍の陸戦用モビルスーツである。型式番号はTMF/A-802。
モビルスーツと言えば人型が占める中、バクゥは四足歩行での移動を採用している。外見は獣に翼を取り付けたような姿をしており、ガンダムシリーズを通して見ても異彩を放つ機体。
人型ではないが、モビルスーツとして分類されている。
地球侵攻作戦を計画するにあたり、ザフト軍は地形の悪い砂漠地帯や雪原地帯、岩石地帯を走破して制圧する兵器を求めていた。アジモフ設計局がバクゥの基本設計を提出し軍部が採用、バクゥの量産が決定する。
四足歩行での移動を行うバクゥは従来のモビルスーツと比べて高い走破性を持っており、砂漠地帯などで運用された。ふくらはぎ部分に無限軌道(キャタピラ)を備え付けた事で、砂地であっても高い機動力を発揮し、地球軍の主力戦車リニア・ガンタンクでは全く歯が立たなかった。
基本武装は2連装レールガンと13連装ミサイルランチャーの選択式。GAT-Xシリーズ強奪後はビームサーベルの技術も組み込まれ、頭部にビームサーベルを装備した後期型が登場。近接戦闘能力の向上に成功している。劇中ではバルトフェルド隊が好んでバクゥを使用した他、アラスカ攻略戦にも参加。高い機動力を活かして守備隊の機甲戦力をあっと言う間に壊滅させる等の戦果を挙げた。
砂漠から極寒地帯まで使用できる設計、足と無限軌道、さらには翼のスラスターによる旋回能力からなる高い機動性など、地上戦専用の量産型MSとしては極めて優秀な性能を誇る本機だが、前面の装甲強化を意識しているため比較的腹部の装甲が弱い。(無限軌道での移動を行う際、伏せの姿勢になるのは腹部をカバーする効果もある)
胴体両側に翼がつく構造のため、ひっくり返された状態で転倒すると自力で起き上がることが難しく、弱点となる腹部を長時間晒してしまう短所がある。
C.E.70年5月30日、要衝スエズを巡って北アフリカのエル・アライメンでザフト軍と地球軍が激突。モーガン・シュバリエ大尉率いる戦車部隊と、マーチン・ダコスタ率いるザウート隊が交戦するが、地球軍の巧みな戦術でザフト軍は敗退一歩手前まで追い詰められる。その窮地を救ったのが、バルトフェルド率いるバクゥ隊であった。高い機動力を以って戦車部隊を壊滅させ、見事逆転勝利を飾った。バクゥの強大さを嫌でも知らされたシュバリエ大尉は、この敗北を機にモビルスーツ開発に注力していく。一方、勝利したザフト軍は北アフリカ沿岸を制圧。地球軍のビクトリア基地を目指して南下を開始し、アフリカ戦線が生起した。
C.E.71年2月14日、アークエンジェルがリビア砂漠に降下。バルトフェルドはバクゥを率いて攻撃を開始する。またバルトフェルド隊はレジスタンス組織「明けの砂漠」が拠点としているタッシルを見せしめに焼き払い、戦闘能力を削っている。2月28日、紅海方面へ脱出しようとするアークエンジェルを攻囲し、バクゥ5機を発進させるが、バルトフェルド隊敗北。バクゥも全滅する。
5月8日のオペレーションスピットブレイクでは、アラスカ基地を攻撃。高い機動力で、リニア・ガンタンク部隊を壊滅させる活躍が描かれた。しかし敵地奥深くに切り込みすぎたのが仇となり、サイクロプスに巻き込まれて相当数が撃破されてしまった。6月18日のビクトリア基地防衛戦では、ダガー1機を撃破したが戦闘自体は敗北し基地を奪還されている。
続編の機動戦士ガンダムSEED DESTINYでも地上駐留軍の戦力として活躍を続けており、地球が舞台になっているエピソードでは度々その姿を見ることが出来る。
(ちなみに、DESTINYでは二足歩行の状態からバクゥのように四足歩行に変形できるガイアガンダムが登場する。バクゥシリーズの開発運用データも反映されているであろうことは想像に難くない)
STARGAZERにも登場し雪原でファントムペインと交戦する。通常のバクゥの他、後述のケルベロスバクゥハウンド3機も投入されブルデュエルを撃破する戦果を挙げているが、ストライクノワールによって全機撃破された。
TMF/TR-2:戦術偵察タイプ
威力偵察を主としているため、戦闘能力を持ちつつ情報収集を行えるようにした改造機。ステルス機能も搭載しており、レーダー類への対策が施されている。(あくまでレーダー類へのステルス機能であり、ブリッツガンダム等の光学的に消える機能までは搭載していない)
背部のレドームが目立つほか、センサー類に固められた頭部が特徴的。
店頭プロモーション用に製作されたガンダムSEEDASTRAYのOVAでは全身が一瞬ながらも映るほか、ストーリー上のキーアイテムとして頭部が登場している。
TMF/A-802 P-Mod.W:バルトフェルド専用改修タイプ
次世代機開発のためのデータ採集を目的とした実験機。当機の開発を経たことでラゴゥが誕生することとなる。
複座式のコクピットの採用、構造材の変更や胴体部にジェットエンジンの追加、合金製のサーベルファングやスパイクの装備などさまざまな改造を施された結果、通常機を超える攻撃力と高機動力を手に入れた。その性能についていけるパイロットがバルトフェルド以外におらず、彼も当機に惚れ込んだことから当機はバルトフェルド専用機となった経緯がある。
ラゴゥに専用機の座を譲ってからはジブラルタル基地の倉庫に保管されていたが、後に紛失(ということになっている)
現在はジャンク屋の作業用モビルスーツになっている。
型式番号TMF/A-803を与えられた、バクゥの上位互換機。カラーはオレンジ色。指揮官用に少数が量産され、配備された。複座式となっており射撃手と操縦手が搭乗する。体躯はバクゥより一回り大きく、バクゥよりさらに高い機動力を発揮する。
当初からビーム兵器を搭載する予定だったため、背部のターレットには2連ビーム砲を備える。ラゴゥが複座式の操縦系統となっているのは、このビーム砲を運用するための大型ジェネレーターを搭載したため機体も大型化し、操縦系の複雑化を招いたことに起因する。
しかし、一人が機体操作に専念できるため、頭部のビームサーベルと足先のクローを混ぜ合わせた接近戦を挑む、というバクゥでは活用しきれない戦法を取ることも可能となった。
高性能である分、パイロット同士の高い連携と腕前を要求してくるのも当機が少数生産であった理由と思われる。地球連合側と比べて人員不足に悩むザフトとしては、エース級の腕前をもつパイロットを二人も必要とする本機の運用は難しいであろうことは想像に容易い。
劇中では砂漠の虎ことアンドリュー・バルトフェルドと恋人のアイシャが搭乗し、エールストライクガンダムと干戈を交える。地の利を活かした攻撃とスピードで翻弄し、前足を一部失いつつストライクガンダムをフェイズシフトダウンまで追い込んだものの、最期はアーマーシュナイダーを突き立てたてられて撃破される。劇中の登場はストライクとの一戦のみと出番には恵まれなかったが、印象に残る機体の一機である。
度々アンドリュー・バルトフェルドをパイロットとしてガンダムSEEDが登場するゲーム等に出演している。
バクゥも登場している場合はもちろん上位機種相当のステータスを与えられているのはお約束。
機動戦士ガンダムSEED C.E.73 STARGAZERに登場するバクゥの派生機。型式番号はTMF/A-802W2。カラーは黒色(コミックなどの派生作品でパーソナルカラーに塗装されている機体も存在している)。
ユニウス条約締結によりモビルスーツの保有数を制限されたザフト軍は、延命も兼ねてバクゥの改修機を開発した。ザクで盛り込まれたウィザードシステムをバクゥに流用。ターレット部分に他機種からも流用可能なバックパックを搭載した。バクゥの運用の幅が拡張されたのである。
だが、本来人型MSを前提とした装備であるウィザードは、そのままでは使用できない装備もある。そこで、2連装のスラスターと、バクゥ本体と同様の多重関節を使用した2つの「首」を備えたバクゥ専用のケルベロスウィザードが製作された。双頭のウィザードを装備したバクゥの姿は本体の首とあわせて三つ首となり、伝説の獣ケルベロスを再現した姿となる。
ウィザード側の頭部にはビームファングシステムの他にビーム砲も搭載されているが、これらは有効射程が短い反面連射性能を高く設計されており、近距離での制圧能力を重視した接近戦よりの装備と見ることができる。同時にスラスターの増設が行われ、機動力向上によって敵機への肉薄を容易なものにしている。
また、本体も改造が行われている。大きく変化した部分としては頭部に装甲とビームサーベルの発振器が追加された。通常のバクゥとの見分け方としてはこの頭部が挙げられる。
ケルベロスウィザードそのものはザクウォーリア生産開始ごろには完成しており、準専用といったところではあるがウィザードシステムに対応した機体なら搭載可能。
SEED派生作品の漫画⊿アストレイにて、ウィザードの首に干渉しないよう、両肩をスパイク装備にしたケルベロスザクの姿を見ることが出来る。
また、FRAME ASTRAYSではブレイズウィザードを装備したブレイズバクゥハウンドも登場している。
映像作品では機動戦士ガンダムSEED C.E.73 STARGAZERの第二話に登場。連合軍の陸上戦艦ボナパルト攻撃に投入され、通常のバクゥやザクとともに作戦行動を行う。バクゥの攻撃で行動不能になったブルデュエルに3機がかりで襲い掛かり、ビームファングを突き立てる。これによりパイロットのミューディーは惨殺。他ガンダムシリーズと比べても指折りに惨い死亡シーンといっても過言ではなく、その様子はまさに獣の捕食。一部の視聴者に恐怖とトラウマを与えた。
直後、仲間を殺されて怒りに燃えるスウェンのストライクノワールが現れ、そちらの迎撃に向かうも殆ど何も出来ないまま全滅させられた。全体で見れば、ケルベロスバクゥの出番は1分未満だった。
バクゥハウンドの全滅を以って、ザフト軍の攻撃隊は壊滅した模様。
……と、劇中ではインパクトこそ残したものの以降まったく登場がないにも関わらず、STARGAZER自体の新規登場機体が少なかった恩恵かHGシリーズのガンプラとして登場。本機のパーツ・カラーを一部変更した派生キットという形でノーマルバクゥが登場するという本編設定と逆の登場を果たした。このキット化がなければノーマルバクゥが発売されることはなかったかもしれない。
四足歩行、動物型というデザインからゾイドシリーズと比較されることが多いバクゥだが、バクゥにはゾイドシリーズやデジタルモンスターシリーズの影響がある、と福田監督は語っている。
しかもデザインに加え、製作・放送局の系列が同じで放送曜日・放送時間も同じという彷彿とさせやすかった要因もあるため、見比べる人が多いのも当然である。
(放送はゾイドの後、ウルトラマンコスモスをはさみSEEDの放送開始という順になっている)
ちなみに、あくまで1/144スケールキットでの比較ではあるが、ゾイドと並べる場合サイズ的にはちょうどこの機体と並ぶくらいの大きさになるらしい。
初期デザインでは四足というところは同じであったが、脚部の先端がキャタピラになっている上、ガンタンクやギガンのように人型の上半身に肩部キャノン砲と腕部ミサイルランチャーと思われる装備を搭載した機体だった。
その後、監督より動物型のリクエストを受け、現在のバクゥに近いデザインが誕生する。大きな違いは羽がないことと、ロケット部が後脚についている点。
ここからさらに監督の要望を受け、現在のバクゥが誕生する流れとなった。
だいぶ以前の画像のためTwitter上では削除されているが、2020年時点で『バクゥ 決定稿』等のキーワードで検索をするとアイディア稿から決定稿までの画像5枚を確認することが可能。
バクゥシリーズは幸いにも、『SEEDタイトルで映像化された機体はほぼすべてHGで出ている』こともある意味ひとつの特徴である。
SEEDシリーズはガンダムの名を冠する機体が多く、ガンプラの種類も多い。
その反面、SEED量産機は一部を除きコレクションキットで出たくらいで、HGシリーズで出ていない機体も多い。
そんな中バクゥはラゴゥ、バクゥハウンドとバリエーションが完全に出そろった上、アストレイのオプションパーツとして偵察タイプの頭部が付属する(本体を用意すれば頭部を換装することも可能)など、ガンプラの派生はかなり恵まれていると言えるだろう。
映像化の対象をガンダム作品全体とした場合、ガンダムビルドファイターズに登場したバクゥタンクが存在するため、全キット化は未達成となる。
掲示板
64 ななしのよっしん
2024/02/19(月) 23:14:40 ID: QjcRi8aBq/
地上の王者どころか重力下であればコロニー内でも現役だと判明
そらこいつの後継機より他機体の開発が優先されるわ
65 ななしのよっしん
2024/03/13(水) 10:40:08 ID: 6X4JO2ml6+
実際市民にも人気あるだろうからなバクゥ
犬っぽい挙動をさせるのが上手い広報官とかいそう
66 ななしのよっしん
2024/03/20(水) 09:01:59 ID: QjcRi8aBq/
お前オーブにも採用されてたのかよ!そして魔改造どころか原型ほぼそのままかよ!
急上昇ワード改
最終更新:2024/04/26(金) 05:00
最終更新:2024/04/26(金) 05:00
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